FXのローソク足パターンは？初心者も知っておきたいチャート分析の基本・見方を解説

実体部分が周囲のローソク足よりも長く、陽線の場合は大陽線、陰線だと大陰線と呼びます。

大陽線は、買いの勢いが続いている状態を示すものです。下げ相場の状態で大陽線が見られた際は、相場の転換期と考えられます。反対に、大陰線は売りの勢いが続いている状態です。相場が上がっている状態で大陰線が見られると、そのあとで相場が下がる可能性があります。

大陽線と大陰線には「始値から終値の値幅は何銭以上」などの明確な定義はありません。前後のローソク足と比較して判断するのがポイントです。

大陽線や大陰線と比較すると実体部分がやや小さく、陽線ならば小陽線で、陰線だと小陰線です。実体が小さく、上下にひげが伸びた形から、「コマ」と呼ぶこともあります。

やや小さく買いに傾いているのが小陽線で、やや売りに傾いているのが小陰線です。いずれも、相場の迷いや売り買いを様子見するムードを示し、停滞状態の相場で現れることが多いといわれています。

実体から上下にひげが伸びていないローソク足で、陽線の場合は陽線坊主、陰線なら陰線坊主と呼びます。上下のひげがないことで、買い方が一方的に押している状況を読み取れるのが特徴です。

陽線坊主は買いの勢いが優勢で、今後も買いの勢いが続くと予想できます。陰線坊主は売りの勢いが強く、今後も売りが続き、相場の下落が継続することが読み取れるのが特徴です。

ただし、高値圏で陽線坊主が出現したり、安値圏で陰線坊主が出現したりした場合は、大陽線や大陰線と同様に相場が反転する前兆と読み取れます。

実体の上に伸びるひげの長いローソク足で、陽線なら上影陽線、陰線だと上影陰線です。上影陽線は、終値に比べて高値が高いことがわかります。上影陽線が出ると、売りのタイミングと考えるのが一般的です。反対に、上影陰線は、始値に比べて高値が非常に高いことがわかります。

上影陽線と上影陰線は、いずれも高値圏で現れた場合、相場の下落を予想するのが一般的です。安値圏で上影陽線が出現した場合は、相場が上昇する可能性があると考えられます。

実体から伸びる下ひげの長いローソク足で、陽線のものが下影陽線、陰線なら下影陰線で、いずれも買いが強まる可能性を示しています。下影陽線が安値圏で出現すると、今後相場が上昇すると予想するのが一般的です。

下影陰線が安値圏で出現した際も、上昇が期待できるサインと読み取れます。反対に、高値圏で下影陰線が出現した際は、相場の下落を予想することが可能です。

トンカチは、実体が短くて長い上ひげを持ち、下ひげがほとんどないローソク足です。先ほど解説した上影陽線と上影陰線の一種にあたり、始値から大きく上昇したあとで一気に下落したことを意味します。

上昇してから始値より高い価格で止まったものが陽線のトンカチで、上昇してから始値より低い価格で止まったものが陰線のトンカチです。

いずれかのトンカチが、上昇相場で出現すると相場が転換し、下落トレンドに移行するサインとされています。陽線でも陰線でも、トンカチが現れたら売りに回る傾向が多いと覚えておくといいでしょう。

実体が短くて上ひげがなく、下ひげが長く出ているのがカラカサです。トンカチとは反対の形をしています。

始値から大きく下落したあとで、始値よりやや高い位置でとどまっているのが陽線のカラカサで、始値よりやや低い位置にとどまったのが陰線のカラカサです。

相場が下落傾向にあるなかでカラカサが出現すると、買いのチャンスであることがわかります。反対に高値圏で出た場合は、上昇トレンドの終了のサインと考えるのが一般的です。

始値と終値が同じで実体がなく、上下のひげの長さが同じくらいのローソク足が十字線です。寄引同事線とも呼ばれます。

売りと買いが拮抗している状態で、高値圏と安値圏のいずれかに十字線が出現した場合は、相場の転換を予想できるでしょう。

高値圏で十字線が現れた場合は下落トレンドに向かう可能性があり、安値圏で十字線が出現すると上昇トレンドになる傾向があります。

始値と終値が同じくらいで実体がほとんどなく、上ひげがまったくないか少ししか見られず、下ひげの長いローソク足がトンボです。

始値からは大きく価格が下がったものの、最終的に始値と同じくらいまで戻ったことを意味します。安値圏でトンボが現れると、売りと買いのバランスが拮抗していることがわかるでしょう。今後相場が転換することも推測できます。

トウバは、始値と終値が同じで実体がなく、上ひげが長いローソク足のことです。

始値から一旦は大きく値上がりしたものの、終値は始値と同じくらいの価格まで下がったことを意味します。高値圏でトウバが現れた場合は、上げ止まりと判断することが可能です。

包み線（抱き線）は、並んでいる2つのローソク足のうち、新しいローソク線が古いローソク線を包み込むような形になっている状態です。

下落相場で陽線が陰線を包んでいる場合は、相場の上昇を示唆します。上昇相場で陰線が陽線を包んでいる場合は、相場が下落する可能性が高いといえるでしょう。

また、相場が上昇しきったり、下落しきったりしたタイミングで包み線（抱き線）が出現する可能性があります。今後相場が変わる可能性があるため、相場が上昇していたり下落したりしているタイミングで包み線（抱き線）が出現しないか、チェックしてみましょう。

連続して並ぶ2つのローソク足のうち、古いローソク足が新しいローソク足を包み込むような形になっているパターンがはらみ線です。

包み線（抱き線）とは反対の形ですが、出現するタイミングは似ており、相場が上昇しきったり下落しきったりしたときに現れやすいといえます。

上昇相場で、大陽線のあとに小陽線や小陰線が現れると相場の天井といわれる、上昇しきったタイミングである可能性が高いです。

一方で、下落相場で大陰線の後に小陽線や小陰線が現れると相場の底と呼ばれる、下落しきったタイミングであると予想できます。

前回のローソク足の高値よりも高い価格で、次のローソク足の終値が確定する状態がスラストアップです。反対に、前回のローソク足の安値よりも低い価格で次のローソク足が終値を迎えることを、スラストダウンといいます。

スラストアップが続くと上昇の勢いが強く、スラストダウンが続くと下降の勢いが強いと読み取ることが可能です。順張り（トレンドフォロー）での取引を考えている人にとっては、売り買いのタイミングを見極めやすいでしょう。

順張り（トレンドフォロー）とは、相場が上昇するタイミングで買い、相場が下降するタイミングで売る、相場のトレンドに従って取引をする手法です。初心者でも利益を得やすいものの、スラストアップとスラストダウンにも注目しながら、コツコツ管理する手間がかかるのはデメリットといえます。

ピンバーは、ひげが非常に長く、実体部分が短いローソク足のことです。取引の期間中に大きく価格が動いたものの、最終的には元の価格に近い価格に落ち着いた状態を意味します。

一時的な停滞を意味するとの考え方もありますが、ビンバーが何度も現れているときは相場が転換する可能性に注意しましょう。

前のローソク足のなかに、それ以降のローソク足の値動きが収まった状態がインサイドです。反対に、直前の複数のローソク足の値動きが、最新のローソク足にすっぽり収まっている状態をアウトサイドといいます。

インサイドとアウトサイドの両方とも、相場が停滞している状態を示します。しばらくは取引をせず、チャートが動くのを待つのが無難です。値動きを包み込むローソク足の母線を基準にして、今後の動きがそれより高くなるか、低くなるタイミングを待って取引を考える必要があるといえます。

母線のブレイクが見られると、相場の動きが大きく勢いづく可能性が高まるでしょう。母線のブレイクとは、母線に続くローソク足が母線を超えること。インサイドとアウトサイドの両方とも、複数のローソク足を母線が包み込んでいる場合は、母線のブレイクによる値動きは強くなるといわれています。