ドラッグストアや調剤薬局など、就職先としてさまざまな選択肢が考えられる薬剤師。薬剤師の就職先としては具体的にどのような職種があり、年収はどれくらいなのか気になっている人もいるのではないでしょうか?
本記事では、代表的な薬剤師の就職先を紹介します。就職先別の仕事内容やメリット・デメリット、年収などについても解説するので、気になる人はぜひ内容を確認してみてください。
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厚生労働省が令和2年に行った調査によると、薬剤師が選ぶ職場として最も人気なのは薬局であり、全従業員数の58.7%にあたることがわかりました。(参照:「薬剤師」)医療分業が進み、大手の調剤薬局やドラッグストアが増加したことが主な理由です。
薬剤師の薬局以外の就職先としては、病院を含む医療施設や製薬会社、公的機関などが挙げられます。令和2年の厚生労働省の調査によると、それぞれの就職先で働く薬剤師の割合は、病院を含む医療施設が36.5%、製薬会社をはじめとした医薬品関連企業が12.1%、公的機関が2.1%でした。
ほかにも、薬学の研究を行うために大学に就職する人もおり、薬剤師はさまざまな職種で活躍できる職種であることがわかります。就職先によって仕事内容や待遇にどのような違いがあるかをしっかり理解し、自分に適した職場を選びましょう。
薬剤師の主な就職先であるドラッグストアは高収入を狙いやすい、製薬会社では幅広く医療業界に貢献できるメリットがあります。ここでは、自分に適した就職先を見つけるためのポイントを紹介しますのでぜひ参考にしてください。
薬剤師としてドラッグストアで働くメリットは、高年収を狙いやすい点。病院とは異なり企業が経営しているため、利益を追求しやすいことが主な理由です。
給与基準は企業によって異なりますが、入社してから数年で年収500万円以上を狙えるケースもあります。また、薬剤に関する知識だけでなく、商品販売や店舗のマネジメントなど幅広い知識が身につく点もメリットです。
ドラッグストアでの仕事内容は、問診と適切な薬剤の提案に加え、お客様の症状によっては専門医への受診をすすめる場合があります。お客様のなかには通院を嫌い、セルフメディケーションをする人もいるため、ドラッグストアの薬剤師は、地域医療に幅広く貢献しているといえるでしょう。
ドラッグストア勤務の薬剤師のデメリットは、営業時間が長く、土日に休めない可能性が高いこと。また、レジ打ちや商品陳列などのほかの店舗スタッフと同じ業務を任せることもあり、仕事にやりがいを感じられないケースもあります。ドラッグストアへの就職を考えている人は、事前に求人情報を十分に確認し、自分の希望にあわせて働ける職場かどうかを確かめるようにしましょう。
調剤薬局で働くメリットは、残業が少なく、プライベートの時間を確保しやすい就職先が多い点が挙げられます。夜間営業がある調剤薬局を除けば、基本的には夜勤がない職種のため、規則的な働き方が可能です。
調剤薬局の薬剤師は、医師の処方箋にしたがって医療薬品の調剤を行い、患者に服薬指導と販売を行います。患者さんと直接コミュニケーションをとる機会が多いため、地域医療に貢献しているという実感も得やすいといえるでしょう。
調剤薬局で働くデメリットとしては、従業員が少ない職場の場合は、人間関係が閉鎖的になってしまう場合があることが挙げられます。また、クリニックや病院に併設している調剤薬局では、処方箋がワンパターンになりやすく、やりがいを感じにくい人もいるかもしれません。公式ホームページで職場の雰囲気や業務内容を確認する、実際に働いている薬剤師と話をするなど、あらかじめリサーチを行っておきましょう。
病院勤務は、患者一人ひとりの健康に直接貢献できる点がメリットです。対面で患者と向きあって細かな服薬指導を行い、治療経過も確認できるため、医療に貢献している実感が得やすいのも大きな魅力です。
病院勤務の薬剤師の主な仕事内容は、外来患者や入院患者を対象とした調剤・服薬指導・薬歴管理など。治療によっては、専門的な調剤管理を行うケースもあるため、幅広い知識が求められることを念頭に置いておきましょう。
病院で働く薬剤師のデメリットとしては、ほかの就職先と比較すると年収が低い傾向にあることや、夜勤や日直当番があり勤務形態が変動しやすいことなどが挙げられます。勤務条件は病院の規模によっても異なるため、あらかじめ求人情報をチェックしたうえで、求人応募を行うのがおすすめです。
製薬会社勤務の場合、医療業界に幅広く貢献することができます。研究や開発、営業などさまざまな職種として医薬品・医療業界に関われるためです。
たとえば、研究・開発を受けもつ薬剤師は臨床試験や開発に直接かかわるため、自分の仕事が人々の健康に役立っている実感を得やすいといえます。製薬会社でMRとして働く場合は、医師や薬剤師から信頼を得られた際にやりがいを感じられるでしょう。
一方で、企業で働く薬剤師のデメリットとしては、転勤のリスクや、企業の業績で年収が変動しやすい点が挙げられます。転勤の有無や年収の変動は、就職先の企業によって違いがあるため、求人情報のチェックは怠らないようにしましょう。
公的機関で働く薬剤師は、やりがいの大きさや待遇のよさといったメリットを受けやすいといえます。国民の健康に直接貢献できる業務が多く、公務員であることから退職金を含む福利厚生が充実していることなどが主な理由といえるでしょう。
具体的な仕事内容は所属する行政機関によって異なりますが、法律に則った医薬品の指導や国民の健康に関する仕組みづくりなどがが中心です。研究・開発業務に関わったり、地方公務員として病院や保健所に務めたりするケースもあります。
公的機関で働く薬剤師は、薬学・医学以外にも食品衛生法などの法律、保険制度などさまざまな分野の知識が身につく一方、原則として副業ができないというデメリットもあります。ただし、例外として都道府県知事の許可を受ければ副業を行えるケースもあるため、あらかじめ就業規則をチェックしておくとよいでしょう。
薬学の研究に力を入れたい人は、大学への就職もおすすめです。大学によっては最新の研究設備が整っているところもあり、学びたい分野を徹底して掘り下げやすい環境であるためです。
大学に就職して行う研究は、学生時代に行っていた研究を継続するなどが考えられるでしょう。ほかにも学生に指導をする業務もあり、教えることが仕事のモチベーションにつながる人もいます。
大学では研究など自分がやりたいことに集中できるメリットがある一方で、職場が閉鎖的になりやすいデメリットも。接する相手も長期間同じケースが多く、薬剤師としてのスキルや社会人としてのマナーなどは身につきづらいといえます。将来的に大学以外の職場で働くことを視野に入れている場合は、最低限の社会的なマナーやスキルを勉強しておきましょう。
薬剤師の平均年収は580万円ですが、詳細は職種や地域によって異なります。ここでは薬剤師を目指す際、仕事内容のほかにもチェックすべきポイントを解説しますのでぜひ参考にしてください。
厚生労働省が行った調査「薬剤師-職業詳細」によると、令和4年の薬剤師の平均年収は583.4万円でした。医療業界や患者一人ひとりの健康に影響を与える可能性のある仕事であることや、一定以上の知識や能力を求められることが主な理由だといえます。
なかでも、製薬会社などの企業や、ドラッグストアで働く薬剤師の年収が高い傾向にあります。企業で働く薬剤師の平均年収は約450万円〜約750万円、ドラッグストアで働く薬剤師の平均年収は約400万円〜約700万円前後。一方で、病院で働く薬剤師の平均年収は約300万円〜約500万円、調剤薬局で働く薬剤師の平均年収は約400万円〜約650万円であり、やや年収が低いことがわかります。
ただし、就職する企業や勤務形態・役職によって年収は変動するため注意しましょう。詳しく知りたい人は、企業・薬局の公式ホームページ、インターネットの求人情報などをチェックすることをおすすめします。
薬剤師の年収は就職先の地域によっても大きく異なるため、注意が必要です。特に地方など薬剤師が不足している地域では、人材確保のために年収を高く設定している職場が多い傾向にあります。
2023年に公開された総務省の「e-Stat」によると、都道府県別で薬剤師の平均年収が最も高かったのは、宮崎県の717.7万円でした。2番目の熊本県は684.1万円、3番目の栃木県は664.8万円という結果に。
反対に最も平均年収が低い都道府県は、三重県の491.2万円であり、最も多い宮崎県と比較すると226.5万円の差があるとわかりました。薬剤師として働きながら効率的に年収アップを目指したい人は、働く地域にも注目してみるとよいでしょう。
薬剤師を目指す際に意識すべきポイントとして、将来的なキャリアプランや志望動機を明確にすることなどが挙げられます。ここでは、効率的に就職活動を進めるためにふまえておくべき内容を紹介しますので、ぜひ最後までチェックしてくださいね。
薬剤師を目指したいと考えたら、まずは将来的なキャリアプランを意識しましょう。長期的な目標をもつことで、資格取得や転職など具体的な行動の計画を立てて働きやすくなるためです。
たとえば、薬局の運営に携わりたいと考えているなら、管理薬剤師への昇進を目指してもよいでしょう。会社によっては、認定薬剤師の資格取得のためのサポートや研修を用意している場合があり、資格取得後のステップアップが期待できます。
単に大手企業で働きたいから、といった曖昧な理由で就職先を決めてしまうと、入社してからミスマッチに気づく可能性もあるため注意が必要です。薬剤師としてどのような仕事をしたいか、どのような環境で働きたいかをあらかじめ整理しておくことをおすすめします。
志望動機を明確にしておくことも重要なポイントです。業界や企業のリサーチを十分に行っているとアピールでき、企業側に自分を採用するメリットを感じてもらいやすくなるためです。
経営理念や事業内容のどの部分に魅力を感じたか、薬剤師としてどのようなキャリアを積みたいかなどを具体的に説明できるように用意しておきましょう。薬剤師の仕事に役立つ資格やスキルをもっている場合、あわせてアピールすることをおすすめします。
社会に貢献したいといった漠然とした志望理由は、採用担当者に熱意が伝わりにくいだけでなく、十分にリサーチを行っていないと判断されてしまう可能性もあるため注意してください。
薬剤師を目指す際は、事前の情報収集を怠らないことも重要です。業界全体や就職先の情報を理解しておくことで、自分が将来どのように働いていきたいかをイメージしやすくなります。
情報収集の手段としては、テレビや新聞・インターネットなどのほか、OB・OG訪問や学会への参加もおすすめです。OB・OG訪問では、実際に企業で働いている社員と接することができるため、業務のやりがいや大変さといったリアルタイムの意見が聞けます。
また、学会に参加をすれば、別の研究室や大学とのつながりも増えるため、就職先の幅も広がります。学会によっては就職の相談を受け付けている場合もあるので、積極的に活用してみてください。
薬剤師の就職先は病院やドラッグストア、調剤薬局などさまざまであり、年収も就職先や地域によって異なります。自分に合った就職先が見つからず迷ってしまった場合、転職サイト・転職エージェントを活用してみましょう。
mybestでは、薬剤師専門の転職サイトや転職エージェントをランキング形式で紹介しています。公開求人の多さや検索しやすさを確認することなど、転職サイト・転職エージェントを選ぶコツも解説しているので、ぜひ以下のリンクで詳細をチェックしてみてください。
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