
薬剤師転職は厳しいの?転職事情や失敗例、成功のポイントも紹介
長らく人材不足で売り手市場と言われてきた薬剤師。しかし、新型コロナウィルスや医療費削減などの影響で、薬剤師を取り巻く環境は大きく変化しました。薬剤師として転職を検討している人のなかには、近年は薬剤師の転職が厳しいと感じている人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は薬剤師の転職が厳しいと言われる理由に加え、転職の失敗例や成功させるうえで知っておきたいポイントを徹底解説します。転職を検討している薬剤師の人はぜひ参考にしてください。

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薬剤師の転職が厳しいと言われる事情とは?
薬剤師の転職が厳しいと言われる背景には、新型コロナウィルスの影響やドラッグストア併設型薬局の増加、薬剤師免許保有者の増加などが挙げられます。
新型コロナウィルスの影響で求人数が減少した

新型コロナウィルスの感染拡大をきっかけに、薬剤師の求人数が減少したことが転職が厳しくなっている要因のひとつです。
2018年と2022年12月の有効求人倍率を見てみると、半分以下に減っていることがわかります。
- 2018年12月:5.84倍
- 2022年12月:2.32倍
有効求人倍率は、厚生労働省の一般職業紹介状況を参照
この背景には、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の影響により、医療機関での受診や調剤薬局の利用が減少したため、医療業界全体の売上が低下したことが挙げられます。
東京商工リサーチのデータによると、2021年1月〜11月のわずか10か月で過去最多となる26件の調剤薬局が倒産しており、薬剤師の活躍する現場はかなり減少ている可能性があるでしょう。
しかし、新型コロナウィルス騒動が落ち着くにつれて人の動きも戻りつつあり、薬局の需要も今後は回復してくることが予想されます。
ドラッグストアの増加により従来の調剤薬局薬剤師の需要が減少している

近年、ドラッグストア併設型の調剤薬局が増加傾向にあり、従来の調剤薬局の求人が減少していることも薬剤師の転職が厳しくなっている要因のひとつです。
医薬品や医療グッズだけを扱う調剤薬局に比べ、日用品や食料品なども扱うドラッグストアの需要が高まり、店舗数も増加傾向にあります。
しかし、従来の調剤薬局の求人が減ってもドラッグストアの求人は増えている可能性があるので、そこまで大きな影響はないと考えられます。
薬剤師免許保有者が増え続けている

薬剤免許保有者の増加により、薬剤師同士の競争率が高まっている傾向があります。
2006年度から薬学部が6年制になり、全国的に新設された薬学部が多く存在していることからも、薬剤師の過剰供給が懸念されています。
厚生労働省の薬剤師需給調査によると、今後必要とされる薬剤師の人数は2030年頃から供給過多に転じるという予測も。
今後も薬剤師免許保有者は増え続けるため、薬剤師を必要としている企業や職場数の推移によっては転職が厳しくなってくることが予想されます。
こんな薬剤師は転職が厳しい!?共通する特徴とは?
転職が厳しくなる薬剤師に共通する特徴を4つ紹介します。
薬剤師としてアピールできるポイントが少ない

薬剤師の転職市場は競合相手が多いため、募集要件を満たしているだけでは厳しいのが現状です。
全体から見ると薬剤師の有効求人倍率は高水準であるとはいえ、年々求人が減っているのは統計から見ても明らかです。
このような状況下で内定を勝ち取るためには、専門性の高い実績や保有資格で差別化を図ることが不可欠と言えます。
転職回数が多い

転職回数が多いと早期退職を警戒されて、転職が厳しくなる可能性があります。
もちろん採用する企業の基準・採用意欲・転職時の年齢によって許容される転職回数が異なるので、転職回数○回以上は厳しいといったことは一概には言えません。
転職回数が多いという理由で書類選考も通らない企業がある一方、やむを得ない事情や筋の通った転職理由があれば回数にかかわらず内定が出る場合も。
しかし転職回数の多さがメリットになるケースは少ないため、慎重に行動する必要があります。
協調性に欠け、良い人間関係を構築できない

人とのコミュニケーションが苦手で、なかなか良い関係を築けない人は転職が厳しい可能性があります。
薬剤師は技術職であるものの、実際の職場では限られた空間で上司や同僚と密にコミュニケーションを取る必要がある職種です。
しかし、ドラッグストア併設型の調剤薬局は環境が異なり、病院や施設勤務に比べると風通しが良くコミュニケーションを取りやすい場合もあります。
環境が変わることで人間関係が改善する場合もありますが、どのような職場であっても周囲の人と積極的にコミュニケーションを取る努力は必要でしょう。
転職先に対する理想が高すぎる

転職先に対する希望条件が多すぎると、なかなかマッチングする求人がなく結果的に転職が厳しくなります。
たとえば、大手企業や都市部では薬剤師の採用難易度が低く、特別な待遇を提示しなくても容易に薬剤師を採用できる傾向があります。
仮に好条件の求人があったとしても、そのような求人には応募が殺到するため競合相手が多くなり選考が厳しくなるでしょう。
転職を検討する場合は希望条件に優先順位を付け、転職先を探している地域の求人の傾向を把握し、適切な条件を設定することが大切です。
薬剤師転職での失敗例とは?
薬剤師が転職して失敗したと感じるケースのうち、特に多い例を4つ紹介します。
関係者との人間関係に問題があった

転職が失敗だったと感じた理由で特に多いのが人間関係の問題です。
転職先の上司・同僚・経営層との人間関係の煩わしさや、職場全体の雰囲気の悪さに悩む人も多いようです。
人間関係には相性もあるため一概には言えませんが、多方面から情報収集をすることで入社後のギャップを減らせる可能性があります。
給料と業務内容が見合わない・昇給に問題があった

想定よりも業務量が多く給料に見合わない、思うように昇給しないことで転職が失敗だったと感じる人もいます。
いずれも給与に関する失敗例ですが、激務や離職率の多さなどの背景があって高待遇が設定されているケースも少なくありません。
また、入社時の年収が高くても昇給率が低い・ほとんど昇給しないといったケースもあります。
残業が多い・休憩が少ない

想定していたよりも勤務時間が長く、休憩が少なかったことで転職が失敗だったと感じる人も多くいます。
繁忙期などで一時的な忙しさは仕方ないとしても、長時間労働が常態化している職場で働くのは消耗戦になりがちです。
時間の経過とともに心身が疲弊していくため、なかなか長期的に働いていくイメージは持てないでしょう。
スキルアップの機会が少ない

勤務先が資格取得や研修・勉強会などのバックアップをあまりしてくれなかったため、転職に失敗したと感じている人もいます。
薬剤師は常にスキルアップが求められる職種であり、年収アップやキャリアアップにも直結する重要な要素。キャリアプランが明確な人や成長意欲がある優秀な人材ほど、成長が望めない職場にデメリットを感じる傾向があります。
薬剤師転職に成功するためのポイントとは?
薬剤師転職に成功するためのポイントとして、日頃から意識しておくと良いこと・転職活動のコツを紹介します。
研修認定薬剤師の資格を取得する

転職で評価されやすい方法のひとつとして、研修認定薬剤師の資格取得がおすすめです。
認定薬剤師とは一定期間の研修や実技を通して、最新の技術や知識を有していると実力を認められた薬剤師のこと。この資格は客観的に薬剤師としての優位性を示せるため、アピールポイントとしても有効です。
転職に有利なだけでなく、企業によっては資格手当や昇給手当に反映されるため、年収アップにもつながります。
さらに、認定薬剤師を足がかりにして専門性の高い資格を目指せるうえ、かかりつけ薬剤師の要件にもなっているため、キャリアの幅が大きく広がります。
転職の成功以外にもメリットが多い資格なので、チャレンジしてみると良いでしょう。
管理薬剤師を目指す

管理薬剤師を目指して薬剤師としての市場価値を高めるのも良い方法です。
管理薬剤師とは、法律で各薬局に設置することを義務付けられている責任者のこと。薬局長とも呼ばれており、製造業においては拠点ごとの責任者を指す場合もあります。
薬剤師としての経験値があることはもとより、管理職としての経験がある薬剤師は市場価値が高く、調剤薬局の開業や運営にも不可欠なため、高い評価を得られます。
管理薬剤師の要件は実務経験5年以上・認定薬剤師資格保有者なので、要件を満たしている場合は管理薬剤師を目指すのがおすすめです。
要件を満たしていない場合、まずは認定薬剤師を目指しながら実務経験を積むと良いでしょう。
在宅医療・かかりつけ薬剤師を目指す

今後需要が高まる可能性のある在宅医療・かかりつけ薬剤師を目指すのもおすすめです。
かかりつけ薬剤師とは、特定の患者さんを受け持ち薬の管理を行ったり相談に応じたりする薬剤師のこと。
現在の職場でこれらの経験が積めるなら積極的に経験しておくと良いでしょう。現職で難しい場合は、在宅医療やかかりつけ薬剤師のキャリアに対して意欲的であることを伝えると、評価を得やすい傾向があります。
希望条件を明確にして優先順位をつける

転職先に求める希望条件を書き出し、優先順位をつけましょう。
希望条件が曖昧だと転職しても現職の不満が解消されなかったり、安易に好条件の求人に飛びついてしまったりと、転職に失敗する可能性が高くなってしまいます。
自分は何を求めて転職しようとしているのか、絶対に譲れない条件は何かを明確にし、転職活動の道標にすることが成功への近道です。
応募先企業の情報収集を徹底する

求人にはネガティブな情報が載っていないため、さまざまな角度から入念に情報収集をしましょう。
転職失敗例の多くは情報不足による入社後ギャップがほとんどです。入社してから後悔しても後の祭りなので、第三者からの情報を集め、可能な限り実態を把握する努力をしましょう。
たとえば、離職率をチェックする・現場見学をする・転職エージェントから情報を得るなど。多くの失敗パターンは情報収集することで回避できる可能性があります。
業務内容や業務量をしっかり確認する

応募企業の年収や待遇だけではなく、業務内容や業務量を正確に把握しておきましょう。
業務内容や業務量が変わることで仕事のリズムが掴めなかったり、前職の経験が活かしづらくパフォーマンスを発揮できなかったりするケースが少なくありません。
- 処方せんの枚数
- 薬剤師の人数や人員体制
- 薬歴の残し枚数
- 仕事環境はデジタルか、紙ベースか
- 何科の薬が多いのか
- 在宅の有無
- 患者の年齢層
上記のような点が職場によって異なり、特に入社後にギャップを感じやすいポイント。ひとつでも多く把握できるよう事前に確認することをおすすめします。
求人情報の入手と応募をスピーディーに行う

薬剤師の転職成功にはスピード感がとても重要です。
薬剤師の有効求人倍率は他職種に比べ高水準であるものの、良い求人には応募が殺到する傾向があり、募集が締め切られてしまう可能性があるためです。
仕事をしながら継続的に求人をチェックするのは困難なので、転職サイトや転職エージェントをうまく活用して、希望に合った求人が出たら通知が来るような体制を整えておくと良いでしょう。
薬剤師の転職を成功させたければ転職エージェントを積極的に活用しよう

転職活動を成功させたい人は、薬剤師に特化した複数の転職サイトやエージェントを積極的に活用するのがおすすめ。
特定のサイトやエージェントにしか求人を出していない企業も多いため、複数利用することで選択肢が広がります。転職成功に向けてさまざまなサポートを行うだけでなく、内定後の条件交渉などを代行してくれるのもメリットです。
以下の記事で、薬剤師に特化したおすすめの転職サイト・エージェントをランキング形式で徹底比較しているので、多くの求人からより良いものを選びたい人、少しでも良い条件で転職を成功させたい人はぜひ参考にしてください。
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