ニコン Z7をレビュー！クチコミ・評判をもとに徹底検証

4,575万画素の高画素モデルだけあって、解像感は比較したなかでもトップクラス。画像の一部を切り取っても画素数は十分残っており、画質は申し分ありません。

Z 7シリーズは解像感を高めるローパスフィルターレス仕様のセンサーを搭載しているため、比較したZ 6・Z 6IIよりも解像感に優れる傾向がありました。プロ写真家や、ハイエンド志向の人にもおすすめできるクオリティです。

なお、検証では入門機も含めてさまざまな機種を比較しましたが、解像感に不満のある機種はありませんでした。とはいえ、作品を拡大印刷する場合や、風景写真をメインに撮影するなら、より解像感が重要になります。解像感にこだわる人には、高画素モデルのZ 7シリーズがおすすめですよ。

暗所耐性・色再現性も申し分ありません。暗所ではややノイズが生じたものの、大きく拡大しない限りはとてもシャープです。色再現性も明所とほとんど変わらず、暗い色の区別もはっきりつきました。

一般的に同じセンサーサイズであれば、画素数が少ないものほど暗所できれいに写る傾向があります。そのため、Z 7シリーズと同じフルサイズセンサーを搭載したZ 6シリーズと比べると、暗所での解像感は画素数の少ないZ 6シリーズのほうがやや上でした。

とはいえ、その差はわずか。Z 7シリーズも暗所に強い機種なので、夜景や暗い室内での撮影が多い人にもおすすめですよ。

AF（オートフォーカス）も優秀で、静止物を撮影するときは一切不満がありません。連写ではピントがズレる場面もあったものの、激しく動き回る被写体でなければピント合わせに苦労はしないでしょう。

ただし、比較したZ 6・Z 6IIより、やや連写時のピントズレが見られました。とはいえ、どの機種も追従性には優れており、大きな不満はありません。走ってくる子どもやペットの撮影くらいであれば、どの機種を選んでも不満はないでしょう。

上下・左右・Rollと計5軸の手ブレ補正機能を内蔵しており、手ブレ補正力も良好です。日中の撮影ではブレが目立つことはなく、夜景でも気になるほどのブレはないでしょう。

一般的に本商品のような高画素モデルは手ブレが目立ちやすいものの、謳い文句どおりの高い補正力でカバーできていました。手ブレを気にせず撮影に挑めそうです。

持ちやすさも高評価を獲得。本体の形状・重さは比較した兄弟機のZ 6とまったく同じで、手になじみやすい大きめのグリップを採用しています。実際に構えたモニターからも「グリップが立体的で、しっかり握り込める」と好評でした。

重さはバッテリー込みで約675gと軽くはないものの、比較したフルサイズセンサー搭載機種はどれも700g前後。本商品もフルサイズセンサーを搭載機なので、特別重たくはないといえます。

一方、Z 30などAPS-Cセンサー搭載機種は400g台とかなりコンパクト。軽さや価格の安さを優先するならAPS-C、性能を重視するならフルサイズと、自分の好みに合う機種を選んでくださいね。

＜持ちやすさについてのモニターコメント＞

1. 「厚みがあまりないので、指が短い人でもしっかり握り込める」
   
2. 「立体的なグリップのおかげで、親指をしっかりと引っかけられた。ホールド感がある」
3. 「ずっしりとしているが、指の位置が固定されるので持ちやすい。評価対象ではないがモード選択のダイヤルが左なのがありがたい」
4. 「Z6と持ち手の感じとかはほとんど一緒で持ちやすかった」
5. 「バランスよくがっちりホールドできてよいが、厚みがあって手が普通サイズの自分でも頑張って持っている感じがある」

コメントは一部抜粋

実際に使うと、操作性も良好でした。検証結果は以下のとおりです。

1. ファインダー｜◯
2. 内蔵ストロボ｜✕
3. 項目のヘルプ表示｜◯
4. タッチ操作｜◯
5. モードダイヤルガイド｜ ✕
6. タイルメニュー｜ ✕

ハイパフォーマンスモデルだけあってメニュー表示は初心者向けとはいえませんが、タッチ操作や項目のヘルプ表示など、使いやすい工夫はあります。モニターはピンチやスワイプでタッチ操作ができるので、スマホユーザーであれば直感的に扱えるでしょう。

評価対象ではありませんが、「SDカードが使えない点が惜しい」という口コミもあるように、対応する記録メディアはXQD・CFexpressカードの2種類のみと少ないのは気になりました。後継機であるZ 7IIはSDカードスロットを備えているので、SDカードを使いたい人はこちらを選びましょう。

動画の撮りやすさも、比較したZ 6やZ 7IIと同じく高評価に。検証結果は以下のとおりです。

1. アクセサリーシュー｜◯
2. モニターの可動域｜チルト
3. イヤホン端子｜◯
4. マイク端子｜◯
5. HDMI端子｜◯
6. 録画ボタン｜◯
7. 内蔵マイクの風防｜✕

AFの開始・停止を思いどおりに制御できる「AF-C」モードを搭載。 動画撮影中にAF-ONボタンを押して、シーンごとにピントを合わせる被写体を変えることで、より印象的な動画を撮影できますよ。

そのほかにも、動画撮影と同時に同じサイズの静止画を撮影する機能や、スローモーション動画の撮影機能など、動画撮影が楽しくなる機能も充実。イヤホン・マイク・HDMI端子もすべてそろっており、動画撮影の観点からもほぼ不満のないスペックといえます。

静止画と同様に、動画でも画質はハイレベル。暗い場所ではややノイズが生じたものの、注視しなばければ気にならない程度です。AF性能も優秀で、明所・暗所ともに動く対象をしっかりと捉えられました。

ただし動画の解像感については、Z 6シリーズのほうがより高評価を獲得しました。Z 7シリーズはどちらかというと静止画向きといえますが、十分クオリティの高い動画を撮影できますよ。