住宅ローンやクレジットカードで審査がとおらなかった場合、個人信用情報に問題があるのでは?と気になりますよね。ブラックリスト状態でも放置していれば自然にきれいになるのではないか、借金を完済していればきれいなのではないかと考えている人も、なかにはいるでしょう。
そこで今回は、個人信用情報をきれいにする方法と消滅時効の仕組みを解説します。個人信用情報に傷がついたままだと、どのような影響があるのかも紹介するので、ぜひ参考にしてくださいね。
大学卒業後に銀行員として勤務、法人顧客の経営支援・融資商品の提案や、個人向け資産運用相談を担当。 2020年にマイベストに入社、自身の銀行員時代の経験を活かし、カードローン・クレジットカード・生命保険・損害保険・株式投資などの金融サービスやキャッシュレス決済を専門に解説コンテンツの制作を統括する。 また、Yahoo!ファイナンスで借入や投資への疑問や基礎知識に関する連載も担当している。
個人信用情報をきれいにする方法はいくつかあるので、まずは借入状況の確認からはじめましょう。借入残高などの情報がわかれば、どの手続きをすればよいかわかります。
借入状況を確認する際は、信用情報機関で情報開示を申し込みましょう。信用情報機関は、シー・アイ・シー(CIC)・日本信用情報機構(JICC)・全国銀行個人信用情報センター(KSC)の3社です。それぞれの公式サイトにて、500〜1,300円で情報開示の手続きを行えます。
信用情報開示報告書を取得したら、お支払の状況と入金状況の欄を確認しましょう。お支払の状況に異動と記されている、または入金状況に$や−以外の文字が記載されている場合は、延滞・破産・未納などの事故情報がある状態です。一般的にブラックリストと呼ばれています。
なお、信用情報に傷がなくても審査にとおりにくい、申し込みブラックや社内ブラックと呼ばれる状態があるので注意が必要です。申し込みブラックとは、短期間で複数社に借入申し込みをした人のこと。社内ブラックは、借入れをした金融機関で起こした事故情報が独自に登録されている状態です。
事故情報があっても、状況に応じた手続きを行えば早く回復できる可能性があります。個人信用情報をきれいにする方法を状況別に解説するので、ぜひ実践してください。なお、事故情報は一定期間が経過しても自然には消えないので、早めに対応しましょう。
十分なお金が手元にあるなら借金を完済し、事故情報が削除されるまで待ちましょう。完済後5年間は事故情報が残るものの、弁護士への依頼や金融機関へ交渉を行わないぶん、早めに個人信用情報をきれいにできると考えられます。
信用情報機関であるCIC・JICC・KSCでは、それぞれクレジット・消費者金融・銀行などの支払状況を中心に記録しています。クレジットカードの支払いや、分割払いの延滞・滞納も記録されているので、各金融機関に問い合わせて滞納分を指定口座に入金してください。
複数社で延滞している場合は、すべての借金を完済してから5年の経過を待つ必要があります。一括払いが難しいなら、各金融機関に返済計画を相談してくださいね。なお、登録元会社が信用情報機関を脱退すると、5年が経過する前に個人信用情報がきれいになりますが、非常に稀なケースです。
自力で完済できない場合は、債務整理を行ったあとに5〜7年待つことが得策です。借金の負担を軽減できるぶん、信用情報を早くきれいにできる可能性が高いでしょう。
債務整理とは、法的な対応のもとに借金の減額や免除を行う手続きのこと。債務整理の依頼を受けた弁護士が金融機関と交渉したうえで、返済額が決定します。手続きはおもに任意整理・個人再生・自己破産の3種類で、状況に応じて選択可能です。
任意整理は整理したい債務のみ選び、将来の利息をカットして元金のみ分割払いにできます。個人再生は借金を5分の1程度まで減額したうえで、分割払いが可能です。いずれも3〜5年かけて返済する手続きなので、個人信用情報がきれいになるまで合計で8〜12年かかります。
自己破産は借金が免除されるので、いち早く個人信用情報を回復できる可能性も。ただし、大半の財産を返済に充当しなければいけません。
なお、信用情報機関のひとつであるKSCに、個人再生や自己破産の履歴が登録されると消えるまで7年かかるので注意が必要です。ほかの信用情報機関の登録期間は最長5年ですが、ブラックリストの状態が長引かないように、弁護士とよく相談して自分に適した方法を選びましょう。
申し込みブラックの場合は、前回の申し込みから6か月以上空けてから申し込みましょう。クレジットカードや借入れなどの申し込み情報は、6か月経過すれば消滅します。
たとえば4月1日に申し込みをして審査に落ちたなら、次の申し込みは10月1日以降に行いましょう。短期間で複数社に何度も申し込むと、お金に困っているという印象を持たれ、ますます借りにくくなります。金融機関が独自に申し込み履歴を保管しているケースもあるので、6か月経過したあとは他社に申し込むのが無難です。
申し込みブラックは、貸し倒れリスクや犯罪行為などを懸念されている状態。個人信用情報に異動・入金不足・遅滞などの事故情報がなくても借入れが難しくなるので、慎重な行動を心がけましょう。
過去に金融事故を起こした心当たりがまったくない場合は、登録元会社に訂正を依頼しましょう。間違った取引情報や、同姓同名の別人の個人信用情報が登録されている可能性があるかもしれません。
信用情報機関では誤情報を訂正できないので、登録元である金融機関に問い合わせましょう。問い合わせても解決できない場合は、信用情報機関に連絡すれば登録元会社に調査を依頼できます。延滞を忘れているだけの場合もあるので、まずは個人信用情報の開示を行い当時の状況を振り返ってください。
個人信用情報をきれいにする方法に時効消滅もあるものの、成功しないことが多いでしょう。時効が成立する前に債権者が法的措置をとると、時効期限が延長されるためです。
借金は最後の返済日から5年で時効を迎え、消滅時効援用の手続きを行えば支払いが免除されます。しかし、金融機関は時効消滅を迎える前に、裁判・差押え・保証会社による代位弁済などの法的措置をとるでしょう。法的措置がとられた時点から10年経たないと、時効を迎えられません。
次回の時効である10年が経過する前に再度法的措置をとられると、時効はまた10年延びます。ブラックリスト状態から逃れられなくなる場合があるので、完済や債務整理を行うほうが迅速かつ確実に個人信用情報をきれいにできるでしょう。
個人信用情報に事故情報がある状態は、一般的にブラックリストと呼ばれています。ブラックリストは借入れをはじめとする契約にさまざまな影響を及ぼすので、できる限り早めに解消しましょう。ここでは、ブラックリストのデメリットを解説します。
ブラックリストは、借入れやローンの審査に落ちやすくなります。事故情報が記録されていると、返済できるのか金融機関に疑われやすくなるためです。
金融機関の借入審査では、個人信用情報の登録内容をもとに、貸したお金を返せる返済能力があるか調査しています。過去に滞納や破産の履歴があると借入れられなくなり、住居や車の購入のほか教育・事業・結婚にかかる資金の調達なども難しくなると考えられるでしょう。
また、社内ブラックとして登録されると、該当の金融機関では半永久的に事故情報が残ることも。個人信用情報が回復しても、企業独自で保管している金融事故のデータに引っかかってしまい、借入れは難しいと考えられます。系列企業でも借りられない可能性が高いので、借入先は慎重に選びましょう。
どうしても新たに借金をしなければならないなら、審査不要で借入れできる方法を解説している以下のコンテンツを参考にしてくださいね。
ブラックリスト入りしていると、クレジットカードの発行や利用ができません。クレジットカード会社に返済能力を疑われ審査に落ちやすくなったり、解約や更新拒否をされたりするので支払方法が制限されるでしょう。
金融機関と同様に、クレジットカード会社も個人信用情報をもとに発行や更新の審査を行っています。審査の結果、クレジットカードが停止されると分割払いができないため、大きな買い物はできません。クレジットカード払いしか対応していない店舗での買い物もできなくなります。
クレジットカード付帯のETCカードも使えなくなるので要注意。クレジット機能がついていないETCパーソナルカードは利用できるものの、月間の平均利用額に応じて保証金を預ける必要があります。限度額も決められているので、自由度が低いと感じる人は多いでしょう。
ブラックリスト状態に該当していると、スマホを分割払いで購入できなくなります。スマホの分割購入においても個人信用情報を照会されるので、事故情報があると審査にとおらなくなるでしょう。
スマホ分割購入時に行われる審査では、携帯キャリアを通じて個人信用情報を照会します。個人信用情報に問題があると携帯キャリアが判断すれば、一括払いしか受け付けてもらえないでしょう。
なお、過剰な債務や延滞がなくスマホ本体価格が10万円以下であれば、審査にとおる可能性が上がることもあります。スマホは生活に必要な耐久消費財と認められているので、高額な端末を希望しなければ分割払いで入手できる可能性があるでしょう。
ブラックの人は、保証会社必須の賃貸住宅を借りられない場合があります。保証会社に返済能力を疑われ、審査に通過しにくくなるからです。
保証会社とは、賃貸住宅を借りる際に保証人の代わりになる会社のこと。家賃の滞納などが起きると立て替えて支払うので、保証会社は賃貸契約者が家賃を払える能力があるか審査を行います。
とはいえ、複数の保証会社のうちすべて審査に落ちるとは限りません。審査が不安な人は事前に不動産会社に相談すると、対策を立てられるでしょう。UR賃貸をはじめとする、保証会社不要の物件を契約するのも手です。
ブラックリスト入りしている間は、家族や知人が融資を受ける際に保証人にはなれません。保証人も個人信用情報の審査が行われ、事故情報があると保証人にふさわしくないと判断されるでしょう。
保証人とは借入れをした人がお金を返せなくなったときに、代わりに返済する人のこと。家族が住宅ローンを組む際や奨学金を借りるときなどは、保証人を求められるケースがあります。審査の結果、保証人に問題があり借入れができないと、家族の住居や進学先に影響が生じてしまう恐れがあるでしょう。
身近な人の保証人になれない場合は、保証人不要の借入手段や保証会社をつけることを検討してくださいね。
個人信用情報を早めにきれいにする裏技や、ブラックリストでも使える支払方法を探している人も多いでしょう。ここでは個人信用情報をきれいにする際に、知っておくべきことを解説します。
個人信用情報の回復を謳う業者は、利用しないように注意しましょう。個人信用情報の回復は完済や債務整理などの手続きを行ったあと、時間の経過を待つしかありません。
回復を謳う業者は、詐欺グループである可能性が高いでしょう。たとえば、金銭の振込によって個人信用情報の回復を請け負うと虚偽を述べる業者や、信用情報機関の加盟企業を装い登録手数料を請求する業者などがあります。
個人信用情報機関を装い、クレジットカード番号や有効期限などを聞きだそうとする詐欺グループも存在するので要注意。個人信用情報をきれいにしようと焦るあまり騙されてしまう人もいるので、慎重に対処してくださいね。
ブラックリスト入りしている間は、クレジットカードに代わる支払方法を用意しましょう。クレジットカードを利用できなくても、家族カードやキャッシュレス決済を準備しておけば支払いに対処しやすくなります。
家族カードは、クレジットカード会員の家族が持てるカードのこと。会員本人がブラックリストでなければ、発行できる可能性が高いでしょう。現金を使わず支払いができるキャッシュレス決済は、デビットカード・電子マネー・スマホのアプリ決済などさまざまです。
デビットカードを使用すると、支払い時に銀行口座から即座に引き落とされます。電子マネーはカードやスマホなどに前もって入金、アプリ決済は銀行口座や電子マネーと紐づけることで支払えます。いずれも口座残高や入金した金額を超えた支払いはできないので、使いすぎを防ぎたいときにも便利です。
手軽に利用できるスマホのアプリ決済のダウンロードを検討しているなら、アプリの選び方を解説している以下のコンテンツも参考にしてくださいね。
個人信用情報をきれいにできたら、まずクレジットカードの利用実績を構築しましょう。個人信用情報が白紙の状態だと、返済能力を図れず審査にとおりにくいためです。一方で、十分な利用実績があると返済能力があると判断され、今後の借入れがしやすくなると考えられます。
個人信用情報がきれいになると好転しているように思われますが、白紙の状態がよいとは限りません。現代社会でクレジット関係の契約を行わずに社会生活を送るのは難しいので、過去に金融事故を起こして返済能力に欠けるのではないかと警戒されます。
返済能力を証明するには、発行したクレジットカードを使って支払いと返済を繰り返すことが有効でしょう。長期にわたって遅滞なく返済すれば、信用を積み上げられます。
新規でクレジットカードを発行するなら、キャッシング機能付きクレジットカードの選び方を解説している以下のコンテンツをチェックしてみてください。なお、家族カードを発行できるクレジットカードも紹介しているので、ブラックリストの間の支払手段を探している人も参考にしてくださいね。
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