安全性の高い仮想通貨であるホワイトリスト。言葉として聞いたことはあるけれど、内容までは詳しく知らない人も少なくないはずです。
そこで今回は、仮想通貨のホワイトリストについて詳しく解説します。登録されている通貨や登録条件についても紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
大学卒業後に銀行員として勤務、法人顧客の経営支援・融資商品の提案や、個人向け資産運用相談を担当。 2020年にマイベストに入社、自身の銀行員時代の経験を活かし、カードローン・クレジットカード・生命保険・損害保険・株式投資などの金融サービスやキャッシュレス決済を専門に解説コンテンツの制作を統括する。 また、Yahoo!ファイナンスで借入や投資への疑問や基礎知識に関する連載も担当している。
仮想通貨のホワイトリストとは、改正資金決済法によって金融庁の登録を受けた暗号資産交換業者で扱われている暗号資産(仮想通貨)のことです。一定水準の安全性が保たれているので、安全な仮想通貨を購入する際の参考になります。
仮想通貨は2010年ごろから取引が始まった比較的新しい投資方法です。始まって以降多くの取引所が乱立し、「必ず価値が上がる」「ここでしか買えない」などの謳い文句に乗せられ、大きな損失を出す利用者もいました。このような状況改善とマネーロンダリング対策を目的として、2017年4月に改正資金決済法が施行されます。
現在は金融庁の審査を通過した取引所だけが国内で仮想通貨を扱えるようになりました。ただし、金融庁が信頼性を直接保証したり、特定の仮想通貨の購入を推奨したりすることはありません。
仮想通貨がホワイトリストに登録されるには、適切な取引形態やリスク管理を徹底し、金融庁の審査を通過しなければなりません。金融庁の審査プロセスと判断基準について解説します。
金融庁の審査プロセスは主に、役員ヒアリング→書面審査→訪問審査の3ステップで、すべての通過が必要です。
役員ヒアリングでは、事業内容・事業計画・リスク管理の考え方などを確認します。事業者のビジネスプランが明確か、リスクに応じた内部管理態勢は十分か、などをヒアリングで確認する段階です。
書類審査では、具体的な管理方法・管理態勢を書面やエビデンス(根拠)に基づいて検証します。仮想通貨のリスク管理・利用者保護措置・システムリスク管理などが検証項目です。
最後の訪問審査では、書類審査の内容を踏まえて、現場で規定の運用状況や管理態勢の実効性を検証します。
上記3ステップの審査を通過すれば、金融庁への登録手続きは完了です。暗号資産を取り扱う国内取引所は金融庁への登録が必須で、登録を受けていない事業者は国内で暗号資産交換業を営んではいけません。
ホワイトリストに登録されるには、取引形態やリスク管理の適切性が重要になります。
暗号資産の取り扱いによって生じるリスク、暗号資産の仕組み・用途・流通状況、テロ資金やマネーロンダリングに利用されるリスクなどが主な判断基準です。
判断基準を参照すると、利用者にとってリスクが高い暗号資産は、ホワイトリストに適切でないと判断される可能性が高いことがわかります。つまり、ホワイトリストの仮想通貨は登録されていない仮想通貨と比べて、一定の安全性が担保されているといえるでしょう。
仮想通貨=ビットコインの印象が強いですが、ホワイトリストに登録されている仮想通貨はなんと50種類以上。ホワイトリストに登録済みの仮想通貨の一覧と代表的な仮想通貨3つを紹介します。
ホワイトリストに登録済みの仮想通貨は、2023年2月時点で以下のとおり55種類あります。
ADA(カルダノ/エイダ)
ASTR(アスター)
ATOM(コスモス)
AVAX(アバランチ)
BAT(ベーシック アテンション トークン)
BCC/BCH(ビットコインキャッシュ)
BOBA(ボバネットワーク)
BSV(ビットコイン・サトシ・ビジョン)
BTC/XBT(ビットコイン)
CHZ(チリーズ)
CICC(カイカコイン)
CMS:ETH(コムサイーサ)
CMS:XEM(コムサネム)
COT(コスプレトークン)
DAI(ダイ)
DEP(ディープコイン)
DOGE(ドージコイン)
DOT(ポルカドット/ドット)
ETC(イーサリアム クラシック)
ETH(イーサリアム)
ENJ(エンジンコイン)
FCR(FC Ryukyu Coin(FCRコイン))
FSCC(フィスココイン)
FTT(エフティエックストークン)
HT(フォビトークン)
IOST(アイオーエスティー)
JMY(ジャスミー)
KLAY(クレイトン)
LINK(チェーンリンク)
LN(リンク)
LSK(リスク)
LTC(ライトコイン)
MATIC(ポリゴン(マティック))
MKR(メイカー)
MONA(モナーコイン(モナコイン))
MV(ゲンソキシ メタバース)
NCXC(ネクスコイン)
OKB(オーケービー)
OMG(オーエムジー、オーエムジーネットワーク)
ONT(オントロジー)
PLT(パレットトークン)
QTUM(クアンタム/クオンタム)
RYO(コバン)
SAND(サンド)
SOL(ソラナ)
TRX(トロン)
XCP(カウンターパーティー)
XEM(ネム、NEM/XEM)
XLM(ステラルーメン)
XRP(エックスアールビー)
XTZ(テゾス)
XYM(シンボル)
ZAIF(ザイフトークン)
ZIL(ジリカ)
ZPG(ジパングコイン)
ホワイトリストに登録されている仮想通貨のなかで有名なものは、ビットコイン・イーサリアム・XRPの3つです。それぞれの特徴を紹介します。
ビットコインは世界初の仮想通貨で、最も有名な仮想通貨といえるでしょう。正体不明の開発者サトシ・ナカモトによって構想された仮想通貨で、仮想通貨界をけん引する存在です。
ビットコインは発行枚数が2100万枚と決まっているため、希少性が高いことが特徴。希少性が高いこと、取引量が多いことなどからビットコインは最も時価総額が高い仮想通貨として世界中で取引されています。
中央の管理者がいないこともビットコインの特徴です。円やドルなどの法定通貨は中央銀行が管理していますが、ビットコインには管理者が存在しません。そのため、取引は個人間で行われ、金融機関を経由しない分手数料も安く設定されています。
イーサリアムはビットコインに次ぐ第2位の時価総額を誇る仮想通貨です。NFT取引で使用される点でも非常に注目されています。
NFTとは、Non-Fungible Tokenの略で、日本語では非代替性トークンと呼ばれる技術です。トークンとは暗号資産を指すので、NFTとは替えがきかない唯一無二の暗号資産のことをいいます。従来のデジタル資産はコピー&ペーストできるのが通常でしたが、NFTを活用することでデジタル資産も独自の所有物として扱うことが可能となりました。
デジタル資産所有者の明確化・希少性の担保の観点からNFTのニーズは高まっています。実際のNFT取引の決済に用いられる主な通貨が、データの改ざんができない仕様になっているイーサリアムです。
XRPは銀行間の国際送金に特化した仮想通貨です。送金スピード・取引処理の速さから、日本国内でも人気を集めています。
XRPのウォレット(通貨を管理する場所)は誰でも作成可能なため、銀行口座を持たない国や地域でも利用可能です。送金コストも約0.05円と比較的安くなっています。
XRPは中央集権的であることも特徴のひとつ。多くの仮想通貨は管理者を持たず個人間の取引が基本ですが、XRPはアメリカのXRP社が管理しています。発行枚数は1,000億枚と決まっており、すでに発行済みです。
金融庁に登録されている暗号資産交換業者(国内取引所)は多数ありますが、どの取引所を利用すべきか悩んでいる人もいるでしょう。
以下の記事では、取扱仮想通貨・手数料・取引量の3点を徹底比較し、仮想通貨取引所の人気ランキングを紹介しています。取引所の選び方や見極めポイントなども解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
数ある仮想通貨のうち、ホワイトリスト入りしていない仮想通貨が流通しているのも事実です。ここでは、ホワイトリストに関する3つの質問について解説します。
ホワイトリストに登録されない仮想通貨の特徴として、匿名性の高さが挙げられます。仮想通貨における匿名性とは、通貨が使われた履歴を追跡できない・追跡しづらいことです。匿名性が高い仮想通貨は、マネーローンダリングの手段やテロ活動の資金となり、社会に悪影響を与える可能性があります。
また、レバレッジが高すぎる仮想通貨もホワイトリスト入りできないケースが多いです。レバレッジとは、証拠金を預けることで手元資金の数倍の取引ができる仕組みをいいます。
例えば、レバレッジが10倍の場合、手元資金が100万円であれば100万円×10倍=1,000万円の取引が可能です。レバレッジをきかせると大きなリターンが期待できる反面、価格の急落で多額の借金を抱えることも想定されます。
日本仮想通貨交換業協会が定めるレバレッジの指定水準は4倍なので、4倍を超えるレバレッジは高いといえるでしょう。
ホワイトリスト入りしていない仮想通貨は、一般的にハイリスクといえます。金融庁の審査を受けていない、国内外の取引所で扱われる仮想通貨は、安全性・信頼性が担保されていないので注意してください。
仮想通貨は数千種類あるともいわれ、なかには詐欺まがいの通貨も存在しています。そもそも、ホワイトリストに登録されていない国内取引所は違法なので、利用しないようにしましょう。また、海外取引所はよく情報収集してから慎重に利用することをおすすめします。
ホワイトリスト入りすることと、仮想通貨の価格の間には、直接的な関係はありません。
しかし、ホワイトリスト入りによる取引量増加への期待感などから、価格が上昇する傾向があります。近年では、2021年10月に取扱いが始まったXYM(シンボル)の価格が急騰しました。
このような事例は存在しますが、ホワイトリスト入り=価格上昇と約束されているわけではないので、過度な期待は禁物です。
現在ホワイトリストに登録されている仮想通貨も、ホワイトリストから除外される可能性があります。
金融庁は登録済みの取引所も厳しく監視していて、利用者保護やリスク管理の問題があるときには業務改善命令が発動。それにもかかわらず取引所が命令に従わない、あるいは業務改善できない場合には、登録が抹消されることもあります。
登録が抹消されると国内取引所として営業することはできません。ある仮想通貨が唯一取引できる国内取引所が登録抹消されることになれば、その仮想通貨はホワイトリストから除外されてしまいます。
ホワイトリストの仮想通貨=安全と過信せず、経済動向や日々の価格をチェックする姿勢が重要です。
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