病院ではなく企業に務めて、従業員の心身の健康面をサポートする産業保健師。産業保健師に興味がある人や、目指そうとしている人のなかには、実際に産業看護師になるにはどうすればいいのか知りたい人も多いのではないでしょうか。
今回は、産業保健師になるにはどのような資格が必要なのかを、取得方法もあわせて解説します。就職が有利になる資格やスキルなども紹介するので、就職や転職先として産業保健師を検討している人は参考にしてみてください。
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産業保健師になるためには、看護師と保健師の資格が必須です。以下では各資格を取得する方法を解説します。
産業保健師になるには、看護師の資格が必要。産業保健師に必須の保健師資格の取得には、看護師の資格を所持している必要があるからです。
看護師資格は、看護大学で4年、看護短期大学で3年、看護師養成所で3年、5年一貫看護師養成課程学校で教育を受けて卒業したあとで、看護師国家試験に合格すれば取得できます。
看護大学は、充実した看護教育に加えて一般教養も履修に組み込まれた大学のこと。看護短期大学では、大学よりも短い3年間で必要な教育を終えなければいけないため、科目が少なく専門性の高いカリキュラムが用意されています。
看護師養成所は看護専門学校などを指し、3年間教育を受ければ看護師国家試験の受験資格を取得できる養成施設です。5年一貫看護師養成課程学校では、看護の基礎学科と普通教科を高等学校の3年間で修了したあとで、2年間の看護専攻科へ進みます。看護師等修学資金専攻科を卒業すると、看護師国家試験の受験資格を取得可能です。
産業保健師になるには、看護師とともに保健師の資格も必須。産業保健師は、社員の健康管理や生活指導などの業務が求められることも多く、保健師が担う予防医療の知識が必要になるためです。
保健師の資格取得には、大別して2つのルートがあります。1つ目は、看護師と保健師の統合カリキュラムを学べる大学や4年制看護専門学校を卒業したのち、看護師国家試験と保健師国家試験をダブル受験する方法です。
4年制看護専門学校では、4年間で看護師と保健師の2つのスキルを学ぶことができます。卒業時には高度専門士が付与され、学歴や待遇面で大学卒業者と同等の扱いになり、看護系大学院への入学資格も取得できるのがポイント。
2つ目は看護師資格を取得したのち、保健師養成学校(1年)や看護系大学の保健師養成課程に3年次編入し、卒業後に保健師国家試験を受験する方法です。保健師養成学校では、保健師になるための専修過程を1年間学び、卒業すれば保健師国家試験の受験資格を得られます。
ちなみに、ダブル受験の場合は保健師国家試験に合格しても、看護師国家試験に不合格だと保健師資格は得られません。保健師国家試験の合格実績に有効期限はないため、改めて看護師国家試験に合格すれば保健師資格が取得できます。
産業保健師には、看護師資格と保健師資格のほかにも、第一種衛生管理者や産業カウンセラーなどの資格を取得していると就職に有利になることも。以下では、産業保健師として働くのに役立つ経験・資格・スキルを解説します。
保健師としての実務経験があると、就職に有利です。実際に転職サイトの応募要件を見ると、保健師として勤務した経験を求めている会社も多くあることがわかります。
例えば、病気の予防や健康維持のために運動や食事などのアドバイスを行う、保健指導の経験があると優遇されるケースも。保険相談所などの各種行政機関で保健師として勤務する、行政保健師の経験も有利になります。保健師として何かしらの実務経験があれば、就業先の選択肢も広がるでしょう。
看護師で臨床経験が1年以上あると、就職する際に有利になります。転職サイトの応募要項で、臨床経験を求めている企業も少なくありません。
例えば、産業保健師の応募条件のなかには、臨床経験がある人・保健師資格保有者かつ臨床経験者・臨床経験1年などの記載があります。
第一種衛生管理者の資格も、プラスになる場合があります。第一種衛生管理者は、労働安全衛生法によって定められている労働条件・労働環境の衛生的改善・疾病の予防処置を担当するなど、職場の衛生全般の管理をする人のこと。
50人以上の労働者がいる事業所では、必ず衛生管理者を専任しなくてはならないため、需要のある資格です。
なお保健師や薬剤師の資格を持っている人は、無試験で免許を受けることができます。免許の申請は現在の住所地を管轄している労働局の安全衛生主務課で行うため、具体的な手続き方法は最寄りの都道府県労働局に問い合わせてみてください。
メンタルヘルス・マネジメント検定試験に合格することも、産業保健師のキャリアアップに役立ちます。メンタルヘルス・マネジメント検定とは、メンタルヘルスケアに関する知識や対処法を習得するための検定です。
産業保健師には体だけでなく心の健康ケアも求められるため、メンタルヘルス・マネジメントを学ぶことは理にかなっているといえるでしょう。
メンタルヘルス・マネジメントの検定試験は、公開試験と団体特別試験の2種類があります。公開試験は年に2回、全国15都市で一斉に行われる試験です。団体試験は、企業・団体・学校が所属する従業員や職員などを対象にして検定を行う試験のため、一般には公開されていません。
職場で検定試験を受けられない人は、公開試験に応募しましょう。試験の内容や日程は、メンタルヘルス・マネジメント検定試験の公式サイトを参照してみてください。
産業カウンセラーの資格取得も、産業保健師の就職に役立ちます。産業カウンセラーとは、メンタルヘルス対策・キャリア開発・職場における人間関係への援助などを担当するカウンセラーです。
産業カウンセラーの資格を取得すれば、従業員のカウンセリングや研修を高いレベルで行うことができます。産業保健師は保健指導業務やメンタルヘルス対策も仕事のため、取得していると役立つ資格だといえるでしょう。
資格の取得方法は、日本産業カウンセラー協会が開催している産業カウンセラー養成講座(6か月または10か月コース)を卒業したのち、産業カウンセラー試験を受験します。講座はオフラインまたはオンラインでも可能です。申し込みは日本産業カウンセラー協会の公式サイトから行いましょう。
産業保健師の業務には、Excelの操作などの基本的なPCスキルはほぼ必須だといえます。データ入力や事務作業なども産業保健師の業務に含まれることが理由です。
例えば、検診をした結果を管理するにはExcelの基礎知識が必要。従業員の健康管理の施策を担当するなら、PowerPointなどで資料作成をするスキルも求められるでしょう。
産業保健師の募集要項には、上記のスキルが必要とされているところも少なくありません。PCスキルが十分にあるなら、就職や転職に有利になる場合もあります。
英語でコミュニケーションが取れる人は、外資系企業への就職が有利になる可能性があります。外資系企業では外国人従業員に接する機会が多く、英語力を求められるからです。どのくらいの英語レベルかは募集している企業によって異なるものの、多くはビジネスレベルの英語力が必要。
例えば、国際ビジネスコミュニケーション協会が作成した「TOEICスコアとコミュニケーション能力レベルとの相関表」によると、業務上も大きな支障のない点数は730点以上です。外資系企業への就職を狙う際には、TOEIC730点以上がひとつの目安と考えられます。
英語は産業保健師だけでなく、さまざまな看護職で役に立つスキルです。キャリアアップをするためにも勉強しておいて損はありません。
産業保健師の就職には、看護師向けの転職サイトを参考にするとよいでしょう。看護師向けの転職サイトでは看護師の求人だけでなく、保健師の求人もチェックすることが可能です。
以下の記事では、人気の看護師転職サイトを公開求人数や検索しやすさなどから比較し、おすすめを紹介しています。産業保健師として働こうと考えている人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
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