医薬品に関する幅広い知識を持ち、薬局や病院、製薬会社などで活躍している薬剤師。しかし、インターネットやさまざまなでは将来性がないといわれることもあり、特に薬剤師を目指している人は不安に感じることもあるのではないでしょうか。
本記事では、薬剤師の現状から考えられる将来性や、薬剤師に将来性がないといわれる理由を詳しく解説します。薬剤師としての将来性を高めるための対策法についてもあわせて紹介しますので、ぜひ最後までチェックしてください。
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薬剤師の有効求人倍率は年々減少しているものの、全国平均と比べて高いのが現状です。有効求人倍率は求職者1人あたりの求人数を示す指標であり、数値が高ければ高いほど、その職種が多くの人材を求めていることがわかります。
パート勤務を除いた医師・薬剤師などの有効求人倍率に着目すると、2018年12月時点では5.84倍。(参照:厚生労働省)2022年9月には2.86倍まで減少しており、4年間で約5割ほど落ち込んでいることがわかります。(参照:厚生労働省)
しかし、同年同月の全国平均が1.24倍であることから考えると、薬剤師の有効求人倍率は決して低くないといえるでしょう。(参照:厚生労働省)薬剤師は人の病気や健康に深く関わるため、景気の影響を受けにくい点が大きな強みです。
都心から離れた地方では、薬剤師不足が深刻な地域もあります。厚生労働省が2020年に発表したデータによると、人口10万人に対する薬剤師数は全国平均で198.6人でした。しかし、都道府県別にみると、平均を上回ったのは徳島県(238.6人)や東京都(234.9人)をはじめとする11都府県のみという結果に。(参照:厚生労働省)
最も少ない沖縄県では148.3人という数値が発表されており、徳島県と比べて100人近い差が生じています。薬剤師として働く人が少ない地方は、都市部よりも薬剤師の需要が高いといえるでしょう。
背景として、自分自身の健康に責任を持ち、軽度の不調であれば自分で手当てをするセルフメディケーションへの関心が強まっていることも挙げられるでしょう。しかし、街中のドラッグストアではさまざまな医薬品が販売されており、一般の人にとっては違いがわかりにくいもの。体質に合った薬や飲み合わせ方法などを的確にアドバイスできる薬剤師は、人々の健康をサポートする重要な役割を担っているといえます。
薬剤師の将来性を業種別にみると、それぞれ以下のような傾向があるといえます。
順番に詳しく紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
調剤薬局の薬剤師は供給過多になる可能性が高く、将来性は低いといえます。厚生労働省の調査によると、薬局の従事者は2016年時点で172,142人、2018年で180,415人、2020年時点では188,982人と右肩上がりの状態。
薬剤師の数は増加傾向にある反面、技術の発達にともなう生産性向上や、ジェネリック医薬品の普及により需要は減少すると予想されます。新たに調剤薬局の薬剤師を目指すのであれば、自分の知識やスキルを常に磨く、患者との丁寧なコミュニケーションを心がけるといった努力が求められるでしょう。
日本チェーンドラッグストア協会によると、業界全体の売上高は2020年時点で7兆円を突破しており、全国の店舗数は20,000店舗以上に拡大しています。店舗数の増加によって調剤併設型の店舗も増えており、薬剤師の需要はますます高まっていくと考えられるでしょう。
ただし、ほかの職場で働く薬剤師よりも年収が低めであることや、労働環境の過酷さなど問題点は多いのが現状。人材不足だといわれる職種や職場は相応の課題を抱えているケースもあるため、就職先を選ぶ際は慎重にリサーチを行いましょう。
ジェネリック医薬品とは、新薬の特許期間が過ぎたあとに新薬と同じ有効成分を使用して作られる薬のことで、日本政府も積極的な使用を勧めています。しかし、ジェネリック医薬品が普及すればするほど、新薬開発に携わる薬剤師の需要は減少してしまうのが難点。厚生労働省が発表したデータによると、医薬品関連事業の従事者数は2016年時点で42,024人、2018年で41,303人、2020年で39,044人と年々減少しています。
薬剤師の将来性がないといわれる主な理由として、以下の4つが挙げられます。
これから薬剤師を目指したい人や、薬剤師として働き続けるべきか迷っている人はぜひ参考にしてください。
薬剤師の仕事すべてがAIに代替されることは考えにくいですが、AIの普及が進むことで対人業務が中心になるなど、薬剤師の働き方に変化が起こる可能性は高いでしょう。
業務のデジタル化が進んでいることも、薬剤師の将来性がないといわれる原因です。オンライン診療や電子処方箋など、医療業界のデジタル化がすでに多くの医療機関において標準化されつつあります。デジタル化が進むことで薬剤師の負担軽減が期待できる一方で、薬剤師の仕事が減少するネガティブな側面も。
2022年4月にオンライン服薬指導の見直しが行われたことからも、デジタル化は今後も加速していくと予想できるでしょう。(参考:日本薬剤師会)
ファーマシーテクニシャン制度により、薬剤師の負担軽減が期待される一方で、薬剤師の需要が低下する恐れも。なお、厚生労働省は2019年4月に、薬剤師以外のスタッフがピッキング業務を行ってもよいとする発表を行いました。(参考:厚生労働省)少しづつですが、ファーマシーテクニシャン制度の導入に向けた動きが進んでいるといえるでしょう。
個人が薬剤師としての将来性を高めるためにできることとして、以下の5つが挙げられます。
薬剤師としてさらにキャリアアップしたいと考えている人や、長く働き続けたい人はぜひ最後までチェックしてくださいね。
ただし、かかりつけ薬剤師になるには、薬剤師として薬局での勤務経験が3年以上あることや医療関連の地域活動に参加していることなど一定の条件があるので注意が必要です。実績を積み、患者に求められる存在になることで、薬剤師の将来性を高めましょう。
日々技術がアップデートされる医療業界において、専門分野に特化した薬剤師の需要は高いといえるでしょう。ただし、資格の取得に時間とお金がかかります。職場によっては資格取得に向けてサポートしてくれる場合もあるので、一度確認してみるといいでしょう。
管理薬剤師になるには、薬局における5年以上の実務経験や認定薬剤師であることなど一定の条件があります。管理薬剤師へのキャリアアップを見据えて、実務経験を積みながらマネジメントスキルも学んでおくとよいでしょう。
今後の訪日外国人の増加に備えて語学力を磨くことも、市場価値の高い薬剤師として活躍するうえで有効です。観光庁によると、訪日外国人旅行者は年々増加しています。2020年から2022年にかけては一時的に減少したものの、国際線の運行再開も相まって回復へ向かうでしょう。また、日本に移住する外国人の数も増加しており、中国や韓国をはじめとするアジア圏からの移住が顕著です。(参考:総務省 )
そのため、英語だけでなく、中国語や韓国語などさまざまな国の言語を話せることがアドバンテージになる可能性もあります。外国人客にも適切な接客ができるよう、語学教室や書籍を利用して積極的に勉強してみてもよいでしょう。
キャリアアップのために転職を検討することも、薬剤師としての将来性を高める方法のひとつです。薬剤師として目指すキャリアは、人によってさまざま。そのため、自分の目的や素質にあった職場を選ぶことが大切です。
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