仮想通貨のDEXとは？分散型取引所の仕組みを徹底解説！

また、DEXはブロックチェーンと呼ばれるデータベース上に成り立っています。取引データはすべてブロックチェーンに記録されますが、第三者が存在しないぶん、資産の管理は自分で行う必要があることを念頭に置いておきましょう。

DEXはユーザー同士が直接資産をやり取りするのに対し、CEXでは交換所が取引の管理を行います。自分で資金を管理することに不安を感じるユーザーは、まずCEXの利用を検討してみてもよいでしょう。

また、DEXの取引手数料は需要と供給のバランスによって変化するのに対し、CEXでは交換所があらかじめ手数料を決定する点も異なります。各銘柄の取引手数料は「BLOCKCHAIR」に代表されるブロックチェーン・エクスプローラー（検索エンジン）に記載されているので、詳しく知りたい人はぜひチェックしてください。

DEXはユーザー同士が直接取引を行う取引所を指すのに対し、DeFiは分散型金融と呼ばれる仕組み自体を指します。分散型金融とは、中央に管理者を置かずに取引を行う金融システムです。

ユーザー同士の取引を仲介する業者がいないため、手数料などのコストを抑えられます。また、ブロックチェーン上に記録された取引記録が正しいものかを調べ、承認するのがユーザー自身である点もDeFiの大きな特徴です。

オーダーブック形式とは、売買注文をブロックチェーン外（オフチェーン）で行い、最終的な決済のみをブロックチェーン内（オンチェーン）で行う方式のこと。売り注文と買い注文の注価格が一致すると取引が発生する仕組みです。

すべての内容をブロックチェーンに記録する必要がないため、よりスムーズな処理を実現できます。また、売買注文から注文の取り消しに至るまで、取引内容を詳細に記録するためのコストを省けるのも大きな特徴です。

AMM（自動マーケットメイカー）形式とは、第三者を仲介することなく、自動的に市場へ流動性を与えるシステムのこと。貯金箱と似た役割を担う流動性プールにトークンを預け、代わりに自分が必要とするトークンを受け取る仕組みです。

また、オーダーブック形式とは異なり、売買注文のマッチングから決済まですべてオンチェーンで行われます。マッチングをオンチェーンで行う仕組みにしたことで取引の流動性が高まり、DEXの取引量が増える要因にもなりました。

DEXはCEXに比べて、取引手数料が安い傾向にあります。CEXはユーザーの取引を第三者が管理するのに対し、DEXはユーザーが直接取引を行うため、人件費をはじめとするさまざまなコストを大幅にカットできるのが大きな理由です。

資産の管理を自分でしっかり行う責任は負いますが、支払う手数料が少ないぶんより多くの利益を得やすくなります。

DEXはユーザー自身がセキュリティ管理を行えるため、仮想通貨取引所のセキュリティ強度に依存せずに済むメリットがあります。マウントゴックスの経営破綻、コインチェックへの不正アクセスによる仮想通貨流出などのニュースを受け、CEXでの取引に不安を感じている人におすすめです。

ブロックチェーンでは非常に強固なセキュリティ体制がとられていますが、完璧な安全が保証されているわけではありません。IDパスワードの使いまわしはしないなど、ユーザー自身でもしっかり管理を行う姿勢が大切です。

DEXは比較的新しい取引方法であり、法整備が十分に進んでいません。トラブルに遭遇してしまった場合の相談先が少なく、基本的に自己責任というデメリットがあります。

DEXでの取引を始める前に、仮想通貨の最新ニュースを日頃からチェックし十分な知識を身に付けましょう。また、万が一取引を行うなかで被害を受けてしまっても生活に影響が出ないよう、ある程度の資産を蓄えておくことをおすすめします。

DEXの利用が増えるにつれて、各国で規制が進む可能性もあります。DEXは国籍関係なく誰でも利用できる反面、資金調達の手段として反社会的勢力に悪用される危険もあるためです。

中国では2021年に仮想通貨の取引が禁止されており、ほかの国でも仮想通貨やDEXに対する法規制が進むと考えられます。自分が住んでいる国だけではなく、仮想通貨の取引が盛んな国のニュースも注目するように心がけましょう。

DEXは中央集権型の取引所に比べて広く浸透しておらず、取引の流動性が低い傾向にあります。自分が希望する価格で売買を行いたくても、取引相手が見つかりにくい可能性があることを念頭に置いておきましょう。

また、DEXは仲介業者が管理を行わないため、銘柄の価格や手数料が取引量に左右される一面もあります。流動性が低いままの状態が続くと、価格の変動が激しくなり取引が成立しにくくなるため注意が必要です。

まずは仮想通貨取引所のWebサイトで口座開設を行います。口座開設にはパソコンまたはスマートフォン、タブレット、本人確認書類が必要です。手続きをスムーズに行うため、必要なものを事前に揃えておきましょう。

提出できる本人確認書類の一例としては、運転免許証やマイナンバーカード、国内で発行されたパスポート、各種保険証などが挙げられます。必ず最新の情報が記載されているか、住所変更や就職によって情報が変わった箇所はないかをチェックしてください。

必要なものがすべて揃ったら、利用したい取引所のWebサイトでメールアドレスやパスワード、基本情報を登録します。特にパスワードは悪意のある業者などに利用されないよう、使い回しをしない、推測されやすい数字やアルファベット（生年月日・氏名など）を組み合わせないといった工夫が必要です。

口座開設が完了したら、日本円を入金します。入金は銀行振込やコンビニ入金など、各取引所が指定する方法に従ってください。

入金後は取引所で仮想通貨を探し、購入したい銘柄が見つかったらタップして購入画面へ進みます。数百円単位から購入できる取引所もあるため、予算に合わせて選びましょう。

仮想通貨を購入したら、通貨を保管できるウォレットの準備をしましょう。ウォレットは仮想通貨を保管できる財布のような役割を果たしており、取引所と接続することで保有している通貨の出し入れができます。

ウォレットは世界全体で使われている「MetaMask」がおすすめです。Googleの拡張機能に入れるだけで利用できるのも、魅力のひとつといえるでしょう。ウォレット作成完了後は、取引所の画面で紐づけを行うと接続できます。

ウォレットを作成したあとは、購入した仮想通貨をウォレットに送金しましょう。ここではCoincheckを例に挙げて手順を解説しますので、ぜひ参考にしてください。

ホーム画面を開き、「ウォレット」のプルダウンから暗号資産の送金画面へ進みます。事前に作成したウォレットのアカウント名、宛先を正しく入力したら「送金する」をタップして完了です。ひんぱんに利用する送金先は、前もって送金リストに宛先を追加しておくことで2回目以降の操作がスムーズになりますよ。

必要な手続きがすべて完了したら、DEXに登録し取引を始めましょう。代表的なDEXのひとつであるCryptobridge（クリプトブリッジ）を例に挙げて説明しますが、基本的な流れはほかの取引所でも同じです。

公式サイトへアクセスしたら、まずWebブラウザでウォレットを起動するか、ウォレットをダウンロードするか選びましょう。Web上で操作を行う場合、「Launch DEX」をクリックしてアカウント作成画面へ進みます。

入力項目はアカウント名、パスワードのみと非常にシンプル。ただし口座開設のときと同様、個人情報の管理はしっかりと行いましょう。すべての項目を入力したら、「アカウント作成」をクリックして完了です。

PancakeSwap（パンケーキスワップ）は、2020年9月にサービスを開始したAMM形式のDEXです。ユーザーが流動性プールにトークンを預けて市場に流動性を与え、その報酬として利益を得るファーミングという仕組みが導入されています。

PancakeSwapはCAKE（ケーキ）と呼ばれるトークンを発行しており、抽選会に参加するためのチケットとしても利用可能です。こつこつ運用と行いながら効率的に収入を増やしたい人は、CAKEトークンを増やして抽選会に挑戦してみるのもよいでしょう。

dYdXはイーサリアムのブロックチェーン上に構築されているDEXです。レイヤー2と呼ばれるチェーンで処理をすることで、イーサリアムブロックチェーンがこれまで課題にしてきた処理スピードの遅さや、手数料の高さを解決しました。

また、利用できる取引方法の幅が広いのも魅力のひとつです。多少のリスクがあっても高いリターンを狙いたい上級者は先物取引、リスクをなるべく抑えて安全に資産運用したい人は流動性マイニングを利用するなど、自分の目的に合った運用方法を選びましょう。

Uniswap（ユニスワップ）は、2018年11月にイーサリアムのブロックチェーン上でサービスを開始したDEXです。自動マーケットメイカー（AMM形式）を採用しており、DeFi市場に流動性を高めることを目標にしています。

UniswapではUNIと呼ばれる独自のトークンが配布されており、トークンを保有している人なら誰でも取引が可能です。UNIトークンはBinanceをはじめとするCEXでも利用できるため、複数の取引所で仮想通貨を売買したいと考えている人はぜひチェックしてみてください。

DEXは金融庁から正式な認可を受けていないため、トラブルが起きた場合に自己責任での解決が求められます。海外と比べて専門的な知識を備えている人も少なく、何かあったときに相談できる機関が見つからない危険性もあると覚えておきましょう。

また、DEXではバグが発生することもあり、システムが弱体化した隙を突いたハッキング事件も発生しています。慎重に資産を管理することはもちろん、万が一被害に遭ってしまったときのために、ある程度の貯金を行っておきましょう。

DEXはスマートコントラクトを基盤として運営が行われているため、ユーザーをサポートしてくれるシステムが存在しません。難しい専門用語やサービスの使い方など、疑問点が生まれたときに細かいサポートを受けられない場合があります。

専門家のサポートを受けながら資産運用に挑戦したい人は、CoincheckやbitFlyerなど企業が運営しているCEXの利用を検討しましょう。