AIが最適な投資プランを提案するロボアドバイザーは、初心者でも投資を始めやすいと注目されています。しかし、リスクもあるため利用を迷っている人もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、ロボアドバイザーをおすすめしない人の特徴と失敗例を解説します。上手に資産運用に活かすためのポイントも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
大学卒業後に銀行員として勤務、法人顧客の経営支援・融資商品の提案や、個人向け資産運用相談を担当。 2020年にマイベストに入社、自身の銀行員時代の経験を活かし、カードローン・クレジットカード・生命保険・損害保険・株式投資などの金融サービスやキャッシュレス決済を専門に解説コンテンツの制作を統括する。 また、Yahoo!ファイナンスで借入や投資への疑問や基礎知識に関する連載も担当している。
ロボアドバイザーの利用に向かない人の、7つの特徴を紹介します。
自分の投資スタイルが定まっていない人は、ロボアドバイザーの活用に失敗しがち。まずは、自分の現状や投資計画を整理してみましょう。
たとえば、少額投資でコツコツ増やしていきたいのか、まとまった金額を一気に運用していきたいのか。安全に手堅く資産を増やしたいのか、多少のリスクをとっても大きく増やしたいのかなど、求める投資スタイルは現在の収入や資産状況によって様々です。
さらに、投資の目的によってもマッチするスタイルは異なるでしょう。マイホームの購入・子どもの将来のため・老後資金・余剰資金の形成など、目的に合わせて、適切なスタイルを選ぶ必要があります。
これらが明確になっていないと、ロボアドバイザーを効果的に活用することはできません。まずは資産状況や投資目的をしっかり見つめ、自分に合った投資スタイルを明確にしましょう。
情報収集を面倒に感じる人も、ロボアドバイザーの利用には向かないでしょう。
ロボアドバイザーのサービス内容や特徴は各社で異なるため、比較検討のための情報収集が不可欠。それが苦手な人は、自分に合ったロボアドバイザーが見つけられず、運用に失敗する可能性があります。
また、アドバイス型のロボアドバイザーを選んだ場合、商品の購入や運用は自身で行う必要があるため、経済動向や相場のトレンドなどの情報収集は欠かせません。
そもそも、自分にロボアドバイザーの利用が向いているのかの判断にも、ある程度の情報が必要です。たとえば、ロボアドバイザーが長期投資に有利であることを知らずに、短期で利益を出したい人が利用開始してしまうと、メリットを感じられない可能性があります。
ロボアドバイザーを利用すれば、AIにまかせられるので安心。自分では何も考えなくていいのでラク。そんな人には、ロボアドバイザーはおすすめできません。
ロボアドバイザーの基本は長期投資。短期的な目線で一喜一憂し、気長に資産の成長を見守ることができない人には、ロボアドバイザーは向かないでしょう。
そもそも、ロボアドバイザー投資では長期を前提にしたポートフォリオが組まれるので、短期的な利益を目指す場合にはおすすめできません。利用にあたっては、世界情勢の変化や経済の停滞などにより、一時的には損失が出る可能性があることも理解しておきましょう。
一括投資で大きな利益を狙いたい人には、ロボアドバイザーを使うメリットは少ないでしょう。ハイリターンを狙う一括投資には高いリスクがともないますが、ロボアドバイザーでそれをカバーすることはできません。
積立投資でリスク分散しながら、資産を増やすのがロボアドバイザーの得意パターン。時間をかけて安定的に資産を増やしていく投資を前提としており、まとまった資産の短期運用をしたい人にはおすすめできません。
すでに投資の知識や経験がある人は、ロボアドバイザーを使う必要はありません。自分で運用すれば、ロボアドバイザーの利用手数料など、無駄なコストを節約できるでしょう。
最近は、販売手数料無料で信託報酬も安いインデックスファンドなど低コストな金融商品も増えています。これらの商品に自分の判断で投資をすれば、よりコスパの良い資産形成が目指せるでしょう。
投資の知識と経験を積み上げていきたい人にも、ロボアドバイザーはおすすめできません。
とくに一任型のロボアドバイザーのメリットは、銘柄選定から運用まですべてお任せのほったらかし投資ができること。初心者や忙しい人には便利なサービスですが、投資知識や経験の蓄積はできないでしょう。
チャートの見方を覚えたり、価格変動などの分析力を身につけたりする早道は、自分で売買を行いながら実戦で鍛えていくこと。銘柄選定や売買を自分の判断で行える投資上級者を目指す人には、ロボアドバイザーの利用は不向きといえます。
ロボアドバイザーは、絶対に元本割れしたくないという人にも向きません。
大きな経済変動や災害やパンデミックの影響など、市場の動きは予測不能。いくらAIを使って運用するとはいえ万能ではありません。投資である以上、リスクをゼロにすることはできないことを理解しておきましょう。
元本割れが怖い人には預貯金や、元本確保型の国債・地方債などがおすすめです。また学資保険のような貯蓄型の保険商品を利用してもいいでしょう。
ここからは、ロボアドバイザーの利用に失敗しないためのポイントを解説していきます。
何よりも大切なのは、自分に合ったロボアドバイザーを選ぶことです。項目別にチェックポイントを見ていきましょう。
ロボアドバイザーには一任型と助言型の2タイプがあるので、自分のニーズに合うほうを選びましょう。
投資商品の発注から投資バランスの見直しまで、すべてお任せできる一任型は、投資の知識がない人や勉強の時間が取れない人、自分で判断するのは不安な人におすすめです。
一方、基本的な知識がある人、経験を積みながら勉強したい人、投資バランスの見直しに時間を割ける人は助言型を選ぶといいでしょう。アドバイスを軸にしながら、自分なりの投資戦略も反映させられるのがメリットです。
ロボアドバイザーで失敗しないためには、投資対象を利用開始前にしっかり調べることも大切です。サービスによって投資先は異なります。
リスクを低く抑え安定運用するためには、多くの地域や銘柄に分散投資ができるロボアドバイザーを選ぶことが重要です。
多くのロボアドバイザーが、国内外のETF(上場投資信託)や投資信託など多くの金融商品を組み合わせて投資対象としていますが、中には国内の投資信託だけを対象としたものもあるのでよく確認しましょう。
サービスごとの手数料の違いも必ず確認しましょう。
一任型の運用手数料はおおむね1%前後ですが、サービスによってばらつきがあります。投資期間が長くなれば、それだけコストがかさむので、口座選びの際にチェックが必要です。
助言型は無料で利用できるので、運用コストを少しでも節約したい人におすすめです。
サービスによって最低投資額に大きな違いがあるので、しっかり確認してください。
最低投資額とは、最初に預け入れる金額のこと。1,000円から10万円と、サービスによって大きな開きがあるので、自分の予算にあったものを選びましょう。
また、投資信託のなかには100円から始められ、積立金額を1円単位で設定できるものもあります。少額から始めたい人は、助言型のアドバイスを参考にしながら、自分で投資を行うのもひとつの手です。
非課税メリットを活かしたい人は、新NISA対応の有無を必ず確認しましょう。
2024年1月から始まる新NISA制度では、年間投資上限額・非課税保有期間ともに、優遇が拡大します。ロボアドバイザーと組み合わせて効率的に資産を増やしたいと考えている人も多いでしょう。
しかし、ロボアドバイザーのなかには新NISAに対応していないサービスもあります。成長投資枠のみの対応で、つみたて投資枠には対応していないものもあるので、利用開始前に確認が必要です。
サービスごとに運用実績にも大きな違いがあるので、必ずチェックしましょう。
WealthNavi・THEO・楽ラップ・ON COMPASSといった、すでに5年以上の運用実績があるサービスを比べても、結果はさまざま。リターンの割合が倍以上違うケースもあるので要注意です。
過去の実績は各社、公式サイトで公開しています。低リスク同士、高リスク同士で比較してみましょう。また、過去1年間の実績がマイナスでも5年間で大きくプラスになっているケースもあります。実績比較は長期的な視点で行うといいでしょう。
ロボアドバイザーで失敗しないためには、資金を一括投資するのではなく、積立投資で利用するのが基本。リスクコントロールというロボアドバイザーの強みを活かし、失敗を最小化できます。
ロボアドバイザーの自動積立機能を利用して、毎月一定額を投資し続ければ、値が高いときには少なく買い、低いときには多く買う、ドルコスト平均法が作用。相場変動の影響を抑えつつ、時間分散の効果が得られるので、運用に失敗しにくくなるでしょう。
ロボアドバイザーの利用は、10年以上の長期スパンで考えるといいでしょう。
一時的に損失が出たとしても、あわてて投資をやめると利益を得るチャンスを逃すこともあります。頻繁な売買やプランの組み替えをするのではなく、10年単位の大きな視点で、成長を待ちましょう。
また、一任型は運用手数料がかかるので、短期間でやめてしまうと、利益が手数料負けしてしまう可能性もあります。期間が長ければ長いだけ、旨みが増すのがロボアドバイザーの強みととらえましょう。
ロボアドバイザーの注意点と効果的な利用ポイントがわかり、さっそく試したい人は、ぜひ以下の記事を参考にサービスを選んでみてください。
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