WEBで契約手続きが完結する借り換え住宅ローン、住信SBIネット銀行フラット35(買取型)。しかし、口コミが少なく他社より金利が低いのか・手数料が安いのかがわからず、利用を迷っている人も多いのではないでしょうか?
今回はその実力を確かめるため、以下の3つの観点で検証しました。
さらに、主要な借り換え住宅ローンとも比較。検証したからこそわかった、本当のよい点・気になる点を詳しく解説していきます。借り換えを検討するべきタイミングや住宅ローンの金利タイプの違いも解説しているので、借り換え住宅ローン選びに迷っている人はぜひ参考にしてみてください。
大学卒業後に銀行員として勤務、法人顧客の経営支援・融資商品の提案や、個人向け資産運用相談を担当。 2020年にマイベストに入社、自身の銀行員時代の経験を活かし、カードローン・クレジットカード・生命保険・損害保険・株式投資などの金融サービスやキャッシュレス決済を専門に解説コンテンツの制作を統括する。 また、Yahoo!ファイナンスで借入や投資への疑問や基礎知識に関する連載も担当している。
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住信SBIネット銀行フラット35(買取型)は、低金利なフラット35を利用したい人には不向き。金利は年1.840%で、比較したフラット35のなかでは若干高めでした。なお、民間銀行の全期間固定金利ローンは金利が年2.00%以上のものが多かったので、全体で見れば低金利なほうです。しかし、せっかくフラット35を利用するのであれば、より低金利なほかの商品を選ぶべきでしょう。
がん団信に加入したい人にも向いていません。がんに備えられる「新3大疾病付機構団信」に入るには、年0.240%の上乗せ金利が必要。比較した住宅ローンの上乗せ金利の平均(年0.155%)より高く、候補になりにくいといえます。なお、同銀行の保証型のフラット35なら、上乗せ金利なしで新3大疾病付機構団信に加入できました。
手数料は他行と同じで、借入金額の2.2%。特に初期費用を抑えられるわけではなく、決め手にはなりませんでした。そもそも初回のみ発生する手数料を気にするより、少しでも低金利な銀行で借りたほうが返済総額を抑えられますよ。
検証では特筆すべきメリットが見つからず、どんな人にもフィットしにくい商品といえます。フラット35を希望する人は、金利・がん団信の上乗せ金利ともに低い、住信SBIネット銀行の保証型をチェック。また、変動金利や10年固定金利の住宅ローンも検討してみてください。
<おすすめではない人>
<おすすめな人>
実際に住信SBIネット銀行フラット35(買取型)と比較検証を行った商品のなかで、総合評価1位を獲得したベストな借り換え住宅ローンと、各検証でNo.1を獲得した借り換え住宅ローンをピックアップしました!
住信SBIネット銀行フラット35(買取型)のデメリットが気になる人は、ぜひこちらも検討してみてくださいね!
三井住友信託銀行とSBIホールディングスが共同設立した、住信SBIネット銀行。今回は数ある住宅ローン商品のなかから、フラット35(買取型)をご紹介します。借入の対象は、新築住宅の建設資金や購入資金・中古住宅やセカンドハウスの購入資金・借地権取得費用・借り換え資金などです。
そもそもフラット35とは、民間の金融機関と住宅金融支援機構が提携して提供する、長期固定金利型の住宅ローンのこと。借入開始から返済終了まで金利が変わらないため、返済額が一定で返済計画が狂いにくい・家計管理がしやすいなどのメリットがあります。
なお、フラット35には買取型と保証型の2種類があります。買取型は住宅金融支援機構が銀行から住宅ローンを買取り、担保として債券を発行することで資金を調達。一方の保証型は、住宅金融支援機構が住宅ローンに保険をつけ、利用者が返済できなくなった際に銀行へ保険金を支払う仕組みです。
住信SBIネット銀行が提供する買取型/保証型のフラット35の違いは、以下を参照してください。
<買取型・保証型の違い>
今回は住信SBIネット銀行フラット35(買取型)を含む各借り換え住宅ローンを実際に調査して、比較検証を行いました。
具体的な検証内容は以下のとおりです。
各借り換え住宅ローンを比較検証したところ、住信SBIネット銀行フラット35(買取型)には3つの気になる点がありました。1つずつ解説していくので、利用を検討している人はぜひチェックしてみてください。
金利は年1.840%と、民間の銀行が提供する全期間固定ローンよりは低金利です。しかし、同時に比較したフラット35のなかでは金利が高めでした。各商品の金利の違いは、以下のとおりです。
<フラット35の金利比較>
全期間固定金利の住宅ローンを選ぶなら、フラット35のなかから選ぶのが得策。民間銀行が提供する全期間固定ローンを選ぶ手もありますが、金利が年2.00%以上であることがほとんどでした。
対して、比較したフラット35の金利は年1.640~1.840%。残債2500万円・残り返済年数20年の場合、金利が0.200%違うだけで返済額の差は50万円以上にのぼります。
また、フラット35には子どもの人数に応じて金利が下がる「子育てプラス」など、独自の割引制度があることも。自分に合う割引制度を使うことで、毎月の返済額を下げられますよ。
がんに備えるには、金利を年0.240%上乗せして新3大疾病付機構団信へ加入する必要があります。がん団信の上乗せ金利は、比較した住宅ローンの全体平均(年0.155%)よりも高めでした。
ちなみに、住信SBIネット銀行が提供する保証型のフラット35なら、上乗せ金利なしで新3大疾病付機構団信に加入できます。過去にがんと診断された人は加入できませんが、条件を満たせるなら、がん団信の上乗せ金利が0%の保証型がおすすめですよ。
なお、買取型の本商品でも、新機構団信であれば上乗せ金利なしで加入できます。新機構団信は、死亡または所定の身体障害状態になった場合に、住宅ローンの残債が免除に。最低限の保障で十分という人は、買取型を検討するのもありでしょう。
手数料は借入金額の2.2%で、ほとんどの銀行と同じでした。どの住宅ローンを選んでもあまり変わらないため、決め手にはなりません。
そもそも、手数料は契約時にしかかからないため、あまり気にしなくてよいでしょう。手数料より金利にこだわったほうが総返済額を抑えられるので、できる限り低金利な住宅ローンを選んでくださいね。
マイベストが行った検証の結果、住信SBIネット銀行フラット35(買取型)には目を惹くメリットは見つかりませんでした。
借り換えを検討している人におすすめの住宅ローンは、コンテンツの後半でご紹介します。ぜひ、最後までチェックしてくださいね。
借り換え金利(変動) | |
---|---|
借り換え金利(固定10年) | 1.50% |
がん団信の上乗せ金利 | 年0.24% |
借り換え金利(35年・全期間固定) | 1.89% |
良い
気になる
手数料 | 融資金額×2.2%(最低額:110,000円) |
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年収条件 | 年間返済額の年収に占める割合が30%以下の場合:年収400万円未満/年間返済額の年収に占める割合が35%以下の場合:年収400万円以上 |
勤続年数の条件 | |
最長借り入れ期間 | 35年 |
団信の基本保障 | 新機構団信:死亡・身体障害 |
団信の特約 | 新3大疾病付 機構団信:死亡・身体障害・3大疾病・要介護状態 |
借り換えで返済負担を軽くできますが、借り換えをするタイミングが重要です。借り換えを検討する目安は、返済年数が10年以上・返済額が1,000万円以上の場合がよいでしょう。残りの返済期間が長く、借入残高が多いほど借り換えの効果が出やすくなるからです。
ローン残高が2,500万円で年2.630%のフラット35から年1.840%のフラット35に借り換えた場合、借り換えの効果は以下のとおり。手数料がかかるものの、トータルの返済額は150万円ほど安くなります。
借り換えに踏み切るかは、必ずシミュレーションをして決めてください。全国銀行協会のシミュレーターを利用すれば、借り換えで損をしないか確認できます。金利が低いからといって試算せずに借り換えると、かえって損をする恐れも。残りの返済年数が少ない人は借り換えの効果が出にくいため、特に注意してくださいね。
住宅ローンには、変動金利・全期間固定金利・固定金利選択型の3種類があります。
金利がずっと一定の全期間固定金利は、返済金額が変わらないため、金利変動のリスクを考えたくない人向きです。しかし、金利の相場は3つの金利タイプのなかで最も高め。返済負担を極力抑えたいなら、民間の銀行が提供する全期間固定ローンより低金利の、フラット35のなかから選んでくださいね。
変動金利は、半年~1年に一度のタイミングで金利が見直される仕組み。金利が下がるとお得に借りられるものの、金利が上がると固定金利より返済負担が重くなるリスクもあります。急激な金利の上昇が心配なら、金利変動リスクに備えられる5年ルール・125%ルールがあるものを選ぶのがおすすめですよ。
変動金利と固定金利のいいとこどりをできるのは、固定金利選択型。金利は全期間固定より低く、変動金利より高めです。指定した期間の金利が固定されるため、たとえば教育費といった大きな出費と重なる時期でも、返済計画を立てやすいでしょう。
最後に、金利タイプ別におすすめ借り換え住宅ローンをご紹介します。
全期間固定金利なら、住信SBIネット銀行 フラット35(保証型)がおすすめ。金利は年1.810%と、同銀行の買取型(年1.840%)より低めです。加えて、がん団信の上乗せ金利がかからないこともメリット。保障の手厚さと金利の低さを両立しているため、全期間固定金利を選ぶなら有力候補です。
りそな住宅ローンは、変動金利で借りたい人にぴったり。金利は年0.640%と全体平均(年0.728%)より低く、返済負担を抑えられます。がん団信の上乗せ金利も、年0.100%と低め。5年ルール・125%ルールがあるため、金利変動リスクにも備えられますよ。
10年固定金利で選ぶなら、SBI新生銀行 住宅ローン 手数料定率型をチェック。金利は年1.500%、がん団信の上乗せ金利も年0.100%と、全体平均より低めです。5年ルール・125%ルールがないことはネック。しかし、10年間は金利変動を気にしたくない人にとって、よい選択肢といえます。
借り換え金利(変動) | |
---|---|
借り換え金利(固定10年) | |
がん団信の上乗せ金利 | 年0.0% |
借り換え金利(35年・全期間固定) | 年1.860% |
良い
気になる
手数料 | 融資金額×2.2%(最低額:110,000円) |
---|---|
年収条件 | 年間返済額の年収に占める割合が30%以下の場合:年収400万円未満/年間返済額の年収に占める割合が35%以下の場合:年収400万円以上 |
勤続年数の条件 | |
最長借り入れ期間 | 35年 |
団信の基本保障 | 死亡・高度障害保障、リビング・ニーズ特約、がん保障(無担保住宅ローンの場合)、先進医療、全疾病 |
団信の特約 |
住信SBIネット銀行 フラット35(保証型)を検証レビュー!フラット35の選び方も紹介
借り換え金利(変動) | 年0.640%(*1) |
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借り換え金利(固定10年) | 年2.355% |
がん団信の上乗せ金利 | 年0.1% |
借り換え金利(35年・全期間固定) |
良い
気になる
手数料 | 借入金額×2.2% |
---|---|
年収条件 | 前年の税込年収が100万円以上 |
勤続年数の条件 | 給与所得者の場合:1年以上/給与所得者以外の場合:3年以上 |
最長借り入れ期間 | 40年以内 |
団信の基本保障 | 死亡・高度障害保障 |
団信の特約 | がん保障特約:がん保障、死亡・高度障害保障/三大疾病保障特約:三大疾病、死亡・高度障害保障/団信革命:三大疾病、死亡・高度障害保障、病気・ケガの保障、所定の要介護状態保障 |
りそな銀行 りそな住宅ローン(変動金利)の口コミ・評判は?金利や手数料を調査してよい点気になる点を解説!
本注釈においては事業者からの情報提供を含みます
借り換え金利(変動) | 年0.680%(*1) |
---|---|
借り換え金利(固定10年) | 年1.800% |
がん団信の上乗せ金利 | 年0.1% |
借り換え金利(35年・全期間固定) |
良い
気になる
手数料 | 借入金額×2.2% |
---|---|
年収条件 | 前年度税込年収が300万円以上 |
勤続年数の条件 | 自営業:業歴2年以上 |
最長借り入れ期間 | 35年以内 |
団信の基本保障 | 死亡・高度障害保障、所定の要介護状態 |
団信の特約 | 死亡・高度障害保障、がん保障、リビング・ニーズ保障 |
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