取引の仕方によっては、大きな利益を得られる可能性もあるFX。しかし具体的にどのように注文すればよいのかわからず、始めるのをためらっている人もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、FXの注文方法について解説します。初心者が覚えておきたい基本的な方法から、知っておくと便利な注文パターンまで具体的に説明するので、FXを始める際の参考にしてくださいね。
大学卒業後に銀行員として勤務、法人顧客の経営支援・融資商品の提案や、個人向け資産運用相談を担当。 2020年にマイベストに入社、自身の銀行員時代の経験を活かし、カードローン・クレジットカード・生命保険・損害保険・株式投資などの金融サービスやキャッシュレス決済を専門に解説コンテンツの制作を統括する。 また、Yahoo!ファイナンスで借入や投資への疑問や基礎知識に関する連載も担当している。
FXの注文方法は、大きく分けて2通りあります。
ひとつは買いのポジションを建てて決済でそれを売る方法。ポジションとはFX取引における外国為替の残高のことで、建て玉と呼ばれることもあります。買いのポジションを建てるということは、買い注文した通貨を持ち越している状態です。この場合、価格が上昇している局面で利益を得られるので、安く買って高く売る戦略を取ることになります。
もうひとつが、売りのポジションを建てて決済でそれを買い戻す方法。この場合は、買いのポジションを建てるときとは逆で、価格が下落している局面で利益を得られます。
最初にポジションを建てるために入れる注文は「新規注文」、建てたポジションを解消するために入れる注文を「決済注文」と呼びます。
FXでは、以下の手順で注文するのが一般的です。
まずは、取引する通貨ペアを選択しましょう。初心者は、取引が多くスプレッドが狭いメジャーな通貨ペアを選ぶのがおすすめです。
注文方法を選択したのち、取引数量を指定します。初心者のうちは、少額での取引を心がけましょう。このとき「買い」か「売り」かも選択します。内容に問題がなければ、注文を実行してください。なお、取引成立前であれば注文の変更や取り消しも可能です。
成行注文は、価格を指定せず現在の為替レートで注文する方法です。たとえば1ドル=100円のときに成行注文をすると、100円で注文が成立します。
現在の為替レートを見てその状態で注文できるため、成行注文は今すぐ取引を始めたいときに有効な注文方法です。約定処理は注文がFX会社に到着したときの最新価格で行われます。
ただし、相場の値動きが激しいときは思ったとおりのレートで注文できないこともあるため注意が必要です。通常であれば注文成立までに1秒もかかりませんが、場合によっては約定処理されるまでに時間がかかることも。注文したときのレートと実際に約定されたときのレートに生まれる差は、スリッページと呼ばれます。
指値注文は、現在の価格よりも有利なレートを指定して注文する方法です。
たとえば、米ドルと日本円の通貨ペアで取引をすると仮定したとき、買いで1ドル=110円に指定するのが指値注文です。この場合、1ドル=110円以下にならないと注文は成立しません。また、売りで1ドル=110円に指定して指値注文した場合は、1ドル=110円以上にならないと注文は成立しないことになります。
指値注文では、想定していたより不利なレートで約定するリスクを防げます。一方、決めたレートにならなければ売買が成立しないので、利益を得るチャンスを逃してしまう可能性もあることは覚えておきましょう。
逆指値注文は、指値注文とは逆で現在の価格より不利なレートを指定して注文する方法です。指定した価格以上になると買い、価格以下になると売りの注文をします。
たとえば、米ドルと日本円の通貨ペアで取引を行っているとき、1ドル=100円のときに110円で買い注文をするのが逆指値注文です。この場合は、1ドル=120円になったとしても指定している1ドル=110円で注文が成立します。
また、1ドル=120円のときに売りを1ドル=110円に指定して逆指値注文をした場合、1ドル=100円に変わったとしても指定している1ドル=110円で注文が成立します。
逆指値注文は損失や利益を確定するために使われるのが一般的なので、ストップ注文とも呼ばれます。
IFD(イフダン)注文では、新規注文(1次注文)と新規注文が成立したときに有効になる決済注文(2次注文)を同時に注文します。
たとえば1ドル=100円のときに、1ドル=99円になったら買い、1ドル=101円になったら売りといったように新規注文と決済注文を同時に出せます。通常の取引では新規注文の成立を確認してからでないと決済注文を出せないので、常に為替相場を確認しなければなりません。IFD注文は、忙しくて頻繁に相場を確認できない人でも利用しやすいでしょう。
OCO(オーシーオー)注文は、同時に2つ注文する方法です。OCO注文では、指値注文と逆指値注文を同時にすることも可能。一方の注文が約定すると、もう一方は取り消されるという特徴があります。
利益を確定させる注文と損失を確定させる注文を同時に発注することで、相場がいずれかに動いたときに自動で決済が行われます。たとえば新規エントリー時1ドル=100円のときに1ドル=99円の買い注文と1ドル=101円の売り注文を出せば、相場状況に合わせて利益または損失の確定を自動的に行えるため、効率的な取引が可能です。
IFO(アイエフオー)注文は、IFD注文とOCO注文を組み合わせて注文する方法です。新規注文・利益確定注文・損切り注文を同じタイミングで発注できます。
たとえば、1ドル=100円で買いの指値注文を行い、その後1ドル105円の売りの指値注文と1ドル=95円の売りの逆指値注文を同時に行う、というのがIFO注文です。IFD注文が有効になったあとに、OCO注文が行われます。
IFO注文を使うと、チャートを見なくても注文・決済・損切りを自動で完了させられます。感情に左右されず、リスク管理に対応できるのがメリットです。
トレール注文は、逆指値注文をリアルタイムで自動修正する注文方法です。決済の逆指値注文のレートが、一定の値幅で相場の値動きに追従します。
保有ポジションに対して価格が有利な方向へ動くと、逆指値注文が事前に指定した価格幅分だけ有利な方向へスライドします。価格が下落した場合は逆指値で売却し、上昇した場合は売却する価格を自動的に切り上げて価格の値上がりに追従するのが特徴です。
一度スライドした逆指値注文は、価格が不利な方向に動いても元の位置には戻りません。そのため、相場が反転したときも損失を抑えられます。
FX初心者は、デモトレードを活用して注文方法に慣れておくことが大切です。
FXの注文画面に慣れていないと、相場が急変したときに選ぶべき注文方法を間違えたり、注文タイミングが遅れたりすることも。その結果損失を出す可能性もあるので、操作方法を覚えるための練習をしておくと安心です。デモトレードでの練習は、本番の取引で使う予定のFX会社で行ってくださいね。
デモトレードを利用してFXの注文方法に慣れるためにも、まずはFX口座を選ばなければいけません。しかし、初心者の人はどこで口座を開設すべきか迷ってしまうでしょう。
以下の記事では、FX口座を比較検証した結果を基におすすめできる口座を紹介しています。初心者がどのような点に注目して口座を選ぶべきかについても説明しているので、口座選びに迷ったらチェックしてみてくださいね。
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