国家資格のひとつである薬剤師。日本の平均年収に比べると収入の水準は高めですが、年収800万円を超えられるのか疑問に思う人もいるでしょう。
本記事では、薬剤師が年収800万円を稼げるのかどうかに加え、年収アップのためのコツも紹介します。現状よりも年収を上げたい薬剤師の人は、ぜひ参考にしてみてください。
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薬剤師が年収800万円を稼ぐことは可能です。ただし薬剤師全体の平均年収は800万円を上回らないため、実現は簡単なことではないと考えられます。
薬剤師の平均年収は約580.5万円(※1)です。日本の平均年収443万円(※2)と比較すると水準は高めですが、平均年収のピークである50~54歳では約683.2万円と、800万円を下回ります(※1)。
1.令和3年賃金構造基本統計調査をもとに算出
2.令和3年分民間給与実態統計調査を参照
平均年収を大幅に超える年収800万円を目指すのであれば、働き方の工夫が必要です。たとえば薬局・ドラッグストアのエリアマネージャー、製薬会社のMRといった職種は、薬剤師のなかでも年収800万円を達成しやすいといわれています。
次項から説明する収入アップのコツを理解し、現職での給料交渉や転職などの行動につなげましょう。
職場を変えずに年収アップを目指すなら、働き方やスキル向上といった点に注目してみましょう。これから紹介する4つのポイントを参考に、現職で実践できそうなことから取り入れてみてください。
年収アップにつながるポイントとして、夜間の勤務時間を増やして深夜勤務手当をつけてもらうことが挙げられます。調剤薬局併設のドラッグストアなど、勤務先がシフト制の場合に取り入れやすい方法です。
基本的に22時以降の勤務には、一定の割増賃金を支払うことが労働基準法で決められています。積極的に夜間の勤務を担当すれば、現職のままでも収入を上げることは可能です。
生活リズムが不規則になりやすい点には注意が必要ですが、昇進や転職と比較すると、短い期間で効率的に収入アップが目指せるでしょう。
今の職場で経験を積み、管理職を目指すことも年収アップのポイントです。管理薬剤師、ドラッグストアのエリアマネージャーといった役職に就くと、年収が上がる可能性があります。
2019年(平成31年)職種別民間給与実態調査によると、管理薬剤師にあたる薬局長の平均給与は約50.4万円、通常の薬剤師は約36.8万円です。内部昇進を目標とすることで、現時点よりも高い年収が期待できるでしょう。
ただし職場に経験年数の長い薬剤師が多い場合には、内部昇進に時間がかかる可能性があります。状況によっては、転職先で役職就任を目指すほうが近道になることもあるでしょう。
薬剤師に関する資格を取得し、給与アップを交渉することもひとつの手です。より専門性の高い認定薬剤師・専門薬剤師といった資格を取得すると、手当の支給や収入アップにつながる可能性があります。
認定薬剤師・専門薬剤師と一口にいっても、がん薬物療法認定薬剤師・在宅療養支援認定薬剤師・栄養サポートチーム(NST)専門薬剤師など種類はさまざまです。
現職で携わることの多い分野や興味のある分野の資格を取得することで、年収だけでなくキャリアアップも期待できるでしょう。
現職で認められているのであれば、副業を見つけるのもよいでしょう。たとえば別の薬局・ドラッグストアで派遣やパートとして働いたり、薬剤師の知識を活かして執筆業をしたりと、ライフスタイルに合わせて副業する方法があります。
注意点として、管理薬剤師は薬事に関連する副業が、公務員として働く薬剤師は副業自体が原則禁止です。副業を検討する際は、現職で認められているかどうかを確認しておきましょう。
今の職場では収入アップが期待できない場合、転職を検討するのも得策です。転職で年収800万円を達成するための4つのコツをチェックし、現職よりも高い年収を目指しましょう。
調剤薬局・ドラッグストアの複数店舗で業務を行うラウンダー薬剤師になると、給与が上がる可能性があります。複数店舗をかけもちする負担がある分、待遇面で配慮されるケースが多いためです。
ラウンダー薬剤師には、さまざまな処方箋に対応する調剤スキルが求められます。複数店舗で働く分、各店舗のルールに対する柔軟性や自己のスケジュール管理も必要でしょう。日によって職場が異なるため翌日に仕事を持ち越しにくい点、店舗によっては通勤時間がかかる点にも注意が必要です。
大企業が運営する調剤薬局・ドラッグストアの場合、管理職がラウンダー薬剤師として任命されることもあります。役職手当がつくことによって、さらなる収入アップが期待できるでしょう。
ラウンダー薬剤師の求人情報は、外部向けに公開されるケースが少ない傾向があります。ラウンダー薬剤師を目指すのであれば、転職サイト・エージェントを利用して未公開求人を紹介してもらうのがおすすめです。
薬剤の知識を活かして、製薬会社でMRとして働くことも年収アップのコツです。MRとは、企業で製造した医薬品の情報提供を行う職種のこと。医師・看護師に対する医薬品の説明、医薬品の情報収集・分析などが主な業務です。
MRは営業手当・外勤手当などに加え、営業成績によって報酬金がもらえることもあります。年収水準が高いため、800万円を超える可能性も十分にあるでしょう。
MRとして働くためには、MR認定試験の合格が必要です。薬剤師資格は必須ではないものの、薬剤師がMRを目指す場合には、MR認定試験や実際の現場で専門知識を活かせるでしょう。
薬剤師が不足する地方の調剤薬局・ドラッグストアで管理薬剤師として働くと、高収入が得られる可能性があります。国内では薬剤師の人数が増加していますが、薬剤師不足の地域もあるのが現状です。薬剤師不足の地域では需要が高いことから、給与アップの可能性が高いといえるでしょう。
厚生労働省が発表した令和2(2020)年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況によると、薬局・医療施設で働く人口10万人あたりの薬剤師数は全国平均で198.6人。沖縄県は148.3人、福井県は157人、青森県は161.2人と、平均を大きく下回ります。
とはいえ、地方の求人すべてで年収が高いとは限りません。都市部と比較して交通アクセスが不便な場合や、教育体制が不十分な場合がある点にも注意が必要です。
地方の薬剤師求人は好待遇のケースが多いものの、実際に転職を検討する際は詳細な条件や研修制度の有無、居住環境などを十分にチェックしておきましょう。
年収800万円を目指すためには、独立して薬局を開局する方法もあります。経営のノウハウや責任が求められますが、成功した場合には年収800万円を超えるケースもあるでしょう。
薬局などを運営する企業によっては、薬剤師の独立をサポートするところもあります。たとえば、数年間は企業薬剤師として勤務し、その間に独立の準備を進めるといったケースです。
成功すれば大きな収入を得られる可能性があるものの、独立開業には閉局のリスクがともないます。より堅実に年収アップを目指す安定志向の人は、独立開業よりも転職が向いているでしょう。
以下の記事では、薬剤師の転職サイト・エージェントの人気ランキングを紹介しています。企業への転職で年収800万円を目指したい人は、ぜひ参考にしてみてください。
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