転職が難しいといわれる40代薬剤師。転職したくても、採用してくれる企業はあるのか、40代でも需要はあるのかなどが気になり、失敗を恐れてなかなか一歩を踏み出せない人も多いのではないでしょうか。
今回は、40代薬剤師が転職するにはどうすればいいかや、失敗しないための注意点を紹介します。転職を検討している40代薬剤師の人は、ぜひ参考にしてみてください。
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薬剤師資格を持っていれば、40代でも転職は可能です。薬剤師の転職市場は経験やスキルが重視されることや、薬剤師が足りていない職場も多いことなどが理由としてあげられます。まずは、40代薬剤師が転職可能な理由を確認しましょう。
薬剤師の転職市場は経験やスキル重視であるため、40代薬剤師でも転職は可能です。一般的な転職市場では若手が優遇される場合が多いものの、薬剤師の場合は若手だけでなく経験が豊富で即戦力となる人材も重宝されます。
面接の際、薬剤師として働くなかで培った知識や経験をアピールできれば、40代でも転職は十分可能です。ただし、これまでの経験や知識だけに頼らず、常に新しい知識をつけようと努力する姿勢も忘れてはいけません。
薬剤師が不足傾向にあることも、40代薬剤師が転職できる理由の1つです。とくに規模の大きい病院や地方では、薬剤師が不足しており確保が困難といわれています。
厚生労働省の一般職業紹介状況(令和5年7月分)では、全体の有効求人倍率が1.15倍であるのに対し、医師・歯科医師・獣医師・薬剤師の有効求人倍率は2.05倍と高いことがわかります。
有効求人倍率は、1人の求職者に対して何件の求人があるかを示す数値です。医師・歯科医師・獣医師・薬剤師は1人につき2件の求人がある状態のため、売り手市場といえるでしょう。
少子高齢化が増大するなかで、薬剤師の確保は各医療機関にとって非常に重要な課題です。経験がある薬剤師であれば、年齢問わず需要はあるといえます。
40代になると管理薬剤師の経験を持つ人も少なくないため、転職は十分に可能でしょう。どんな現場にも法律によって管理薬剤師を配置することが義務付けられているほか、管理薬剤師の経験は高度な経験やスキルを意味するためです。
管理薬剤師は、通常の薬剤師業務以外に医薬品の管理、ほかの薬剤師の管理や指導、適正な使用のための情報提供業務なども行います。管理薬剤師の経験を転職面接でアピールすれば、即戦力としての採用が期待できるでしょう。
現職が管理薬剤師を目指せる環境であれば、転職前に管理薬剤師の経験を積んでおくことも有効です。ただし、管理薬剤師の求人は一般の薬剤師と比較して数が少ない点には注意しましょう。
40代薬剤師には、ドラッグストアや調剤薬局への転職がおすすめです。それぞれ以下で特徴をおさえておきましょう。
ドラッグストアは、40代薬剤師でも転職しやすい職場の1つ。ドラッグストアのなかでもとくに調剤薬局を併設した店舗が増えており、人手不足が続いています。調剤薬局を併設していないドラッグストアでも、要指導医薬品と第一類医薬品を販売する際には薬剤師が必要です。
ドラッグストアは調剤薬局と比べて勤務時間が長い傾向にありますが、その分給与は高く設定されているのが一般的です。
ドラッグストアで働く薬剤師の仕事内容は、OTC医薬品の販売やレジ打ち、商品の品出し、POP作成など幅広く存在します。調剤薬局を併設しているドラッグストアであれば、調剤業務を行う場合もあるでしょう。
夜遅くまで営業している店舗もあるため、人によっては体力に厳しさを感じる人もいる点には注意が必要です。
調剤薬局への転職も、40代薬剤師におすすめの転職先です。調剤薬局も数が多く、人手不足が続いている傾向にあります。
調剤薬局では、医薬品に対する知識や調剤経験があれば即戦力になれるため、調剤業務のある職場でキャリアを積み上げてきた40代薬剤師であれば歓迎されるでしょう。
調剤薬局の業態は、ドラッグストア併設されているものや、単独の店舗などさまざまです。メインの業務は調剤であることが多いものの、事務作業や接客など、付随する業務の割合は勤務先によって異なります。
40代薬剤師には、製薬会社や病院など転職難易度が高い場所もあります。転職に失敗しないよう、あらかじめそれぞれの特徴を確認しておきましょう。
製薬会社など一般企業への就職は、40代薬剤師にとって難しいといえます。一般企業での業務は、医療機関での薬剤師経験だけでは務まりづらいほか、募集内容と同様の経験がない限り40代を採用してくれる企業は一般的にあまりありません。
例えば製薬会社に転職すると、開発や営業職、薬事申請など、調剤以外の業務を行います。薬剤師としての知識や経験以外の専門スキルが求められるため、転職の難易度は高いでしょう。
英語のスキルが高い、営業経験がある、管理職経験があるなど、企業でも活かせそうなスキルや経験を持っている人なら、転職できる可能性はあります。
病院への転職も、40代薬剤師には難易度が高いといえます。病院は、体力があり比較的低い年収で働いてもらえる若手を採用する傾向にあるためです。
病院のなかでも、とくに大学病院は転職が難しいといわれています。大学病院は傾向としてあまり高い年収が出ない一方、勤務はハードであるため、より若手を求めるのが特徴です。
ただし、病院やクリニックでの勤務経験があれば転職も可能です。慢性期病院や、小さなクリニックは比較的競争率が低いため、40代以上でも需要が見込めるでしょう。
40代薬剤師が転職に失敗しないためのポイントには、転職する目的を明確にすることや、自分の経験やスキルを活かせる職場に応募することなどがあります。失敗を防ぐために、以下で具体的なポイントを確認しましょう。
転職する目的を明確にすることは、40代薬剤師が転職に失敗しないためのポイントのひとつです。目的を明確にしないまま転職すると、転職後にこんなはずではなかったとミスマッチが生じることがあります。
目的を明確にすれば、どんなところへ転職すべきかが見えてくるでしょう。給与をアップさせたいなら、これまでの経験やスキルが活かせる職場にキャリアアップ転職することが必要です。家族との時間を増やしたいのであれば、勤務時間の短いところへ転職する必要があります。
転職するにあたって希望する条件を、すべて紙に書き出して優先順位を決めるといいでしょう。転職の目的を明確にしておけば、ぶれずに転職活動を進めることが可能です。
自分の経験やスキルを活かせる職場に応募することも、40代薬剤師が転職に失敗しないために重要です。
40代の転職では、転職先で即戦力となることが求められます。未経験の40代を採用してくれるところは少ないので、できるだけ経験がいかせる場所を選びましょう。
これまでの薬剤師経験のなかで扱った科目や処方箋、対応経験のある疾患、経験した職務などを書き出し、得たスキルや学びを整理してください。整理した内容をもとに、経験やスキルを活かせそうな求人に応募しましょう。
経験を整理して自分を深く知れば、自分の得意不得意が分かるだけでなく、応募書類の内容や面接での受け答えの内容に説得力を持たせられます。面接官に即戦力になれることをうまく整理してアピールできれば、採用に繋げられるでしょう。
40代薬剤師が転職を成功させるには、年収はあくまでも参考程度にすることが大切です。年収だけをみてほかの条件をおろそかにすると、転職したあとに後悔するケースがあります。
年収がよい求人は魅力的に見えますが、年収だけを見て転職すると、転職後に労働条件や職場環境が悪いことが判明し、早期退職につながる可能性もあるでしょう。
求人を見る際は、年収以外の条件もしっかり確認してください。職場見学が可能であれば、職場の雰囲気を確認したり、従業員に話を聞いたりするのもおすすめです。
40代で転職に成功するには、転職エージェントの利用がおすすめです。自分に合う職場の探し方や、スキル・経験の整理、応募書類の書き方など、あらゆることをサポートしてもらえます。
転職エージェントは、専任の担当者が転職者の希望条件・スキル・経験に合う求人を紹介してくれる転職サービスです。求人紹介以外に、応募書類の作成や面接対策など、転職に関わることへの手厚いフォローが受けられます。
以下の記事では、公開求人数や検索のしやすさをもとに、人気の薬剤師転職サイトを比較検証しておすすめの薬剤師転職エージェント・転職サイトを紹介。転職エージェントを利用する際は、参考にしてみてください。
40代で未経験の薬剤師は、転職難易度が上がると考えておきましょう。40代は転職市場において、即戦力として求められることが基本です。いずれの業種・職種であっても、未経験で採用してもらえるのは20代までであることがほとんどでしょう。
とくに病院やクリニック、製薬会社などの企業はかなり難しいため、狙うならドラッグストアがおすすめです。ドラッグストアは慢性的な人手不足が続いているほか、薬剤師免許が必要な業務以外にも接客販売業務があるため、未経験でも比較的受け入れてもらいやすい環境といえます。
薬剤師としての仕事が未経験であっても、ほかに特筆すべき経験やスキルを積んできた人であれば、内容によっては企業などへ転職できる可能性も。これまで積んできた薬剤師以外のスキルをメインにアピールし、新たに取得した薬剤師免許が活かせることをアピールすれば、転職できる可能性はあるでしょう。
薬剤師としてどんな業務が未経験かによっても判断は異なるので、自分の需要がわからない人は前項で紹介した転職エージェントを利用してみてください。これまでの経験やスキルをヒヤリングしたうえで、薬剤師としてどんな職場へ転職できるかアドバイスがもらえます。
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