FXはやめたほうがいいと言われる理由は？失敗しないコツや向いている人の特徴を解説

FXはやめとけと言われる理由としてまず挙げられるのが、損をする可能性が高いことです。

一般社団法人　金融先物取引業協会が2018年に公表した「外国為替証拠金取引の取引顧客における金融リテラシーに関する実態調査」では、FX取引をしている人の約4割が損失を出していることがわかりました。

さらに、同協会が公表している四半期統計データを見ると、90%の人が1年未満でFXを辞めています。FXで利益を出すのが難しいことが、データからよくわかるでしょう。

FXはギャンブルと同じだからやめたほうがいい、という意見も存在します。

FXは為替相場によって損益が決まる投資ですが、為替相場の動きを正確に読むのはプロでも困難です。100%正確に予想することはできず、ある程度運の要素がある点は確かにギャンブルと同じだと思われるでしょう。

しかし実際のところ、FXはギャンブルではありません。正しい知識を身につけて情報収集を行い、根拠のあるトレードをすることでFXの勝率は上げられます。FXはレバレッジをコントロールでき、リスクの調整も可能なので、ギャンブルとは性質が大きく異なるといえるでしょう。

FXで勝つためには多くの経験や知識が必要になるため、やめておいたほうがいいという意見も見られます。

FXは一般的に、ゼロサムゲームと呼ばれます。ゼロサムゲームとは、参加者全員の得点を合計するとゼロになるゲームのこと。基本的にユーザー同士で売買する仕組みのFXでは、誰かが利益を得たら誰かが損をすることになります。

FXで利益を得るためには、経験や知識が必要です。全員が勝てるわけではないゼロサムゲームでは初心者が不利になるケースが多く、損失を抱えやすいのでやめたほうがいいと言われます。

レバレッジが危険だから、FXはやめたほうがいいと考える人も多く存在します。

FXは、預けている証拠金の何倍もの資金を取引できるレバレッジ効果がある投資です。少ない金額しか持っていなくても大きな利益が狙えるのはメリットですが、その分損失も大きくなりやすいのがデメリット。

FXでは最大25倍のレバレッジで取引ができますが、大きな利益を狙って最大までレバレッジをかけて大損してしまうケースもめずらしくありません。その印象から、FXのレバレッジは危険だという人もいるのが事実です。

ロスカットによって資金を失う可能性があるため、FXはやめておいたほうがいいという意見も見られます。

ロスカットとは、一定の損失が発生するとFX会社によって強制的にポジションを決済される仕組みのこと。FXではレバレッジを高く設定しすぎたりポジションを多く保有したりすると、損失が大きくなりやすい傾向にあります。その結果ロスカットが発動し、資金を失ってしまうことも。

ロスカットの目的は投資家を保護することですが、発動するとその時点で損失が確定します。予期していなかったトレード結果につながる可能性もあるため、FXはやめとけと考える人は多いといえます。

FX取引は少額から、余剰資金で始めるのが失敗しないコツです。

少額で投資をすれば、損失を抑えられます。たとえば10%の損失が出てしまった場合、100万円取引していれば10万円失ってしまいますが、5万円の取引であれば失うのは5,000円です。低リスクで取引ができるため、とくに初心者のあいだは少額の投資を心がけましょう。

余剰資金で投資を始めるのも大切なポイントです。生活費に余裕がないのにFXを始めてしまうと、きちんと利益が出るか心配で何度も為替相場を確認したり、現状の損益が気になって眠れなかったりするかもしれません。心身の健康が脅かされてしまううえに、損失が出ると生活が苦しくなるでしょう。余剰資金でFXを始めれば、精神的な負担も損失も最小限に抑えられます。

FXで失敗しないためのコツとして、根拠を持ったトレードをすることが挙げられます。

一般社団法人　金融先物取引業協会が2018年に公表した「外国為替証拠金取引の取引顧客における金融リテラシーに関する実態調査」によると、FXで損失を出した理由を「根拠の薄い取引をしてしまったから」と答えた人は40%近くいました。根拠のあるトレードをしなければ、FXで失敗する可能性が高いといえるでしょう。

根拠のある取引ができれば、ギャンブルのような運の要素は少なくなり、勝率を高めることが可能です。根拠のある取引のためには、相場の分析が重要。相場を分析する手法として、テクニカル分析とファンダメンタルズ分析があります。

テクニカル分析は、過去の価格推移をもとにしてチャートを用いた分析をする手法。ファンダメンタルズ分析は各国の金融政策や経済状況に注目し、情報を分析する手法です。チャートを使うテクニカル分析のほうが初心者でも取り入れやすいですが、両方ともバランスよく使うのがFXで失敗しないためのコツといえます。

FXで失敗しないためには、一定のルールを決め、それを守って取引することが大切です。

レバレッジは何倍までにする、取引時間はこのあいだだけ、重要指標が発表される前にポジションを精算しておく、これくらいの損失が出たら損切りするなど、具体的な数値を入れてルールを決めておきましょう。

とくに損切りや利確など、決済のタイミングを決めておくのは重要です。誘惑に負けそうになっても、決めたルールを守って取引すれば予想外の損失が発生しにくいといえます。やみくもに取引をすると精神的に不安定になりやすいというデメリットもあるので、決めたルールは守るようにしてください。

FXに関する基礎知識を身につけることも、失敗しないコツです。

FXは為替相場の変動によって損益が決まるため、取引するなら外国為替や為替レートの仕組みを理解するのは必須といえます。専門用語や通貨ペアごとの値動きの特徴なども知っておかなければ、適切なタイミングで取引ができず損失を出してしまうこともあるでしょう。

時間も労力もかかりますが、FXについて勉強し知識をつけることで長期的に利益を上げられるようになります。FXに関する知識は本や雑誌のほか、スマホアプリやWebサイト、セミナーなどさまざまな方法で学べるため、利用しやすいものから取り入れてみましょう。

FXで失敗しないためには、低いレバレッジでトレードすることも大切です。

レバレッジを設定して大きな利益を狙えるのはFXの魅力ですが、損失が大きくなる可能性が高まるのも忘れてはいけません。レバレッジを低く設定することで、損失の幅が小さくなります。損失を抑えられればロスカットも発動しにくくなるため、結果的に自分の資金を守ることにもつながるでしょう。

レバレッジは自分で調整できるため、大きくしすぎないよう設定を見直してみてください。

自分で決めたルールを守れる人は、FXに向いています。

FXでは、感情的にならずに勝率の高いトレード手法やルールに基づいた取引を行うことが大切です。短期的な損益に一喜一憂し、最初に決めたルールを守れない場合は、適切なタイミングで売買ができなくなってしまいます。

適切なルールを定めてそれを忠実に守った取引をすると、冷静に売買ができて損失を抑えながら利益を追求できるでしょう。FXでは、すべての取引で勝つ必要はありません。長い目で見て利益を大きくできるように、淡々と勝率を高めていくことが大切です。

失敗を分析し、そこから学べる人はFXに向いています。

FXで勝ち続けることは、基本的にありません。たくさん取引をするなかで、成功と失敗を繰り返していくのがFXです。そして失敗した原因は必ずあるため、そこから分析し学ぶことが大切。トレードの根拠を分析すれば同じ失敗を繰り返さずに済むので、徐々に勝率は高くなっていくでしょう。

FXを始めたばかりのタイミングでは、失敗する確率のほうが高くなります。失敗したときに投げ出さず、どのような原因で負けてしまったのかを冷静に分析し次に活かせる人なら、FXに向いているといえるでしょう。

絶対に損をしたくないと考えている人に、FXは向いていません。

金融商品のなかには、元本を下回ることがない元本保証型の商品もあります。元本保証型の商品は損をする可能性が低い一方、大きな利益も得にくいのが特徴です。

FXは元本が保証されているわけではないため、最初に用意した資金すべてを失ってしまう可能性もあります。大きな利益が狙える一方、損失も大きくなりやすいため、絶対に損をしたくない人には向きません。

金融商品のリターンとリスクは比例します。ハイリターンを狙えるFXには、ハイリスクが伴うもの。それを理解したうえで、投資でFXを選ぶのが適切かどうかを判断しましょう。

学習意欲がない人は、FXに向いていません。

FXはギャンブルのように思われやすいですが、実際は為替相場の変動によって損益が決まるもの。相場が変動する要因はさまざまで、それらを踏まえたうえで通貨の価値が上がるか下がるかを予測しなければなりません。つまり、FXで利益を出すためには、経済や政治の状況をはじめとする情報の収集や勉強が必要不可欠です。

勉強せずにFXを始めると、根拠がない取引をすることになってギャンブル性が高まってしまいます。勉強したくないと考えている人は大損してしまう可能性もあるため、FXはやめておきましょう。

すぐ感情的になってしまう人は、FXに向いていないといえます。

FXでは、感情のコントロールが重要です。最初に決めたルールに基づいて冷静に取引できれば、利益を出せる可能性が高まります。損を出した際に熱くなってしまい、一発逆転で利益を出せるように無茶な取引をして大損するケースは、FXにおいてめずらしくありません。感情に任せて取引を行うと、FXでは利益を逃したり損をしたりしてしまいます。

どのような状況になっても焦らず、淡々とルールどおりに取引をする。それが難しいと思う人は、FXに手を出すかどうかよく考える必要があります。

短期間で大きな利益を狙おうとしている人にも、FXは向いていません。

FXにはレバレッジがあるため、少ない資金で大きな利益を得られる可能性があります。レバレッジを最大にして大きな資金で取引を行えば、一発逆転できるほどまとまった利益を出せることもあるでしょう。

ただし、リターンが大きくなるとリスクも大きくなるのが投資の常識です。レバレッジを大きく設定したことで損失が大きくなり、一気に資金を失って取引が継続できなくなることもあります。リスクを抑えるためにも、FXで短期間に大きな利益を得ようとするのはやめましょう。