薬剤師が転職を考える際に避けてとおれない面接対策。転職しようと思っているものの、どのように面接対策すればいいのかわからないと悩んでいる人も多いようです。
そこで今回は薬剤師の転職における面接対策の方法や、実際の質問と回答の具体例などを解説します。転職で失敗しないためのポイントを知りたい人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
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薬剤師の転職の面接では、自己紹介・転職理由・今後のキャリア・現在の会社での業務内容などを質問されるのが一般的です。ここからは、実際の面接で予想される質問と回答例を紹介します。
「簡単に自己紹介をお願いします」といわれた場合は氏名を名乗ってから、これまでの経歴や職務内容を端的にまとめて話しましょう。
この質問をすることで、面接官は志願者のコミュニケーション能力や人柄、これまでの経験が自社で活かせるかどうかを見極めようとしています。
【例文】
本日はご多用のなかお時間をいただき、ありがとうございます。〇〇〇(氏名)と申します。
私は株式会社◆◆◆で、薬剤師として7年勤務しました。最初の4年間は薬局薬剤師として働き、3年前からは薬局長に就いて店舗のマネジメントにも携わっております。新人教育も行っており、人に教える力・意見をとりまとめる力には自信があります。本日は何卒よろしくお願いいたします。
「転職しようと思った理由をお聞かせいただけますか?」と聞かれた場合は、ポジティブな転職理由を話しましょう。
この質問をすることで、面接官は志願者が入社後にすぐ辞めてしまわないか、長く勤務してくれるかどうか見極めようとしています。前職を辞めた理由をポジティブで前向きな内容に置き換えることで、ネガティブな理由で転職していると思われるのを防ぐことが可能です。
【例文】
前の職場では患者様に最適なお薬の処方を薬剤師自身が行うのが難しいと感じました。処方はすべて医者が行い、薬剤師は決められた薬を調合することの繰り返しだったからです。
患者様とより密接なコミュニケーションを取って、一人ひとりに最適な薬を選んであげたいという思いが強く、適切な病院でもう一度学び直したいと考えて転職を希望しました。自己決定権を大事にされている貴院を、さらなる自己実現の場とさせていただければ幸いです。
この質問をすることで、面接官は多くの企業のなかでなぜ自社を志望したのか、どのように貢献しようとしているのかを判断しようとしています。企業の特色や業界での立ち位置などを調べて、自分ができることや挑戦したい仕事とマッチしていることを伝えてみてください。
【例文】
私が貴社を志望した理由は、貴院がかかりつけ調剤薬局を推進していると伺い、薬剤師として患者さんの役に立ちたいと考えたからです。
私は病院薬剤師として、5年間の勤務経験があります。入院患者さんと多くの機会を持ち、日常の薬剤管理や患者さんに治療内容を理解してもらうことの重要性を学びました。このような経験から、日常的に患者さんと関わるかかりつけ薬剤師の仕事に興味をもっております。
患者さんとのコミュニケーションを大切にして、自宅での病状の管理を改善していきたいと思っております。
「弊社でどのようなキャリアを積みたいですか?」と質問された場合は、薬剤師としての数年後の目標をできるだけ具体的に答えましょう。
この質問をすることで、面接官は会社側が求めている人と志望者が希望している働き方に乖離がないかを確かめようとしています。
【例文】
私は患者様に寄り添ったお薬の処方を行いながら、3年以内に管理職を目指したいと思っています。
患者様に寄り添った調剤薬局を作っていくには、薬剤師自身同士の交流が必要です。週に1回の定例ミーティングの場を設け、反省会や意見交換の場を作ることで、スタッフ同士の連携をスムーズにすることが重要だと考えます。スタッフ間のコミュニケーションがより良好になるよう、努力する所存です。
「今の会社での業務内容を教えてください」といわれたときは、今の会社で行なっている仕事を具体的なエピソードを織り交ぜて話してみてください。
この質問をすることで、面接官は仕事への取り組み方や人間性を見ています。業務内容に加えて自分が工夫した内容などを盛り込むと、評価につながりやすくなるでしょう。
【例文】
私は前職で、病院において服薬指導を2年間しておりました。仕事をするにあたり、患者様に寄り添うことを心掛けていました。1人で薬を飲めない患者様には自ら手を使って飲ませてあげたり、自筆で服用方法のイラストを書いて渡したりするなど、病院内で患者様に一番寄り添う薬剤師になれるように努力してきました。
「弊社のほかに選考を受けている会社はありますか?」と聞かれたら、同時並行で受けている会社があっても、基本的には今面接を実施している企業が第一志望だと答えましょう。
この質問をすることで、面接官はもし内定を出した場合に入社してくれるかどうかを知りろうとしています。面接を実施している企業が第一志望である理由もあわせて説明することで、志望している意思に説得力を出すことが可能です。
【例文】
ほかに〇〇〇社、◆◆◆社も受けていますが、第一志望は御社です。内定をいただけたらすぐに承諾して、ほかの企業は辞退する予定でございます。御社の患者様を第一に考える運営体制にとても魅力を感じているため、ぜひとも尽力させていただきたいと考えております。
転職の面接で逆質問をする際は、自分を効果的にアピールしたり、労働条件の聞き方を配慮したりすることが大切です。以下では、薬剤師が転職の面接で逆質問する際のポイントを解説します。
積極的に逆質問をすることで、企業への関心や働く意欲を強くアピールできます。
逆質問は面接の最後のアピール時間になるため、入社したあとに薬剤師としてどのように働きたいと思っているか、応募した企業に強い入社意思があるかなどをしっかり伝えましょう。「何もありません」と答えてしまうと、働く意思があるのが疑問視されかねないので注意が必要です。
以下では、薬剤師面接で自分をアピールするための逆質問の例を紹介します。
働く意欲をみせたいときは、内定が出るまでにやっておいたほうがいいことや、実際の業務内容、自分に求めていることを聞きましょう。
入念に準備してスムーズに業務に取り組めるようにしたい、企業の要望に沿えるようにしたい気持ちを、面接官にアピールすることができます。
自分の長所を強くアピールしたいときは、その長所をどのように活かしてどのように転職先に貢献できるかを質問しましょう。
入社後の自分に対するイメージを持ってもらえることに加えて、応募先の企業に貢献したいと思っていることを面接官に伝えられます。転職先が求めているスキルや経験を自分が保有しているとアピールできれば、評価を高めることにもつながるでしょう。
【例文】
企業への興味関心を伝えたいときは経営理念や会社の雰囲気、事業に関連した時事問題などを聞くとよいでしょう。
その企業特有の内容について質問することで、会社への理解を深めようとしていることをアピールできます。事業に関連した時事問題を聞くと、より広い視野で業界全体を知ろうとしていることへのアピールにもつながるでしょう。
【例文】
給与や勤務時間などの労働条件を聞く場合は、直接的な表現を控えるなど聞き方に注意しましょう。
まだ内定が決まっていない段階で労働条件を聞くと、自分のことしか考えていないと思われてイメージが悪くなってしまいます。なるべく遠回しな表現に置き換えるなど、直接的な聞き方にならないよう注意が必要です。
【例文】
薬剤師が転職する際の面接では質問に結論から答える、面接官の目を見てゆっくり話すことが大切です。以下では、面接官に好印象を与えるための3つのコツを解説します。
面接時に質問をされたときは、まず結論から答えましょう。続いて結論に対する理由と具体例を説明し、最後にもう一度結論で締めくくるようにします。この順番を意識すると聞かれた内容に対してわかりやすく簡潔に答えられるため、少ない時間で自分の意見を伝えることが可能です。
まず聞かれたことに対する結論を最初に提示し、次に結論を補強するために根拠となる理由を話しましょう。伝えたい内容がわかりやすくなるように、実際のエピソードなどを使って具体例を説明します。最後にここまでの話をまとめてもう一度結論を話すと、面接官に伝えたいことを印象づけることが可能です。
内容をまとめて結論から話さないと面接担当者に伝わりにくく、コミュニケーション能力が低いと判断されかねないため注意しましょう。
面接で好印象を持ってもらうには、ハキハキした口調でゆっくり話すことも大切です。
ハキハキと大きな声で話すと、面接官に明るくポジティブなイメージを与えることができます。ゆっくりした口調で喋ると話したい内容が伝わりやすいことに加えて、誠実な印象を持ってもらえることも。
面接時に受け答えするときは、意識してプライベートで会話するよりもゆっくりしたスピードで喋ることを意識しましょう。自然と早口になってしまう人は、特にゆっくり話すよう注意してみてください。
面接で緊張して早口で話すと面接官に対していいたいことがうまく伝わらず、不安を感じさせてしまうなどのデメリットがあります。また声自体が小さかったり、明るくない話し方をしたりすると、マイナスイメージを与えることもあるため気をつけましょう。
面接官の目をしっかり見て話すことも、面接時に好印象を持ってもらうコツのひとつです。
しっかり目を見て話すことで自分に自信をもっているように見えたり、聞かれた内容に丁寧に答えようという気持ちが伝わったりします。前向きな人物像も演出できるため、一緒に働きたいと思ってもらえる可能性も高まるでしょう。
目を見て話すのが面接時の基本ですが、難しい場合は面接官の額や鼻など目の周辺、ネクタイの結び目などを見るようにしてみてください。しっかり目を見てくれているという印象を与えられます。
目を合わせて話さないと自分に自信がないネガティブな印象を与えてしまうだけでなく、やましいところがあったり、嘘をついたりしているのではないかと疑われてしまう場合があるため注意しましょう。
薬剤師の転職で失敗しないようにするには、経験を十分に積む・希望する企業のデータ収集を行う・ポジティブな転職理由を用意するなど事前準備が必要です。ここからは、転職で失敗しないための3つのポイントを解説します。
経験の目安としては、現職で3年以上勤務していること。3年以上勤務していれば、調剤スキルや服薬指導などの基本的なスキルが身についていると判断されやすいといえます。4~5年以上の経験があると、病院薬剤師なら抗がん剤調整が可能など専門性の高いスキルを活かしての転職も期待できるでしょう。
薬剤師は国家資格なので、経験が1~2年目でも需要はあります。ただし、1年未満の転職だとすぐに辞めてしまうのではないかと思われる可能性があるので注意が必要です。
転職しようと考え始めた段階で、転職先について必要なデータをできるだけ多く集めておきましょう。十分なリサーチをせずに転職先を決めてしまうと、入社後に想像していた働き方ができないなどのミスマッチが起きる可能性があるからです。
集めておきたいのは、年収やボーナスなどの待遇・1か月あたりの残業時間・休日や有給休暇などの日数・常駐しているスタッフの数・1日に処理する処方箋の枚数・勤務している薬剤師の平均年齢や離職率など。
周囲の人の噂話や評判は参考程度に聞いておき、求人情報や企業の公式サイトなど具体的な数字のリサーチをすることが重要です。
実際に退職することを現職の上司に報告するときは、なるべくポジティブな転職理由を伝えましょう。給料が少ない・労働環境が悪いなどのネガティブな転職を伝えると、「不満に思っている部分を改善するから」などといわれて退職を引き止められる場合があるからです。
例えばさらなるスキルアップをしたい、新しい環境で経験を積みたい、もっとチームワークを駆使して働ける職場で働きたいなどの前向きな転職理由を考えてみてください。新しい職場で叶えたい目標があることを伝えるのがポイントです。
退職するからといって何をいってもいいわけではありません。現職でお世話になったことを再度認識し、ポジティブな理由を伝えて円満に退職できるようにしましょう。
薬剤師の転職を成功させたいなら、面接対策をしっかり行ってくれる薬剤師向けの転職エージェントを利用するのがおすすめです。専門のキャリアアドバイザーが丁寧に面接対策をしてくれるので、自分1人で対策するよりも転職を成功させられる可能性が高まります。
模擬面接を実施したり、想定される質問を考えてくれたりするため、本番に備えて十分な準備ができるでしょう。履歴書や職務経歴書などの添削もしてくれるため、より面接にも集中しやすくなるといえます。
以下の記事では人気の薬剤師向け転職エージェントを、公開求人数や求人の検索しやすさで徹底比較しました。面接対策を十分に行って転職を成功させたいなら、ぜひ参考にしてみてください。
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