高速連写と素早いオートフォーカスで撮りたいシーンを逃さないと謳う富士フイルムのミラーレス、
富士フイルム X-T4。インターネット上では「色や明暗の設定も細かく設定できて撮りやすい」と評判です。一方で「動画撮影には不向き」との口コミもあり、購入を迷っている人も多いのではないでしょうか?
今回はその実力を確かめるため、以下の8つの観点で検証・レビューを行いました。
さらに、人気のX-S10やX-T30 IIなどの富士フイルムのミラーレスとも比較。検証したからこそわかった、本当のメリット・デメリットを詳しく解説していきます。ポイントや送料を考慮した価格比較も行いましたので、富士フイルムのミラーレス選びに迷っている人はぜひ参考にしてみてください。
新卒でPC周辺機器・スマホアクセサリー・カーアクセサリーを取り扱うメーカーに入社。法人営業・広報を担当し、商品開発にも携わる。2023年2月にマイベストに入社し、モバイルバッテリーやビデオカメラなどガジェットやカメラの比較・コンテンツ制作を経験。現在では、家電・カーバイク用品など幅広いジャンルのコンテンツ制作に携わる。「専門性をもとにした調査・検証を通じ、一人ひとりに合った選択肢を分かりやすく提案すること」ことを心がけて、コンテンツ制作を行っている。
すべての検証は
マイベストが行っています
目次
良い
気になる
富士フイルム X-T4は、ハードな環境下でも本格的に撮影したい人におすすめです。強い衝撃を加えて撮影するとブレが目立ったものの、シャッタースピード1/15秒までは補正できていました。比較した全商品が同様の傾向でしたが、なかには1/60秒でもブレた商品も。ボディ内手ブレ補正を搭載しており、暗くブレやすい場所でも撮影しやすいですよ。
画質も優れています。測定用チャートで解像度を測定すると、高評価の基準を超える3,806本を記録しました。暗所では解像度が落ちたとはいえ、比較したほかの商品も同様で性能に大きな差はありません。オートフォーカスも84%一致し高評価に。連写速度の設定範囲が広いぶん、動く被写体も写しやすいでしょう。
口コミに反して、動画撮影にも向いています。映像端子が充実しているうえ、バリアングル方式のモニターを採用し、自撮りも可能です。撮影した映像は、オートフォーカスが機敏に動き人の顔をしっかりとらえていました。若干ノイズが入るものの、比較したほかの機種の2倍のビットレートで撮影でき、高画質な映像を残せるでしょう。
人間工学に基づいて設計されたとの謳い文句どおり、持ちやすさも好評でした。重量は約607g。比較したなかには500g以下の商品もあったのに対し、ボディ内手ブレ補正を搭載しているぶん若干重めです。とはいえ、使用したモニターからは「ずっしり感はない」「グリップは薄いがゆとりがあって指をかけやすい」と支持されました。
操作性は中~上級者向き。比較した一部商品のようなオートモードは搭載されておらず、本体上部・レンズにあるダイヤルを自分で操作しながら細かく設定する仕様です。自分好みに設定できるのは利点ですが、初心者にはやや難しいでしょう。「色や明暗の設定も細かく設定できて撮りやすい」との口コミどおり、設定にこだわりたい人向けです。
価格は執筆時点で税込25~30万円と、ハイエンドに位置する本品。設定を細かく変更して、自分の撮影スタイルを極めたい人にはぴったりですよ。防塵・防滴・耐低温仕様で揺れにも強く、悪条件でもクオリティを落とさず撮影しやすい一品です。富士フイルムのミラーレスで迷っているなら、ぜひ使ってみてくださいね!
そもそも富士フイルムのミラーレスとは、デジタルでありながらフィルム時代のデザイン・操作性を踏襲したミラーレスカメラのこと。独自性のある美しい発色を備え、自分の撮りたいイメージに合わせて発色やコントラストを調整できるフィルムシミュレーション機能を搭載しています。
今回ご紹介するX-T4も、富士フィルムのこだわりが詰まったミラーレスカメラです。創業以来、解像力と色の再現にこだわり続け、新たにETERNA ブリーチバイパス機能を追加。彩度を低く抑えたコントラストのある仕上がりを実現し、「銀残し」といったフィルムの現像技法を忠実に再現しています。
トーンカーブ機能で、ハイライト・シャドウトーンの設定を1段刻みから0.5段刻みに変更。フィルムシミュレーションと組み合わせて撮影時に理想の設定にできるので、現像時間を短縮できるとアピールしています。また、オートホワイトバランス機能で、白色による温かみの調整も可能です。
一瞬を確実に撮影できるよう最速0.02秒のオートフォーカスを搭載。超高速メカ連写機能では、約15コマ/秒と世界最高速(※)を謳っています。動画用の技術も多数搭載。200Mbpsの高ビットレート・最大10倍のスローモーション撮影など、妥協のない本格的な動画撮影が可能としています。
2020年2月26日現在。APS-Cサイズ以上のセンサーを搭載したミラーレスデジタルカメラにおいて。富士フイルム調べ。
ボディ内手ブレ補正機構は、5軸・最大6.5段(※)に対応。防塵・防滴・耐低温(-10℃)仕様かつ大容量バッテリー搭載で、いかなる状況でもパフォーマンスを発揮すると謳っています。
Achieved with 18 XF FUJINON lenses.
撮った画像は専用アプリ「FUJIFILM XApp」でスマホへ転送もできて、仲間との共有もしやすいですよ。そのほかの仕様については以下をご参照ください。
<仕様>
本体サイズは幅134.6×高さ92.8×奥行63.8mmで、重量はバッテリー込みで約607g。メーカーはコンパクトなボディをアピールしています。レンズ装着時もしっかりホールドできるよう、人間工学に基づいてシェイプされたグリップを採用しているのも特徴です。
ブラックとシルバーの2色展開で、上部には昔ながらのダイアルを搭載。クラシカルなフィルム一眼レフのような形状は、多くのカメラ愛好家に愛されています。
今回は、富士フイルム X-T4を含む富士フイルムのミラーレス全5商品を実際に用意して、比較検証レビューを行いました。
具体的な検証内容は以下のとおりです。
最初に、解像感・暗所耐性・色再現性の検証です。解像感の検証では三脚を使用し最高画質のJPEGで、国際規格の解像度測定用チャートを10枚撮影。専用のソフトウェアでスコアを測定し、最大値・最低値を省いた8つの平均値を算出しました。
暗所耐性・色再現性の検証では、外光を遮断した室内でレンズを統一し被写体を撮影。撮影した画像の暗所での解像感・ノイズの少なさ・明所・暗所での発色のよさを分析し評価しました。
国際規格の解像度測定用チャートを測定したところ、スコアは約3,806本の好記録でした。比較したほかのモデルと同様、高評価の基準とした3,150本を上回っています。スコアが高いほど解像感に優れているため、高画質での撮影を楽しめるでしょう。
画質に関しては大きな差がなく、富士フィルムのミラーレスは、解像感の高いものが揃っていました。
暗くして撮影をすると、色がうまく再現できずノイズも目立ちました。暗所での撮影には、あまり向いていないといえます。
とはいえ、比較したほかの富士フィルム製品も同様の結果です。解像感と同じく暗所での画質も大きな差はありませんでした。
続いて、オートフォーカス性能・手ブレ補正力の検証です。
オートフォーカス性能では、走りながら接近する人物を撮影。撮影した写真のピントが合っている確率を算出したうえで、総合的なオートフォーカス性能を評価しました。なお85%以上を高評価の基準としています。
手ブレ補正力の検証では、カメラを構える人を模した器具を用意し、手に当たる部分にカメラを固定。一定の力を加えて振動を発生させ、擬似的な手ブレを生み出します。シャッタースピードを1/60秒・1/30秒・1/15秒・1/8秒・1/4秒と変更しながら10枚撮影し、評価しました。
オートフォーカス性能はまずまず。ピントが合う確率は約84%と、高評価の基準とした84%と同じ記録でした。比較した第4世代の富士フィルムのカメラは、画質と同様にオートフォーカス性能にも大きな差は見られません。
しかし、連写設定のスペックは本品が一歩リード。1秒間に20枚(メカシャッターは15枚/秒)と、比較したなかでも連写速度の設定幅が広く、動いている被写体を撮影するのに向いています。
揺れを再現するために衝撃を加えて撮影したところ。1/15秒まではブレを抑えられていました。比較した1/60秒でもブレた商品があり、手ブレ補正力はそこそこです。強い衝撃をあたえると1/60秒でも耐えられませんが、少し揺れる程度であればブレにくいでしょう。
比較したなかでX-S10と本商品は、ボディ内手ブレ補正機能を搭載し手ブレが気になりにくい傾向に。揺れやすい場所・スポーツなどの動く被写体も逃さずきれいに撮影できそうです。
次に、持ちやすさ・操作しやすさを検証しました。
持ちやすさの検証では、カメラに興味のある男女5人が各商品を実際に使用。カメラに取り付けるレンズは統一したうえで、グリップの握りやすさやカメラの重さなど総合的な持ちやすさを評価しました。
操作しやすさの検証では、各商品オートモードやファインダー、タッチ操作の有無などをチェック。多くの機能を搭載していたものを高評価としています。
実際に試したモニター5人中4人が持ちやすいと答えました。比較した商品では500g以下のものが持ちやすい傾向にあったのに対し、約607gと若干重めながら満足できる結果です。
一方で「グリップが浅め」といった指摘もあがりました。とはいえ、指に引っかかりやすい形状で横に広く、「手が大きい人でも持ちやすいゆとりがあった」とおおむね好評でした。謳い文句どおり、レンズ装着時もしっかり支えられるでしょう。
<持ちやすさについてのモニターコメント>
コメントは一部抜粋
操作性はカメラに慣れた中~上級者向け。比較したほかの商品のようにオートモードはなく、初心者だと扱いが難しいでしょう。モードダイヤルや内蔵ストロボもなく、操作を楽にするための工夫はあまり見られません。
タッチ操作は可能で、ファインダーも搭載されているため、細かく設定して自分好みに撮影したい人には十分。「色や明暗の設定も細かく設定できて撮りやすい」という口コミどおりといえます。詳しい検証結果は以下のとおりです。
最後に、動画の撮りやすさ・動画の画質の検証です。
動画の撮りやすさの検証では、マイク・イヤホン・HDMI端子の有無や録画ボタンなど、動画撮影に関わる機能が多いものを高評価としました。
動画の画質では各商品を実際に使用し、明るさ約1200ルクスの室内・明所・暗所で動画を撮影。撮影した動画データを分析し、オートフォーカスの優秀さ・解像感・暗所での色再現性の3つの観点から総合的な動画の画質を評価しました。なお、設定・レンズは統一しています。
動画の撮りやすさは高評価を獲得。マイク・イヤホン・HDMIといった映像端子が充実していました。アクセサリーシューもあり、外付けファインダーなどを装着可能です。モニターはバリアングル方式で、自撮りにも対応しています。
ただし、録画ボタンはなく、内蔵マイクの風防もありません。「動画撮影には不向き」という口コミもあり、初心者には少し難しいかもしれません。とはいえ、慣れてしまえば動画撮影向けの機能が充実していて便利ですよ。
なお、詳細は以下をご覧ください。
静止画同様、動画の解像感も良好でした。よく見るとノイズが入っていますが、拡大しなければ気にならないでしょう。比較したほかの商品よりも2倍高い、200Mbpsのビットレートで撮影できるのも利点です。プロ向きのオプションとはいえ、画質性能は優れているといえます。
オートフォーカスの動きは機敏で、人の顔をしっかり追従しました。ただし、顔がわからなくなった途端追従しなくなるといった不満な点も。静止画と同じく動画でも暗いシーンの撮影は苦手だったので、明るい場所での撮影がおすすめです。
なお、比較した第4世代のカメラでは、動画の画質にも大きな差がありませんでした。撮りやすさを重視して選ぶとよいでしょう。
2020/04/28 発売
良い
気になる
ファインダー形式 | 電子ビューファインダー |
---|---|
重量(バッテリー込み) | 約607g |
有効画素数 | 約2610万画素 |
本体サイズ | 134.6×92.8×63.8mm |
連写速度(AF追従) | 約20枚/秒 |
センサーサイズ | APS-C |
レンズマウント | FUJIFILM Xマウント |
ISO感度 | ISO 160~12800 |
連写速度(AF固定) | 不明 |
フォーカスポイント(測距点) | 117点(ゾーンAF:13×9) |
AF検出方式 | TTLコントラストAF/位相差AF |
AF検出範囲 | コントラスト:EV-3.0(F1.4レンズ使用)/位相差:EV-7.0(F1.0レンズ使用) |
シャッタースピード | メカ:1/8000秒〜15分、バルブ(最長60分)/電子:1/32000秒〜15分、バルブ(1秒固定)/X=1/250秒(フラッシュシンクロ) |
背面モニター | バリアングルモニター |
モニターサイズ | 3.0型 |
ファインダー視野率 | 約100% |
ファインダー倍率 | 0.75倍 |
撮影可能枚数 | 約500枚(NP-W235使用) |
ボディ内手ブレ補正 | ◯(5軸) |
タッチパネル | |
USB充電・給電 | USB充電 |
Wi-Fi・Bluetooth機能 | スマホ転送可(FUJIFILM Camera Remoteアプリ使用) |
動画撮影機能 | ◯(フルHD:2048×1080,1920×1080/4K:3840×2160/DCI4K:4096×2160) |
記録メディア | SDメモリーカード、SDHCメモリーカード、SDXCメモリーカード |
記録メディアスロット | デュアルスロット |
防塵防滴仕様 |
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富士フイルム X-T4を通販で買う場合、大手ECサイト(Amazon・楽天市場・Yahoo!ショッピング)で購入が可能です。値段は執筆時点で税込25~30万円と取扱店舗によって差があるので、セールやイベント情報も確認してお得に買い物しましょう。
実際に手に取ってみたい人は、家電量販店やカメラ専門店に在庫の有無を問い合わせてみてください。
最後に、初心者でも使いやすい商品をご紹介します。
現代的な操作性で初心者でも使いやすい、X-S10をチェック!ハイエンド機と同レベルの画質でボディ内手ブレ補正も搭載していながら、約465gと非常に軽量です。オートモードもあり、一般的なデジタルカメラと同じような感覚で操作できますよ。4K動画やハイスピード動画が撮れるのも魅力です。
クラシックカメラのようなデザインが好きな人には、 X-T30 IIがおすすめです。オートモード切り替えレバーがあり、カメラの知識がなくても操作しやすい設計。フラッグシップモデルと同等の画質・オートフォーカス性能を備えながら、価格が手ごろなのもうれしいポイントです。
良い
気になる
ファインダー形式 | 電子ビューファインダー(EVF) |
---|---|
重量(バッテリー込み) | 465g |
有効画素数 | 2610万画素 |
本体サイズ | 126×85.1×65.4mm |
連写速度(AF追従) | 20枚/秒 |
センサーサイズ | APS-C |
レンズマウント | FUJIFILM Xマウント |
ISO感度 | ISO160~12800 |
連写速度(AF固定) | 20枚/秒 |
フォーカスポイント(測距点) | 117点 |
AF検出方式 | 像面位相差・コントラスト併用AF |
AF検出範囲 | コントラスト:EV-4.0(F1.0レンズ使用時) |
シャッタースピード | メカ:1/4000秒〜15分、バルブ(最長60分)/電子:1/32000秒〜15分、バルブ(1秒固定)/X=1/180秒(フラッシュシンクロ) |
背面モニター | バリアングルモニター |
モニターサイズ | 3.0型 |
ファインダー視野率 | 100% |
ファインダー倍率 | 0.62倍 |
撮影可能枚数 | 約325枚(NP-W126S使用) |
ボディ内手ブレ補正 | あり(5軸) |
タッチパネル | |
USB充電・給電 | USB充電・給電可能 |
Wi-Fi・Bluetooth機能 | Wi-Fi・Bluetooth両対応 |
動画撮影機能 | DCI 4K:29.97p/ 4K:29.97p/フルHD:240p |
記録メディア | SDカード、SDHCカード、SDXCカード |
記録メディアスロット | シングルスロット |
防塵防滴仕様 |
FUJIFILM X-S10をレビュー!クチコミ・評判をもとに徹底検証
良い
気になる
ファインダー形式 | 電子ビューファインダー |
---|---|
重量(バッテリー込み) | 約378g |
有効画素数 | 約2610万画素 |
本体サイズ | 118.4×82.8×46.8mm |
連写速度(AF追従) | 約20枚/秒(電子シャッター) |
センサーサイズ | APS-C |
レンズマウント | FUJIFILM Xマウント |
ISO感度 | ISO 160~12800 |
連写速度(AF固定) | 不明 |
フォーカスポイント(測距点) | 117点(ゾーンAF:13×9) |
AF検出方式 | TTLコントラストAF/ 位相差AF |
AF検出範囲 | コントラスト:EV-4.0(F1.0レンズ使用)/位相差:EV-7.0(F1.0レンズ使用) |
シャッタースピード | メカ:1/4000秒〜15分、バルブ(最長60分)/電子:1/32000秒〜15分、バルブ(1秒固定) |
背面モニター | チルトモニター |
モニターサイズ | 3.0型 |
ファインダー視野率 | 約100% |
ファインダー倍率 | 0.62倍 |
撮影可能枚数 | 約390枚(NP-W126S使用) |
ボディ内手ブレ補正 | 不明 |
タッチパネル | |
USB充電・給電 | USB充電・給電 |
Wi-Fi・Bluetooth機能 | スマホ転送可(FUJIFILM Camera Remoteアプリ使用) |
動画撮影機能 | ◯(フルHD:2048×1080,1920×1080/4K:3840×2160/DCI4K:4096×2160) |
記録メディア | SDメモリーカード、SDHCメモリーカード、SDXCメモリーカード |
記録メディアスロット | 不明 |
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