
上場後のスペースX株はどうなる?IPO達成後の値動きと買い方を解説
イーロン・マスク氏が設立した世界屈指の宇宙開発企業、スペースXがついにIPO(新規株式公開)を実現。再利用型ロケットの開発や衛星インターネット「Starlink(スターリンク)」の運営などの宇宙産業にAI事業を統合し、今後の展開が大きく期待されています。上場後の株価の動きを見守りつつ、投資機会を探っている人も多いのではないでしょうか?
今回は、スペースXの上場後の値動きから、買い方や購入時の注意点まで体系的に解説します。夢のある宇宙ビジネスへの投資を検討している人は、ぜひ参考にしてください。
本記事内での「価格上昇/下落の可能性」など関する記述は、市場の相場から一般的に推察される内容を記載したものであり、将来の値上がりや運用成果を保証するものではありません。株価は大幅に変動するリスクがあります。売買に関する最終的な決定は、最新の市場動向やリスクを十分にご確認の上、読者のみなさまご自身の判断で行ってください。
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大学卒業後に銀行員として勤務、法人顧客の経営支援・融資商品の提案や、個人向け資産運用相談を担当。 2020年にマイベストに入社、自身の銀行員時代の経験を活かし、カードローン・クレジットカード・生命保険・損害保険・株式投資などの金融サービスやキャッシュレス決済を専門に解説コンテンツの制作を統括する。 また、Yahoo!ファイナンスで借入や投資への疑問や基礎知識に関する連載も担当している。
2026年6月12日、注目のスペースXがついにIPOを達成!

2026年6月12日(金)、スペースXは米NASDAQ市場への歴史的な上場を実現しました。今回の上場は、「史上最大のIPO」とメディアでも騒がれ、金融市場の一大イベントに。日本の証券会社でも一般投資家向けに割り当てがあり、国内からの購入希望額だけでも1兆円を超えるなど、異例の注目を集めました。
公募価格135ドルに対して、上場初日の終値は160.95ドルと約19%上昇。調達額は約750億ドル(約12兆円)に達し、時価総額は2兆ドル(約320兆円)を突破しました。
この歴史的高値により、筆頭株主であるCEOのイーロン・マスク氏の純資産は1兆ドル(約160兆円)を超え、世界初の「トリリオネア(資産1兆ドル富豪)」が誕生。なお、マスク氏はクラスB株(1株につき10票の投票権がある特別株)の仕組みにより、上場後も85%程度の議決権を維持していると推測され、圧倒的な支配権を保持しています。
SpaceXが投資家から注目される理由とは?事業の3本柱を紹介
スペースXのIPOは、なぜそこまで熱い注目を集めたのでしょうか?SpaceXが投資家から高い評価を受ける背景には、収益基盤の多様性と将来性への期待があります。その核となるのが、以下の3つの事業です。
衛星インターネット事業:「Starlink」の通信網による安定した収益で会社を支える

2026年6月現在、全世界の契約数は1,200万件を突破し、世界164の国や地域をカバー。日本でもKDDIと組んで、スマホに直接宇宙から電波を届けるサービス「au Starlink Direct」が始まっており、山間部や島々・海上など、地上の電波が届かない場所でもSMS送受信やデータ通信が可能になりました。
Starlinkの2025年の売上高は114億ドル(約1.8兆円)に達し、約44億ドル(約7,000億円)の利益を叩き出す超優良ビジネスです。巨額の開発費を投じているロケット事業の赤字を埋めて、会社全体をしっかり支えています。
宇宙事業:再利用型ロケットにより打ち上げコストを大きく削減。宇宙輸送を担う

宇宙事業における圧倒的なコスト競争力も、スペースXの大きな強みです。直立させて地面に戻す再利用型ロケット「Falcon 9」を世界ではじめて成功させ、宇宙へのコストを大きく削減しました。
NASAからの受託など、すでに世界の宇宙打ち上げシェアの大部分を握っており、超大型ロケットによるさらなる輸送コストの削減が期待されています。2026年5月22日には、一度に200トン以上の荷物を宇宙へ運べる巨大ロケット「Starship(スターシップ)」の12回目の試験飛行が行われたなど、開発が進行中です。
スターシップなどの莫大な開発費がかさみ、単体ではまだ赤字ですが、今後の収益化が大きく期待されています。
AI事業:「xAI」の経営統合により、宇宙データセンターへの期待が高まる

イーロン・マスク氏が作ったAI会社「xAI」がスペースXの完全子会社として統合されたことも、IPOで株価が跳ね上がった理由です。xAIは対話型AI「Grok」などを開発しているスタートアップですが、経営の一元化により宇宙事業との相乗効果が期待されます。
注目の的は、宇宙空間にデータセンター(サーバー)を置いて、AIを動かすための膨大な電力と冷却システムを処理しようという壮大な計画です。2025年には、AI分野だけで約127億ドル(約2兆円)という巨額の投資を実行。スペースX全体の総支出の大部分を占める最大級の投資プロジェクトです。
スペースXが提出した公式の目論見書でも「この技術は未実証であり、商業的に成立しないリスクがある」と認めつつも、2028年にも初のAIデータセンター衛星「AI1」を配備するとの計画を掲げています。未知の分野への挑戦に投資家からの注目が集まっており、その動向は今後の株価にも大きく影響するでしょう。
SpaceX株は買うべき?上場後の値動きと今後の予想
SpaceX株を購入したいと考えている人は、今後の値動きが気になるでしょう。IPO直後から現在までの動きをふまえて、投資のプロやメディアに見られる代表的な見解をご紹介します(2026年6月16日現在)。今後の動向を見守るための参考にしてください。
今後の値動きは未知数。専門家でも意見が分かれる

スペースX株の今後の値動き予想は、投資のプロの間でも、「強気派」と「慎重派」に見方が分かれています。たとえば、モルガン・スタンレーは、「2040年までにスペースXの売上は現在の180倍(3.4兆ドル)になる」と予測。ほかにも、「今の株価でもまだまだ安い」「未来の利益は数万倍になる」などの見解が見られます(参照:The Wall Street Journal)。
一方で、「期待が先行してかなり割高」という見方や、「高すぎて危険だ」との声も見逃せません。たとえば、モーニングスター社はスペースXの適正な株価は63ドル(公募価格の半分以下)だと発表。「宇宙データセンターが本当に成功する確率はまだ数パーセント。期待だけで買いすぎている」としています(参照:Morningstar)。
なお、スペースX株は、異例のはやさで「Nasdaq 100」などの主要インデックスに組み入れられる予定です。インデックスファンドがスペースX株を強制的に買い集めることになり、株価の強力な下支えになると見込まれます。
今後の株価の分岐点、2026年9月2日の決算発表に注目!

株価がこのまま上がり続けるのか、それとも落ちてくるのか、最初の山場は2026年9月2日だといわれています。これは、スペースXが上場してはじめての決算発表が行われる日。これまではベールに包まれていたスペースXの経営状況が上場によりすべて公開されるため、この日の発表内容次第で株価の方向性が決まることになるでしょう。
スターリンクの会員数がどれだけ増えたか、ロケット部門の赤字は縮小しているのかなど、具体的な数字として業績が一般に公開されるこの日を、世界中の投資家が待っている状態だといえます。
また、AI事業への投資に成果が出そうか、本格的な宇宙データセンターが本当に稼働する可能性はあるのかも注目ポイントです。これら期待先行気味の事業分野で、実現に向けてのロードマップが経営陣の口からどう語られるかも株価を大きく左右するでしょう 。
スペースX株の買い方は?

<スペースX株購入の流れ>
- 証券会社に証券口座を開設する
- 外国株取引口座を開設する
- 「SPCX」でスペースXを検索し、注文する
日本株は100株単位での購入が基本ですが、米国株は原則としてすべての銘柄が1株単位で購入できます。スペースXの上場後の株価は乱高下しつつも、現在のところ、おおむね200ドル前後で推移しています(参照:Yahoo!ファイナンス)。株価や為替による変動はありますが、目安としては3万5,000円程度あればスペースXの株主になれるでしょう(2026年6月16日現在)。
ただし、先に説明のとおり、現在は期待先行で割高との見方もあります。また、購入時には、為替リスクや流動性リスク、米国の税制にも注意が必要です。金融庁の投資者向け情報や証券会社が提供するリスク説明を、必ず確認してください。
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スペースX株は、米国株を取り扱っている証券会社であればどこからでも注文できますが、手軽に利用できる楽天証券・SBI証券などのネット証券がおすすめです。両社は、IPOの売り出しの際にも、みずほ証券とともに日本国内の一般投資家向けの割り当てを受けていました 。
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