投資で得た利益が非課税になる、つみたてNISA。利益が出たら確定申告をすべきなのか、非課税だから年末調整は必要ないのか、気になる人も少なくないでしょう。
今回は、つみたてNISAに確定申告や年末調整が必要なのか解説します。確定申告が必要なケースやつみたてNISAの注意点もあわせて紹介するので、つみたてNISAを始めるか悩んでいる人は最後まで読んでみてください。
保険代理店に7年間勤務。その後、お金の不安や迷いがない人生をお客様に歩んでもらうことを実現させるためにFPとして独立をする。現在は、「高齢出産夫婦が家を買って、2人目を出産しても、子どもが希望する進路をあきらめさせない家計を実現させる相談業務」を中心に活動中。また、子育て世代のための資産運用のサポートも行っている。『書けばわかる!わが家の家計にピッタリな子育て&教育費のかけ方』(翔泳社)など書籍の出版も手掛ける。
大学卒業後に銀行員として勤務、法人顧客の経営支援・融資商品の提案や、個人向け資産運用相談を担当。 2020年にマイベストに入社、自身の銀行員時代の経験を活かし、カードローン・クレジットカード・生命保険・損害保険・株式投資などの金融サービスやキャッシュレス決済を専門に解説コンテンツの制作を統括する。 また、Yahoo!ファイナンスで借入や投資への疑問や基礎知識に関する連載も担当している。
つみたてNISAは原則、確定申告・年末調整が不要です。つみたてNISAの利益は非課税なので、利益が出ても税金を納める必要がありません。
確定申告は納める税金を計算して報告する制度で、年末調整は源泉徴収された金額と正確に計算した所得税の差を清算する手続きのため、つみたてNISAでは不要です。
つみたてNISAとは、投資信託の運用で発生した利益が、最大で20年間非課税になる制度を指します。通常、投資で発生した利益には税金が20.315%かかりますが、つみたてNISA口座の取引では年間40万円までの投資で得た運用益が非課税になることが特徴です。
なお、課税口座内で得た利益に対しては税金がかかりますが、損失があるなら確定申告によって利益と損失を相殺できる損益通算によって税の還付を受けられることがあります。一方、つみたてNISAは損益通算できない点に注意しましょう。
つみたてNISAは原則確定申告が不要ですが、一部のケースでのみ確定申告が必要です。どのようなケースで確定申告しなければならないか確認しましょう。
「株式数比例配分方式」以外の証券会社を通さない方法でETFの分配金を受け取ると、確定申告が必要になります。
ETFとは証券取引所に上場している投資信託である、上場投資信託です。つみたてNISAでは、ETFの分配金を株式数比例配分方式で受け取ったときのみ非課税になります。
株式数比例配分方式は証券会社を通して、ETFや上場株式などの分配金を受け取る方法です。
ほかには、事前に指定した金融機関預金口座で受け取る「登録配当金受領口座方式」や、発行会社から配当金領収証を受け取って郵便局で配当金を受け取る「従来方式(配当金領収証方式)」という方法で受け取れます。
なお、ETF以外の投資信託であれば、受け取り方を問わず非課税です。
非課税期間の20年がすぎて一般口座や源泉徴収なしの特定口座へ資産が払い出され、その後利益が出ると、確定申告が必須です。一般口座は利子の計算・納税手続きなどをすべて自分で行う必要があり、源泉徴収なしの特定口座でも利益(サラリーマンなら20万円超)が出ると納税しなければなりません。
一方、つみたてNISAの非課税期間は最大20年のため、期間満了までの利益に対しては税金はかかりません。
非課税期間満了までに売却したり、源泉徴収がある特定口座へ払い出しをしたりするなら確定申告は不要です。
たとえば、つみたてNISAで投資元本100万円が150万円になったとします。非課税期間終了後に150万円を課税口座に移して、その後200万円になったとすると、課税口座で得た運用益は50万円のため、50万円に対して20.315%の税金がかかります。
非課税期間終了後に元本割れしている場合は、税金のかかり方に注意しましょう。
つみたてNISAは確定申告が不要ですが、だからこそ注意が必要なポイントがあります。損をしないためにも、事前に注意点を把握しておきましょう。
被扶養者がつみたてNISAをしても、所得としては計上されません。運用益は非課税なので、配偶者控除などには影響せず、運用益が大きくても扶養から外れずに済みます。
非課税だからこそ、扶養から外れずに資産形成を目指せます。しかし、元本割れで損するリスクもあるので気をつけましょう。
なお、配偶者であっても年間110万円以上の資金を受け取ると、贈与税を申告しなければなりません。しかしつみたてNISAは年間40万円が上限であり、その他の贈与がなければ配偶者のお金で全額運用しても贈与税の申告は不要です。
つみたてNISAは、損益通算や繰越控除の対象にはなりません。利益が非課税になる分、他の投資商品と損益を相殺できないと定められています。
つみたてNISAは損益通算や繰越控除ができないため、損失が出て、他の証券口座での取引で利益が出ても相殺はできない点に気をつけましょう。
以下に当てはまる人が確定申告する際は、確定拠出年金もあわせて申告しましょう。
つみたてNISAは原則確定申告が不要なので、始めてみようと思う人も多いでしょう。しかし、つみたてNISA口座を開設できる証券会社は数多く、悩んでしまいますよね。
以下のコンテンツでは、おすすめのNISA口座・つみたてNISA口座の証券会社や商品を比較しました。ランキング形式で紹介しているので、自分に合ったつみたてNISA口座・商品を探している人はぜひチェックしてみてください。
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