映画館のような視聴体験を楽しみたいとサウンドバーを買ったものの、「いらない」と後悔する人も少なくありません。せっかく購入するならば、満足できるものを買いたいですよね。
そこで今回は、サウンドバーを購入して後悔する理由を解説します。失敗例をふまえて、自分にとって必要なアイテムなのかをチェックしましょう。すでに購入して後悔している人も、対処法を試してみてくださいね。
オーディオ専門店「e☆イヤホン」の販売員として3年間勤務。オーダーメイドや高級機種なども含め、これまでに試聴したイヤホン・ヘッドホンは、のべ500種類を超える。また、音楽や環境に合わせて11種類のイヤホン・ヘッドホンを使い分けるほど、音には並々ならぬ情熱を持っている。 その後、2023年にmybestへ入社し、豊富な知識を活かしてオーディオ・ビジュアル機器のガイドを担当。「顧客のニーズを真摯に考えて提案する」をモットーに、ユーザーに寄り添った企画・コンテンツ制作を日々行っている。
サウンドバーを購入して後悔する理由は7つあります。失敗例をふまえて、サウンドバーの導入を検討しましょう。
サウンドバーを導入したにもかかわらず、テレビ内蔵スピーカーとの音質差をほとんど感じられず、がっかりしてしまうケースがあります。とくに低価格帯の製品は、期待していたほど迫力や臨場感がないと感じることが多いでしょう。
性能と価格は比例する傾向があるため、安価なモデルだと「テレビと変わらなかった」「音割れする」「空間の広がりが感じられない」などの不満の声も少なくありません。また、音の響き方は設置場所や部屋の広さにも左右されます。
テレビとの相性によって、サウンドバー本来の性能を発揮できないことがあります。とくに古いテレビや異なるメーカー同士の組み合わせでは注意が必要です。
たとえば、サウンドバーがeARC接続だとしても、テレビがARC接続だと質の高いサラウンドサウンド技術には対応できません。Dolby Atmosなどの高音質フォーマットはeARCで接続する必要があるため、せっかくの機能を活かせず後悔する場合があるでしょう。
音声フォーマットがAACに対応していない場合も後悔する可能性があります。AAC非対応モデルは、テレビ番組や映画など映像に応じて音声を切り替えなければいけません。毎回手動での操作が必要になり、面倒だと感じる人もいます。
購入したサウンドバーに期待していた機能が備わっておらず、使ってみてはじめて不便さを実感することもあります。とくに多機能を求めていた人にとっては、物足りなさを感じやすいでしょう。
低価格帯やベーシックなモデルは、機能が少ない傾向があります。Bluetooth接続のみでWi-Fiに対応していない、対応音声フォーマットが少ないなど、使い方が制限されやすいのが現実です。
商品によっては、「Bluetoothが不安定で音楽再生がスムーズにいかない」「最新のサラウンド機能が使えず臨場感に欠ける」といった口コミも寄せられています。
あとから機器を追加して音響環境を広げたいと思ったときに、拡張性のなさに不満を感じることもあります。
低音を強化したいと思っても、接続方法が限られていてサブウーファーが増設できないなど、将来的なアップグレードを視野に入れると大きなネックになるでしょう。HDMI端子が1つしかなく、ゲーム機とブルーレイプレーヤーの両方を接続できないといったケースもあります。
本格的な音響環境を目指すなら、はじめから拡張性に優れたモデルを選ぶのが無難です。
サウンドバーの見た目にこだわって選んでも、素材や仕上げによってはホコリや指紋、傷が目立ちやすく、手入れの手間が増えてしまうことがあります。せっかくのスタイリッシュなデザインも、汚れが目立つと残念な印象に変わってしまうでしょう。
とくにスピーカーのメッシュ部分はホコリが溜まります。光沢のあるプラスチック素材を使った商品だと、指紋も付きやすくなるため、定期的な掃除が欠かせません。実際に「いつのまにかホコリが積もっていた」との口コミも見られるので、購入後に掃除の面で後悔することもあるでしょう。
サウンドバーのサイズをよく確認せずに購入して、設置後に後悔するケースもあります。
無理に配置すると、テレビ台からはみだしたり、操作性が損なわれたりするので注意が必要です。実際に「テレビ台のサイズと合わない」「テレビのリモコンセンサーが隠れてしまう」といった意見もありました。
大型のモデルを狭い部屋に置くと圧迫感を覚えることも少なくありません。実際に置いたときをイメージして、インテリアもふまえて選びましょう。
サウンドバーは手軽にテレビの音質をアップグレードしたい人、ホームシアターは音に強くこだわる人におすすめです。
サウンドバーはスピーカーとアンプが一体化しており、配線が最小限で済むのが大きな魅力。コンパクトなので部屋を圧迫せず、限られたスペースにも設置しやすいですよ。
ホームシアターはスピーカーを個別に配置し、AVアンプを組み合わせて構築するため、広い設置面積と知識が必要です。サウンドバーのように手軽には設置できませんが、音質と臨場感では圧倒的な強みがあります。
たとえば、一人暮らしのワンルームで映画をもっと楽しみたい人や、リビングのテレビ音声が聞き取りづらいと感じている人には、サウンドバーが向いています。反対に、自宅で映画館のような視聴体験を楽しみたい人や、高音質で音楽も楽しみたい人にはホームシアターが合うでしょう。
選ぶ基準は人それぞれですが、「どれくらいの音にこだわりたいか」と「どこまでの手軽さを求めるか」を軸にすると判断しやすくなりますよ。予算やスペースも考慮しながら、自分に合った音響システムを選んでみてください。
購入後に失敗したと感じたときは、まず対処法を試しましょう。
サウンドバーの音質に満足できないと感じたときは、まず音質の調整機能を試してみましょう。
サウンドバーは、イコライザーによる高音・低音の調整や、映画・音楽といったサウンドモードの変更ができます。サウンドモードを変えられる機種もあるので、機能を使いこなしましょう。
迫力ある低音が楽しめたり、音に包まれるような立体感を味わえたり、調整によって本来の性能を引き出せます。調整機能は機種によって異なるため、まずは取扱説明書やアプリをチェックしてみてください。
接続に不満があるときは、まず再接続を試してください。正しい手順で接続をやり直すことが、トラブル回避の第一歩です。
接続トラブルの原因は、ケーブルの差し込みが甘かったり、ポートの種類を間違えていたりすることがよくあります。HDMI接続でARCやeARCを使用している場合は、テレビ側とサウンドバー側の設定が有効になっているかを確認することが重要です。また、一時的な不具合であれば電源の入れ直しで改善されることもあります。
それでも解決しない場合は、別のHDMIケーブルに交換してみたり、光デジタルケーブルでの接続を試すのも一つの方法です。あわせて、サウンドバーやテレビのファームウェアが最新であるかもメーカー公式サイトで確認してみましょう。
サウンドバーのサイズが合わずに困っている人は、設置場所や方法を工夫することで解決できる場合があります。最初の設置にこだわらず、柔軟にレイアウトを見直すことで、使い勝手や見た目の不満を解消できるかもしれません。
テレビ台の上に置くのが一般的ですが、壁掛けテレビの下に設置したり、サウンドバー用のスタンドを利用したりする方法もあります。テレビの脚を高くするアタッチメントや、スリムなスタンドを使えば、画面を隠さず設置できるケースもありますよ。
どうしても解決できない場合は、よりコンパクトなモデルへの買い替えや、フリマアプリでの売却といった選択も視野に入れてみてください。