ニコン Z6をレビュー！クチコミ・評判をもとに徹底検証

有効画素数2450万画素の本商品の解像感は、比較したミラーレスのなかでも上位に入ります。本格的なフルサイズ（FX）センサーを搭載したモデルということもあり、細部までシャープに写り、発色も鮮やかでした。

カメラの画素数が同じでも、センサーや画像処理エンジンのチューニングによって解像感は異なります。比較した商品は、最も画素数が少なかった2088万画素のZ 50を含めてどの機種も十分な解像感がありました。

ただし、風景写真を撮る場合や、画像の一部を切り取る場合には、できるだけ解像感に優れた商品を選びたいところ。よりシャープな写真が撮りたいなら、「ローパスフィルターレス」仕様のセンサーを搭載したZ 7シリーズやZ9もおすすめですよ。

暗所での解像感の低下もほとんどなく、比較したなかではトップクラスの評価を獲得。暗所での画質はセンサーサイズに左右されます。比較したところ、APS-C（DX）センサー搭載の商品よりも、本商品のようにフルサイズ（FX）センサーを搭載モデルのほうがよりきれいに写せました。

また、センサーサイズが同じもので比べると、暗所では画素数が少ないものほどきれいに写せる傾向があります。本商品は2450万画素と標準的な画素数なこともあり、暗所でも明所とほぼかわらない発色をキープ。暗所での画質を重視するなら、画素数が多すぎない2000〜2400万画素の機種がおすすめです。

オートフォーカス（AF）性能も非常に優秀です。フォーカスポイント（測距点）が273点と、ハイエンドモデルのZ 7・Z 7IIに次いで多く、被写体が動いてもしっかりとピントを合わせられました。スポーツの試合や高速で移動する野鳥など、被写体が激しく動くシーンも撮影しやすいでしょう。

比較した結果、Z 6シリーズやZ 9はとくに追従性に優れていましたが、ほかの商品も十分なAF性能を備えていました。走ってくる子どもやペットの撮影など、日常の撮影なら、どの機種を選んでも不満はないでしょう。

手ブレ補正力は、比較したなかでもトップクラス。上下・左右・Rollの計5軸の手ブレ補正機能を内部に搭載し、強力な補正効果を発揮しました。日中はもちろん、夜景の撮影でもブレることは少ないでしょう。

手ブレは高画素であればあるほど目立ちやすい傾向があるため、用途に合った画素数を選ぶことが大切です。撮影した画像を拡大して印刷したり、画像を切り出したりしないのであれば、2000〜2400万画素の機種ならまず不満はないでしょう。

口コミで評判だったとおり、持ちやすさも高評価を獲得。カメラは薄型ですが、ニコンらしい大きなグリップを備えており、手の大きさに関わらずしっかりと握り込めました。実際に試したモニターからも「グリップの深さがちょうどよい」と好評で、全員が満足と回答しています。

フルサイズセンサー搭載機種ということもあり、重さは約675gとやや重め。とはいえ、持ちやすい形状のため重さはさほど気にならず、重さが気になるという声はありませんでした。

比較した商品のほとんどが持ちやすかったものの、コンパクトさはAPS-C（DX）センサーを搭載した機種に軍配が上がります。軽さ・価格の安さを優先するならAPS-C、画質重視ならフルサイズと、使い方に合ったほうを選びましょう。

＜持ちやすさについてのモニターコメント＞

1. 「グリップがしっかりとしている。ボディは大きいが厚みがあまりないので、指が短めでもしっかり握り込める」
2. 「グリップの深さがちょうどよく、大きなレンズをつけても使いやすい」
3. 「ずっしりした重さはあるが、グリップが内側に反っていて指の位置が固定されるので持ちやすい」
4. 「持ちやすい持ち手とほどよい大きさ。やや重たいが、これくらいの重量があったほうが安心感はある」

コメントは一部抜粋

操作のしやすさも良好。検証結果は以下のとおりです。

1. ファインダー｜◯
2. 内蔵ストロボ｜✕
3. 項目のヘルプ表示｜◯
4. タッチ操作｜◯
5. モードダイヤルガイド｜ ✕
6. タイルメニュー｜ ✕

ボタン・ダイヤルは本格的なカメラらしい配置ですが、オートモードやタッチパネルを搭載しているため初心者でも使いやすいでしょう。メニュー構造はどの機種も共通しており、入門〜上位モデルまで操作性では大きな差がありませんでした。

検証項目には含まれませんが、対応する記録メディアが限られている点には注意が必要です。後継機のZ 6IIがSDカードに対応したのに対し、本商品はXQD・CFexpressカードしか対応していません。このあたりの利便性は、Z 6IIのほうが高いといえます。

動画の撮りやすさも良好でした。検証結果は以下のとおりです。

1. アクセサリーシュー｜◯
2. モニターの可動域｜チルト
3. イヤホン端子｜◯
4. マイク端子｜◯
5. HDMI端子｜◯
6. 録画ボタン｜◯
7. 内蔵マイクの風防｜✕

動画に最適化された手ブレ補正やスローモーション撮影に加えて、人の声の収録に特化した録音モードも搭載。下位モデルと比べても、動画撮影機能が強化されています。

イヤホン・マイク・HDMI端子の3つをそろえており、映像・音声関連の端子も不足がありません。静止画だけでなく、動画もプロ級の品質で撮りたい人にぴったりです。

動画の画質も、比較したなかではトップクラスです。静止画と同様、細部までシャープで発色も良好。比較したなかには暗所での撮影で若干ノイズが生じた機種もありましたが、本商品は暗所でもほとんど画質が低下しませんでした。

比較した結果、Z 6シリーズは静止画・動画どちらもきれいに撮影できる傾向がありました。静止画・動画の両方で高いパフォーマンスを発揮できる万能さが魅力です。