自己資金を用意することで、フラット35(買取型)に比べて低金利に利用できるクレディセゾン フラット35(保証型)。「セゾン会員なら割引が受けられる」など評判です。しかし口コミは買取型とまとめて記載されていることも多く、実際のところどうなのかと契約を迷っている人も多いのではないでしょうか?
今回は口コミや評判が本当かを確かめるために、以下の3つの観点から検証を行いました。
さらに、ほかの人気フラット35とも比較。検証したからこそわかった、本当のよい点・気になる点を詳しく解説していきます。申込の流れだけでなく、繰上げ返済が可能か、審査に落ちたときの対策などもご紹介。フラット35選びに迷っている人はぜひ参考にしてみてください。
大学卒業後に銀行員として勤務、法人顧客の経営支援・融資商品の提案や、個人向け資産運用相談を担当。 2020年にマイベストに入社、自身の銀行員時代の経験を活かし、カードローン・クレジットカード・生命保険・損害保険・株式投資などの金融サービスやキャッシュレス決済を専門に解説コンテンツの制作を統括する。 また、Yahoo!ファイナンスで借入や投資への疑問や基礎知識に関する連載も担当している。
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がん団信の上乗せ金利も低め。対象のがんと診断された時点で100%保障が受けられる「がん100」を調べたところ、上乗せ金利は0.11%でした。比較した多くのサービスが0.24%上乗せだったなか、総返済額を抑えながらリスクに備えられるといえます。余命6か月以内と診断された際に保証対象となるリビングニーズ(余命宣告)が基本保障に含まれているのも特徴です。
分割融資・つなぎ融資に対応しているのも利点。複数回の支払いが必要な、注文住宅購入に対応できます。比較した一部ローンでは分割融資非対応だったため、注文住宅を考えている人は注意してくださいね。ほかにも、住宅購入価格の100%までお得に融資を受けられるフラット35PLUS・フラット50などプランが豊富です。幅広いニーズに対応できるでしょう。
セゾンカード会員なら、融資を受ける際に優遇を受けられるプランも。セゾンカード・UCカード会員限定で暮らしに役立つ優待特典が受けられる「SAISON ライフサポート」も用意されていました。引っ越し代の割引・不用品買取価格アップといったメリットがあり、「セゾン会員なら割引が受けられる」との口コミどおりといえます。
ただし、頭金なしで融資を受けることはできません。比較した半数以上のローンが頭金なしに対応していましたが、クレディセゾン フラット35(保証型)はまとまった金額が準備できない人には向きません。執筆時点ではネット申込にも非対応でした。2024年中には申込オンライン化を予定しているため、確認してみてくださいね。
事務手数料は融資金額の3.3%以内とやや高いものの、一時的な出費なためそこまで気にする必要はないでしょう。金利が低いため、トータルの返済額を大きく減らせる可能性が高いローンといえます。がん団信の上乗せ金利も低いため、もしものときに備えたい人もぜひ検討してみてくださいね。
<おすすめできない人>
今回ご紹介するのは、日本の大手クレジット会社クレディセゾンが運営するクレディセゾン フラット35(保証型)。保証人が不要で、最長35年の固定金利で借りられる住宅ローンです。自己資金の割合が多いほど、金利が安くなるシステムを採用しています。
「保証型」とは、住宅金融支援機構が金融機関が提供する住宅ローンに保険をつけて保証するタイプ。クレディセゾンでは、住宅金融支援機構が銀行から住宅ローンの債権を買取る「フラット35(買取型)」も提供しています。
そもそもフラット35とは、全国300以上の金融機関が住宅金融支援機構と提携して扱う全期間固定金利型の住宅ローンです。金利や手数料は、金融機関ごとに設定されています。
民間の固定金利住宅ローンと異なり、年収や勤続年数の制限がないのが魅力。原則として次の2つの条件を満たせば申込が可能です。
<フラット35の利用条件>
また、住宅ローン専用の生命保険である団信(団体信用生命保険)への加入が任意なのも特徴。団信に入らなくても契約することが可能です。「持病があり団信の審査に落ちてしまい、民間の住宅ローンに申し込めなかった」という人にとっても心強い存在といえます。
フラット35は民間の全期間固定住宅ローンと比較すると金利が安い傾向にありますよ。
今回はクレディセゾン フラット35(保証型)を含む、フラット35を実際に調査して比較検証を行いました。
具体的な検証内容は以下のとおりです。
返済総額を左右する金利が安いのが大きな魅力。頭金1割の金利は年1.73%とかなり低めで、比較したサービス全体の平均年1.95%を大きく下回りました。比較したなかには、年3.86%とクレディセゾン フラット35(保証型)の2倍近くしたものも。クレディセゾン フラット35(保証型)は、「低金利に利用できる」との謳い文句にも頷けます。
頭金2割の金利はさらに低くなり、年1.65%。こちらも比較したサービス全体の平均年1.94%を下回りました。比較したなかで、1.80%以下だったのは数個のみ。こちらは頭金が1割・2割のどちらの場合も金利をしっかり抑えられるため、頭金を用意できる人にとって有力な候補といえます。
フラット35に対応している金融機関であれば、どこでも「子育てプラス」という制度を利用できます。
子育てプラスとは、子育て世帯または若年夫婦世帯に対し、子どもの人数等に応じて全国一律で一定期間借入金利を引き下げるもの。たとえば若年夫婦世帯または子ども1人の場合、当初5年間年0.25%金利引下げとなります。該当する人はチェックしておきましょう。
がん団信の上乗せ金利も低め。団信とは、死亡や病気にかかったときに住宅ローン残高が免除される保険です。クレディセゾン フラット35では、保証する範囲が異なる「がん100」「がん75」の2種類を展開。今回は住宅ローンの返済負担が100%保証される「がん100」を検証しました。
がん100の上乗せ金利は0.11%。比較した多くのサービスが0.24%上乗せだったことを考えるとかなり低めでした。日本人の約半数ががんにかかることを考えると、ぜひ加入を検討しておきたいところです。
対象のがんと診断された時点で保障対象となり、基本保証として死亡・高度障害への保証あり。さらに、リビングニーズ(余命宣告)が含まれているのも特徴です。余命6か月以内と診断された際に保障の対象に。比較したなかで、リビングニーズが保証内容に含まれていたのは半数以下でした。
さらに金利を上乗せすることで、全傷害疾病付団信も選べます。病気やケガにより就業不能状態が12か月を超えて継続した場合、住宅ローン残高が0円に。予算や健康状態に合わせて検討してみてください。
分割融資やつなぎ融資(つなぎローン)があるのもポイントです。
注文住宅を建てる場合、土地購入時や工事着手時など複数回の支払いが必要になります。通常の住宅ローンは複数回の支払いに対応していないので、注文住宅分割融資や、つなぎ融資が不可欠。比較した多くが分割投資に対応していましたが、一部非対応のところもあったので確認しておくとよいでしょう。
分割融資・つなぎ融資だけでなく、ほかの商品ラインナップも豊富です。たとえばフラット35買取型・フラット35PLUSを併用すれば、併せ融資により住宅購入価格の100%まで融資を受けることが可能。フラット35単独で100%融資を受けるよりお得になるうえ、セゾンカード会員なら最大0.9%の優遇を受けられます。「セゾン会員なら割引が受けられる」との口コミにも納得です。
ほかにも、最長50年の全期間固定金利住宅ローンであるフラット50・リフォームローンなどを展開中です。さまざまなケースに対応できるため、ぜひチェックしてみてください。
分割融資は、つなぎ融資より低めの金利で利用できるのがメリット。対して、つなぎ融資は、事務手数料や登記費用が分割融資よりも低めに抑えられる可能性があります。
セゾンカード・UCカード会員の場合、クレディセゾン フラット35の契約者限定で「SAISON ライフサポート」が受けられます。
「SAISON ライフサポート」とは、引っ越し・電気の契約・家電購入といったシーンに合わせて暮らしに役立つ優待特典が受けられるもの。料金の割引や、フィットネス無料体験といった特典から選べます。セゾンカード・UCカード会員なら、ぜひチェックしておきたいところです。
以下にいくつかピックアップしたので、参考にしてみてください。
<引越し>
<レンタルスペース>
<商品買取>
<ライフラインやセキュリティ>
<家具・家電>
<生活を便利にするサービス>
<フィットネス・習い事・修理>
<家族で利用できるサービス>
クレディセゾン フラット35(保証型)を調べた結果、見つかった気になる点は3つです。頭金なしの取り扱いがなく、事務手数料は高め。ネット申込にも非対応なため、契約までを手間に感じる人もいるでしょう。
クレディセゾン フラット35(保証型)は、頭金なしでの借り入れができません。最低1割の頭金が必要なので、4,000万円の借り入れなら400万円を自分で用意する必要があります。比較したローンの半数以上は、頭金なしに対応していました。まとまったお金の準備が難しい人は、ほかを検討するとよいでしょう。
頭金が貯まるまで待てない人は、クレディセゾン フラット35の買取型を検討してみるのもひとつの手。買取型なら物件価格の100%まで融資を受けることが可能です。ただし、そのぶん金利は保証型より高くなることも覚えておきましょう。
事務手数料が融資金額によっては高くなる可能性があるのも気になるところです。事務手数料は、融資金額に対して一定の割合を支払う定率型を採用。手数料率は最大3.3%で、最低事務手数料は220,000円に設定されています。
仮に申込金額が4,000万円の場合は、最大で1,320,000円もの事務手数料が発生します。これは比較したローンの平均約767,000円の2倍近い金額です。比較したなかで1,000,000円を超えたローンは一部だったことを考えても、クレディセゾン フラット35(保証型)は初期費用を抑えたい人に不向きといえます。
クレディセゾン フラット35(保証型)は、ネット申込には非対応です。契約時には直接取り扱い代理店まで出向き、対面でスタッフと話す必要があります。比較した半数近くのローンがネット完結だったことを考えると、手間に感じる人もいるでしょう。
また、取り扱い代理店は全国に展開しているわけではありません。住んでいる地域によっては、県をまたいで出向かなければならない場合があります。定休日は取り扱い代理店によって異なりますが、土・日・祝日が多い傾向に。仕事が休みの日に来店したい人は、日程調整がしにくい可能性があります。
取り扱い店舗がある県は以下のとおりです。営業時間・定休日など詳しい情報を確認したい人は、公式サイトをチェックしてみてくださいね。
<取り扱い店舗がある都道府県>
クレディセゾンでは、フラット35の申込手続きオンライン完結・審査自動化を開始すると発表しています。
6月発表時点では、オンライン申込による事前審査は2024年秋、本審査は2024年内を予定。急いで住宅を注文したいというニーズに対応しやすくなると考えられます。
適用金利(頭金1割) | 年1.80% |
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適用金利(頭金2割) | 年1.72% |
適用金利(頭金なし) |
良い
気になる
繰上返済手数料 | 0円 |
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分割融資可能 | |
自社ATM利用手数料(平日) | |
自社ATM利用手数料(土日) | |
コンビニATM利用手数料 | 110円(入出金額10000円以下) 220円(入出金額10001円以上)※セゾンカードの利用が条件 |
返済用口座の開設手続きが必要 |
ここでは、クレディセゾン フラット35(保証型)のデメリットが気になる人向けに、ほかの魅力的なフラット35をご紹介します。
住信SBIネット銀行 フラット35(保証型)は、がん団信の上乗せ金利が0%なのが利点。保証内容が、死亡・高度障害・リビングニーズ・がん・先進医療・全疾病と充実しています。基本保障にがんが含まれ、上乗せ金利なしでリスクに備えられるのはめずらしいメリットといえるでしょう。
金利も抑えられます。とくに、頭金2割の場合は年1.74%とかなり低め。比較した半数以上がが1.8%を超えていたことを考えると、負担が少ないといえます。頭金1割でも、年1.79%と十分満足できる水準。比較したフラット35の平均年1.95%を下回りました。
事務手数料は借入額の2.2%相当とやや高いものの、一時的なものなのであまり気にする必要はありません。がん団信の上乗せ金利がなく、借入金額にかかる金利も低いので、トータルで見れば返済総額を抑えられます。ネットで申込・契約ができ、手間なく利用を開始できる点も魅力です。
頭金なしで借入したい人には、ARUHI フラット35(買取型)がおすすめ。頭金なしでも金利が年1.93%と高すぎないため、まとまったお金を出すのが難しい人も利用しやすいですよ。
頭金を用意した場合は、さらに金利が安くなります。頭金が1割・2割のどちらも、年1.82%と低く設定されていました。比較したローン全体の平均は頭金1割で年1.95%・2割で年1.94%だったため、どちらも下回る結果に。月々の負担を減らしたい人にもおすすめです。
ただし、がん団信の上乗せ金利は0.24%とやや高めです。団信の基本保障内容は、死亡・高度障害のみ。がんと判断された時点で保障を受けたいなら、3大疾病付機構団信へ加入する必要があります。上乗せ金利はクレディセゾン フラット35(保証型)の2倍以上で、コスパがよいとはいえません。
事務手数料は融資金額の2.2%ですが、ネットからの申込なら融資金額の1.1%と低くなります。申込から契約まですべてネットで完結するため、忙しい人にもぴったりです。育児や介護などで外出が難しい人も利用しやすく、スピーディな借入が期待できますよ。
クレディセゾン フラット35(保証型)の申込の流れは、大きく分けて5ステップ。契約する際は取り扱い代理店に出向く必要があります。
まずは、電話またはメールで問い合わせしましょう。スタッフが相談内容に合わせて資産計画を提案してくれます。連絡先は以下のとおりです。
記入が必要な申込書や必要書類は、クレディセゾンから郵送で届きます。必要事項を記入したら、同封されている返信封筒で送ってください。記入方法や必要書類の取得方法がわからない場合は、スタッフからサポートを受けられます。
事前審査に必要な書類は以下のとおりです。
<事前審査で必要な書類>
<場合によっては事前審査で必要になる書類>
書類を提出したら審査を実施。審査が完了すると、契約を結ぶ準備についてスタッフから連絡が入ります。
連絡内容は、取り扱い代理店で行われる契約の日程の調整や必要なものなどの説明です。また、審査の過程で追加の書類が必要な場合も連絡がきます。
取り扱い代理店にてスタッフと面談をして契約を行います。契約条件を確認し、金銭消費貸借契約を締結。金銭消費貸借契約とは、借主が貸主に将来借入額と同じ金額を返すと約束することです。
取り扱い代理店は、全国に19店舗あります。取り扱い店舗がない県もあるので注意しましょう。取り扱い店舗の場所は、公式サイトで確認してくださいね。
融資開始にともない、抵当権の設定も同時に実施します。抵当権は、金融機関が融資を受ける人に対して購入する家を担保にする権利です。今後の返済予定の詳細も、後日郵送されます。
クレディセゾン フラット35(保証型)の本審査に落ちる確率は、具体的には明されていません。審査に落ちたときには、原因を考えて対策することが大切です。本審査に落ちたときの対策として次の方法があげられます。
<本審査に落ちたときに対策>
住宅ローンの審査のチェックポイントのひとつに、返済負担率があります。返済負担率とは、収入に占める年間の返済額の割合です。返済負担率が高いと返済が難しいと判断されてしまうことも。申込金額を減らせば返済負担率も低くなり、審査が通る可能性が高まりますよ。
また、ほかに借入がある場合も、ローンの借りすぎで債務過多と判断されて落ちる確率が上がります。返済能力があることをアピールするためにも、ほかで借りているローンを完済したタイミングで再度挑戦するとよいでしょう。
一部返済は、10万円以上から可能。期間短縮型と支払額軽減型の2種類から選べます。
<被恥部返済の種類>
フラット35には「買取型」と「保証型」の2種類があります。買取型は、住宅金融支援機構が銀行から住宅ローンの債権を買い取るタイプ。保証型は、住宅金融支援機構が銀行の住宅ローンに保険をつけて保証するタイプです。
クレディセゾン フラット35では、保証型と買取型の両方を取り扱っています。2つの大きな違いは、頭金なしで借入できるかどうか。保証型は10%以上の頭金が必要です。また、買取型は頭金が不要というメリットがある一方で、保証型より金利が高め。加入できる団信も異なります。
<保証型の団信>
<買取型の団信>
手続き方法や、全期間35年の固定金利・保証人不要・繰上返済手数料無料といった特徴は、買取型と保証型のどちらも共通です。
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