乾燥フィルターをなくした「らくメンテ」が売りのドラム式洗濯機、日立 ビッグドラム BD-SX120JL。「音が静か」「手入れが簡単」と評判です。しかし、なかには「洗浄力が物足りない」という気になる口コミも存在するため、購入を迷っている人もいるのではないでしょうか?
さらに、各メーカーの新商品や売れ筋上位など人気のドラム式洗濯機とも比較。検証したからこそわかった、本当のメリット・デメリットを詳しく解説していきます。ポイントや送料を考慮した価格比較も行いましたので、ドラム式洗濯機選びに迷っている人はぜひ参考にしてみてください。
ダイソンの派遣販売員として、ケーズデンキなど家電量販店で掃除機の接客・販売を2年間担当した経験を持つ。マイベストへ入社後はその経験を活かし空気清浄機・除湿機・オイルヒーター・スティッククリーナーなど季節家電・空調家電や掃除機をはじめ白物家電全般を専門にガイドを担当し、日立やシャープ、パナソニックなどの総合家電メーカーから、ダイニチ工業・Sharkなどの専門メーカーまで、150以上の家電製品を比較検証してきた。毎日使う家電製品だからこそ、本当によい商品を誰もが簡単に選べるように、性能はもちろん省エネ性能やお手入れのしやすさまでひとつひとつ丁寧に確認しながらコンテンツ制作を行う。
すべての検証は
マイベストが行っています
目次
良い
気になる
日立 ビッグドラム BD-SX120JLは、ドラム式洗濯機を検討中のすべての人におすすめです。洗濯~乾燥終了までにかかった時間は約3時間と、比較したなかではトップクラスの速さでした。稼働時間が短いぶん、1回の電気代も39.68円と安く抑えられています。「手入れが簡単」という口コミどおり、乾燥フィルターレスで手入れの手間も少なく、家事を時短したい人にはうってつけでしょう。
乾燥力の高さも魅力のひとつです。比較した商品には3時間以内で洗濯~乾燥が終了したものもありましたが、厚手の衣類に湿気が残ったものも少なくありません。対する本品はパーカーのフード・ポケットまでしっかり乾き、満足度の高い仕上がりに。手前から衣類に直接風を当てるヒートポンプ式の構造が功を奏したといえます。
「洗浄力が物足りない」との口コミに反し、標準コース・温水洗浄ともに洗浄力も十分です。とくに温水洗浄のカレー汚れの落ち具合は、比較したなかでもトップクラスでした。アプリ連携・洗剤自動投入に対応しており、予約設定も5工程のみとシンプル。各ボタンもわかりやすく、直感的に使えます。
取り出し口が斜めになっており、洗濯物を取り出しやすいのもメリットです。ただし、洗濯槽が少し高めなので、背が低い人は手が届きにくい可能性も。また、洗濯・乾燥をしたTシャツをチェックしたところ、若干の縮みが見られました。比較したなかでは縮みは少なめですが、お気に入りの服は乾燥しないほうがよいでしょう。
測定した稼働音は平均57.6dBと、比較した商品の平均値である54.2dB(※執筆時点)よりやや大きめです。一方で、振動音はかなり抑えられていました。階下に響きにくいことから、「音が静か」という口コミにもうなずけます。できるだけ家事の手間を省いて仕上がりもよいドラム式洗濯機をお探しなら、ぜひ購入を検討してくださいね。
日立が展開するドラム式洗濯乾燥機シリーズ、ビッグドラム。BD-SX120JLは、2023年11月に発売されたハイエンドモデルです。「洗濯コンシェルジュ」でスマホアプリと連携でき、外出先からリモート機能での運転の指示や、好みに合わせた洗い方を学習する「わがや流AI」などを利用できます。
洗濯のいろんな負担を減らしたいというコンセプトのもと、乾燥フィルターをなくした「らくメンテ」や、シワを伸ばしながら乾かす「らくはや 風アイロン」なども搭載。「らく はや きれい」を謳い文句に掲げています。
<主な機能>
同時に発売したBD-STX130JLとの違いは洗濯・乾燥容量です。BD-SX120JLの洗濯容量は12kg・乾燥容量は6kg。対するBD-STX130Jは洗濯容量13kg・乾燥容量7kgと、本品より大人数向けの仕様です。
今回は、日立 ビッグドラム BD-SX120JLを含むドラム式洗濯機全21商品を実際に用意して、比較検証レビューを行いました。
実際に使ってみた結果、日立 ビッグドラム BD-SX120JLにはさまざまなよい点がありました。1つずつ解説していくので、購入を検討している人はぜひチェックしてみてください。
乾燥力は申し分ありません。比較した商品には厚手の衣類に湿り気が残ったものが複数見られましたが、本品はパーカーのフード・ポケットまでしっかり乾きました。
検証では乾燥容量の6割の衣類を使用し、洗濯前後の重量の差分を計測。その結果、乾燥前より0.077g重量が減り、Yシャツが完全に乾いて水分量も0%になりました。パーカー・チノパンも同様に水分量は0%で完全に乾いています。
本品は空気中の熱を利用して衣類を乾燥させる、ヒートポンプ方式を採用しているのが特徴。「ほかの方式に比べて時短で乾燥できる」というメーカーの謳い文句どおり、厚手の衣類もカラッと仕上げたい人におすすめです。
Tシャツを洗濯・乾燥したところ、多少の縮みは見られたものの許容範囲内に収まりました。
洗濯前と比べて縮み具合は、肩幅1cm・身幅1.4cm・裾幅1cm・着丈2.5cm・袖丈0.7cm・袖口0.2cm。計測した6か所の寸法は合計6.8cmで、平均1.13cm縮みました。着丈の縮みがやや大きいものの、ほかの部位の縮みは少なめです。
比較したなかには着丈や身幅が5cm以上も縮んだ商品もあったことを思うと、本品は縮みにくい部類に入ります。とはいえ、お気に入りの洋服は乾燥しないほうがベターでしょう。
「洗浄力が物足りない」という口コミに反し、標準コース・温水洗浄ともに洗浄力は十分です。濃い汚れも、温水洗浄を使うとよく落ちました。
白いTシャツに5種類の汚れをつけて洗ったところ、標準コースでは卵・カレー・泥汚れの落ち具合が良好。皮脂汚れは、標準・温水コースともにやや落ちにくいことがわかりました。
口紅は比較したなかでは平均的な落ち具合でしたが、温水洗浄のカレー汚れの落ち具合はトップクラス。カレーの汚れがほとんど落ちない商品もあったなか、本品の温水洗浄の洗浄力の高さが光ります。
稼働音はやや大きめですが、標準コースの振動はかなり抑えられています。比較したなかには、音自体は静かでも本体の揺れが気になるものもありました。対する本品は、階下に響きにくいのが魅力です。「音が静か」という口コミが多いのにもうなずけます。
洗濯から脱水まで標準コースで稼動させた際の騒音値は、平均で57.6dBを記録しました。比較した商品全体の平均値である54.2dB(※執筆時点)を若干上回る結果です。とくに、すすぎ・脱水・乾燥時は比較したなかではやや大きめでした。
ナイトコースでも比較した商品の平均値が51.0dB(※執筆時点)のところ、平均51.9dBとわずかに上回っています。しかし、脱水時の稼働音は比較したなかでは静かでした。洗濯・すすぎ・乾燥時も気になるほどではなく、集合住宅に住んでいる人でも使いやすいでしょう。
<標準コースの稼働音>
<ナイトコースの稼働音>
お手入れについては、比較した大半の商品にあった乾燥フィルターがなく、「らくメンテ」の謳い文句どおり手間は少なめでした。加えて、本品にはドアパッキンの自動おそうじ・乾燥経路自動おそうじ・洗濯槽自動おそうじの、3つの自動洗浄機能も備わっています。
パッキン裏に凹凸がなく、汚れが溜まりにくい構造なのもうれしいポイントです。ただし、パッキンの隙間が0.5cm以上あるため、くるぶし靴下などが入り込みやすい点は注意しましょう。
糸くずフィルターは格子・網状でややゴミを取り除きにくいものの、水洗い可能でお手入れの頻度は月に1回が目安。「手入れが簡単」という口コミどおり、できるだけお手入れの手間を省きたい人に向いています。
家事の時短を叶えたい人にもうってつけです。洗濯・乾燥モードで稼働させたところ、わずか3時間3分で洗濯から乾燥まで完了しました。とても満足できる基準とした「3時間以内」をほぼクリアしたスピーディさです。
比較したなかでも、洗濯から乾燥までを3時間以内で完了できた商品はほんの一握りでした。本品と同じく乾燥容量6kgの商品には5時間半近くかかったものもありましたが、ここでも空気中の熱を利用して衣類を乾燥させるヒートポンプ方式が功を奏したといえるでしょう。
洗濯から乾燥がスピーディに終わるぶん、電気代もかなり抑えられています。ワットモニターを使って計測したところ、1回の運転にかかる電気代はわずか39.68円でした。比較したなかではトップクラスの安さです。
比較した商品には1回の電気代が40円を下回るものはほとんどなく、60円を超えるものも多く見られました。家事の時短・節約の両方を目指す人には、本品はよい候補になるでしょう。
洗濯物も楽に取り出せました。開き口の大きさは直径340×奥行140mmとやや狭めですが、取り出し口が斜めになっており、洗濯物が手前に落ちてきやすい設計です。
ドアの奥行は1153mmと狭めで、開閉はスムーズにできます。比較したなかには扉の開閉に力が必要な商品もありましたが、本品はハンドルを引くとドアのロックが外れる簡単な仕組み。指をかけやすい形状をしているのも便利です。
ただし、洗濯槽下部から地面までは430mmとやや低めです。身長が低い人だと洗濯物に手が届きにくい可能性があるので注意してくださいね。
ドアハンドルは、持ち手を押したら開く仕組みです。車のドアノブをイメージするとわかりやすいかと思います。
アプリ連携・洗剤自動投入に対応しており、「洗濯のいろんな負担を減らしたい」というコンセプトどおり機能性の高さが光ります。
ボタンの数は16個と多めですが、操作はシンプルです。比較したなかには操作パネルの表示が細かく、直感的に操作するのは難しい商品もありました。その点、本品は各ボタンの役割がアイコンと文字でわかりやすく表示されているため、迷わず目的の設定ができるでしょう。
例えば、標準コースで乾燥まで行う予約設定は、「電源→洗乾コース(初手標準)→予約→時間設定(初手5時間)→スタート」の5つのステップのみ。タッチパネルには非対応ですが、ボタン操作は簡単で慣れれば問題なく使えるでしょう。
予約時間の設定は「〇時間後」というタイプで、比較した終了時刻を設定できる商品と比べると若干手間がかかります。とはいえ、前回の予約時間を記録する機能があるため、いつも同じ時間に設定するのであれば手間を省けますよ。
洗濯容量 | 12kg |
---|---|
乾燥容量 | 6kg |
乾燥方式 | ヒートポンプ乾燥 |
洗濯〜乾燥時間 | 3時間3分 |
良い
気になる
ドア全開時の奥行 | 1153mm |
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洗濯時騒音値 | 51.9dB |
脱水時騒音値 | 57.8dB |
乾燥時騒音値 | 60.9dB |
予約タイマー機能 | |
チャイルドロック | |
ほぐし脱水機能 | |
洗剤・柔軟剤自動投入機能 | |
温水洗浄機能 | |
つけおきコース | |
槽洗浄コース | |
槽乾燥コース | |
部屋干しコース | |
除菌・消臭コース | |
インバーター搭載 | |
スマホ連携機能 | |
AIセンサー機能 | |
幅(手掛け・排水ホースを含む) | 630mm |
奥行 | 720mm |
高さ(給水ホース取付部を含む) | 1065mm |
重量 | 93kg |
本体下部幅 | 576mm |
本体下部奥行 | 539mm |
本体下部高さ | 90mm |
標準使用水量 | 88L |
乾燥時消費電力 | 1240W |
洗濯時消費電力 | 180W |
洗濯乾燥時消費電力量 | 980Wh |
※ランキングは、購入時に取得できるポイントを考慮した実質価格で作成しています。
138,728円
(最安)
販売価格:140,000円
ポイント:1,272円相当
送料別
ここでは、日立 ビッグドラム BD-SX120JLと異なる魅力を持った商品をご紹介します。購入を迷っている人は、比較して検討してみてくださいね。
TOSHIBA ZABOON ドラム式洗濯乾燥機 TW-127XP3Lは、洗浄力の高さが比較したなかでトップクラスです。標準コースでも卵・泥・皮脂・カレー・口紅の汚れをしっかり落とせました。
洗濯から乾燥までにかかった時間も、2時間47分と非常にスピーディ。厚めのパーカーはやや乾ききらなかったものの、Yシャツとチノパンはカラっと乾きました。 稼働時間が短いぶん、1回の電気代も約39円と省エネです。
操作はタッチパネルに加え、アプリ「スマホde操作」でも可能。予約設定が4工程とシンプルなのもうれしいポイントです。家事にあまり時間をかけられない人にぴったりですよ。
洗剤の自動投入機能があり、家事の時短ができるのも便利ですよ。ボタン数は多いものの、設定の工数は少なく操作もしやすい設計でした。糸くずフィルターがクシ歯タイプで、ゴミを捨てやすいのもうれしいポイントです。
洗浄力も高く、とくに温水洗浄では泥・皮脂がよく落ちました。ナイトコースはありませんが、洗濯から乾燥まで全体的に稼働音は控えめなので、夜間にも使用しやすいでしょう。
日立 ビッグドラム BD-SX120JLは、日立の公式オンラインストアで販売しています。価格は税込267,300円(執筆時点・公式オンラインストア参照)。配送・据付にかかる基本料金は、商品価格に含まれます。
ほかにも全国の家電量販店や、Amazon・楽天市場・Yahoo!ショッピングといったECサイトでも購入可能です。値段は取扱店舗により異なるため、お得に買えるところをリサーチしてみてくださいね。
日立 ビッグドラム BD-SX120JLの外形寸法は幅63.0x奥行72.0x高さ106.5cmで、設置可能な防水パンの内寸は54cm以上です。後方と側方を壁から1cm以上離すという消防法の規定にも注意しましょう。
ドアがどちら向きに開くのか、置いたときにドアを全開にできるかも重要なチェックポイントです。本品は左開きタイプですが、右開きタイプのBD-SX120JRも展開しています。設置場所の間取りに合わせて検討してみてください。
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