日本の平均年収よりも高い水準の収入が期待できる保健師。現役で保健師として働く人やこれから資格取得を目指す人のなかには、看護師との給料の違いや働き方ごとの年収目安が気になる人もいるでしょう。
本記事では、年齢や地域などの幅広い観点からみた保健師の平均年収とともに、看護師との年収・月収の違いも解説します。平均年収と自分の年収を比較したい人、保健師としてより年収の高い働き方を見つけたい人は、ぜひ参考にしてみてください。
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保健師と看護師の平均年収を比較すると、保健師の年収・給与は看護師よりもやや低めです。保健師・看護師を含む看護職の平均年収を確認してみましょう。
厚生労働省 令和3年賃金構造基本統計調査をもとに算出
保健師の平均年収は、経験年数・年齢・地域などによっても異なります。さまざま観点から保健師の平均年収をチェックし、現在の年収との比較や将来性のイメージに役立ててみてください。
なお、以下のデータは厚生労働省の令和3年賃金構造基本統計調査の結果に基づいています。
厚生労働省 令和3年賃金構造基本統計調査をもとに算出
年齢とともに年収アップが期待できる理由は、ベテラン保健師として役職に就く機会が増えると考えられるためです。ただし60代は、定年を迎えることや夜勤回数の減少が影響し、50代よりも平均年収が下がる傾向があります。
厚生労働省 令和3年賃金構造基本統計調査をもとに算出
経験年数0年から1~4年への年収の伸び幅は、約25.4万円です。これに比べて経験年数1~4年から5~9年への伸び幅は、約44.5万円と大きい結果に。経験年数が5年を超えると責任のある役割を任せられることが増えるため、年収アップにつながっていると考えられます。
厚生労働省 令和3年賃金構造基本統計調査をもとに算出
規模の大きい企業は経営が安定している傾向があるため、手厚い福利厚生や手当といった好待遇を受けやすいと考えられます。
なお、企業規模10~99人と1,000人以上では、平均年収がほとんど変わりません。ただし前年の令和2年賃金構造基本統計調査では、企業規模10~99人の平均年収は約381万円でした。年によって大きな差が出ていることから、一概に規模の小さい企業が高年収だとはいえないでしょう。
保健師の平均年収は地域によっても異なり、500〜700万円台の地域もあれば、300万円台の地域もあります。平均年収が高い地域・低い地域に分けてチェックしてみましょう。
【平均年収が低い地域】
群馬・徳島はデータなし
厚生労働省 令和3年賃金構造基本統計調査をもとに算出
平均年収が高い地域と低い地域では、最大460万円ほどの差があることがわかります。また平均年収が低い地域には、人口密度の低い地域が多いという特徴がみられました。ただし年によって調査結果は変動するため、上記はひとつの目安として参考にしてみてください。
行政保健師や産業保健師といった働き方によっても、保健師の平均年収は異なります。現在の年収と比較するために、または年収アップにつながる働き方を見つけるためにも、保健師の種類ごとの年収傾向をチェックしてみましょう。
そもそも行政保健師は保健所・市区町村・都道府県の職員として働く保健師のことで、保健師全体の約7割を占めます。地方公務員のほうが平均年収が高いため、年収の高さを重視するなら地方公務員を目指すのがよいでしょう。
産業保健師として働く場合、一般的な平均年収は500~600万円です。産業保健師の主な業務は、民間企業での労働者の保健指導やメンタルヘルスの相談など。企業内で保健師資格を持つ人が一部に限られることから、日本の平均年収より水準が高いと考えられます。
とはいえ年収は勤務先によって異なるため、これから転職を考える場合などには求人内容をチェックしておきたいところです。年収の高さを重視するのであれば、たとえば企業規模が大きく経営が安定している求人を狙うとよいでしょう。
学校保健師の平均年収の目安とされるのは、400~500万円程度です。学校保健師とは、大学・専門学校・小中学校・高校などで働く保健師を指します。
保健室の先生として知られる養護教諭と混同されやすいですが、学校保健師と養護教諭は別職種です。学校保健師の主な仕事は、ケガの応急手当や健康維持のアドバイスなど。一方の養護教諭は、教諭として子どもの教育にも携わるのが特徴です。
保健師資格を持ちながら養護教諭として勤務すれば、年収アップにつながる可能性があります。また、公立の小中学校では養護教諭の配置が義務付けられているため、養護教諭の免許を持っているほうが仕事の幅が広がるでしょう。
保健師資格を持つ人は、通常よりも短いルートで養護教諭免許の取得が可能です。学校保健師として働きたい人は、養護教諭の免許取得も視野に入れてみてください。
病院や診療所といった医療機関で働く病院保健師の平均年収は、一般的に400~500万円程度です。医療機関の規模や業務内容などによって年収は変動します。
保健師は看護師免許を取得しているため、保健師業務に加えて看護師業務の一部を担うことも少なくありません。看護師免許のみを取得している場合と比べて、業務範囲の広い保健師は年収の高さに期待できます。また夜勤があるケースでは、より高年収が目指せるでしょう。
保健師が年収アップを目指すためには、同じ職場に長く勤める、あるいは資格取得や転職を視野に入れるのが得策です。自分に合った年収アップのルートを見つけるために、これから紹介する3つの方法を確認してみましょう。
同じ職場に長く勤めることは、年収アップにつながるポイントのひとつです。勤続年数に応じた昇給に加え、役職に就くことで役職手当がもらえる可能性があります。慣れた環境で年収アップを目指したい人は、勤続年数を積み重ねて年収アップを目指しましょう。
年収を上げる方法として、スキルアップのための資格を取得することも挙げられます。保健師の業務に役立つ資格を持っていると、能力が評価されて年収アップにつながりやすいと考えられるためです。
スキルアップのための資格には、産業カウンセラー・養護教諭免許状・ケアマネジャー(介護支援専門員)などがあります。産業カウンセラーは、働く人のカウンセリングを行う際に役立つ資格です。産業保健師として働く場合に資格を持っていると、待遇面でも有利でしょう。
また、養護教諭免許状は学校保健師として、ケアマネジャー(介護支援専門員)は介護分野の保健師として働く際に取得していると年収アップが目指せます。
年収だけでなく、保健師としてより専門性のある知識・スキルを増やしたい人は、資格取得を視野に入れてみましょう。
以下の記事では保健師の求人を含む看護師転職サイト・エージェントを紹介しているので、転職を検討する場合はぜひチェックしてみてください。
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