リーズナブルながら音質もノイキャン性能も高いと評判のノイズキャンセリングイヤホン、CMF by nothing Buds Pro。ネット上では「車内アナウンスもしっかり聴こえる」と好評ですが、「ノイズキャンセリング性能は高くない」「音質にこだわる人には不向き」などの口コミもあり、購入を迷っている人も多いのではないでしょうか。
今回はその実力を確かめるため、以下の4つの観点で検証・レビューを行いました。
さらに、各メーカーの新商品や売れ筋上位など人気のノイズキャンセリングイヤホンとも比較。検証したからこそわかった、本当のメリット・デメリットを詳しく解説していきます。ポイントや送料を考慮した価格比較も行いましたので、ノイズキャンセリングイヤホン選びに迷っている人はぜひ参考にしてみてください。
オーディオ専門店「e☆イヤホン」の販売員として3年間勤務。オーダーメイドや高級機種なども含め、これまでに試聴したイヤホン・ヘッドホンは、のべ500種類を超える。また、音楽や環境に合わせて11種類のイヤホン・ヘッドホンを使い分けるほど、音には並々ならぬ情熱を持っている。 その後、2023年にmybestへ入社し、豊富な知識を活かしてオーディオ・ビジュアル機器のガイドを担当。「顧客のニーズを真摯に考えて提案する」をモットーに、ユーザーに寄り添った企画・コンテンツ制作を日々行っている。
すべての検証は
マイベストが行っています
目次
CMF by nothing Buds Proは、性能のバランスがよい低価格モデルをお探しの人におすすめです。ノイキャン性能・音質・機能性のいずれも大きな欠点はありませんが、とくに優秀だったのが連続再生時間の長さ。比較した商品にはイヤホン単体で4時間しか再生できないものもあったなか、こちらは11時間とトップクラスの長さでした。ケース込みでは約39時間も充電が持ちます。
ノイズキャンセリングも十分な性能です。ノイキャンをONにしたイヤホンをスマホに接続し、ダミーヘッドマイクが聴き取った音を分析したところ、立ち上がりの速い音を27.2%カット。電車の走行音のようなゴーッという低音は上位商品ほど抑えられなかったものの、中高音域は大幅に低減できました。「ノイズキャンセリング性能は高くない」との口コミは払拭したといえます。
引き締まったサウンドも特徴的。とくに低音と高音が際立って聴こえるため、アコースティックやロックなどのジャンルを聴くのにおすすめです。比較したなかにはボーカルの抑揚が目立たない商品もあったのに対し、視聴したモニターからは「強弱が感じられる」と好評でした。低音・高音がパワフルな分、中音域のボーカルの声がやや引っ込みがちですが、不満のないレベルです。
解像度も十分で、「一つひとつの音は分離していてバランスがよい」とモニターに支持されています。比較したなかで解像度が低いものは臨場感に欠ける傾向がありましたが、こちらは生音までとはいかないものの臨場感もありました。「音質にこだわる人には不向き」という口コミとは異なり、広い空間で聴いているような立体感も楽しめますよ。
ECサイトの値段は、執筆時点で7,000円台とリーズナブル。比較した1万円前後の商品はノイキャン性能が低いものが多かったなか、こちらはメーカーが謳うとおり雑音を十分に抑えられ、ノイキャンの強弱調整まで可能です。長時間再生できるので、リモートワークにも便利でしょう。2~3万円台まで予算アップできるなら、より楽曲に没入できた上位商品もチェックしてみてください。
そもそもノイズキャンセリングイヤホンとは、周囲の騒音を低減させて音楽の聴こえ方をクリアにするアイテムです。電子処理で周囲のノイズを打ち消すアクティブノイズキャンセリング(ANC)を搭載しており、物理的な遮音ではカットしづらいノイズも小さくできます。
今回ご紹介するBuds Proは、イギリスのデジタル機器メーカーNothing TechnologyのサブブランドであるCMF by nothingから販売された商品。最大45dBという優れたアクティブノイズキャンセリング機能をアピールしています。
また、10mmのダイナミックバスブーストドライバーを搭載しているのも特徴です。入念に調整されたサウンドにより、迫力ある低音が楽しめると謳っています。
ノイズキャンセリングの強弱を調節できるのも特徴。好みや環境に合わせて3段階から選択可能です。周囲の音を聴き取りやすくする、外音取り込み機能も搭載しています。
セットアップ・イコライザー(音質調整)・タッチコントロール・ノイキャンなどの設定は、スマホに専用アプリ「Nothing X」をダウンロードすることで操作可能です。サウンドの遅延をほとんど気にせずゲームプレイできる、低レイテンシーモードも搭載しています。
バッテリー性能も高く、10分間の充電で2.5時間再生できる設計。防水性能はIPX4と汗や雨に強く、日常生活でのパフォーマンスを保護すると謳っています。
カラーバリエーションは、オレンジ・ダークグレー・ライトグレーの全3色。ミニマルなデザインで、ケースも同色でそろえられています。
イヤホン本体の重さは片耳で約4.8g・ケースは約44.8gと、持ち運びにも負担にならない重さです。メーカーは「羽のように軽い快適さ」とアピールしています。
今回は、CMF by nothingのBuds Proを含むノイズキャンセリングイヤホン全33商品を実際に用意して、比較検証レビューを行いました。
具体的な検証内容は以下のとおりです。
まずは、ノイズキャンセリング性能の高さの検証です。
ノイキャンをONにしたイヤホンをスマホに接続し、ダミーヘッドマイクに装着します。左右に置いたスピーカーからノイズを流し、ダミーヘッドマイクが聴き取った音を分析ソフトで測定。何もつけていない状態と比べて、どれだけノイズ音を低減できたかチェックしました。
ノイキャン性能は十分。クラップ音のような立ち上がりの速い音は27.2%カットでき、比較した全商品の平均26.6%(※執筆時点)を上回りました。カフェやオフィスなどのガチャガチャした騒音は気になりにくいでしょう。
サイレン音のような高音のカット率は24.1%、電車の走行音のような中低音のカット率は19.0%でした。ゴーという低音はやや聴こえやすいものの、中高音域は大幅に低減できています。
比較した上位商品のように全音域しっかり低減できているとはいえませんが、1万円以下の低価格モデルとしては優秀。「ノイズキャンセリング性能は高くない」という口コミに反し、通学や通勤時にも音楽を楽しめる程度の性能は期待できるでしょう。
次は、音質の検証です。
20代までの男女モニター10人がさまざまなジャンルの曲を聴き、各音域の聴こえ具合・解像度・臨場感などをチェックしました。さらに、ダミーヘッドマイクを使って周波数帯域を計測し、音の傾向も確認しています。
実際にモニターが楽曲を聴いたところ、全体的にメリハリのあるタイトなサウンドが特徴的でした。厚みが感じられる低音は、モニター10人中7人が「満足」と回答。「迫力のある低音を楽しめた」「心臓まで響くような重さと厚みが気持ちよかった」との声が挙がりました。
<低音についてのモニターコメント>
コメントは一部抜粋
高音もクリアで抜けがよく、金属音もしっかり聴こえます。高音の音質も、モニター10人中7人が「満足」と評価。「ピアノやトランペットなどの高音もきれいに聴こえる」「ボーカルの高音もクリアかつきれいに聴ける」などといったコメントが寄せられました。
比較した商品のなかには、低音がほとんど聴こえないものや高音が響きすぎと評されるものも。一方で、こちらは低音と高音どちらもバランスよく主張が強いため、アコースティックやロックなどのジャンルを聴くのにおすすめです。
<高音についてのモニターコメント>
コメントは一部抜粋
高音・低音に迫力がある分、歌声は若干引っ込みがち。とはいえ、実際に聴いたモニターからは「ボーカルは抑揚を感じられ、クリアかつ厚みを持って聴けた」「ボーカルの吐息や細かなビブラートの揺れたニュアンスなどがしっかり聴きとれた」との声が挙がり、不満のないレベルといえます。
比較した商品のなかには、ボーカルの抑揚があまり目立たないものもありました。一方、こちらは歌声に強弱が感じられるうえ、中音の楽器の音も存在感があります。トランペット音の膨らみや、ギター音の厚みもしっかり感じられるでしょう。
<中音についてのモニターコメント>
コメントは一部抜粋
解像度は十分。比較したなかでは音質がよいものほど音の解像度も優れる傾向があり、こちらも一音一音が粒立って鮮明に聴こえました。実際に試聴したモニターからは、「楽器の音が重なるところでも聴き分けができるくらい鮮明に聴こえた」「何の不満もなく音楽を楽しめそう」と好評です。
一部のモニターからは「低音が強調されると聴き取りにくくなる」という意見もあり、上位商品には及ばないものの、プラスの意見が大半でした。「音質にこだわる人には不向き」という口コミに反して、十分クリアな音を楽しめるでしょう。
<解像度についてのモニターコメント>
コメントは一部抜粋
臨場感も十分味わえました。ライブ会場にいる感覚とまではいかないものの、音に立体感があり、ホールで聴いたときのような広がりを感じられます。モニターからも「音に遠近感がある」「頭全体に音楽が響く」と好印象です。
比較したなかには、厚みも立体感も感じられないと評された商品があったことをふまえると、こちらは迫力のある音を気軽に楽しめるでしょう。
<臨場感についてのモニターコメント>
コメントは一部抜粋
次は、利便性の検証です。
各商品をチェックし、基本的な機能に加えてノイズキャンセリング機能やマルチポイント接続などの実用的な機能に対応しているかどうかを確かめました。
機能性は十分で、装着したままイヤホン本体で音楽や動画の再生・停止・音量調整・曲のスキップといった操作が可能。ノイズキャンセリングの強弱をHIGH・MID・LOWの3段階に調整できるので、 ノイキャンが強いと酔いやすい人にも使いやすいでしょう。
比較した商品のなかには着脱検知機能に対応していないものもあったなか、こちらは対応しています。つけると再生・外すと停止に自動で切り替わるのはうれしいポイントです。
マルチポイントには非対応で2台のデバイスと同時接続はできませんが、マルチペアリングには対応しています。ゲーム機・スマホ・PCなどを登録しておけば、イヤホンを変えることなくゲームやPCを楽しめますよ。
外音取り込み機能を搭載している点も魅力。防水性能もIPX4と、雨や汗に耐えられるレベルです。便利な機能が充実しているため、日常使いには十分といえるでしょう。詳しい検証結果は以下をご参照ください。
<検証結果>
続いて、連続再生時間の検証です。
イヤホンのみの場合とケース込みの場合の連続再生時間を測定。充電しなくてもイヤホンだけで1日中使えるうえ、ケース込みで3日間使い続けられる商品を高評価としました。
連続再生時間は、比較したなかでもトップクラスの長さでした。詳しい検証結果は以下のとおりです。
<検証結果>
仕事や勉強中に長時間つけっぱなしにしてもバッテリー切れの心配は少なく、通勤や通学時がメインなら数日間はもつでしょう。比較した全商品の平均は、イヤホンのみが約7時間・ケース込みが約27時間(※執筆時点)。本商品はいずれも平均を上回っており、こまめに充電しなくても長時間快適に使用できます。
CMF by nothing Buds Proは、Amazonや楽天市場などの大手ECサイトから購入可能です。値段・送料はサイトや取扱店舗によって異なるため、よくチェックしてから購入してください。
最後に音質がよく、雑音もしっかり抑えられた商品をご紹介します。
ソニー WF-1000XM5は、音質もノイキャン性能も比較したなかでトップクラス。低音~高音すべての帯域でノイズを軽減できたため、どんな環境でも音楽に没入できます。楽曲問わずハイクオリティなサウンドが楽しめるのも魅力。音が立体的なうえに広がりも感じられ、臨場感を楽しめますよ。
少し予算を抑えるなら、ソニーのLinkBuds Sもチェック。ノイズの種類問わずしっかり雑音を低減でき、どんなシーンでも音楽に入り込めます。なめらかに広がるようなサウンドで、おすすめのジャンルはロックとアコースティック。イヤホンだけで9時間再生でき、仕事でも使いやすいでしょう。
連続再生時間 (イヤホンのみ) | 12時間 |
---|---|
連続再生時間 (充電ケース込み) | 36時間 |
イヤホン形状 | カナル型 |
良い
気になる
Bluetoothバージョン | Bluetooth 5.3 |
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ドライバー構成 | ダイナミック型 |
防塵防水性能 | IPX4 |
重量 | 5.9g(片耳) |
マイク付き | |
急速充電対応 | |
マルチペアリング対応 |
SONY WF-1000XM5を徹底レビュー!実際に使ってわかったよい点・気になった点は?
最小再生周波数 | 不明 |
---|---|
連続再生時間 (イヤホンのみ) | ノイズキャンセリングON:6時間/ノイズキャンセリングOFF:9時間 |
連続再生時間 (充電ケース込み) | ノイズキャンセリングON:20時間/ノイズキャンセリングOFF:30時間 |
イヤホンの種類 | 完全ワイヤレスイヤホン |
連続再生時間(ノイズキャンセリングなし) | 不明 |
イヤホンの形状 | カナル型 |
連続再生時間(ノイズキャンセリングあり) | 不明 |
タイプ | イヤホン |
イヤーピースの種類 | 不明 |
接続タイプ | ワイヤレス |
おすすめのジャンル | アコースティック、ロック |
最大入力 | 不明 |
ペアリングアシスト機能 | Google Fast Pair |
イヤホン形状 | カナル型 |
ノイズキャンセリングの強弱調節可能 | |
Bluetoothバージョン | Bluetooth 5.2 |
ネックバンド付き | 不明 |
イヤーフック・イヤーウィング付き | 不明 |
Bluetoothクラス | 1 |
対応コーデック | LDAC、SBC、AAC |
アプリ対応 | |
Bluetoothのプロファイル | A2DP、AVRCP、HSP、HFP |
ドライバー構成 | ダイナミック型 |
ドライバーサイズ | 5mm |
プラグ形状 | |
インピーダンス | 不明 |
再生周波数帯域 | 20Hz~40kHz |
音圧感度 | 不明 |
特徴 | 不明 |
連続再生時間 | 不明 |
充電時間 | イヤホン:2時間/充電ケース:3時間 |
充電端子 | USB Type-C |
防塵防水性能 | IPX4 |
操作方法 | タッチ操作 |
ケーブルの長さ | 不明 |
重量 | イヤホン:4.8g(片耳) |
幅 | 不明 |
奥行 | 不明 |
高さ | 不明 |
特徴 | |
電車の騒音のカット率 | 不明 |
MFi認証モデル | |
マイク付き | |
リモコン付き | 不明 |
ノイズキャンセリング機能 | |
空間オーディオ機能 | |
外音取り込み機能 | |
自動パーソナライズ機能 | |
選択式パーソナライズ機能 | 不明 |
選択式イコライザー機能 | |
自由調整式イコライザー機能 | |
着脱検知機能 | |
内蔵メモリ | |
急速充電 | |
接続安定性機能 | |
急速充電対応 | |
自動電源ON機能 | |
自動電源OFF機能 | |
マルチペアリング対応 | |
マルチポイント対応 | |
AIアシスタント | |
紛失防止機能 | |
リケーブル対応 | |
ハイレゾ対応 | |
ハンズフリー通話対応 | |
再生/停止操作可能 | |
音量調整操作可能 | |
曲のスキップ操作可能 | |
音漏れ抑制機能 | |
製造国 | 不明 |
電車の走行音の低減dB数 | 12.4dB |
立ち上がりの速いノイズの低減dB数 | 21.4dB |
SONY LinkBuds Sを徹底レビュー!実際に使ってわかったメリット・デメリットは?
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