リクルートとJCBが共同開発した法人カード、Airカード。業界No.1(※)のポイント還元率を謳っています。しかし口コミが少なく評判がわからないため、実際のところどうなのか気になりますよね。また、個人事業主でも申し込めるのかも知りたいところです。
今回はAirカードの実力を確かめるため、以下の5つの観点で検証を行いました。
さらに、UPSIDERカードやマネーフォワード ビジネスカードなどの法人カード・ビジネスカードとも比較。検証したからこそわかった、本当のよい点・気になる点を詳しく解説していきます。年会費を払っても得をする損益分岐点も調査したので、法人カード・ビジネスカード選びに迷っている人は参考にしてくださいね。
日本国内の法人組織または個人事業主とクレジットカード発行に関する契約の締結がされたうえで、当該法人や従業員、個人事業主に対して発行するクレジットカード(招待制のものを除く)の、一般ショッピングにおけるポイント特典の還元率を調査/調査対象:主要なまとめサイト(6種)にてポイント特典の還元率が確認できた289種類のクレジットカード /調査期間:2023年12月1日~2023年12月8日/調査機関による調査
大学卒業後に銀行員として勤務、法人顧客の経営支援・融資商品の提案や、個人向け資産運用相談を担当。 2020年にマイベストに入社、自身の銀行員時代の経験を活かし、カードローン・クレジットカード・生命保険・損害保険・株式投資などの金融サービスやキャッシュレス決済を専門に解説コンテンツの制作を統括する。 また、Yahoo!ファイナンスで借入や投資への疑問や基礎知識に関する連載も担当している。
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Airカードは1.50%というポイント還元率の高さが魅力です。業界No.1のポイント還元率を謳うだけあり、比較した法人クレジットカードのなかでは唯一1.00%を超えていました。貯まったリクルートポイントはdポイントやPontaポイントに交換できるうえ、Amazonでの支払いにも使用可能。リクルートのサービスを接待・出張などに利用すると、さらにお得にポイントが貯められます。
主要な会計ソフトである弥生会計・freee・マネーフォワードのすべてに対応しており、使用中のソフトに連携しやすいのもメリットです。また、比較したなかにはETCカードの発行ができないカードもありましたが、AirカードはETCカードが発行可能なうえ年会費もかかりません。高速道路を使った移動が多い企業では重宝するでしょう。
一方で、年会費は5,500円と高めです。比較したなかにはUPSIDERカードやマネーフォワード ビジネスカードのように、年会費無料かつポイント還元率が1.00%と高めの法人カードもありました。還元率1.50%を加味しても、月間利用額が9.2万円以下なら年会費無料・還元率1.00%の法人カードのほうがお得になるため慎重に検討してくださいね。
バーチャルカードの発行には対応しておらず、初回申込時に発行可能な追加カードは3枚までと少なめです。追加カードの年会費は無料の法人クレジットカードも多いなか、Airカードは追加カードにも3,300円の年会費がかかる点も気になるところ。従業員数が増えるとコストも増加するので注意しましょう。
カード会社の空港ラウンジ利用特典は付帯しないため、飛行機を使った出張が多い人には不向きです。トップクラスのポイント還元率や法人・個人事業主を問わず申し込める点は魅力的ですが、年会費5,500円に対するお得感は低め。年会費無料でより効率よく経理管理ができる法人カードをお探しなら、ほかのクレジットカードも検討しましょう。
<おすすめな人>
<おすすめできない人>
実際にAirカードと比較検証を行った商品のなかで、総合評価1位を獲得したベスト法人クレジットカードと、各検証でNo.1を獲得したクレジットカードをピックアップしました。
Airカードのデメリットが気になる人は、ぜひこちらも検討してみてくださいね!
Airカードは、リクルートとJCBが提携して提供する法人向けのクレジットカードです。基本のポイント還元率は1.50%で、業界トップクラスの高還元を謳っています。また、利用明細データを会計ソフトに取り込むことで、経費管理の効率化を狙えることもアピールポイントのひとつです。
<基本情報>
今回はAirカードを含む人気の法人カード・ビジネスカードを調査して、比較検証を行いました。
具体的な検証内容は以下のとおりです。
検証の結果、Airカードには3つのメリットがありました。ポイントの活用を重視する企業には、有力候補になるでしょう。
業界No.1のポイント還元率を謳うだけあり、ポイントを効率よく貯めたい人や活用したい人にはうってつけの1枚です。ポイント還元率1.50%と、比較した法人カードのなかでは唯一1.00%を超えていました。
とはいえ、比較したなかには年会費無料でポイント還元率1.00%のものもあり、利用額によってはお得度で負けるケースも。年会費とポイント数の損益分岐点を計算したところ、月に約9.2万円以上使う場合にAirカードのほうがお得になることがわかりました。発行を検討している人は、ぜひ目安にしてください。
カード利用によるポイントにプラスで貯まるため、実質の還元率はさらにアップ。以下のようなリクルートサービスの利用にAirカードを使えば、リクルートIDで貯まるポイントとカード利用によるポイントの二重取りが可能です。
<リクルートIDでポイントが貯まるサービス>
貯まったリクルートポイントはAmazonでの支払いにも使えるうえ、dポイントやPontaポイントにも交換可能。出張や備品購入などさまざまな用途に1ポイント=1円から使えるため、経費削減にも役立つでしょう。
比較した法人クレジットカードには独自の特典がないものも多いなか、幅広いシーンでポイントが貯まる・使える点は魅力的。ビジネスでリクルートサービスをよく利用するなら、積極的に検討しましょう。
Airカードは、主要な会計ソフトであるfreee・弥生会計・マネーフォワードクラウドのすべてに連携可能です。比較した法人クレジットカードには3つのうち1つにしか対応していないものもありましたが、Airカードなら使用中の会計ソフトを使える可能性が高いでしょう。
ただし、比較した多くの法人クレジットカードと同様に明細のリアルタイム反映はできず、追加カードの即時発行や即時ロック機能もついていません。従業員の法人カードが不正利用された際に、すばやく対応しづらい点には注意してください。
Airカードには4つのデメリットもあるとわかりました。従業員数が増える可能性のある企業や、飛行機を使った出張が多い企業には向いていないでしょう。
年会費は5,500円と、一般的なゴールドカード並みの高さです。比較したなかには年会費無料の法人カードも多く、上位のカードの年会費も軒並み無料でした。
年会費10,000円を下らないプラチナカードやゴールドカードに比べると安いものの、持っているだけでコストがかかる点はネックといえます。できるだけコストを抑えたい企業には不向きでしょう。
利用限度額は最大500万円であり、法人カードの一般的な利用限度額といえます。
ただし、入会時の上限は100万円であとから増額申込をする必要があるので、発行してからしばらくは利用限度額が100万円以内になる点に注意してくださいね。
従業員が増えた際、管理コストが余計にかかるのも懸念点。比較した法人クレジットカードには追加カードの上限枚数が無制限のものもあるなか、初回申込時に発行できる追加カードは3枚までと少なめです。
さらに、追加カードにも年会費3,300円が発生。バーチャルカードの発行には対応していないため、カード紛失には十分注意しましょう。比較したなかには追加カードの年会費無料かつ、バーチャルカード発行可能なカードがあることを思うと、追加カードの使いやすさでは評価が伸び悩みました。
ただし、法人使用者追加届を提出すれば、合計で4枚以上の追加カードを発行できる可能性があります。必要に応じて、問い合わせてくださいね。
飛行機での出張頻度が高い企業にとっては、お得度が低めです。Airカードにはプライオリティ・パスが付帯していません。また、カード会社の空港ラウンジの利用や手荷物宅配・クローク/手荷物預かりといった空港サービスが利用できる特典もついていませんでした。
比較した年会費無料の法人カードのなかには、空港で受けられる特典が付帯するものはありませんでした。しかし、Airカードと同じ年会費5,500円の三井住友カード ビジネスオーナーズ ゴールドはカードラウンジを利用できることを思うと、物足りない印象です。
一方、高速道路を使った移動が多い企業にはおすすめ。比較したバーチャルカードが発行可能なカードはETCカードの発行ができない傾向がありましたが、AirカードはETCカードが発行ができるうえ、年会費無料です。空港での使い勝手を重視しなければ、選択肢に入るでしょう。
カード付帯の保険を利用したい人にも不向きです。比較したなかには年会費無料でも海外旅行保険や国内旅行保険が付帯する法人カードもあるのに対し、Airカードには海外旅行保険や国内旅行保険のいずれもついていません。
付帯する保険は、海外でのショッピングガード保険のみ。ショッピングガード保険とは、対象カードで購入した品物が思いがけない事故で受けた損害を保障するものです。保障期間は購入日から90日間。最高補償額は100万円(1事故につき自己負担額10,000円)です。
ゴールドカードと同じ水準の年会費を支払うことを思うと、付帯する保険の充実度はいまひとつといえるでしょう。
ポイント還元率 | 1.50% |
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年会費(税込) | 5,500円 |
追加カード上限枚数 | 4枚 |
良い
気になる
利用明細の即時発行可能 | |
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必要書類 | 代表者本人確認書類、謄本(登記事項証明書・登記簿謄本・商業登記簿謄本) |
追加カードの即時発行可能 | |
追加カードの即時ロック可能 | |
ポイント有効期限 | 1年(最終ポイント加算日から12か月後の月末まで) |
ポイントの付与単位 | 200円で3ポイント |
国内旅行保険 | |
海外旅行保険 | |
海外ショッピング保険 | |
国内ショッピング保険 | |
カード会社の空港ラウンジ利用可能 | |
プライオリティ・パス | |
空港サービス | |
グルメ優待 | |
ホテル優待 | |
コンシェルジュサービスあり | |
入会資格 | 法人・個人事業主(使用者は18歳以上) |
国際ブランド | JCB |
申込から発行にかかる期間 | 約3週間前後 |
ここでは、Airカードとは異なる魅力を持つ法人クレジットカードをご紹介します。
経理管理をできるだけ楽にするなら、UPSIDERカードがおすすめです。追加カードは枚数無制限で発行可能。バーチャルカードも即時発行できるため、従業員数が増えても余計なコストがかかりません。もちろん人気の会計ソフトにも連携でき、電子帳簿保存法やインボイス制度にも対応しています。
追加カードを含めて年会費は無料。それでいて、ポイント還元率は1.00%と高めな点も魅力です。Google広告やYahoo!広告で利用するとポイント還元率が最大1.50%にアップするため、広告費が多い企業ならよりお得にポイントが貯められますよ。
ただし、法人向けに特化しているため、個人事業主は申込不可。また、ETCカードの発行やカード会社の空港ラウンジ利用特典は付帯しません。飛行機での出張や高速道路を使った移動が多い企業には不向きですが、経費管理の効率化を重視するならよい候補になるでしょう。
マネーフォワード ビジネスカードなら、個人事業主でも申込可能です。公式サイトには法人・個人事業主設立1年目の企業も申し込めると記載があるため、スタートアップ企業にも向いています。
年会費は無料ながら、ポイント還元率は1.00%と高めです。追加カードは何枚でも発行できて年会費も発生しないため、コスパが高いといえるでしょう。従業員の法人カードが不正利用された際に備える、即時ロック機能もついていました。
ETCカードの発行や空港ラウンジ・ホテル優待といった付帯特典はないものの、マネーフォワード クラウド会計と連携しやすい点は魅力的。マネーフォワード クラウド会計を使っている法人や、年会費無料で使える法人カードを探している個人事業主はぜひ検討してくださいね。
カードが届くまでの時間は、申込から約3週間ほどが目安。カードが届き次第、すぐに利用を開始できます。申込の流れは、以下の4ステップです。
<Airカードの申込方法>
AirIDとは、リクルートが提供するさまざまな業務・経営支援サービスが利用できるアカウントIDです。登録は無料。利用できるサービスには、Airレジ・Airペイ・Airワークなどが含まれます。1つのAirIDで複数のサービス・店舗・ユーザーの一括管理が可能です。
Airカードについてのよくある質問への回答をまとめました。
申込対象は、法人または個人事業主。カード使用者は18歳以上であることが条件です。法人・個人事業主ではない場合は申し込めないため、注意しましょう。
ほとんどの法人クレジットカードと同じく、Airカードの審査基準は非公開です。とはいえ、一般的な法人クレジットカードの審査では以下の3点をチェックしているため、Airカードを申し込む際にも参考になるでしょう。
<一般的な法人カードの審査項目>
ここで注意したいのが、経営者個人の信用情報も審査に影響する点です。経営者個人がクレジットカードの支払い遅延や自己破産でブラックリストに載っている場合や、クレジットカードを利用したことがない場合、法人カードの審査が通過しにくくなります。
無理な借入や延滞をせず、よい履歴を保つよう心がけてくださいね。クレジットカードを利用したことがない人は、定期的にクレジットカードを利用して信用履歴を積みあげておくことをおすすめします。
締め日は毎月15日、引き落とし日は翌月10日です。10日が土・日・祝日の場合は、翌営業日に引き落とされます。
なお、利用明細はWEBでチェック可能。JCBの会員専用WEBサービス「MyJCB」にログインして確認しましょう。
Airカードにはゴールドカードやプラチナカードがないため、利用額に応じたランクアップはできません。ランクアップによる手厚いサービスや特典、高いステータスを期待する人には不向きといえます。
Airカードの解約は、JCB変更受付デスク(自動音声サービス)に電話をして手続きする必要があります。受付時間は平日の9:00~17:00。手元にAirカードと利用代金明細書を用意して、発信後はガイダンスにしたがって数字を入力しましょう。
<電話番号>
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