「人気や口コミに惑わされない投資信託選びができる」と謳うロボアドバイザー・AI投資、Fund Robo(ファンドロボ)。「自分にぴったりの運用方法が見つかった」との口コミがある一方で「自分で運用をするため知識がいる」「手数料が高め」などの評判もあり、利用を迷っている人もいるのではないでしょうか?
今回は口コミや評判が本当かを確かめるために、以下の3つの観点から検証を行いました。
さらに、ほかのロボアドバイザー・AI投資とも比較。検証したからこそわかったよい点・気になる点を詳しく解説していきます。いくらから投資できるかや、ロボアドバイザーはなぜ「やめとけ」といわれるかなども紹介。ロボアドバイザー・AI投資選びに迷っている人はぜひ参考にしてみてください。
大学卒業後に銀行員として勤務、法人顧客の経営支援・融資商品の提案や、個人向け資産運用相談を担当。 2020年にマイベストに入社、自身の銀行員時代の経験を活かし、カードローン・クレジットカード・生命保険・損害保険・株式投資などの金融サービスやキャッシュレス決済を専門に解説コンテンツの制作を統括する。 また、Yahoo!ファイナンスで借入や投資への疑問や基礎知識に関する連載も担当している。
すべての検証は
マイベストが行っています
集計したデータ、及びシミュレーションの結果は過去のものであり、運用成果を保証するものではありません。
目次
良い
気になる
Fund Robo(ファンドロボ)は運用手腕には期待できますが、定期的に運用資産の見直しをしたい人には不向きといえます。ほかの助言型サービスと同様に売買手続きを自分でする必要があるうえ、リバランスの提案機能もなし。比較したなかには少数ながらリバランス提案をしてくれる助言型サービスもありました。ポートフォリオを見直す手間を減らしたいなら、Fund Robo(ファンドロボ)以外を選ぶのがおすすめです。
1つの画面で複数銘柄を取引できる一括購入・売却機能にも非対応。資産配分を見直したあと実際に入れ替えるときも商品を1つずつ取引する必要があり、煩わしく感じる可能性があります。提案される商品が運用タイプに合う1〜3本と少なく選びやすいのはメリットですが、運用・メンテナンスにかける時間を取りにくい人にはあまり向きません。「自分で運用をするため知識がいる」との口コミにも頷けます。
選ぶ商品によってはコストが割高になるのも注意したいところ。安定志向・積極志向どちらの投資信託も購入できますが、今回提案された積極志向の投資信託の信託報酬は1.7475%と割高な水準でした。比較したサービスの約半数が1%以下だったことを考えると「手数料が高い」という口コミにも納得。安定型は0.154%と割安なので、コストを重視するなら安定型もしくはほかのサービスを検討しましょう。
シミュレーション上の運用成績は、安定志向・積極志向ともに優秀。とくに積極志向で提案された商品のリターンは、51.20%と比較したなかでトップクラスでした。安定志向で提案された商品のリターンも5.50%と、比較したサービスの平均4.58%を上回る結果に。あくまでシミュレーション上の結果ですが、運用手腕には期待が持てます。
過去実績のよい商品を提案してもらい自分で運用したい人には魅力的ですが、コスト・手間を考えると惜しい結果に。リバランスをAIに託したいならROBO PRO(ロボプロ)、コストを抑えながら一任型を利用したいならウェルスナビなど、ほかのサービスも含めて検討してみてください。
<おすすめな人>
<おすすめできない人>
実際にFund Robo(ファンドロボ)と比較検証を行ったサービスのなかで、総合評価1位を獲得したベストバイのロボアドバイザー・AI投資と、各検証でNo.1を獲得したサービスをピックアップしました!
Fund Robo(ファンドロボ)のデメリットが気になる人は、ぜひこちらも検討してみてくださいね!
今回ご紹介するのはネット証券大手のSBI証券が提供するFund Robo(ファンドロボ)です。6つの質問に答えると「堅実派」から「積極派」の5段階で運用スタイルを提案。投資先地域を選択すると、おすすめの投資信託を提案してくれます。完全なお任せではなく、意思を組み込めるのが特徴です。
対象銘柄は、SBI証券が取り扱う約2,300本の投資信託のうち、純資産残高10億円以上・運用開始から3年以上経過・ウエルスアドバイザー社によるという高評価ファンドである、という条件にあったものを厳選。ヒアリング内容に合わせて、ユーザーそれぞれに合うファンドを提案するシステムです。
SBI証券は、2008年に「SBIイー・トレード証券株式会社」から社名を変更。Fund Robo(ファンドロボ)以外にも、SBIラップ・ROBO PRO(ロボプロ)と合計3つのロボアドバイザーを運用しています。Fund Robo(ファンドロボ)はそのなかで最も歴史が古く、運用がスタートしたのは2016年です。
ロボアドバイザーとは、性格や目的に合ったプランをAIが提案・運用してくれるサービスのこと。一任型と助言型の2種類があります。一任型は銘柄の選定から売買、資産構成の見直しなどすべての運用をAIに任せられるサービス。助言型はポートフォリオや銘柄の提案までを任せられますが、運用は自分で行う必要があります。
今回ご紹介する(ファンドロボ)は、助言型のロボアドバイザーです。助言型はAIが投資先を提案してくれますが、必ず従う必要はありません。AIがすべて決める一任型とは違って自由度が高いため、AIの判断を参考に自分で投資をしたい人は助言型サービスを検討するとよいでしょう。
今回はFund Robo(ファンドロボ)を含む、ロボアドバイザー・AI投資を調査して比較検証を行いました。
具体的な検証内容は以下のとおりです。
Fund Robo(ファンドロボ)を調べた結果、見つかった気になる点は2つ。売買をサポートする機能がなく、商品によっては運用コストが高くなる可能性があります。
資産配分を見直すリバランス提案機能がないのは気になるところ。比較した一部の助言型サービスはリバランス提案機能がありましたが、こちらはバランスを整えるために何を・どのくらい売買すればよいかの提案はなし。相場に合わせて定期的にチェックする必要があり、「自分で運用をするため知識がいる」との口コミにも頷けます。
一括購入・売却機能も備えていません。1つの画面で複数銘柄を取引できる便利な機能ですが、本サービスは非対応。商品を入れ替えるときは、銘柄ごと発注作業を行う必要があります。比較した同じ助言型の一部は、一括購入・売却機能とリバランス機能の両方を備えていました。Fund Roboは、手間を減らしつつ堅実な運用を続けたい人は使いづらい可能性があります。
一方、提案される商品数が少ないのはメリット。質問に答えることでおすすめの商品を1〜3本紹介してくれる仕組みです。今回の検証では1本のみの提案でした。比較したなかには10商品以上提案され、選ぶのに手間に感じるものも。Fund Roboは提案数が少なく、投資先を迷いにくいといえます。
自動積立投資にも対応。比較したほとんどのサービスと同様に、毎月一定額の投資信託を自動で購入できます。Fund Robo独自のアプリはありませんが、SBI証券ではスマホで投資信託を一括管理できる「かんたん積立 アプリ」を用意。NISAやクレカ積立にも対応していますよ。
商品によってコストがかさむ可能性があるのも気がかり。日経平均株価などの株価指数と同じ値動きをするインデックス型・運用会社の調査や分析により積極的に運用するアクティブ型のどちらも購入できるのはメリットですが、アクティブ型の投資信託を選択するとコストが高くなる可能性があります。
積極志向のポートフォリオで提案された投資信託はアクティブ型の商品だったため、信託報酬は1.7475%と割高な水準でした。比較したサービスの約半数が1%以下だったことを考えると、コストが気になる人には向かないといえます。「手数料が高め」との口コミにも頷ける結果です。
安定志向ポートフォリオで提案された商品はインデックス型だったため、信託報酬は0.154%と割安なのでコストを少しでも抑えたいなら安定志向を選ぶのもあり。積極的に運用をしていきたいと考えるなら、ほかのロボアドバイザーを検討するのもひとつの手です。
<コストの算出結果>
2021/3/19〜2024/3/19の3年間の年率トータルリターンを算出したところ、提案された商品の成績は安定志向・積極志向とともに優秀です。とくに、積極志向で紹介された商品のリターンは51.20%と、比較したなかでトップクラス。ほかのサービスで50%を超えるものはほとんどありませんでした。
安定志向で提案された商品のリターンも、5.50%と高水準です。比較したサービスの平均4.58%を上回る結果に。あくまでシミュレーション上の結果で利益を保証するものではありませんが、運用手腕には期待が持てるといえます。過去実績に期待が持てる商品を提案してほしい人には、有力な候補となるでしょう。
ロボアドバイザーのタイプ | 助言型 |
---|---|
最低投資金額 | 商品による |
最低積立投資金額 | 100円 |
良い
気になる
運用手数料 | 無料 |
---|---|
信託報酬 | 0.869%~2.0900%程度 |
入出金手数料 | 入金:本人負担 出金:無料 |
申込手数料 | 無料 |
解約手数料 | 商品による |
優遇サービス | |
投資対象 | 国内株式、米国株式、先進国株式、新興国株式、国内債券、米国債券、先進国債券、新興国債券、コモディティ、国内REIT、世界REIT |
連携しているポイント | Vポイント、Pontaポイント、dポイント |
現金化までの営業日 | 商品による |
自動リバランス機能 | |
税金最適化機能 | |
成長投資枠で取引可能 | |
つみたて投資枠で取引可能 | |
特定口座取引 | |
口座開設が必要な金融機関 | SBI証券 |
リバランス機能や手数料の割引制度がある一任型のロボアドバイザーをご紹介します。
リバランスを任せるならROBO PRO(ロボプロ)がおすすめ。SBIグループ傘下の企業であるFORIOが運営する、一任型のロボアドバイザーです。大きな強みは、AIが金融市場動向を予測し、月1回の頻度で投資配分をダイナミックに変更するところ。相場を確認できない初心者や忙しい人にも向いています。
運用にかかるコストはやや高めです。100万円で1年間運用したとき場合の運用手数料・信用信託報酬合計コストは1.220%。比較によると、1.100%以下ならコスト面で不利にならない傾向がありました。とはいえ、一任型のなかではめずらしく手数料が割安になる・キャッシュバックされるといったサービスを実施している点はメリットです。
最低投資金額として100,000円必要であることも覚えておきましょう。比較したなかには10,000円のサービスも多かったことを思うと高めです。2021年から始まった積立投資なら10,000円から始められるので、まとまったお金を用意するのが積立投資をチェックしてみてください。
運用成績のシミュレーションは高評価でした。過去3年間の安定志向のリターン年率は10.68%と好成績。比較したサービスの平均値4.58%の2倍以上の数値を叩き出しました。守りの運用をしたい人・50代以上の人も選択肢に入れたいサービスといえます。
長期間投資するなら、手数料の割引制度があるウェルスナビがおすすめです。コスト面は運用手数料が1.1%、投資信託手数料が0.13%とやや割高。ただ、投資期間が長いと手数料が割引されるので、長期目線で運用するなら気にしなくてもよいでしょう。マイルやポイントが貯まり、投資しながらポイ活できるのも利点です。
新NISAへの対応や、税金最適化機能の搭載も大きな強み。投資で得た利益が非課税になる新NISAに対応しているのは、比較した一任型サービスのなかで3割以下しかありませんでした。税金最適化機能では、運用中の税負担を減らすよう自動で調整。投資で発生する税金対策を簡単にしたい人にぴったりです。
手間の少なさも非常に優秀。一任型なのでAIが相場に合わせてポートフォリオを自動で調整します。運用を任せられるため、相場が読めない初心者も利用しやすいですよ。専用アプリで、資産状況を手軽に把握できるのもうれしいポイントです。
運用のシミュレーションも好成績でした。過去3年間のリターンは、安定志向で13.67%、積極志向で17.32%を記録。比較したサービスの平均値である安定志向4.58%・積極志向13.19%をそれぞれ上回りました。あくまでシミュレーションの結果ですが、ほったらかしで運用しながらリターンも期待できるでしょう。
Fund Robo(ファンドロボ)では、SBI証券で投資信託の購入を行います。最低投資金額・最低積立金額は、ともに100円(※)。好きなタイミングで購入したい人も、定期的に一定の金額を購入したい人も、ワンコインで始められます。
一部例外となる投資信託あり
月間平均保有金額に応じて最大0.25%のポイントが付与されるのもうれしいところ。Vポイント・Pontaポイント・dポイント・PayPayポイント・JALマイルの5種類から選べます。ただし、JALマイルを選択した場合は、ほかのポイントと比べて付与率が半分になるので注意しましょう。
銘柄によるポイントの付与率は、公式サイトに一覧があるので確認してみてくださいね。
<月間平均保有金額に対する付与率>
JALのマイルを選択した場合は、付与率が上記の半分になります。
加えて、三井住友のクレジットカードで投信積立の決済をすると、積立金額に応じてVポイントが貯まります。対象カードとそれぞれの最大還元率は以下のとおりです。
<最大3.0%貯まるクレジットカード>
<最大2.0%貯まるクレジットカード>
<最大1.0%貯まるクレジットカード>
<最大0.5%貯まるクレジットカード>
<対象外のカード>
2024年11月買付分から適用されるポイント付与率
ロボアドバイザーが「やめとけ」といわれる主な原因は、手数料が割高である・自分でもポートフォリオを再現できる・投資の知識が身につきにくいという3つです。
一任型のロボアドバイザーの手数料は、およそ1.1%。投資信託のインデックスファンドの手数料が0.1〜0.2%だったことを考えると割高です。とはいえ、一任型のロボアドバイザーは、投資先の選定から資産の構成・売買を任せられるのが魅力。ランキング上位には手数料が安いものもあったのでチェックしてみましょう。
ロボアドバイザーが提案するポートフォリオは、自分でも買付できるETFやインデックスファンドで構成されています。自分でも再現は可能ですが、銘柄探しや投資資金の配分設定、投資した銘柄の入れ替えなどかなりの手間と時間が必要に。忙しい人や気軽に始めたい人には、ロボアドバイザーが向いています。
投資の知識については、AIに運用を任せられる一任型ロボアドバイザーだとたしかに身につきづらいといえます。自分でも理解して運用できるようになりたいなら、Fund Robo(ファンドロボ)のように商品の提案をAIにしてもらい、運用を自分でする助言型サービスを利用するとよいでしょう。
なお、比較したなかには投資の知識がつくセミナーを開催しているサービスもありました。ランキングをもとに、自分にぴったりなロボアドバイザーをぜひ探してみてください。
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