交渉によって借金を減額・免除したり、支払いに猶予を持たせたりできる債務整理。弁護士や司法書士を通して債務整理を行っているなかお金に困り、借入れを検討している人もいるのではないでしょうか。しかし、お金を借りることで債務整理が失敗するのではないかと不安もありますよね。
そこで本コンテンツでは、債務整理中の借入れはバレないのかを解説します。借入れるリスクや、お金が必要な場合の対処法も紹介するので、新たな借入れを利用する前にぜひ最後まで読み進めてくださいね。
大学卒業後に銀行員として勤務、法人顧客の経営支援・融資商品の提案や、個人向け資産運用相談を担当。 2020年にマイベストに入社、自身の銀行員時代の経験を活かし、カードローン・クレジットカード・生命保険・損害保険・株式投資などの金融サービスやキャッシュレス決済を専門に解説コンテンツの制作を統括する。 また、Yahoo!ファイナンスで借入や投資への疑問や基礎知識に関する連載も担当している。
債務整理中の借入れは、バレる可能性が高いので注意しましょう。ここでは、新たな借入先にバレるリスクと、債務整理を依頼している弁護士にバレるリスクに分けて解説します。
債務整理中に新たな借入れを申込むと、債務整理したことは新たな借入先にバレてしまいます。債務整理した事実は信用情報機関に事故情報として登録され、ほとんどの貸金業者が審査時にチェックしているためです。債務整理中であることがバレれば、申し込み時の審査に通過できず、新たな借入れはできません。
新たな借入先で債務整理を隠すことは、基本的にできないと認識しておきましょう。
債務整理中に新たに借入れると、依頼中の弁護士や司法書士にバレる可能性も。弁護士は債務整理の手続き期間中、家計簿などから依頼者の財務状況を詳しく把握しているためです。
弁護士にバレると信頼関係を築くのが難しいとして辞任されてしまい、債権者との和解交渉ができずに取り立てが再開してしまいます。督促が再開されても滞納し続けた場合、一括返済を求められて最終的には裁判になって財産差し押さえになりかねません。
債務整理中でも借入れ自体は可能ですが、リスクが大きいのでおすすめできません。毎月の返済がさらに厳しくなったり、任意整理が失敗したりする恐れがあるので、借入前に以下で解説するリスクを慎重に確認してください。
債務整理中に新たな借入れを行うと、毎月の返済がさらに厳しくなります。そもそも債務整理は、借金の返済が厳しいときに利用するもの。その状態で新たに借金が増えると、毎月の返済額が増えてより厳しい状態になります。
状況が悪化すると、自己破産するしか選択肢がなくなってしまう可能性もあるので、気をつけてください。
債務整理を依頼している弁護士・司法書士に新たな借入れがバレて、辞任される恐れも。信頼関係が破綻したり、弁護士に交渉困難と判断されたりする可能性が高くなります。
<弁護士にバレて辞任されるケース例>
一度辞任されると、ほかの弁護士・司法書士にも請け負ってもらえない可能性が高いので、注意してください。辞任された事実を隠して依頼しても、債権者と交渉を進めるうえで必ずバレます。
また、辞任されることによって債権者から支払いの催促が再開するほか、遅延損害金が上乗せされる恐れもあり、状況はますます苦しくなると認識しておきましょう。弁護士に依頼した際の着手金も戻ってきません。
債権者に新たな借入れがバレて、任意整理の和解交渉がうまくいかなくなる可能性もあります。新たに借入れると債権者からの信用を失い、生活再建の意思がないと判断されるためです。
任意整理は、将来の利息を免除して完済を目指す手続き。債権者は債務者の生活再建に向け妥協して、利息収入は捨てて元金だけの回収という交渉に応じてくれます。しかし、新たに借入れると返済能力があるとみなされ、交渉が成立しません。
任意整理が失敗すれば、元金に加えて利息も請求されます。加えて、債権者に任意整理中の借入れが悪質と判断されると、借金の一括返済を求められたり、応じられないと裁判に発展したりする恐れもあるので気をつけてください。
債務整理中の新たな借入れは、詐欺罪に問われる可能性もあるので気をつけましょう。債務整理中で返済する能力がないのに、返済する意思があると偽って借入れた場合などが該当します。
詐欺罪とみなされると、10年以下の懲役刑に処される可能性もあり、新聞やニュースなどでも報道されることも。バレなければいいと思わず、借入れを避けるべきです。
個人再生・自己破産の手続き中に新たに借入れると、借金の減額・免責を受けられなくなるため気をつけましょう。自己破産手続き中の借入れは、免責不許可事由に該当するので、返済の義務を避けられなくなります。
個人再生・自己破産に失敗すると借金が残るうえに、弁護士や裁判所に支払った費用も戻ってきません。新たな借入れは借金を増やすことになるので、生活再建したいのであれば手を出さないようにしましょう。
基本的に債務整理中は業者からの借入れが難しくなりますが、一部例外もあります。どうしても業者経由で借りたい人は、以下の例外もチェックしておきましょう。
現在取引中の業者では一時的に借りられる可能性があります。申し込み時には信用情報をチェックされますが、一般的に借入れのたびに確認させることはありません。
とはいえ定期的にはチェックされる可能性が高いため、借入れできるのは信用情報がチェックされるタイミングまでであることを覚えておきましょう。借入れできる可能性はありますが、リスクが大きいことも忘れないでください。
一部の中小貸金業者などでは、借入れできる可能性もあります。中小貸金業者のなかには、信用情報以外の項目を重視して審査するところもあるためです。
たとえば、電話や対面で事情をヒアリングし、債務整理した背景などを確認。今後の返済計画から現実性が高いと判断されれば、審査に通過できる可能性もあります。ただし、年収3分の1を超える借金がある場合は貸付けできません。大手貸金業者と比較すると金利が高いところも多いので、事前にチェックしてくださいね。
どうしても借りたいからとヤミ金融業者(ヤミ金)に手を出してはいけません。ヤミ金は「審査不要」や「ブラックでも借りられる」など、お金に困っている人が手を出したくなる謳い文句で近づいてきます。
ヤミ金かどうかを見極めたいなら、金融庁の登録貸金業者情報検索サービスを利用して、正規の業者かチェックしましょう。登録がなければヤミ金の可能性が高いので、絶対に利用しないようにしてくださいね。
債務整理した場合でも、一生借入れができないわけではありません。ここでは債務整理の種類別に、借入れが可能になる期間を解説します。
任意整理をした人が貸金業者などから借入れできる時期は、和解後に完済して5年程度経ってからです。任意整理した事実が、信用情報機関に事故情報として登録される期間は5年程度で、登録されている間は借入れやクレジットカードの新規作成が難しいと考えられます。
日本の信用情報機関は、株式会社シー・アイ・シー(CIC)・株式会社日本信用情報機構(JICC)・全国銀行信用情報センター(KSC)の3社。それぞれの事故情報を登録する期間は以下のとおりです。
<任意整理の事故情報登録期間>
上記の期間がすぎた場合でも、新たに借入する場合は信用情報機関へ開示請求して、事故情報が削除されているか確認してください。
新たな借入れでは継続的に返済していけるかが重視されるので、任意整理中から滞納せず完済を迎えましょう。安定した収入を得られるようにしておくことも大切です。
個人再生・自己破産した人は、手続き後5〜7年程度経過してから借入れが可能です。個人再生・自己破産した事実は、信用情報機関に事故情報として5〜7年程度登録されるもの。残っている間は、新たな借入れやクレジットカードの作成が難しくなります。
各信用情報機関で事故情報が登録される期間は以下のとおりです。
<個人再生・自己破産の事故情報登録期間>
KSCは登録期間が長めに設定されているうえに、登録期間の起点が任意整理と異なるので注意してください。
登録期間がすぎたあとは、任意整理の場合と同様、事故情報が削除されているか開示請求で確認してから借入れを申込みましょう。安定した収入を得られるようにしておくことも大切です。
債務整理中でも、生活費や一時的な出費でお金が必要になる場合もあるでしょう。ここでは、債務整理中でもお金を借りられる方法を解説するので、どうしてもお金が必要な場合は利用してみてください。
債務整理中にどうしてもお金が必要になったら、まずは弁護士・行政書士に相談するといいでしょう。すでに債務整理を依頼している場合、依頼中の弁護士などは債務者の状況を把握しているため、適切なアドバイスをもらえる可能性があります。
状況を踏まえた対処法の助言をもらえ、任意整理から個人再生・自己破産に変更してよいか相談できることも。相談したうえで債務整理の方針があわない場合は、別の事務所の利用を検討してもいいかもしれません。
以下のコンテンツでは、人気の債務整理の法律・法務事務所からおすすめをランキング形式で紹介しています。費用を安く抑えられたり、遠方でも利用できたりする事務所を紹介しているので、比較したい人はぜひチェックしてください。
生命保険を契約している人は、契約者貸付制度の利用も検討しましょう。契約者貸付制度とは、保険を途中解約したときに受け取れる解約返戻金を担保に、解約返戻金の一定の範囲内で貸付けを受けられる制度です。
借入限度額は解約返戻金の7〜9割程度。利率はカードローンより低めに設定されており、限度額の範囲内であれば、保険を解約せずに何度でも借入れられますよ。
ただし、解約返戻金が発生する保険のみ有効です。解約返戻金が発生しない定期保険などでは利用できません。契約者貸付制度の取り扱いがない保険もあるので、利用前に確認しましょう。
債務整理中にどうしてもお金が必要なら、公的支援制度の活用も有効です。低所得者や失業者などで、条件を満たせば金銭的な支援を受けられます。
たとえば、生活福祉資金貸付制度は、低所得・障害者・高齢者世帯が対象で、連帯保証人をつければ無利息で、生活費の貸付を受けられる制度です。生活を立て直すまでに必要な生活費や、住宅の契約を結ぶために必要な敷金・礼金などを借りられます。
子どもがいる世帯は、高校・大学・専門学校に就学・入学するために必要な経費なども借りられるので、お金に困っている際には一度チェックしましょう。
また、収入が少なくて生活に困窮しているなら生活保護制度の利用も検討してください。生活保護制度は、憲法で定められている「健康で文化的な最低限度の生活」を保障するための制度で、自立した生活を送れるよう援助してくれます。申請は国民の権利ですので、誰でも相談が可能です。
そのほかにも公的支援制度は多くあります。
<公的支援制度の一例>
上記は一例で、そのほかにも利用できる制度は豊富にあります。自治体によっては、善意銀行で無利息で貸付をしているところもあるので、自分の自治体で利用できる制度を調べてくださいね。
家族・友人・勤務先の会社からの借入れも検討してみましょう。金融機関以外からの借入れなら、通常は信用情報を確認されません。
家族や友人などからは、了承を得られれば借りられます。勤務先の会社の場合は、従業員貸付制度を利用しましょう。福利厚生の一環として導入されていることが多く、一時的に資金が必要だったり、緊急の出費があったりする場合に利用できます。
なお、家族や友人などから借りる場合でも、まずは弁護士などへの相談がおすすめです。返済できないことで関係を壊してしまうことにもなりかねないため、相談しながら返済計画を立てて借りましょう。
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