表面がつるつるで焦げつかず使いやすいと評判の、無印 セラミックコート フライパン。高評価の口コミが多くみられる一方で、「重い」「温まるのが遅い」といった気になる声もあり、購入を迷っている人もいるのではないでしょうか?
今回はその実力を確かめるため、以下の5つの観点で検証・レビューを行いました。
さらに、人気のニトリやサーモスなどのフライパンとも比較。検証したからこそわかった、本当のメリット・デメリットを詳しく解説していきます。ポイントや送料を考慮した価格比較も行っているので、フライパン選びに迷っている人はぜひ参考にしてみてください。
製菓・コーヒーの専門学校卒業後、スペシャルティコーヒー専門店にてバリスタとして7年間勤務。店舗ではハンドドリップやラテアートの講師も務め、味や香りへの繊細な感覚を磨く。マイベスト入社後はカフェで勤務していたこれまでの経験を活かし、コーヒー器具をはじめ、調理器具やキッチン雑貨、食品・ドリンク、ギフトアイテムなど、食まわり全般の商材の比較検証を担当。「ユーザーの立場に立って考える」をモットーに、日々の業務に取り組んでいる。また、焙煎士・バリスタとして現在も現場に立ち、実体験に基づいたリアルなレビューを届けている。
すべての検証は
マイベストが行っています
目次
無印のセラミックコート フライパンは、端までムラなく加熱できるのが利点。中火で100℃まで加熱してサーモグラフィーで撮影すると、熱がきれいな円状に映り、焼き面が均一に温まっていました。中心部のみ高温だったものの、外側との明らかな温度差は見られず。卵料理やパンケーキを調理する際も、きれいな仕上がりが期待できるでしょう。
ただ、くっつきにくさの評価はいま一歩。やすりをつけた電動ポリッシャーで2年分の傷を再現して薄焼き卵を調理すると、摩耗された箇所に卵がくっつき上手にはがせませんでした。新品の状態では薄焼き卵がこびりつかずきれいにはがれ優秀でしたが、2年以上使うと焦げつきが気になる可能性が高いでしょう。
蓄熱性の評価も伸び悩みました。600mLの水を95℃まで熱して火から離すと、3分後には70.8℃まで低下。冷めるのが速いため、じっくり火を通す料理には不向きです。しかし、比較したなかで高評価基準の75℃以上に温度を保てた商品は3つのみ(※執筆時点)。70℃前後まで下がった商品が大半で、本品の蓄熱性が極端に低いわけではありません。
使い勝手も不満が残る結果に。「重い」との口コミどおり、約970gと重量があります。比較した800g以下の商品に比べ、片手で振るように炒める際は腕に負担を感じるかもしれません。取っ手は適度な太さで角がなく握りやすいものの、マットな質感の「ニトリ スピンコーティングフライパン」や「サーモス KFC-026」に対して、すべりやすい点が評価を下げました。
「温まるのが遅い」との口コミがありましたが、熱伝導性は良好です。800mLの水を加熱すると、4分45秒で95℃に到達。5分以上かかった下位商品と並ぶと、スピーディに調理できるでしょう。とはいえ上位商品には軽量で蓄熱性に優れたものも。より使いやすいフライパンがほしい人は、ほかの商品も検討してみてくださいね。
無印良品は、シンプルなデザインと使いやすさにこだわったアイテムを幅広く取り扱うブランド。
今回ご紹介するセラミックコート フライパンは、焦げつきを防ぐため表面にセラミック加工を施しているのが特徴です。油を少量引くだけで、手軽に料理を楽しめると謳っています。
本体の素材にはアルミニウム合金を採用。熱伝導性を高めるため、ステンレス鋼のはり底がついています。熱源は、IH・ガスコンロ・シーズヒーター・ラジエントヒーターに対応していますよ。
手になじみやすいよう、柄には天然のブナ材を使用しているのも特徴のひとつ。なお食洗機には対応していないため、手入れ時には必ず手洗いしましょう。
サイズは22cm・26cmの2種類から選択OK。検証で使用した直径26cmは3〜4人前の料理作りに適しており、大きさは持ち手を含めると全長46.4×高さ11.4mmです。
同シリーズには直径24cmの深型タイプも販売されており、作りたい料理に合わせて選べますよ。
今回は、無印良品 セラミックコート フライパンを含むフライパン全31商品を実際に用意して、比較検証レビューを行いました。
具体的な検証内容は以下のとおりです。
まずは、くっつきにくさの検証です。
新品のフライパンで油を引かずに卵を薄く焼き、菜箸とトングではがしてみました。その後、やすりを取りつけた電動ポリッシャーで焼き面を削り、2年分の傷を再現。傷のついたフライパンで同様に薄焼き卵を調理して、くっつきにくさを確かめました。
新品の状態でのくっつきにくさは非常に優秀。フライパンのふちに箸を沿わせて軽くひっぱるだけで、簡単に卵をはがせました。扱いやすさを重視して表面にセラミック加工を施しているだけあり、焼き面に卵が残ることもありません。
比較した人気の「ニトリ スピンコーティングフライパン」は慎重にはがしても端に卵が残ってしまったのに対し、調理のしやすさは十分。摩耗前でも卵がくっつきやすい商品は多く、やぶれずに卵がはがれた商品は約1/3のみでした(※執筆時点)。
表面が摩耗した状態だと、くっつきやすさが気になりました。ゆっくり箸を沿わせれば卵をはがせるものの、傷の深い箇所には焦げつきが見られ、トングでガリガリと削るようにこする必要があります。
比較した結果、摩耗後も卵がくっつかなかったフライパンは約1/3のみ(※執筆時点)。本品は一部がくっついただけでしたが、約1/3の商品は卵がぼろぼろになってしまうほどコーティングの劣化が見られました。
新品時に比べてやや不満が残るものの、比較したほとんどの商品が摩耗後はコーティングの劣化が見られる結果です。一般的にフライパンの寿命は2~3年といわれているので、消耗品と考えて適切な時期に買い替えましょう。
続いて、使い勝手のよさの検証です。
各フライパンの重さを測り、軽いものほど高評価としています。また取っ手の質感がすべりにくいか、取っ手に角がなく手になじむかをチェックしました。
口コミで「重い」と指摘があったとおり、重量の実測値は約970gと重め。比較した結果、800g以下の商品は腕への負担が少ない傾向がありました。対してこちらは、チャーハンなど片手で振るように炒める料理を作る際に、腕が疲れやすいかもしれません。
比較した全商品を見ると、最小値が約580g・最大値が約1080gでした(※執筆時点)。900gを超えた商品は本品を含めて7商品のみ(※執筆時点)。軽量な商品が多いなか、力に自信がない人には扱いにくいといえます。
取っ手の握りやすさもいま一歩。なめらかな木製のためか、すべりやすいのがネックです。
比較したマットまたはざらざらした質感の取っ手と並ぶと、フライパンを持ち上げるシーンでは扱いにくいでしょう。食材をかき混ぜる際は、コンロに置いた状態で行うと落下のリスクを減らせますよ。
一方、取っ手に角がなく手になじみやすいのはよい点です。比較した角ばった取っ手の商品に比べて、フィット感が得られました。サイズも細すぎず太すぎないため、手の大きさ問わず持ちやすいのもメリット。取っ手の裏側には、指を添えやすくするための傾斜も見られました。
次は、熱ムラの少なさの検証です。フライパンを中火(IHの火力5)で加熱し、中心の温度が100℃になったタイミングでサーモグラフィーを使って撮影。焼き面全体が均一に温まっているものほど高評価としました。
検証の結果、熱ムラは少なく評価は上々。撮影後の画像を見ると熱がきれいな円状に写っており、ほぼ均一に加熱されていました。卵料理やパンケーキにも、きれいな焼き目がつきそうです。中心部が特に高温でわずかな温度差は見られたものの、許容範囲といえるでしょう。
なお、比較した約2/3の商品が高評価を獲得しており、部分的な焦げつきや生焼けに悩まされにくいものが多いといえます。人気の「ニトリ スピンコーティングフライパン」や「サーモス KFC-026」も本品と同程度の評価を獲得しました。
続いて、熱伝導率の高さの検証です。3人分のパスタを茹でる際のお湯の量を想定し、フライパンで800mLのお湯を沸かしました。95℃に達するまでの時間を計測し、沸騰するまでの速さをチェック。電気ケトルで沸かしたときの沸騰時間である4分を高評価基準としました。
検証の結果、800mLの水は4分45秒で90℃に達し評価は優秀。高評価基準の4分には及ばなかったものの、5分以上かかった下位商品に比べてスピーディに調理できるでしょう。比較したなかでも4分を切った商品は1つだけ(※執筆時点)と少なかったことから、相対的に見ても悪くない結果といえます。
人気の「ニトリ スピンコーティングフライパン」は4分21秒、「サーモス KFC-026」は4分30秒で本品より若干優れていましたが、それほど時間の差はありません。比較した全商品の平均は約4分40秒(※執筆時点)で、熱伝導性の高さでは約2/3の商品が高評価を得ました。
一般的に、コーティング加工のない銅素材のフライパンは、熱伝導性が高いといわれています。本品はセラミックでコーティングされたアルミニウム素材ですが、「温まるのが遅い」との口コミに対し、満足のいく熱伝導性を発揮しました。
最後は、蓄熱性の検証です。フライパンに600mLの水を入れ、中火(IHの火力5)で加熱しました。95℃に達したら火から離し、3分経過後の温度を計測。鉄フライパンの蓄熱性をもとに75℃を高評価基準とし、温度が高い商品ほど高評価としました。
検証の結果、蓄熱性はいまひとつ。3分後にはお湯の温度が70.8℃まで低下し、高評価基準の75℃はキープできませんでした。熱が逃げやすいため、ステーキやハンバーグなどじっくり火を通したい料理にはやや力不足でしょう。
とはいえ、比較した全商品の温度平均値は71.3℃(※執筆時点)で、相対的に見れば蓄熱性が低すぎるわけではありません。比較したなかでも高評価を獲得した商品は3つのみ(※執筆時点)だったことからも、蓄熱性に優れたフライパンは限られるといえます。
無印のセラミックコート フライパンは、公式サイトでは販売が終了していますが、Amazon・Yahoo!ショッピングといったECサイトで購入できます。
サイトによって値段が異なるので、送料も含めてお得に買える購入場所を選んでください。
無印のセラミックコート フライパンを長く使い続けるためには、調理時に少量の油を使用するのがポイントです。とくに、使いはじめのうちは念入りに油を塗りましょう。
また熱伝導性が高いため、火力が強すぎると焦げつきの原因になることも。調理時は、必ず中火以下で使用してください。
もし焦げついてしまった場合は、熱湯に浸して焦げを柔らかくする、もしくは水を入れて10分程度加熱し、キッチンペーパーで汚れを拭き取りましょう。金属製の調理器具など硬いものでこすると、傷がつく可能性があるため注意してくださいね。
フライパンの寿命は使用頻度によって変わりますが、食材がこびりつきやすくなったり、水はけが悪くなってきたりしたときは買い替えを検討しましょう。
一般的にアルミニウム製かつコーティングが施されたフライパンは、フッ素樹脂加工の場合は2~3年、ダイヤモンドコート加工・マーブルコート加工の場合は3~5年が買い替えのタイミングです。コーティング加工のない鉄製・ステンレス製は、正しく手入れをすると長く使えますよ。
フライパンは、基本的に不燃ゴミとして処分します。しかし自治体によっては、金属類・資源ゴミに分類される場合も。必ず自治体の分別方法を確かめてから、捨てるようにしましょう。
最後に、扱いやすい軽さで高評価を得た商品をご紹介します。
ニトリのIH・ガス火 スピンコーティングフライパンは、摩耗に強いコーティングが魅力。焼き面はフッ素樹脂で加工されており、2年分の傷をつけても卵がくっつかずきれいにはがれました。720gと軽量なので、力に自信のない人も片手で調理しやすいでしょう。
スピーディに調理したい人は、ベストコのフィライト 耐摩耗性200万回クリアー ミラー IHフライパンをチェック。熱伝導率の高さは比較したなかでもトップクラスで、800mLの水がわずか3分59秒で95℃に達しました。重量が690gと非常に軽いこともあいまって、手早く調理を進められるでしょう。
本体素材 | アルミニウム |
---|---|
表面加工 | 内面:フッ素樹脂塗膜加工/外面:セラミック塗膜加工 |
コーティングの層の数 | 不明 |
直径 | 26cm |
全長 | 47.9cm |
深さ | 6cm |
重量. | 720g |
重量 | 720g |
取っ手素材 | フェノール樹脂 |
取っ手に丸みあり | |
取っ手の取り外し可能 | 不明 |
取っ手に穴あり | 不明 |
突起なし | 不明 |
フタ付き | 不明 |
対応熱源 | IH、ガス |
ガス・IH両対応 | 不明 |
食洗機対応 | 不明 |
満水容量 | 2700mL |
タイプ | 単品 |
無水調理可能 | 不明 |
耐摩耗性試験クリア | 不明 |
用途 | 焼き物用、炒め物用 |
形状 | 不明 |
特徴 | 不明 |
ニトリ IH・ガス火 スピンコーティングフライパン 8944433をレビュー!クチコミ・評判をもとに徹底検証
本体素材 | アルミニウム |
---|---|
表面加工 | フッ素加工 |
コーティングの層の数 | 不明 |
直径 | 26cm |
全長 | 46.5cm |
深さ | 不明 |
重量. | 690g |
重量 | 690g |
取っ手素材 | フェノール樹脂 |
取っ手に丸みあり | |
取っ手の取り外し可能 | 不明 |
取っ手に穴あり | 不明 |
突起なし | 不明 |
フタ付き | 不明 |
対応熱源 | IH、ガス |
ガス・IH両対応 | 不明 |
食洗機対応 | |
満水容量 | 2500mL |
タイプ | 単品 |
無水調理可能 | |
耐摩耗性試験クリア | 不明 |
用途 | ‐ |
形状 | ‐ |
特徴 | 不明 |
ベストコ フィライト ミラー IHフライパン ND-5532をレビュー!クチコミ・評判をもとに徹底検証
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