FX取引の際に売買する通貨ペア。実際にFX投資をはじめたいと考えているものの、通貨ペアによってどのような特徴があるのか、おすすめの組み合わせは何なのかわからず迷っている人も多いのではないでしょうか。
本記事では、FX通貨の基礎知識や、初心者におすすめの通貨ペアを詳しく紹介します。通貨ペア選びのコツや初心者には不向きなものについても解説するので、ぜひ最後までチェックしてください。
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FX取引の通貨ペアとは、異なる2か国間の通貨を組み合わせたものです。それぞれ取引通貨・決済通貨やメジャー通貨・マイナー通貨、ストレート通貨・クロス通貨など区分の仕方があります。以下で順番に紹介するので、ぜひ参考にしてください。
通貨ペアとは、FXで取引する異なる2か国間の通貨の組み合わせをいいます。そもそもFXは異なる2か国間の通貨を売買して差益を受け取る投資方法であり、通貨の組み合わせが非常に大切です。
代表的な通貨ペアに、米ドルと日本円を組み合わせた米ドル/円(USD/JPY)があります。米ドルや日本円のみを売買するのではなく、米ドルを購入して日本円を売却する、または日本円を購入し米ドルを売却することで利益を得る仕組みです。
日本国内のFX会社で売買できる通貨ペアは100種類以上あり、取引量などによって呼び方が変わります。FXの取引で効率的に利益を得るために、各通貨の特徴をしっかり理解しましょう。
通貨ペアは「米ドル/円」のように「/」で区切って表記し、左側にある通貨を取引通貨、右側にある通貨を決済通貨と呼びます。米ドル/円の場合、米ドルが取引通貨で、日本円が決済通貨です。
取引通貨とは取引に使用する通貨、決済通貨は売買に使用される通貨のこと。米ドル/円(USD/JPY)を取引する場合は、日本円で損益が発生します。ユーロ/米ドル(EUR/USD)であれば、損益が発生するのは米ドルです。
メジャー通貨は取引量が多い通貨、マイナー通貨は取引量が少ない通貨を指します。代表的な通貨はFXで頻繁に取引されているため、おおまかな分類をチェックしておきましょう。
【メジャー通貨】
【マイナー通貨】
メジャー通貨は取引量が多く流動性が高いので、値動きの幅が緩やかな傾向にあります。急激な値上がりや値下がりが起きにくく、初心者でも取引しやすいのが特徴です。
反対にマイナー通貨は取引量が少ないため、売買のタイミングが掴みにくい、価格が急激に変動しやすいリスクがあります。FXに関する知識や経験が少ない初心者は、まずメジャー通貨を選んで取引を始めるとよいでしょう。
ストレート通貨とは、米ドルを含む通貨ペアのこと。ドルストレートとも呼ばれており、代表的なものに米ドル/円(USD/JPY)・ユーロ/米ドル(EUR/USD)・英ポンド/米ドル(GBP/USD)などがあげられます。
一方、クロス通貨とは米ドルを含まない通貨ペアのことで、ユーロ/円(EUR/JPY)・カナダドル/円(CAD/JPY)・英ポンド/円(GBP/JPY)・豪ドル/円(AUD/JPY)などが有名です。
豪ドル/円(AUD/JPY)の場合、まず日本円を売却して米ドルを購入したあと、米ドルを売却して豪ドルを購入します。米ドルを介して(クロスして)取引を行うため、クロス通貨の名称がつけられました。
FXの初心者が通貨ペアを選ぶ際は、取引量が多いかどうか、値動きの安定感と適度なボラティリティが両立しているかどうかなどに注目しましょう。以下で初心者におすすめの通貨ペアを紹介するので、ぜひ参考にしてください。
FX初心者は、取引量が多いメジャーな通貨ペアを選びましょう。取引量が多い通貨は買い手や売り手を見つけやすく、値動きが安定する傾向にあるためです。
取引量が多い通貨ペアの代表例として、米ドル/ユーロ・米ドル/円・米ドル/英ポンドの3つが挙げられます。2022年時点ではそれぞれ22.7%・13.5%・9.5%のシェアを誇っており、合計すれば取引量全体の約半数です。
反対に、取引量が少ない通貨ペアは値動きに波があるので、初心者にはリスクが高いといえます。取引に慣れるまでは、取引量の多い通貨ペアを選ぶようにしましょう。
通貨ペアを選ぶ際は、適度なボラティリティがあるかどうかにも注目しましょう。ボラティリティとは、価格変動の度合いのこと。FXは通貨の値動きを見極めながら売買を行う投資のため、ある程度のボラティリティがなければ利益を得ることはできません。
ボラティリティが高い傾向にある通貨ペアの例として、以下の5つが挙げられます。
ただし、ボラティリティが高くなればなるほど、急激な価格変動によるリスクも高くなるので要注意。購入したい通貨ペアのボラティリティの程度を判断するときは、ボラティリティが比較的安定しているといわれている米ドル/円(USD/JPY)やユーロ/円(EUR/JPY)を基準にしましょう。
スプレッドが狭い通貨ペアはコストを抑えやすいため、効率的に利益を得たい初心者におすすめです。
スプレッドとは、通貨ペアを売る際に適用されるBid(売値)と、通貨ペアを買う際に適用されるAsk(買値)の差額のこと。金融機関で外貨両替を行うときに支払う手数料と似た役割を担っています。
スプレッドが広すぎると、取引で得た利益が相殺されてしまうことも。通貨ペアのスプレッドの狭さを確認する場合は、FX会社ごとにBid(売値)とAsk(買値)の差額を計算して比較するとよいでしょう。
また、スプレッドはFX会社や通貨の種類、時間帯によって変動します。経済指標が発表されたり、相場が急激に動いたりした際は特に大きく変動しやすいため注意が必要です。初心者は日本円や米ドルなど、自分にとって馴染みが深く情報を入手しやすい国の通貨を選びましょう。
通貨ペア選びにおいては、情報収集のしやすさも重要です。為替相場は各国の財政状況や災害、戦争などさまざまな出来事の影響を受けて大きく変動することもあるため、常にネットニュースや新聞で最新の情報をチェックしましょう。
FX初心者の場合は特に、自分にとって馴染み深く、情報収集しやすい国の通貨ペアが適しているといえます。
日本に住んでいるのであれば、情報収集しやすい日本円が含まれる通貨ペアがおすすめです。ほかにも米ドルやユーロなど、取引量の多いメジャー通貨も関連情報を調べやすいので、あわせてチェックするとよいでしょう。
FX初心者におすすめな通貨ペアには、米ドル/円(USD/JPY)やユーロ/米ドル(EUR/USD)、ユーロ/円(EUR/JPY)があります。以下で詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。
米ドル/円は日本で最も取引されている人気の通貨ペアで、FX初心者におすすめしたい通貨ペアのひとつです。
メジャー通貨同士の通貨ペアであり値動きが穏やかな一方、適度にボラティリティを備えているため利益を出しやすいメリットもあります。多くのFX会社でスプレッドが狭く設定されており、コストを抑えながら取引しやすい点も大きな魅力です。
また、アジア時間以外に欧州や米国時間でも活発に売買されているため、好きな時間に取引しやすいこともメリットといえるでしょう。日本やアメリカの財政状況、相場に関する情報はネットニュースや新聞で日常的に取り上げられるため、情報収集をしやすい点も大きな特徴です。
世界で広く取引されているユーロ/米ドルもおすすめの通貨ペアです。米ドル/円と同じくスプレッドが狭いので、取引コストを抑えられる点が魅力。
ボラティリティはさほど高くないため短期間で大きな利益は見込めませんが、一度トレンドが発生すれば継続しやすいことも特徴でしょう。
アジア時間は値動きが穏やかですが、ロンドン外国為替市場の取引開始時間である16時以降(日本時間)は、値動きが活発になりやすいので要注意。生活リズムや仕事の関係で夕方以降に取引を行う人は、急激に動く可能性もある通貨の価格を慎重に見極めることが重要です。
また、ユーロ/米ドルはスワップポイントが高い傾向にあります。スワップポイントとは、異なる2か国間の金利差によって発生する利益のこと。
FX会社によって設定されるスワップポイントは異なるものの、決済を行わない限りは毎日利益を得られるため、効率的に利益を受け取りたい人はぜひチェックしてください。
スプレッドが狭く、コストを抑えながら取引できるユーロ/円もFX初心者におすすめ。米ドル/円と並んで取引量が多く、値動きが穏やかな傾向にあるためです。また、価格の上昇・下降を示すトレンドが発生しやすいため、売買のタイミングを見極めやすいメリットもあります。
ボラティリティ(変動率)はやや低めですが、ロンドン外国為替市場がオープンする日本時間16時以降は取引が活発になりやすいので、値動きを慎重に見極めながら取引を行いましょう。
アメリカだけではなくフランスやドイツ、イタリアなど、ヨーロッパ経済の中心となる国々の経済動向や金融政策に関心がある人におすすめです。
英ポンド関連の通貨ペアや高金利通貨ペアは、FX初心者が購入を避けたほうがよいといわれています。以下で詳しく理由を紹介するので、参考にしてください。
英ポンド関連の通貨ペアはボラティリティが高いことから、FX初心者には不向きといわれています。ボラティリティの高さは利益を狙うために重要な要素ですが、大きな損失を被るリスクも高まってしまうため注意が必要です。
FXの取引に関する知識や経験が十分にない初心者は、英ポンドを含む通貨ペアの購入を避けましょう。まずは米ドル/円など値動きがあまり激しくない通貨ペアで取引を重ね、リスクへの対応力を身につけることをおすすめします。
トルコリラや南アフリカランドなど高金利通貨を含む通貨ペアも、FX初心者には不向きといわれています。英ポンドと同様にボラティリティが高く、価格の急激な変動によって損失を受けるリスクがあるためです。
トルコリラは流動性の低さに加えて国際情勢の影響を受けやすいため、米ドルやユーロにくらべて値動きが不安定になりやすいと覚えておきましょう。南アフリカの通貨である南アフリカランドも、国内の高い失業率や貴金属の需給によって価格変動しやすい点に注意が必要です。
高金利通貨を含む通貨ペアは、国の財政状況や軍事的問題によるさまざまなリスクを抱えています。FXの取引に慣れるまでは購入を避けたほうがよいでしょう。
FX初心者は、取引量の多さやスプレッドの狭さに注目し、なるべくコストを抑えながら利益を狙うことが大切です。
購入したい通貨ペアが見つかったら、実際にFXの取引をはじめてみましょう。mybestでは、初心者におすすめの証券口座について、スプレッドやスワップポイント・取り扱っている通貨ペアなどの観点から徹底比較しました。詳しく知りたい人は、以下のページを参考にしてください。
最後に、FXの通貨ペアは絞ったほうがいいのかなど、よくある質問を紹介します。順番に詳しく解説するので、チェックしてください。
FX初心者は、通貨ペアを少数に絞ったほうがいいでしょう。FXに関する知識や経験がほとんどない状態でのスタートなので、慣れないうちはリスクが少ない通貨を組み合わせて取引に慣れる必要があるためです。
まずはメジャー通貨やストレート通貨など、初心者でも取引しやすい通貨の選択をおすすめします。少数の通貨ペアで利益を得られるようになってから、少しずつ通貨の種類を増やしましょう。
スキャルピングやデイトレードには、スプレッドが狭い通貨ペアがおすすめ。
スキャルピングとは秒単位や分単位で取引を繰り返す手法で、デイトレードとは数時間から1日の間で取引を完了させる手法です。どちらも長期間にわたって取引する手法と比べて取引回数が多くなるので、可能な限りコストを抑えることが重要といえます。
おすすめの通貨ペアの1つは、米ドル/円やユーロ/円です。米ドル/円はほとんどのFX会社でスプレッドが狭く設定されているうえに、国内の取引量が最も多いため相場が安定しています。後者もスプレッドが狭く相場が安定しやすい傾向にあるため、短期間で多くの取引を行いたい人はぜひチェックしてみてください。
スワップポイントにおすすめの通貨ペアは、トルコリラ/円・メキシコペソ/円・南アフリカランド/円など高金利通貨を含む組み合わせです。スワップポイントは2か国間の金利差から利益を得る仕組みであるため、金利の差が大きければ大きいほど利益を狙いやすいといえます。
金利が低い日本円と高金利通貨の組み合わせであれば、利益を出しやすいといえるでしょう。ただし、高金利通貨を発行している国は財政状況が不安定な傾向にあり、相場に影響を与えやすいので注意が必要です。
FXの積立投資におすすめな通貨ペアは、米ドル/円やオーストラリアドル/円です。FXの積立投資とは、毎月一定額を積み立てる資産運用のこと。通貨ペアを選ぶ際は、長期的に見て利益を得やすいか、信頼性があるかの2点が重要なチェックポイントです。
米ドル/円とオーストラリアドル/円は、ともに将来性と信頼性があるためFXの積立投資におすすめ。反対に、英ポンド関連の通貨ペアや高金利通貨を含む通貨ペアのような、ボラティリティが高くなりがちな通貨ペアは避けるのが無難といえるでしょう。
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