マネックスアドバイザーは、おまかせからカスタマイズまで自由度の高い運用ができるロボアドバイザー。インターネット上では「運用コストが低くて手間もかからない」など高評価の口コミがある一方、「NISA口座に非対応」「微妙なプラスしか出ていない」など気になる評判もあり、利用を迷っている人も多いのではないでしょうか。
今回はその実力を確かめるため、以下の3つの観点で検証しました。
さらに、コストを抑えて運用成績も期待できる人気のロボアドバイザーとも比較。検証したからこそわかった、本当のよい点・気になる点を詳しく解説していきます。解約方法やNISAに対応しているかも調査したので、ロボアドバイザー選びに迷っている人はぜひ参考にしてくださいね。
大学卒業後に銀行員として勤務、法人顧客の経営支援・融資商品の提案や、個人向け資産運用相談を担当。 2020年にマイベストに入社、自身の銀行員時代の経験を活かし、カードローン・クレジットカード・生命保険・損害保険・株式投資などの金融サービスやキャッシュレス決済を専門に解説コンテンツの制作を統括する。 また、Yahoo!ファイナンスで借入や投資への疑問や基礎知識に関する連載も担当している。
すべての検証は
マイベストが行っています
良い
気になる
なかでも一括売買機能は、リバランスの手間を減らすのに活躍。通常のリバランスは複数銘柄の売買を繰り返す手間がありますが、マネックスアドバイザーなら1回の注文で最適な資産配分に戻せます。スマート積立では毎月不足している資産を優先的に購入するため、効率的のよい運用が可能です。
助言型としては珍しく利用手数料が年0.33%かかりますが、提案される商品は国内ETFが中心で信託報酬は安め。運用方針問わず0.14~0.19%と低コストで、トータルでかかる費用は比較した平均よりも安く抑えられました。
一方、過去の運用成績のシミュレーションでは、安定志向で年率3.26%、積極志向で年率7.76%と比較したロボアドバイザーの平均である年率4.58%/13.19%を下回りました。「微妙なプラスしか出ない」との口コミどおり、積極的にリターンを狙いたい人にはいまひとつの運用手腕です。
大きなリターンは期待できないものの、コストも手間もかけずに運用したい人にとっては一考の余地があるでしょう。ただし、口コミでも指摘されているように新NISAには非対応。NISAを利用したい人は、マネックス証券の一任型ロボアドバイザーである「ON COMPASS」や、ほかのサービスも検討してくださいね。
<おすすめな人>
<おすすめできない人>
実際にマネックスアドバイザーと比較検証を行ったサービスの中で、各検証項目でNo.1を獲得したものをピックアップしました。
マネックスアドバイザーよりも高い評価を獲得したサービスも!ぜひこちらも検討してみてくださいね。
マネックスアドバイザーは、NTTドコモの子会社であるマネックス証券が提供しているロボアドバイザー。高度な金融工学理論やマーケットの専門家によるサポートを受けながら、誰でも手軽に投資できます。
運用プランは2,000以上の資産配分の組み合わせのなかから提案。提案を受けた商品はそのまま運用することも、ベースにして自分でカスタマイズすることも可能です。資産運用初心者から投資経験が豊富な人まで、幅広く活用できます。
投資対象は国内ETF(上場投資信託)が中心です。ETFとは金融商品取引所に上場しており、株式のように売買できる投資信託のこと。1日1回更新される基準価額で取引される投資信託に対し、ETFは市場が開いている間にリアルタイムで売買できるのが特徴です。
ロボアドバイザーは大きく2種類のタイプにわかれており、「一任型(投資一任型)」は投資先の選定・資産構成の見直し・売買など投資判断のすべてを丸投げできるサービス。利用者は入金さえすればよいので初心者や手間を省きたい人に向いていますが、手数料が高めです。
一方で「助言型」は、利用者に合ったポートフォリオや投資先の提案がメイン。多くの助言型は手数料が無料で、コストを抑えて運用できます。提案された内容には必ずしも従う必要はないため、情報として参考にしつつ自分で運用判断したい経験者向きといえるでしょう。
今回紹介するマネックスアドバイザーは、助言型に該当します。助言型ながら初心者にも利用しやすい機能もそろっているので、本コンテンツでぜひチェックしてくださいね。
今回はマネックスアドバイザーを含む人気のロボアドバイザーを実際に調査して、比較検証を行いました。
具体的な検証内容は以下のとおりです。
なお検証では、利用者の条件を以下のように設定して比較を行いました。
マネックスアドバイザーは助言型のロボアドバイザーですが、運用にかかる手間を極力減らせる機能が充実しています。
検証した助言型のなかで、リバランス機能・入れ替え通知・一括購入または売却・自動積立ができたのはマネックスアドバイザーを含めてごくわずか。一任型とほぼ同じレベルでの自動運用ができるため、自分でする作業がほとんどありません。
提案される商品数は6~9商品とある程度絞られており、初心者でも自分の運用方針に合った商品を選びやすいでしょう。運用後にポートフォリオの見直しが必要になるとリバランスを促すアラートメールが届くため、メールが届かなければ放置しておけます。
リバランスは手動で行う必要がありますが、一括購入・売却機能のおかげで1回の注文で完了。複数銘柄の売買を繰り返す通常のリバランスより手間がかかりません。
毎月自動で追加投資を行う「スマート積立」も便利。相場が変動しても不足した資産を優先的に購入するため、追加のタイミングに迷うことなく最適な資産配分に保てます。リバランスの頻度を減らす機能があり、忙しい人にぴったりでしょう。
提案されるのは、信託報酬が割安な国内のETF(上場投資信託)が中心。助言型には珍しく利用手数料が年0.33%かかるものの、1.00%程度の手数料がかかる一任型と比べてかなりお得です。0.14%~0.19%の信託報酬も平均より安く、合計で見ても割安感があります。
そもそも助言型で信託報酬が割安なETFを提案するサービスはごくわずか。手間をかけずコストも意識したい人には選択肢になるでしょう。
マネックスアドバイザーは助言型としては手間もかからず、コストも安く抑えられるロボアドバイザーでした。ここでは、気になる運用手腕もチェックしましょう。
肝心の運用手腕はふるわない結果に。2021/3/19〜2024/3/19における3年間の年率トータルリターンをシミュレーションして比較したところ、安定志向・積極志向どちらのポートフォリオも比較した各サービスの平均を下回り、評価が伸び悩んでいます。
安定志向での運用の年利率3.26%に対し、全体平均は4.58%でした。積極志向の運用も年利率7.76%しか出せず、全体平均の13.19%に届きません。運用結果がマイナスになったサービスと比べると利益が出ている点は評価できますが、積極的にリターンを狙いたい人にとってはもの足りないでしょう。
なお、平均以上のリターンになったサービスは安定志向・積極志向ともに半数以下でした。評価対象としたのはあくまでもシミュレーション上の数値ですが、利益重視の人はほかのロボアドバイザーも検討したほうがよさそうです。
ロボアドバイザーのタイプ | 助言型 |
---|---|
運用手数料 | 0.33% |
信託報酬 | 0.14%~0.19%程度 |
良い
気になる
入出金手数料 | 入金:本人負担 出金:無料 |
---|---|
申込手数料 | 商品による |
解約手数料 | 商品による |
優遇サービス | |
投資対象 | 国内株式、先進国株式、新興国株式、先進国債券、新興国債券、国内REIT、世界REIT |
連携しているポイント | マネックスポイント |
現金化までの営業日 | 商品による |
自動リバランス機能 | |
税金最適化機能 | |
成長投資枠で取引可能 | |
つみたて投資枠で取引可能 | |
特定口座取引 | |
口座開設が必要な金融機関 | マネックス証券 |
マネックスアドバイザーは助言型ながら手間が少なく、コストを抑えて運用できますが、運用成績にはやや物足りなさがありました。
ここでは、マネックスアドバイザー以外におすすめのロボアドバイザーをご紹介します。
そのうえ、助言型ながらマネックスアドバイザーと同様に、リバランス機能・入れ替え通知・一括購入/売却・自動積立が可能。一任型とほぼ同水準で手間がかかりません。
運用成果のシミュレーションでは、安定志向で年率7.65%、積極志向で年率12.64%でした。比較したサービスの平均はそれぞれ年率4.58%/13.19%で、とくにリスクを抑えた資産構成で手腕を発揮。あくまで試算上の結果ですが、今後の運用成果に期待が持てるでしょう。
投資金額は100円から1円単位で決められます。少額で投資をはじめられる手軽さも魅力です。
「おまかせNISA」を利用すれば、新NISAも使えて非課税の恩恵を受けられます。一任型のなかでは対応サービスが少なかったため、NISA枠を使いたい人には有力候補になるでしょう。
肝心の運用手腕も高評価。過去3年間の運用成果をもとにしたシミュレーションでは、安定志向で年率13.67%(平均4.58%)、積極志向で年率17.32%(平均13.19%)という好成績に。平均を上回ったのサービスは半数以下でした。必ずシミュレーションどおりに動くとは限りませんが、今後の運用成績にも期待できます。
一任型としては一般的な水準ながら、コスト面では助言型に比べてやや割高。運用手数料1.10%に加えて信託報酬がかかります。ただし、投資期間が長いと手数料が最大0.11%割り引かれる「長期割」が利用できるため、長期間コツコツ運用する人にとっては大きな問題ではないでしょう。
マネックスアドバイザーを利用するには、マネックス証券の口座開設や利用申し込みが必要です。ここでは、各種手続きの方法を解説するので参考にしてくださいね。
マネックスアドバイザーには利用開始前の無料診断があります。資産運用に関する簡単な5つの質問に答えるだけで目標ポートフォリオが提示されるので、直感で回答しましょう。提案された結果は自分好みにカスタマイズも可能です。
投資初心者は無理に質問に答えなくてもOK。すべての見通しを中立にした目標ポートフォリオが自動で設定されます。プロの見通しを反映したポートフォリオにすることも可能です。
運用プランに納得できたら、利用申し込みに進みましょう。マネックス証券の口座を持っていない場合は事前に開設が必要です。口座開設方法は以下の3とおり。自分にあった方法を選んでくださいね。
<口座開設方法と必要書類>※口座開設は無料
口座開設・利用申し込み(投資顧問契約)が完了したら、いよいよ国内ETFの購入です。再度表示される運用プランの内容を確認したら、目標ポートフォリオに必要な国内ETFの組み合わせを提案してもらえますよ。
積立サービスは、ログイン後のサービス画面のメニューにある「積立の設定・変更」から申込めます。ここでは、毎月の買付代金の引き落とし方法を以下の2つから選びましょう。マネックス証券口座なら任意の積立日を自分で決められます。
<引き落とし方法>
なお、すでにマネックス証券の「銀行de自動つみたて」(投資信託の積立)を利用している場合は、自動的に同じ銀行口座になります。
解約はいつでも可能です。ログイン後、メニューの「管理・設定」にある「サービス解約」から申し込みできます。
マネックスアドバイザーの利用を停止しても、購入した国内ETFは自動で売却されることはありません。売却する場合は「保有残高・口座管理」から売却注文を行いましょう。解約後の売却には通常のETF売却手数料がかかるほか、利用料は日割り計算され翌月徴収されます。
マネックス証券では、ON COMPASS(オンコンパス)という一任型のロボアドバイザーも提供しており、こちらはNISAにも対応しています。マイベストではON COMPASSについても検証しているので、気になる人はランキングをチェックしてくださいね。
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