シリーズ内でもエントリーモデルにあたる据え置きプロジェクター、Anker Nebula Cosmos D2140511。インターネット上では「高精細できれい」と評判ですが、「ファンの音が大きい」といった口コミもあり、購入を迷っている人もいるのではないでしょうか?
今回はその実力を確かめるため、以下の10個の観点で検証した結果をふまえたレビューをご紹介します。
さらに、各メーカーの新商品や売れ筋上位など人気の据え置きプロジェクターとも比較。検証したからこそわかった、本当のよい点・気になる点を詳しく解説していきます。ポイントや送料を考慮した価格比較も行いましたので、据え置きプロジェクター選びに迷っている人はぜひ参考にしてみてください。
テレビ・プロジェクターなどの映像家電や、ノートパソコンやプリンターなど家電全般の比較・コンテンツ制作を経験し、家電チームのマネージャーに就任。キャリブレーションソフトを用いたテレビ・プロジェクターの画質測定を設計したり、ノートパソコンのベンチマークテストに取り組んだりしてきた。「ユーザーにとってベストな選択体験を提供する」ことを心がけて、コンテンツ制作を行っている。
すべての検証は
マイベストが行っています
目次
良い
気になる
価格や平均値は、2024年12月時点での情報です
くっきり感を左右するコントラスト比が高く、暗いシーンでメリハリのある映像が期待できるのもよい点です。若干赤味が強い色合いですが大きな違和感はなく、色域はBT.2020の7割以上をカバーする広さ。実際に映画を視聴した音と映像の専門家からは解像度の高さが好評で、「人の顔をアップにしてもきれい」との声が聞かれました。
投影をサポートする機能として、比較した多くの商品と同様に台形補正・焦点調整機能を搭載。フレームの形やピントが自動で補正されて便利ですよ。一方音質面では、映画を視聴するとセリフが小さく少し聞き取りにくかったのがネック。低音の迫力や音の定位感もよいとはいえず、上位商品と並ぶと臨場感やリアルさが物足りないと感じました。
起動時間が約39秒と遅めで、待たされている感覚があった点も気がかり。「ファンの音が大きい」との口コミどおり、動作音も約47dBと静かなシーンでは気になりやすい数値です。ネット機能は、豊富なコンテンツを視聴できるAndroidTVに対応。ただワンタッチでアプリを開けるショートカットボタンがリモコンに搭載されていないのは惜しい点です。
素早い動きを滑らかに表現しにくいのも難点。実際にサッカーを視聴すると、上位商品は非常にスムーズな動きだったのに対し、本品は画面全体のカクつきや選手の残像感が気になり、スポーツ・アクション作品の視聴には向きません。手頃な価格は魅力ですが、滑らかな映像にこだわる人はほかの商品も検討しましょう。
<おすすめできない人>
今回ご紹介するNebula Cosmos D2140511は、フルHD映像を最大120インチで投影できる据え置きプロジェクター。手頃な価格ながら。鮮やかで繊細な表現と豊かなサウンドが期待できる設計です。迫力のある映像を楽しめると評価され、発売から約半年後には、雑誌「家電批評」の2021年5月号で「U10万円FHDプロジェクター ベストバイ」を受賞しました。
販売元のAnkerは、米国・日本・欧州など世界100か国以上で展開するハードウェアメーカー。モバイル充電器・オーディオ・スマートホーム家電などを幅広く販売中です。なかでもプロジェクターブランドのNebulaでは、手頃な値段のものから本格仕様のものまで幅広いラインナップを取り扱っています。
音質面にもこだわっており、高品質サラウンドサウンド技術の「Dolby Digital Plus」に対応。ささやき声や効果音が鮮明に聞こえる仕様です。メーカー独自技術「BassUpテクノロジー」も導入し、「豊かなサウンドと深みのある低音を実現」と謳っています。
別売りのTVチューナーを使用すれば、地上波のテレビ番組もリモコン1つで視聴可能。OSにはAndroid TVを搭載し、YouTube・Netflixなど5,000以上を超えるアプリのコンテンツを大画面で楽しめますよ。
設置に便利なアイテムとして、別売りで2種類の公式スタンドも販売中です。フロアスタンドを使えば、高さを最大1mまで上げられるうえ、水平方向に360度・垂直方向に前後180度の調整が可能。デスクトップスタンドなら、水平方向に360度・垂直方向に最大約12度傾斜できます。投影したい高さに合わせて選んでみてください。
<スペック>
Nebulaでは、Cosmosシリーズとして複数のホームプロジェクターを展開しています。公式サイトで確認できたラインナップは以下のとおりです(※2024年12月時点)。
<ラインナップ>
2024年12月時点・公式サイト参照
本品はシリーズ内で最も安価なエントリーモデルにあたります。上位モデルは4K画質に対応しているうえ本品よりも大画面での投影ができ、より明るい画面での視聴が可能。高画質・大画面・明るさにこだわるなら上位モデルがおすすめですが、値段の手頃さ・軽さ・コンパクトさを重視するなら本品が候補に入るでしょう。
そのほかモバイルプロジェクター製品として、Capsule・Mars・Apolloといったシリーズも販売中。Cosmosシリーズと比較すると明るさを示すANSIルーメンの公称値は低いものの、持ち運びに優れたモデルがそろっています。プロジェクターを移動させて使いたい人はチェックしてみてくだしさい。
人気の据え置きプロジェクターを比較検証したところ、Anker Nebula Cosmos D2140511には6つのよい点がありました。1つずつ解説していくので、購入を検討している人はぜひチェックしてみてください。
ANSIルーメンとは、投影面の明るさを表す単位です
全商品の平均1272ANSIルーメン(※2024年12月時点)や、満足の基準とした1500ANSIルーメンには届きませんでしたが、薄暗い室内や間接照明がある部屋でもくっきりした映像で視聴できるレベル。比較した商品内でも1000ANSIルーメン以上だと鮮やかで見やすい傾向があり、同様の本品も「明るく鮮やか」との謳い文句に頷けます。
映像のくっきり感を左右するコントラスト比は高評価です。最大輝度は約127.5cd/m2、最小輝度は約3.391cd/m2で、コントラスト比は約38:1に。満足の基準や全体平均の約35:1(※2024年12月時点)より高く、暗いシーンでも黒が引き締まったメリハリある映像が期待できます。
色再現性も悪くなく、国際規格「BT.709」色域内で色精度を測定すると、ΔE7.38でした。ΔEは色のずれの大きさを表す数値で、0に近いほど色が忠実といえます。本品は満足の基準としたΔE5には届かなかったものの、全体平均値のΔE7.28(※2024年12月時点)と同レベルで、人の目で見たときに大きな違和感は覚えにくいレベルです。
色域の広さも、国際規格「BT.2020」に対する色域のカバー率は76.7%。満足の基準に設定した80%には及びませんでしたが、全体平均の約70%(※2024年12月時点)は上回っており、ある程度鮮やかな色彩の映像を楽しめそうです。
肉眼で見た際の、映像の鮮明さも良好です。Disney +で映画「アベンジャーズ:エンドゲーム」を視聴したオーディオ&ビジュアルライターの折原一也さんは、「画面全体のキメ細かさがよく、人の顔をアップにしてもきれい」とコメント。「高精細できれい」との口コミにも頷けます。
コントラストも悪くありません。全体的に暗い映像は白っぽく見える部分があったものの、光の眩しさなどはしっかり再現できていました。
ただ赤やオレンジがやや強く、色のバランスは高評価には届かず。一般的な映画鑑賞であれば問題なく視聴できますが、色を忠実に再現できていた上位商品と並ぶと、画質にこだわる人は違和感を覚える可能性があるでしょう。
台形補正機能のおかげで、斜め方向から投影できるのも利点です。正面に設置できない場所でも映像を楽しめます。ただし、自動で調整されるのは垂直方向のみ。水平方向は手動での補正が必要なので注意してください。
<検証結果>
値段は89,990円(※2024年12月時点・公式サイト参照)と安めなのも魅力です。比較した多くの商品が10~30万円程度だったのに対し、モバイルプロジェクターと大差ない10万円以下で購入できますよ。
20~30万円以上する上位商品と比較すると明るさなどの性能は劣るものの、暗い室内でもくっきり見やすく購入コストを抑えたい人にはよいでしょう。
Anker Nebula Cosmos D2140511にはたくさんのよい点がある反面、気になる点もありました。購入を考えている人は、しっかりリサーチしておきましょう。
動きの滑らかさは低評価です。YouTubeプレミアムでサッカーを視聴した専門家の折原一也さんは、画面全体のカクつきや選手の残像感を指摘。ボールや人の輪郭を滑らかに表現できた上位商品とは異なり、素早い動きの再現は不得意といえます。
カクつきがあるなかで人やボールを追うと、目が疲れやすくなる可能性があるため、本品はスポーツ番組やアクション作品を楽しみたい人には向かないでしょう。
低音も弱めでクリアさが物足りず、中~高音域と比べると細かな部分までは表現しきれていません。比較したほかの商品には、本体サイズ以上の迫力を感じられたものがあったのに対し、大きさのわりに低音の鳴り方は控えめでした。重低音よりも、BGMや人の声の低域部の表現が得意といえます。
少し違和感のあるサウンドで、臨場感を得にくいのも気になる点です。ある程度は画面の外側まで音が広がるものの、左右・前後で音が移動する感覚を味わえた上位商品と並ぶと、サラウンド感は控えめ。全体的に音がぼやけ気味かつ高音寄りで、リアルさに欠けていました。
また、専用ソフトを使って音量を測定する検証も実施。結果、低音のバランスや迫力を左右する音域の音量は比較したなかでも小さく、実際の視聴で感じたとおりパンチ感が物足りない結果です。声の明瞭さに関わる音域は満足の基準とした70dBと同レベルでしたが、総合的に見ると音質にこだわりたい人には使いにくいといえます。
起動に時間がかかるのもネックです。リモコンで電源ボタンを押してから操作可能になるまでは平均38.77秒と長めで、待たされている感覚がありました。満足の基準とした20秒や、全体平均の約32秒(※2024年12月時点)も上回っています。
上位商品には10秒以下でスピーディに立ち上がったものがあったことを思うと、こちらはサッと見始めたい人には不向き。実際に使うタイミングよりも早めに起動しておくと、待ち時間が気になりにくいでしょう。
約50dBは換気扇の騒音に近い数値(参照:日本騒音調査 騒音値の基準と目安)。比較した約1/4の商品は図書館内と同レベルの40dB以下に抑えられていたのに対し、「ファンの音が大きい」との口コミは否定できない結果です。映画の静かなシーンでは、音に邪魔されて集中しにくいかもしれません。
通信規格はWi-Fi5に対応。高速通信できる規格ですが、Wi-Fi6に対応した商品と並ぶと、回線が混雑している時間帯などは安定しない可能性があります。
一方、iPhoneやAndroidのスマホ画面を大画面に投影できる、ミラーリング機能を搭載している点は便利。音声操作もできるので、コンテンツ検索の際などに文字入力の手間を省けますよ。
<検証結果>
解像度 | フルHD(1920×1080p) |
---|---|
明るさ(ANSIルーメン) | 1070ANSIルーメン |
良い
気になる
ミラーリング | chromecast |
---|---|
音声操作 | |
レンズシフト機能 | |
スピーカー出力 | 10W×2 |
Netflix認証 | |
障害物自動回避 | |
入力端子 | HDMI:HDMI2.0 (最大4K入力) 、USB-A:USBメモリ用 |
HDR対応 | HDR 10 |
Dolby Audio対応 | |
Bluetooth対応 | |
天井投影可能 | |
稼動時騒音 | 47.2dB |
奥行 | 198mm |
幅 | 289mm |
高さ | 88mm |
重量 | 2.0kg |
※ランキングは、購入時に取得できるポイントを考慮した実質価格で作成しています。
89,990円
(最安)
販売価格:89,990円
ポイント:0円相当
送料無料
(6,902件)
Anker Nebula Cosmos D2140511の取扱店舗は、メーカー直営店のANKER STOREのほか、ヤマダデンキなどの家電量販店です。正規取扱店は公式サイトで確認できますよ。インターネットならAnkerの公式オンラインストアで購入でき、以下の特典がついてきます。
<特典>
このほか、Amazon・楽天市場・Yahoo!ショッピングなどでも販売中です。ECサイトのなかには公式ショップも複数確認できたので、普段お使いのサイトがあればぜひチェックしてみてください。
最後に、スポーツ番組・アクション作品が見やすかった商品をご紹介します。
HORIZON S Maxは、映画館のような雰囲気を楽しめる1台。サッカーを視聴すると、選手の輪郭やボールなどもくっきりと残像感なく楽しめました。100インチの大画面でもキメ細かい精細感のある映像を楽しめるうえ、画面も明るく映ります。価格は30万円超えとかなり高額ですが、性能の高さで選びたい人にはおすすめですよ。
コストを抑えつつきれいな映像で視聴したいなら、JMGOのN1Sをチェック。15万円以下と比較した商品内ではそれほど高くありませんが、サッカー選手の動きには残像感がなく滑らかでした。最大輝度は750ANSIルーメンと高くないものの、HD画質ながら4Kレベルのきれいな映像を楽しめた点も大きな魅力です。
解像度 | 4K |
---|---|
明るさ(ANSIルーメン) | 1890ANSIルーメン |
良い
気になる
ミラーリング | DLNA / Google Cast |
---|---|
音声操作 | |
レンズシフト機能 | |
スピーカー出力 | 12W×2 |
Netflix認証 | |
障害物自動回避 | |
入力端子 | HDMI端子、USB、DC |
HDR対応 | HDR 10、Dolby vision、HLG |
Dolby Audio対応 | |
Bluetooth対応 | |
天井投影可能 | |
稼動時騒音 | 38.7dB |
奥行 | 174mm |
幅 | 273mm |
高さ | 234mm |
重量 | 4.8kg |
XGIMI HORIZON S MAXの口コミ・評判は?実際に使ってよい点・気になる点を徹底レビュー!
解像度 | フルHD |
---|---|
明るさ(ANSIルーメン) | 750ANSIルーメン |
良い
気になる
ミラーリング | chromecast |
---|---|
音声操作 | |
レンズシフト機能 | |
スピーカー出力 | 5W×2 |
Netflix認証 | |
障害物自動回避 | |
入力端子 | HDMI端子、USB、DC |
HDR対応 | HDR 10 |
Dolby Audio対応 | |
Bluetooth対応 | |
天井投影可能 | |
稼動時騒音 | 31.5dB |
奥行 | 187mm |
幅 | 165mm |
高さ | 191mm |
重量 | 2.0kg |
JMGO N1Sの口コミ・評判は?実際に使ってよい点・気になる点を徹底レビュー!
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