さまざまな事情により、転職を繰り返してしまう薬剤師も少なくありません。転職回数が多いと、次に転職する際に採用されにくいのではないかと悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
今回は、転職回数が多い薬剤師は転職活動で不利になるのかを解説します。転職回数が影響しないケースや、転職歴が多くても採用率をアップさせるコツについても解説するので、勤務先を変えたいと悩んでいる薬剤師の人はぜひ参考にしてみてください。
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薬剤師の転職は難易度が高いという声もあるため、転職回数が今後のキャリアに影響を及ぼすのではないか、心配な人は多いでしょう。まずは、薬剤師の平均的な転職回数と、転職回数が多いと転職活動が不利になるのかについて解説します。
薬剤師の転職回数の平均は2.5回のため、3回以上の転職は不利になりやすいといわれています。3回以上職場を変えると、どの職場でも長続きしない人なのではないかと疑われてしまうためです。
一般的に採用担当者は、採用した人が自社で長く働き続けてくれるのかを重点的にチェックしています。採用にあたって多額のコストがかかるため、すぐに辞めてしまいそうな人材は採用したくありません。
2019年に厚生労働省が行った、医療・介護分野における職業紹介事業に関するアンケート調査によると、紹介事業者経由で薬剤師を採用すると、1人につき約122万円の手数料が発生します。採用した人材が短期間で退職してしまったら、支払った採用コストがすべて無駄に。
短期間で退職するイメージを持たれないために、転職回数が平均よりも多い人は、より入念な準備をする必要があると留意しておくことが大切です。
薬剤師として不利になる転職回数は、年齢や性別によっても異なるので注意しましょう。年齢が若いほど平均転職回数は少なくなるほか、女性薬剤師のほうがライフステージの変化によって転職回数が増える傾向にあります。
たとえば、20〜30代の薬剤師の平均転職回数は1.7回といわれているので、過去に2回転職していれば転職回数が多いと思われかねません。対して、50〜60代の平均転職回数は3.1〜3.3回であり、3回目の転職であっても平均的だと思われるでしょう。
女性薬剤師は、家庭の事情でやむを得ず転職するケースが多いと考えられます。結婚・出産・育児などで、育児休暇の取得や時短勤務が可能な職場を選んだり、配偶者の転勤などで転職せざるを得なかったりするため、転職回数が不利にならない場合もあるでしょう。
薬剤師の勤務先は、調剤薬局・ドラッグストア・病院・製薬会社などさまざまですが、それぞれ転職回数の許容範囲が異なる傾向にあります。以下では、何回目までの転職なら問題ないのか、勤務先ごとにチェックしてみましょう。
調剤薬局やドラッグストアは、転職回数が3~4回程度であっても採用されるケースが多いでしょう。
調剤薬局やドラッグストアは店舗数が年々増加していることもあり、慢性的な人手不足である場合が多く、転職回数は比較的重視されない傾向にあるといえます。
一方で、転職を5回以上繰り返していたり、キャリアに一貫性がなかったりすると、採用担当者が疑問を感じる可能性も。転職理由を詳細に質問されるケースもあるため、面接対策はしっかり行っておきましょう。
病院への転職を希望する場合は、中規模の病院であれば2~3回、大規模の病院なら1~2回までが、転職回数の目安です。
薬剤師の人手不足を感じている病院は多いため、転職回数が平均程度であれば許容範囲とみなされやすいでしょう。
ただし、規模の大きい病院は、転職回数が多いほど難易度が高くなる傾向にあるため要注意。そもそも新卒採用の割合が高く、中途採用の求人は競争率が高くなるため、同じ条件の候補者が複数人いれば転職回数で判断される可能性があるでしょう。
製薬会社は転職回数に厳しく、転職回数は過去1回におさまっているのが無難であるケースが多く見られるでしょう。
製薬会社は、候補者が長期就業できるかを重視する傾向にあるため、ほかの施設よりも転職回数への意識は厳しいと考えられます。
また、製薬会社へ転職する際には、過去に一定年数以上の経験があることも求められる傾向にあるため、転職回数が多いと条件を満たせない場合もあるでしょう。
過去の転職回数の上限を記載している企業もあるため、応募資格をよくチェックしてみてください。
薬剤師の転職回数が平均を上回っても、ライフイベントやキャリアプランの達成などが理由であれば、転職活動に影響しない場合もあります。以下では、薬剤師の転職回数が不利にならないケースについて見てみましょう。
女性薬剤師の場合は、出産や育児などが理由であれば転職回数が増えても不利になりにくいと考えられます。
勤務先によっては、業務内容や勤務時間がハードで負担が大きかったり、産休や育休の取得実績が低かったりする場合もあるでしょう。出産や育児が理由であれば、やむを得ず転職せざるを得なかったと受け取ってもらいやすいのが特徴です。
時短勤務やシフト勤務の体制が整っており、子育てに理解がある勤務先であれば、事情を考慮してもらえる可能性も高いでしょう。
ただし、ライフイベントが理由であっても、3年以内の転職を繰り返していると不利になる可能性もあるので注意が必要です。
年収アップやスキルアップ目的の転職の場合も、転職回数が不利になりにくいと考えられます。職場によっては管理職のポストがなかなか空かず、収入やスキルを高めにくい場合もあるためです。
たとえば、キャリアを積みたいのに長年同じ役職のままであれば、転職理由を納得してもらいやすいでしょう。
なお、年収アップやスキルアップを目的にした転職であれば、過去の勤務先で得られたスキルやキャリアビジョンを説明できるようにしておくのも大切です。転職回数が多くても、意欲がある人だと印象付けられる可能性が高いでしょう。
配偶者の転勤や転居によって転職回数が多くなった場合も、不利になりにくいと考えられます。家庭の事情による転職であるため、一概にマイナスとは捉えられにくいでしょう。
親との同居や、マイホームを購入したため通勤圏内が変更になったなどの理由も、やむを得ない事情として受け止めてもらえる傾向にあります。
ただし、出産や育児と同様に、3年以内の転職を繰り返していると不利になる可能性もあるため、注意しましょう。
転職回数が多い場合は、転職理由やスキルなどの伝え方を工夫したり、転職エージェントを活用したりすると転職活動を成功させやすくなるでしょう。以下では、転職回数が多い薬剤師が転職活動を成功させるコツについて解説します。
転職回数が多くても、転職理由を前向きな言葉に置き換えるように心がけましょう。過去の職場の不満や愚痴は、候補者本人の印象を損なう可能性があるためです。
たとえば、人間関係が悪くて転職を検討しているとしても、わざわざ上司や同僚の悪口をいう必要はありません。新しい環境で挑戦したい、チームで一丸となって働きたいなど、ポジティブな言葉にいい換えて前向きな姿勢を見せるように心がけてみてください。
ただし、本来の転職理由とかけ離れた内容を並べると矛盾が生じる可能性があります。嘘にならない範囲で、転職理由を考えてみましょう。
転職回数が多い場合は、薬剤師としての今までの経験やスキルをアピールするのがおすすめです。中途採用では即戦力を期待されるため、豊富な経験やスキルを持つ薬剤師が重宝される傾向にあります。
たとえば、病院薬剤師として専門的な知識を身につけていたり、調剤薬局で患者の状態に応じた対応策を提案したりした経験などを、具体的にアピールするのがおすすめです。
アピールした経験やスキルと転職先の業務内容がマッチしていれば、有益な人材として認識してもらいやすくなります。
熱意や目標が伝わると、転職回数が多い薬剤師でも採用されやすい傾向にあります。採用担当者は、入社後に活躍してくれて、自社に愛着を持って長く勤めてくれる人を採用したいと考えている場合が多いためです。
熱意や目標を伝えるには、事前準備を万全にしておきましょう。応募企業に対して感じた魅力と入社後に取り組みたいことを結びつけて具体的に説明すると、説得力が増すと考えられます。
応募企業について調べた内容をただ述べるだけではなく、自分がどのように感じたのか伝えるのがポイントです。
転職回数が多い薬剤師は、相談できる転職サイトや転職エージェントを使うのもおすすめです。コンサルタントからサポートを受けながら、しっかりとした選考対策を練れるでしょう。
転職サイトやエージェントを利用すると、採用担当者目線でアドバイスがもらえるので、転職活動を進めやすくなります。自分に適した転職先探しから、書類の添削・面接対策・働き方の提案までサポートしてくれるため、転職を成功させやすくなるでしょう。
mybestでは、薬剤師の求人に特化した転職サイト・エージェントを紹介しています。最適なサービスの選び方についても解説しているので、転職活動に不安を感じている人はぜひ活用してみてください。
キャリアが短い人や、転職理由が不明確な人は、今すぐ転職すべきではありません。以下では、転職を見送ったほうがいい薬剤師の特徴について解説します。ただし、紹介する特徴に当てはまっていても、すでに精神的・肉体的な限界を感じているなら、無理せずに転職を検討してみてください。
薬剤師として働き始めてから3年経過していない人は、転職しないほうがよいでしょう。1〜2年目で転職すると、現場での経験年数が不十分とみなされてしまい、転職先が決まりにくい傾向にあります。
応募資格として2年以上の調剤経験が必要な職場もあるので、転職先の選択肢が狭くなる可能性も高いでしょう。
勤続年数が短いと、自社でもすぐに辞めてしまうのではないかと思われるケースもあります。1つの企業や施設に対して3年以上の経験を積んだほうが、転職活動をしやすくなると理解しておきましょう。
50~60代の正社員で、転職後も正社員を希望している人は、転職を見送ったほうがいいと考えられます。50〜60代になると、正社員としての採用が難しい場合もあるためです。
企業や施設にもよりますが、キャリア形成を図るために正社員は若年者のみを対象に募集し、50〜60代の場合は契約社員やパート採用のみのケースがあります。現在正社員として勤務している人は、雇用形態の変化によって収入が下がる可能性があり、転職のメリットが得られなくなってしまうかもしれません。
なかには、定年年齢が60歳のため、一定年齢以下の薬剤師のみ募集している企業もあります。勤務先が決まらず転職活動が難航するケースも多いため、条件にこだわる人は慎重に動きましょう。
転職理由や目的が明確でない人は、転職すると後悔するかもしれません。とくに理由もないまま転職してしまうと、転職先とのミスマッチが生じやすくなるためです。
転職を検討するなら、なぜ勤務先を変えたいのか分析してみましょう。たとえば、年収アップしたいならどのくらいの収入なら満足できるのか、スキルアップを希望するならどんなスキルを身につけてどのように仕事に活かしたいのかなどを考えることが大切です。
転職理由や目的を明確にすれば、自分に適した職場を見つけやすくなるため、転職後は長く勤められる可能性が高くなるでしょう。
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