洗濯機が水漏れすると慌ててしまうもの。そのまま放置すると感電や火災のリスクもあるので、すぐに対処する必要があります。しかし、何をすればいいのかわからず、困っている人も多いでしょう。
そこで今回は、洗濯機から水漏れしたときに今すぐできる対処法を解説します。水漏れの原因や、修理費用の目安も紹介するので、ぜひ参考にしてくださいね。
ダイソンの派遣販売員として、ケーズデンキなど家電量販店で掃除機の接客・販売を2年間担当した経験を持つ。マイベストへ入社後はその経験を活かし空気清浄機・除湿機・オイルヒーター・スティッククリーナーなど季節家電・空調家電や掃除機をはじめ白物家電全般を専門にガイドを担当し、日立やシャープ、パナソニックなどの総合家電メーカーから、ダイニチ工業・Sharkなどの専門メーカーまで、150以上の家電製品を比較検証してきた。毎日使う家電製品だからこそ、本当によい商品を誰もが簡単に選べるように、性能はもちろん省エネ性能やお手入れのしやすさまでひとつひとつ丁寧に確認しながらコンテンツ制作を行う。
水漏れ発生時には、直ちに電源をオフにし、給水元栓と給水栓を閉めましょう。通電状態で水が漏れると、感電や火災のリスクが高まるためです。また、水の供給が続くと、漏水被害がどんどん広がってしまいます。
水漏れに気づいたら本体の電源スイッチを押して停止し、プラグをコンセントから抜きましょう。次に、壁についている元栓や洗濯機背面の給水栓を回して閉めると、水の流れを止められます。
漏れ出た水は、すぐに拭き取りましょう。そのままにしておくと、床材が傷んだりカビが発生したりするほか、床下や階下に浸水し深刻な被害につながります。防水パンを設置しておいたり、普段から使用後は水栓を閉める習慣をつけたりすると、万が一の際にも被害を最小限に抑えられますよ。
水漏れをしている箇所によって、対処すべきポイントは異なります。漏れている箇所を見極めて適切に対応して、トラブルを最小限に抑えましょう。
給水ホースから水漏れするのは、パッキン内の詰まり・ゴムパッキンの劣化・亀裂などが原因です。給水部は常に水圧がかかっているため、ゴミの詰まりやゴム部品の摩耗が生じやすくなります。
ホースの内部に砂やサビが溜まっていたら、接続部分を外して丁寧に洗い流しましょう。パッキンが傷んでいる場合は、ホームセンターや通販サイトで適合する新品を購入して交換します。ホースに亀裂がある場合は、応急処置としてビニールテープを巻き、洗濯機に適した規格の給水ホースに取り替えてくださいね。純正の部品は、メーカーの公式サイトで購入できます。
パッキンを交換する際は、ホース径に適したサイズ選びが重要です。合わないサイズを使用すると、かえって水漏れを引き起こすので注意しましょう。
排水ホースはゆるみ・詰まり・亀裂によって、水漏れが発生する場合があります。排水中は洗濯機が大きく振動し、強い水流がホースにかかるもの。接続部がゆるんだり、内部に洗剤カスが溜まって詰まったりしやすいといえます。
ホースの接続がゆるんでいた場合は、手でしっかり締め直すだけで改善する場合がありますよ。詰まりがあるときは、排水ホースを取り外して中を洗浄しましょう。再装着の際には、ホースが折れ曲がらないよう注意してくださいね。
ホースに亀裂が見つかった場合は、同じ太さ・長さのものに交換しましょう。交換用ホースは、ホームセンターや通販サイトで手軽に入手できます。ビニールテープによる補修は応急処置にすぎないので、早めに部品の交換を行ってください。
蛇口と給水ホースの接続部では、ナット・ゴムパッキン・ニップルのゆるみや劣化がないかを確認しましょう。常に水圧がかかる部分なので、時間が経つにつれてゴムが縮んだり、ナットがわずかにゆるんだりして、水漏れの原因になることがあります。
ナットやニップルがゆるんでいる場合は、モンキーレンチを使って締め直しましょう。ニップルが劣化しているなら、交換も検討してください。パッキンの劣化も新品を購入して取り換えれば対処可能です。
ただし、ゆるんだ部分は固く締めすぎると、部品が傷つく場合があります。締めるときは手応えを確かめながら、適度な力加減で行ってくださいね。
洗濯機本体から水が漏れている場合、内部のパーツの詰まりや摩耗が考えられます。本体内部に問題がない場合は、結露しているだけかもしれません。適切な判断をするためにも、まずは漏れている箇所はどこか観察しましょう。
水漏れが生じた際は、ゴミ取りフィルターや洗剤投入ケースの詰まりがないか確認しましょう。フィルターに糸くずやホコリが蓄積して目づまりを起こすと、水の流れが妨げられ、あふれ出すことがあります。また、洗剤が固まって流れが滞ることで、水漏れが起きているかもしれません。
フィルターは中のゴミを取り除いたうえで、歯ブラシなどで軽くこすりながら水洗いしましょう。ひどく詰まっている場合は、フィルター自体を交換するのも手です。洗剤が固まっている場合は、投入ケースや周囲のパーツを取り外して水洗いし、本体側の収納部分も濡れた布で拭き取ってください。
ゴミ取りフィルターの場所は機種によって異なりますが、多くの場合は洗濯機の下部に設置されています。わからない場合は、事前に取扱説明書で位置を確認してから掃除しましょう。
洗濯機本体の外部に発生している少量の水は、水漏れではなく結露かもしれません。冷たい水を使って運転したり、乾燥した室内で使用したりする場合、洗濯槽外側に発生した水滴が、本体下部に滴り落ちてくることがあります。
機械の故障ではなく、温度差によって起こる自然現象なので、修理の必要はありません。にじみ出た水を吸い取るには、運転後に本体の下にタオルを敷いて対処しましょう。
洗濯機を設置している場所の湿度が高くても結露が発生するので、脱衣所や洗面所に設置しているなら、定期的に換気をするように心がけてください。
縦型洗濯機は、パルセーターの摩耗が原因で水漏れを引き起こすことがあります。部品の摩耗によって軸とのかみ合わせがゆるみ、隙間が生じる場合があるためです。
パルセーターとは、洗濯槽の底にある大きな円形の部品で、水流を生み出すために回転しています。新しい部品があれば自分でも交換が可能ですが、ネジやパッキンなどの細かい作業が必要なので、修理業者に依頼したほうが確実です。
なお、パルセーターは縦型洗濯機特有の構造部品であり、ドラム式洗濯機には存在しません。
洗濯機の水漏れを未然に防ぐには、日ごろから洗濯物を入れすぎず、こまめなお手入れを心がけることが大切です。手軽にできる予防策を取り入れて、水漏れを防ぎつつ洗濯機を使える環境を整えましょう。
洗濯物は詰め込みすぎないよう心がけましょう。洗濯物が多すぎると運転中の振動が大きくなり、内部パーツの劣化や故障の原因につながります。
目安としては、洗濯機の容量に対して7割程度の洗濯物にとどめるのが理想です。たとえば10kgタイプの洗濯機であれば、7kg程度までに抑え、余裕を持たせて入れるようにしましょう。なお、1日分の洗濯物量は、1人につき約1.5kgです。
メーカーが提示している使用目安や、機種ごとの取り扱い説明書もチェックして、適切な量を守るようにしてくださいね。
フィルター・洗濯槽・ホース内などを月1回ほど掃除すると、水漏れの予防や衛生面の改善につながります。汚れやカビが蓄積すると、水流の偏りや詰まりが生じて、洗濯機内部に異常な水圧がかかることが。排水口が詰まると、水がホース内に逆流して漏れの原因になるケースも少なくありません。
槽内のお手入れは、塩素系や酸素系洗濯槽クリーナーを使って、標準コースで回してください。洗剤投入口は40~50℃のお湯ですすいだうえで、歯ブラシでこすり洗いしましょう。フィルターはゴミを取り除いてから、歯ブラシで目詰まりを取り除いてくださいね。
洗濯機の外側やホースのジャバラ面のホコリは、掃除機で吸い取ってから水拭きしましょう。汚れが目立つ場合は、住居用洗剤のスプレーも使えます。排水口はパーツを分解したあとにパイプクリーナーを注入、30分ほど放置してからすすぎましょう。分解したパーツは、中性洗剤やアルカリイオン電解水などでこすり洗いしてください。
なお、掃除を行う前には取扱説明書を確認し、パーツの外し方や戻し方を把握しておきましょう。
ホースの交換やナットの締め直しなどの軽作業は自分で対応できますが、本体内部や高圧部分の修理は、専門の技術者に依頼しましょう。修理費用の相場は、約20,000円前後とされています。修理箇所別の目安は、以下のとおりです。
<洗濯機のメーカー修理費用の目安>
<洗濯機の専門業者による修理費用の目安>
修理を検討する際は、複数社から見積もりを取り、料金や対応内容を比較しましょう。また、メーカー保証や家電量販店の延長保証を活用できるかも、忘れず確認してください。
今使っている洗濯機が11年以上経過しているなら、買い替えを検討するタイミングかもしれません(参照:消費動向調査 2024年3月 内閣府調べ)。水漏れ・異音・洗浄力の低下などが出ている場合は、部品の劣化が進んでいるサインです。修理を繰り返すより、新しいモデルに切り替えたほうが経済的だといえます。
寿命の目安や買い替えの判断基準は、以下のコンテンツで要チェック。おすすめの製品や選び方を紹介しているコンテンツも、あわせてチェックしてくださいね。
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