調剤や服薬指導などの業務を担う薬剤師。薬学部・薬科大学で教育を受け、さらに国家試験に合格した人だけが取得できる資格であるものの、実際の仕事がつまらないと感じる人もいるでしょう。
この記事では、薬剤師の仕事がつまらないと感じる理由に加え、やりがいを見つけるためのコツを紹介します。現役薬剤師はもちろん、これから薬剤師を目指す人も、仕事がつまらないといわれる原因の理解や対策に役立ててみてください。
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せっかく薬剤師の資格を取得しても、業務内容や職場環境などが原因で仕事がつまらないと感じてしまうこともあるでしょう。まずは薬剤師の仕事に面白みが見出せない主な理由をチェックし、自分がどれに当てはまるのかをイメージしてみてください。
調剤業務の単調さが、仕事のつまらなさにつながっている可能性があります。調剤業務は薬局・病院で働く薬剤師の主な仕事のひとつです。調剤業務のほかには、服薬指導や併用薬の確認なども行います。
実施する業務は幅広いものの、特に調剤業務は同じ作業の繰り返しであることが多く、退屈に感じる場合もあるでしょう。
また、処方箋は保険薬局であればどこでも受付可能ですが、診療所のすぐ近くにある門前薬局の場合は、特定の診療所から訪れる患者が多いと考えられます。診療所の診療科目によっては取扱う薬の種類や服薬指導の幅が限られるため、余計に日々の業務でメリハリを感じにくいでしょう。
薬剤師は地位が低いという意識から、仕事がつまらないと感じるケースもあるでしょう。日本の薬剤師は、医師に比べると裁量権が小さいといわれています。
たとえば、薬剤師が処方箋の内容を勝手に変更することはできません。患者から薬の一包化を求められたとしても、医師の指示がなければ実施不可です。医師が変更不可としている場合は、ジェネリック医薬品への変更も独自で判断することはできません。
処方箋の内容を問い合わせる疑義照会をする際、医師に意見を聞き入れてもらえないといった声が薬剤師からあがることもあります。薬剤師は専門知識を持つ人だけに与えられる国家資格であるものの、現状の制度では知識・スキルを活かしきれない場合があるでしょう。
日本に対し、アメリカなどの海外では薬剤師に処方権が与えられるケースも珍しくありません。日本で働く薬剤師のなかには、地位や裁量権への不満から仕事のやりがいを失っている人もいると考えられます。
職場の人間関係の悩みも、仕事がつまらないと感じる原因のひとつです。調剤薬局などでは、一般的に職場の人間関係が閉鎖的になりやすいといわれています。
職場で接する人が限られている分、相性が悪い場合は業務以外のことでストレスを抱えてしまうでしょう。あるいは職場環境の変化が少ないことに対し、つまらなさを感じるケースも考えられます。
給与・待遇に対する不満が、仕事のつまらなさにつながっている場合もあります。たとえば業務量に対して給与が低い、人手不足で休めないといった不満です。
薬剤師の平均年収は約580.5万円(※1)と、日本の平均年収443万円(※2)に比べて高い部類に入ります。しかし待遇面に不満があると、たとえ年収水準が高くても給与に見合っていないと感じ、モチベーションを維持しにくいでしょう。
1.厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」をもとに算出
2.国税庁「令和3年分 民間給与実態統計調査」より
今の職場でキャリアを積むことが難しいと感じている人は、日々の業務に意味を見出しにくいといえます。流れ作業のように1日が終わったり、多忙で目の前の業務をこなすことに必死であったりすると、キャリアを築く余裕を持ちにくいでしょう。
薬剤師資格は、薬剤師になるための教育を受けたうえで国家試験に合格した人にのみ与えられる資格です。努力して得た地位であるにもかかわらず、イメージしていた働き方と現状のギャップが大きいことで、仕事に面白みを感じられない場合もあります。
また一般的に、薬剤師が就ける管理職は種類が多くありません。エリアマネージャー・管理薬剤師といった管理職はあるものの、種類が少ないためにポジションが長期間空かないケースもあります。キャリアアップのチャンスが限られていることも、薬剤師がやりがいを見失う原因といえるでしょう。
薬剤師の仕事がつまらないと感じたときには、これから紹介する5つの対処法を試してみましょう。対処法は、短期間で実践できそうなものからじっくり取り組むものまでさまざまです。自分の状況に合わせて、取り入れやすいものから実践してみてください。
薬剤師の仕事がつまらないと感じたときは、身近な上司・先輩に相談してみるのがおすすめです。悩んでいることに気づき、一緒に解決策を考えてくれる可能性があります。
特に同じ悩みを経験した上司・先輩に対処法を聞くと、モチベーションを取り戻す方法を見つけやすいでしょう。相談相手が同じ職場の人である場合、業務内容を見直すなどの具体的な解決につながることもあります。
周囲に頼れる薬剤師がいるのであれば、まずは相談して解決を目指しましょう。
今の職場での役割を見直し、何か行動できることがないか考えてみるのもおすすめです。薬剤師として現職でできることが新たに見つかれば、仕事の充実度が増す可能性があります。
具体的には、患者との関わり方を見直す、ほかの医療従事者との連携を深めるなどです。患者や医療従事者と密に関わり、コミュニケーションスキルを磨くことは、今後の業界を生き抜くためにも必要といえます。
なぜなら、ここ数年で薬剤師の在り方が見直され、対物業務よりも対人業務の充実が重視されているためです。例としてこれからの薬剤師には、かかりつけ薬剤師として継続的に患者の服薬指導をする、在宅訪問を実施するといった業務をこなすことが求められます。
薬剤師全体のニーズが変化している分、現職でも新たな役割を見出せるでしょう。実際の行動に移すことで、日々の業務にも満足感が生まれやすいと考えられます。
目標を設定し、さらなる専門知識の獲得を目指すのもよいでしょう。新たなスキルを身に付けることで、薬剤師としての活躍の場が広がります。また医薬品の技術は日々進歩しているため、学習を続けることは最新情報を理解するためにも大切です。
専門知識を養う主な方法は、認定薬剤師・専門薬剤師の資格を取る、学会へ参加するなど。認定薬剤師・専門薬剤師には、在宅医療や悪性腫瘍といったさまざまな分野の資格があるため、興味のある分野や現職で役立つ資格を探してみてください。
単調に感じていた職場も、スキルアップを目指すことで成長の場へと変化するでしょう。日々の仕事にもやりがいを見出しやすいうえ、資格取得後は給与アップの可能性も高まります。モチベーションの向上・維持、そして年収面での不満を解消するためにも、スキル獲得は有効な手段といえるでしょう。
系列店舗を持つ企業に従事している場合、異動を希望するのもひとつの手です。人間関係や処方箋の傾向などが変わることで、薬剤師としての新鮮な気持ちを取り戻せる可能性があります。
異動希望を出す方法が向いているのは、現職での業務がマンネリ化している、人間関係がぎくしゃくしている、転職は避けたいといったケースです。
異動希望をスムーズに受理してもらうためには、ネガティブな理由を記載することは避けたいところ。経験してみたい業務内容などをアピールすると、希望の異動先に配属される可能性が高まります。
今の職場では改善できそうにない場合、転職も視野に入れてみましょう。つまらないと感じる理由を明確にしたうえで転職先を探せば、やりがいを持って働ける環境を見つけやすくなり、転職後もモチベーションを維持しやすいと考えられます。
つまらないと感じる原因が待遇面にある場合は、好条件の求人をチェックするのがおすすめです。一般的な薬剤師業務が合っていないと感じる場合には、資格を活かしてMRや医薬品の研究開発に幅を広げるのもよいでしょう。
以下の記事では、おすすめの薬剤師向けの転職サイト・エージェントを紹介しています。やりがいのある転職先を見つけたい人は、転職サイト・エージェントを利用して求人を探してみましょう。
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