
こどもNISAはいつから?新制度の内容やジュニアNISAとの違いも解説
こどもNISAは、子どもの将来に向けた資産形成を非課税で行える投資制度。旧制度のジュニアNISAにかわる新しい仕組みとして開始が予定されており、大学進学など子どもの教育資金を時間をかけて育てたいと考えている保護者から注目されています。しかし、「いつから始められるの?」「ジュニアNISAとどう違うの?」「デメリットはないの?」など、疑問点も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、こどもNISAの開始時期や制度の概要をはじめ、ジュニアNISAや学資保険との違いなどもわかりやすく解説します。子どもの教育資金づくりや将来設計の第一歩をしっかり踏み出せるよう、ぜひ役立ててくださいね。

大学卒業後に銀行員として勤務、法人顧客の経営支援・融資商品の提案や、個人向け資産運用相談を担当。 2020年にマイベストに入社、自身の銀行員時代の経験を活かし、カードローン・クレジットカード・生命保険・損害保険・株式投資などの金融サービスやキャッシュレス決済を専門に解説コンテンツの制作を統括する。 また、Yahoo!ファイナンスで借入や投資への疑問や基礎知識に関する連載も担当している。
こどもNISAとは?いつから始まる?

「こどもNISA」とは、2027年1月からの開始が予定されている新しい非課税投資制度の通称です。2025年12月に閣議決定された「令和8年度税制改正大綱」に、0歳からNISAを利用できるようにすることが記載されており、事実上の導入が決定しています(参照:令和8年度税制改正大綱)。
2024年にスタートした新NISA(現行NISA)は、18歳以上が対象です。また、従来の「ジュニアNISA」は2023年に廃止されているため、現在は未成年の子ども名義での新たなNISA口座開設はできません(2026年6月現在)。
このような現状に対して、ジュニアNISAに代わる制度を求める声が高まっており、いよいよ2027年1月から導入される見込みです。こどもNISAが開始されると、0~17歳の子ども名義でのNISA口座開設が可能に。子どもの教育資金づくりの制度として、子育て世代から注目されています。
こどもNISAの仕組み。過去の「ジュニアNISA」との違いは?
こどもNISAは安定した長期運用が可能な仕組みを基本に、引き出しもより柔軟に行えるなど、使い勝手のよい制度設計が見込まれています。ジュニアNISAとの違いも交えながら、仕組みを解説しますので参考にしてください。
非課税保有限度額が600万円に拡大。非課税保有期間も5年から無制限に

ジュニアNISAの400万円(年間投資枠80万円)に対し、こどもNISAでは600万円(年間投資枠60万円)と、非課税保有限度額が1.5倍に拡大します。子ども用の教育資金準備枠としてみれば、心強い規模といえるでしょう。
また、ジュニアNISAの非課税期間は原則5年間でしたが、こどもNISAでは無期限で保有できるようになるのも注目ポイントです。たとえば、生まれた年から18年をかけて、大学入学用の資金を貯めるのも可能。複利効果を最大限に活かした、長期での資産形成が行えます(参照:金融庁)。
18歳以降は自動的に成人用のNISAに切り替わり、引き続き口座を運用できるのも、こどもNISAで導入される新しい仕組み。それまでの運用資産は、生涯枠(1,800万円)に組み込まれます。生涯を通じて自分のNISA口座を活用でき、運用をシームレスに継続できる点も大きな魅力です。
条件を満たせば12歳から引き出し可能。より柔軟な運用ができるように

- 資金の使途が子どもに関連するものであること
- 子ども本人が引き出しに同意していること
- 親権者が金融機関へ必要書類の提出を行うこと
12歳というと、中学受験などの節目を迎える時期。入学金や授業料など子どもに関連するまとまった資金が必要になった際に、柔軟に資金を引き出せるのは大きなメリットだといえるでしょう。
投資可能な商品が投資信託のみに。個別株は対象外

こどもNISAでは、成人用の現行NISAの「つみたて投資枠」と同様の仕組みが想定されています。そのため、投資対象も同じ投資可能銘柄のみとなる見込みです。ジュニアNISAでは個別株も購入できましたが、こどもNISAでは長期の積立・分散投資に適した投資信託に限定されます。
インデックスファンド(S&P500やオルカンなど)やバランスファンドなど、金融庁の厳しい条件を満たした投資信託で、手数料が低水準で安定した運用が見込める銘柄が対象です。 少額から投資を始めやすい投資信託は、個別株と比べて値下がりなどのさまざまなリスクを分散しやすいので、安定的に教育資金を運用するのに向いているといえるでしょう。
こどもNISA開始まではどうすればいい?2つの選択肢
はやく始めるほど複利効果の恩恵を受けやすくなるのが、資産運用。こどもNISAの開始を待つだけでなく、既存制度を活用しながら子どもの教育資金を準備する方法を考えましょう。方法は主に2つです。リスク許容度や資金計画に合わせて検討してください。
方法1:親のNISA投資枠内で子どもの教育費を準備する

こどもNISAが始まるまでの最も手軽な方法は、親のNISAを活用することです。つみたて投資枠と成長投資枠を合わせた非課税保有限度額は1,800万円で、引き出しのタイミングにも制限がありません。とりあえず、この枠内で子ども用の資金を運用するのが現実的な方法だといえるでしょう。
こどもNISAが始まったら、年間60万円以内の投資枠の範囲内で、親の口座で運用した資産を子どものNISA口座へ順次移せます。
方法2:未成年口座をつくって、子ども用の資金を分けて運用する

こどもNISAの開始に先がけて、未成年口座(子ども名義の証券口座)を作成して、親の資金と分けて運用するのもひとつの方法です。未成年口座とは、0〜17歳の子ども名義で作成できる証券口座のこと。「こども口座」などとも呼ばれ、親権者が代理で運用・管理を行います。
こどもNISAの口座を始めるためにも、あらかじめ未成年口座を作成しておく必要があります。こどもNISAを利用する予定があるなら、その準備としても、はやめに未成年口座を作成しておくのはよい方法だといえるでしょう。主な証券会社では、親権者が手続きすることで、0歳から簡単にこども口座を開設できます。
なお、こどもNISA開始後も、口座の運用は親権者が行うことになります。自分自身がまだNISAの経験がない場合は、投資に慣れておくことが大切。まずは自身の口座を開設して、経験を積みましょう。口座開設に当たっては、ぜひ以下のコンテンツを参考にしてください。
こどもNISAと学資保険、どちらがいい?メリット・デメリットを比較
教育資金の準備方法として、NISAとよく比較されるのが学資保険です。どちらがいいかは、何を重視するかによって異なります。メリット・デメリットを理解して、自分にはどちらがよいか検討しましょう。
長期投資でリスクを抑えながら高リターンを狙うなら、こどもNISA

リターンの高さを重視するなら、こどもNISAがおすすめです。非課税枠を使って投資信託の長期運用を行った場合、年利3〜5%程度のリターンが期待できます。
たとえば、期間をフルに活用して0歳から18年間、月1万円ずつ積み立てる場合、元本の総額は216万円(1万円×12か月×18年)です。金融庁のつみたてシミュレーターで試算すると、利回り別の資産総額と運用益は以下のようになります(参照:金融庁)。
- 利回り3%の場合:285万円(69万円)
- 利回り4%の場合:313万円(97万円)
- 利回り5%の場合:345万円(129万円)
もちろん、投資である以上利回りの保証はなく、最悪の場合には元本割れのリスクもありますが、こどもNISAは資産形成の王道である長期・分散・低コストの投資を実践しやすい制度です。12歳からは、条件を満たせば引き出せる柔軟性もあるので、賢く活用することを検討する価値はあるでしょう。
安全性を優先したい場合は、元本が確保される学資保険を候補に

リスクを最小化して安全性を優先したい場合は、元本が確保される学資保険を選択するとよいでしょう。原則として元本は保証され、商品にもよりますが返戻率110%程度で受け取れます。
また、積み立て金の一部が生命保険料控除の対象になることや、契約者(親など)が死亡した場合に以降の保険料払込が免除される特約が標準的に付いているといったメリットもありますよ。
一方、原則として契約後は受け取り時期の前倒しはできず、途中解約すると積み立て金より受け取り額が少なくなる可能性があります。また、インフレ局面では、実質的な価値が目減りするリスクがある点にも注意が必要です。物価上昇が続く場合、学資保険だけでは教育費の増加に対応しきれない可能性があります。
最低限の学費確保は学資保険で行い、余裕資金をNISAで運用するという併用策も有効です。学資保険に関心がある人は、以下のコンテンツを参考にしてください。
こどもNISAのよくある質問
こどもNISAのよく耳にする疑問に回答します。制度開始とともにスムーズに活用できるよう、疑問解決の参考にしてください。
すでにジュニアNISAを持っている場合は統合できる?

ジュニアNISAとこどもNISAは、全く別の制度として区別されます。そのため、ジュニアNISAの資産をこどもNISAに直接移管(ロールオーバー)はできません。
制度廃止後のジュニアNISAの資産は「継続管理勘定」という枠に移されており、子どもが18歳になるまで非課税のまま保有できます 。途中でも非課税で一括払い出しできるので、売却してこどもNISAの枠内で再投資も可能ですが、それまで積み上げてきた複利の効果がリセットされることに。また、こどもNISAでは投資信託しか買えないため、ジュニアNISAで個別株を買っていた場合は運用できなくなります。
こどもNISAの資産は、18歳になると自動的に成人向けのNISA口座に引き継がれます 。ジュニアNISAの資産はそのまま保持しつつ、こどもNISAで追加で積み立てていくという併用策が、現状では最も効率のよい活用方法といえるでしょう。
親や祖父母が積立額を負担すると贈与税はかかる?

こどもNISAの資金は、親や祖父母が負担する場合もあるでしょう。その場合、気になるのが贈与税です。贈与税は、原則として年間110万円までなら発生しません。こどもNISAでは年間の積み立て上限が60万円になる予定なので、贈与税の年間非課税枠内に収まる見込みです。
ただし、定期贈与と判断されると贈与税が発生する可能性も。たとえば10年間で60万円ずつ贈与した場合、総額600万円を分割して贈与したとみなされ、贈与税がかかるケースが挙げられます。
基本的には、こどもNISAを利用しても年110万円の枠を超えなければ課税されるリスクは少ないと思われますが、贈与のたびに贈与契約書を作成して個別の贈与であることを明確にしておくなどすれば、リスクを防げるでしょう。心配な場合は、税理士にあらかじめ相談するといった対策も検討してください。
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