衣類へのダメージを抑えてやさしく洗いながらも、皮脂汚れをしっかり落とすドラム式洗濯機。毎日使うものだからこそ、「乾燥機能を使うと電気代が高くなる?」「縦型洗濯機と比べて電気代はどうなの?」と気になる人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、ドラム式洗濯機の電気代を解説します。縦型との比較や節電のコツもお伝えしますので、洗濯時の光熱費を少しでも減らしたい人は、ぜひ最後まで読んでくださいね。
ダイソンの派遣販売員として、ケーズデンキなど家電量販店で掃除機の接客・販売を2年間担当した経験を持つ。マイベストへ入社後はその経験を活かし空気清浄機・除湿機・オイルヒーター・スティッククリーナーなど季節家電・空調家電や掃除機をはじめ白物家電全般を専門にガイドを担当し、日立やシャープ、パナソニックなどの総合家電メーカーから、ダイニチ工業・Sharkなどの専門メーカーまで、150以上の家電製品を比較検証してきた。毎日使う家電製品だからこそ、本当によい商品を誰もが簡単に選べるように、性能はもちろん省エネ性能やお手入れのしやすさまでひとつひとつ丁寧に確認しながらコンテンツ制作を行う。
ドラム式洗濯機おすすめTOP5
ドラム式洗濯機の電気代は、ヒーター式かヒートポンプ式かによって1回あたりの電気代が大きく変わります。電力料金の目安単価31円/kWhで計算し、電気代を算出したので確認しましょう(参照:公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会)。
ヒートポンプ式は、乾燥にかかる電気代を1回あたり30円以下に抑えられる、省エネ性能の高い洗濯機です。空気中の熱を利用して乾かす仕組みで、ヒーターで空気を直接加熱する必要がないため、電力消費が少なく済みます。ヒートポンプ式を採用した洗濯機の電気代をチェックしてみましょう。
<ヒートポンプ式(洗濯~乾燥)>
毎日1回使うと仮定すると、1か月で約820〜900円、1年では約9,840〜10,800円程度です。ヒーター式と比べると1回で20〜30円ほど電気代が異なるため、年間では1万円以上の差が生まれるケースもありますよ。
ヒーター式を採用したドラム式洗濯機は。乾燥にたくさんの電力を使うため、1回あたりの電気代が50円を超えることがあります。ヒーター式は、高温の熱風を発生させて衣類を乾かす仕組みなので、その分エネルギーも多く消費するためです。ヒーター式を採用した洗濯機の電気代をチェックしてみましょう。
<ヒーター式(洗濯~乾燥)>
毎日1回使うと仮定すると、1か月で約1,570〜1,740円、年間では18,840〜21,000円程度です。
また、容量が大きなモデルでは乾燥にかかる時間が長くなりやすく、その分電力も多く使うため、電気代がさらに高くなる傾向があります。使用頻度や洗濯物の量によって、コストに大きな差が出る点に注意が必要です。
洗濯だけの使用であれば、ドラム式と縦型で電気代に大きな違いはありません。洗濯に使う電力量はどちらのタイプもそれほど変わらず、電気代への影響がとても小さいためです。
<ドラム式と縦型の電気代(洗濯のみ)>
1回あたりの差は1円程度なので、洗濯だけを使う家庭では、どちらを選んでもランニングコストに大きな影響はないといえるでしょう。
ただし、乾燥機能も使う場合は注意が必要です。縦型洗濯機の多くはヒーター式乾燥を採用しており、電力消費が大きい傾向があります。洗濯乾燥運転での電気代は、シャープの縦型洗濯機 ES-PW11Kの場合で約68.2円/回。ヒートポンプ式より約40円高いため、毎日1回運転すると年間で約14,000円も高くなります。
毎日の洗濯も、少し工夫するだけで電気代の節約につながります。できることから少しずつ試してみましょう。
毎日こまめに洗濯するより、ある程度まとめて行う方が電気代の節約につながります。洗濯機は1回の運転に使う電気の量がほぼ決まっているため、少量ずつ何度も洗うより一度にまとめて洗う方が効率的です。
たとえば、6kgまで洗える洗濯機で2.4kgずつ2回洗うよりも4.8kgを1回で洗った方が、年間で電気代が約180円、水道代は約4,360円の節約につながります。乾燥機能も同じようにまとめて使う方が効率的です。乾燥容量5kgのモデルで毎日容量4割ずつ乾燥するよりも、容量8割で2日に1回使う方が年間で約1,300円節約できますよ(参照:資源エネルギー庁)。
ただし、洗濯物をぎゅうぎゅうに詰め込んでしまうと、洗濯槽がうまく回らず汚れが落ちにくくなることがあるため注意しましょう。洗濯物は洗濯槽の7〜8割くらいの量を目安にすると、しっかり洗えて節電効果もアップします。
電気代をしっかり節約したい人には、乾燥機能を使わず自然乾燥に切り替えることがおすすめです。乾燥機能は便利ですが、非常に多くの電力を消費します。自然乾燥なら電気代がかからないので、その分の節約効果が期待できますよ。
たとえば、1回の乾燥にかかる電気代を約50円とすると、毎日使えば1か月で1,500円以上かかりますが、自然乾燥なら無料です。自然乾燥だと乾きにくい衣類は、短時間だけ乾燥機を使用しましょう。2日1回乾燥運転を使用した場合、自然乾燥を併用すると年間約12,230円の電気代が節約できるというデータもあります(参照:資源エネルギー庁)。
乾燥機能をできるたけ使わないためには、日中の風通しのよい場所に干したり、天気のいい日にまとめて洗濯したりすることもポイントです。雨の日や湿気の多い季節は乾きが遅くなるため、季節や天候に応じて柔軟に使い分けるとよいでしょう。
乾燥効率を高めるためには、フィルターの定期的な掃除がとても大切なポイントです。フィルターにほこりや繊維くずがたまると風の通り道がふさがれて、乾燥時間が長くなり余計な電力がかかります。
電気代を節約するためには、乾燥機能を使うたびにフィルターをさっと掃除しましょう。これだけで運転効率がアップして、電気代のムダを防げます。とくに毎日乾燥機能を使う人は、掃除を習慣化することが節約のポイントです。
自動お掃除機能がついた機種の場合でも、週に1回はフィルターをチェックし、ほこりがたまっていればお手入れを行いましょう。フィルターのほこりは放っておくと故障の原因にもなるので、こまめな掃除が大切です。
今使っている洗濯機が7年以上たっているなら、買い替えを検討するとよいでしょう。古い機種は最新モデルに比べて消費電力が高いため、買い替えることで電気代の節約につながります。
<古いモデルとの消費電力の違い(洗濯~乾燥)>
運転1回あたりの電気代の差は1円程度ですが、毎日1回使えば年間だと約447円の節約につながります。使用している洗濯機の乾燥方式がヒーター式なら、ヒーターポンプ式の最新モデルに変えることで、より電気代を抑えられますよ。
また、異音や焦げたようなにおいがする場合は、経年劣化による発火やケガなど事故につながる恐れあるため、電気代だけでなく安全面からも早めの買い替えをおすすめします。
洗濯機を選ぶときは、本体価格だけでなくランニングコストにも注目しましょう。乾燥機能やモデルによって電気代に大きな差が出ることがあります。詳しく確認していきましょう。
ヒーター式よりもヒートポンプ式のドラム式洗濯機を選ぶ方が、電気代をぐっと抑えられます。ヒーター式とヒートポンプ式では1回20~30円ほど電気代の差があるので、ランニングコストを抑えるならヒートポンプ式がおすすめですよ。
より電気代を節約したいなら、ヒーターとヒートポンプを組み合わせた「ハイブリッド乾燥」方式の高性能モデルもおすすめです。たとえばシャープの「ES-X12C」では、同じ6kgの洗濯乾燥で約590Wh(=約18.29円/回)と、さらに省エネ性能が高くなっています。
ヒートポンプ式やハイブリッド乾燥は初期費用が少し高めですが、日々の電気代を大きく抑えられるので、長い目で見れば家計にやさしい選択です。毎日や週に何度も乾燥機能を使う人に、とくにおすすめですよ。
洗濯機を選ぶときは、消費電力の少なさに注目しましょう。メーカーや機種によって、省エネ性能やモーターの効率、乾燥モードの設定が異なるため、同じように見えても使う電力に差があるためです。
たとえば、日立「BD-SG110KL」は洗濯~乾燥まで行うと約52.39円/回、シャープ「ES-K11C」は約58.28円/回。どちらも同じヒーター式ですが、機種によって1回あたり約6円、年間で2,000円近い差が生じます。
ヒーターポンプ式同士で比べると、パナソニック「NA-LX113DL」は洗濯から乾燥まで行う約29.76円/回、シャープ「ES-V11B」は約27.28円です。ヒーター式と同様、機種によって1回あたり2円程度の差が生じます。毎日1回で計算しても年間だと720円ほど差があるので、なるべく消費電力が少ないモデルを選びましょう。
購入の際は製品ラベルやカタログに記載されている「年間消費電力量」を確認し、お得な1台を見つけてください。
洗濯物の量に合わせて、ぴったりな容量の洗濯機を選ぶことも、電気代を抑えるためポイントです。容量が大きすぎると少量洗いで効率が悪くなり、小さすぎると洗濯回数が増えてしまうため、どちらもムダな電力を使う原因になります。家族の洗濯量に合ったサイズを意識することが大切です。
目安としては、1人あたり約1.5kgが適正量とされています。少量を毎日こまめに洗濯したい人や1〜2人暮らしなら6〜7kg、3人以上のご家庭なら8kg以上のモデルがおすすめです。8kg以上なら、シーツやタオルなどのかさばる洗濯物もまとめて洗えて便利ですよ。
洗濯物を入れたときに洗濯槽の7割ほどが埋まるくらいが、最も効率よく運転できる目安です。無理なくまとめ洗いができるちょうどよいサイズを選べば、電気代の節約はもちろん、洗濯の手間も減って家事の時短にもつながりますよ。
電気代を抑えるには、省エネ機能を備えた洗濯機を選ぶことがおすすめです。モデルによっては、省エネモードやエコ乾燥などの機能が搭載されており、洗濯や乾燥の運転を調節しながら必要最小限の電力で効率よく衣類を仕上げてくれます。
たとえば、パナソニックの「省エネ乾燥モード」は、通常の乾燥が約27.6円かかるところ、約19.2円まで抑えられることが特徴です。省エネモードを使えば、1回あたり8円年間で数千円の電気代を節約できますよ。
ただし、省エネモードは基準のコースに比べて運転時間が長くなる場合があるので、使うタイミングやスケジュールに合わせて上手に活用することがコツです。
ドラム式洗濯機おすすめTOP5