時間や知識がなくても、簡単に投資を始められると注目のロボアドバイザー。少額から開始でき、運用を一任できるので興味はあるものの、投資信託との違いや利用方法がわからず、決めかねている人もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、ロボアドバイザーの仕組みやメリット・デメリットについて解説します。利用にあたっての注意点や、どんな人に向いているかもわかるので、ぜひ最後まで読んで役立ててくださいね。
大学卒業後に銀行員として勤務、法人顧客の経営支援・融資商品の提案や、個人向け資産運用相談を担当。 2020年にマイベストに入社、自身の銀行員時代の経験を活かし、カードローン・クレジットカード・生命保険・損害保険・株式投資などの金融サービスやキャッシュレス決済を専門に解説コンテンツの制作を統括する。 また、Yahoo!ファイナンスで借入や投資への疑問や基礎知識に関する連載も担当している。
まずはロボアドバイザーの役割と、2つの種類を解説します。
ロボアドバイザーとは、コンピュータによる投資アドバイスサービスのこと。利用者の希望やマーケット状況に合わせて、AI(人工知能)が最適な投資プランを割り出すので、AI投資とも呼ばれます。
利用者は、年齢・年収・性別などのプロフィールのほか、投資でどれくらいの結果を期待するか、どの程度のリスクなら許容できるか、などの質問に回答。それをもとにロボアドバイザーは、どの金融商品にどのような割合で投資すべきかをひとりひとりに提案してくれます。
投資の知識がない初心者や、忙しくて証券会社に相談に行く時間のない人も、ネットで簡単に自分に合った投資プランがわかる便利なサービスです。
ロボアドバイザーには、提案だけをしてくれる助言型と、運用まで行ってくれる一任型の2種類があるので、自分に合うタイプを選んで活用しましょう。
最適なポートフォリオや商品を提案してくれる助言型は、提案を参考にしながら自由に投資をしたい人におすすめ。商品の購入や運用は自分で行うので、手数料が無料のことが多く、コスを節約して投資を始められるのも特徴です。
一方の一任型は、商品の購入からリバランス(運用の見直しや資産配分の変更)まで、運用のすべて任せたい人にぴったり。投資の勉強や市場調査に時間を費やす必要がないので、初心者や忙しい人でも始めやすいでしょう。
ただし一任型は手数料がかかるので要注意。一般には投資額の1%程度ですが、サービスによってまちまちなので、会社選びの際のひとつのポイントにするとよいでしょう。
ロボアドバイザーのメリットを具体的に解説します。
手間や時間をかけずに投資できるのが、ロボアドバイザーを利用するメリット。ネットで簡単な質問に答えるだけで、5分から10分で投資を始められます。
投資を始める時に初心者がまず悩むのが、投資銘柄の選定のはず。自分に合う商品をロボアドバイザーに選んでもらえば、情報収集や市場分析にかける時間は不要です。最初のハードルがグッと低くなるでしょう。
さらに、一任型を選べば、購入から投資配分の見直しまでやってくれるので、運用の手間も一切かからず、ほったらかし投資が可能になります。
深い投資知識がない人や投資未経験者でも始めやすいことも、ロボアドバイザーを利用するメリット。AIが自分に合った最適プランを提案してくれるので、あれこれ迷わずに最初の一歩を踏み出せます。
一任型なら、売買のタイミングやリバランスの判断などもすべてロボアドバイザー任せにできるので、運用に悩むこともありません。難しそうだと投資を敬遠していた初心者も、ロボアドバイザー投資なら、心理負担が少ないでしょう。
メリットがわかったところで、ロボアドバイザーのデメリットについても理解しておきましょう。
ロボアドバイザーを利用するデメリットのひとつは、自分で勉強や判断をする機会が減り、知識が身につきにくいこと。投資の不安や悩みを抱えずに済む一方で、上級者を目指す人には少し物足りないかもしれません。
とくに将来的に自分で投資に挑戦したいに人は、一任型のほったらかし投資では投資経験を蓄積できないことを意識しておく必要があります。
ロボアドバイザーでの運用実績はサイトで確認できるので、まずはこまめにチェックする習慣をつけるとよいでしょう。自分の資産がどのように育っているかを知ることで、少しずつお金の知識を身につけていくことができますよ。
ロボアドバイザー投資はリスクを抑えている分、見込める利益も限定的。短期で大きな収益をあげたい人には向かないでしょう。
ロボアドバイザーの基本は、少ないリスクで長期的にお金を積み立て、増やしていくこと。世界の金融商品に投資することで、リスクを分散しながら、世界経済の成長を上回るリターンを狙います。
長期投資を前提にプランが組まれているので、短期的に見ると損益がマイナスになることもあります。ロボアドバイザーの利用は、数年単位で考えるとよいでしょう。
ロボアドバイザーの利用には、元本割れ・最低投資額・NISA対応の3つに注意しましょう。
ロボアドバイザーを使っても、元本保証されるわけではないので注意してください。AIを使ってリスクを抑えた運用ができるとはいえ、ゼロリスクではありません。
投資会社のサイトには、収益モデルのグラフが右肩上がりに書いてありますが、あくまでシミュレーションです。運用成績によっては損失が出て、元本を割り込む可能性があることを理解しておきましょう。
元本割れのリスクを低くする方法は、投資期間を長くすること。投資であがった利益を元本と合わせて、継続して投資を行う複利効果によって、効率的な資産の成長が見込めます。
ロボアドバイザーでは、サービスごとに最低投資額が決められているので注意が必要です。
最低投資額とは運用を開始する際に預け入れる金額のことで、多くのサービスが10万円からに設定しています。ただし開始後の自動積立は月々1万円からなど自由に設定でき、投資信託なら1口100円程度から投資できる場合もあります。
予算に合わせた資産運用ができるよう、会社選びの際にしっかり確認しましょう。
一任型で運用する場合、新NISAの成長投資枠・つみたて投資枠に対応していないサービスもあるので要注意です。
通常、投資で得た利益には20.315%の税金がかかりまが、新NISAを利用すれば非課税で運用できるので、ロボアドバイザーと組み合わせて利用したいと考えている人もいるでしょう。2024年1月に開始した新NISAではより非課税のメリットが大きくなるので、見逃せません。
サービスごとに、成長投資枠・つみたて投資枠両方に対応している場合もあれば、成長投資枠にしか対応していない場合もあるので注意。新NISAの非課税枠をロボアドバイザーで上手に活用したい人は、サービスを選ぶ際にしっかり確認してください。
プロに運用を任せられるという点では共通していますが、投資信託とロボアドバイザーには運用面でいくつかの違いがあります。
大きな違いは商品選定にかかる手間。投資信託は、株式・債券など単一の資産に投資を行うことが多いので、投資信託で多くの金融商品を組み合わせて分散投資したい場合は、複数の投資信託を組み合わせて購入する必要があります。
一方、一任型ロボアドバイザーは複数の投資信託やETFの購入によって、世界の株式・債券・不動産などに幅広く投資してくれるので、商品選定の手間がかかりません。商品選定にかかる手間は、投資信託よりもロボアドバイザーの方が少ないでしょう。
また、投資信託では、運用中にリバランスが必要になったら、自分で売買して調整する必要があります。一方、ロボアドバイザーはリバランスも自動で行ってくれるので、運用の手間もかかりません。
そのほか、ロボアドバイザーと投資信託では、最低投資額・コストなどにも違いがあります。傾向としては投資信託の方がコストは低い傾向になりますが、一概にはいえないのでそれぞれの公式サイトでチェックしてください。
ロボアドバイザー選びの重要なポイントは、手数料・最低投資額・新NISAへの対応の3つです。
長期投資ではできるだけコストを抑え、効率的に利益をあげたいもの。運用手数料だけでなく信託報酬も合わせて、かかるコストをチェック。家計に無理のない投資をしていくために、最低投資額も確認しておきましょう。
さらに、非課税のメリットを活かせる新NISAへの対応も重要なポイントです。投資額が大きくなってくると管理が複雑になりがちですが、新NISA対応のロボアドバイザーなら、非課税枠の計算も一任できます。
以下の記事では、ロボアドバイザーの選び方について、より詳しく解説しています。また、mybestが代表的なロボアドバイザーの比較検証を行い、結果をランキング形式で発表しています。ぜひ、自分にぴったりなロボアドバイザー選びの参考にしてください。
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