暮らしに欠かせない家電である冷蔵庫。大きいほうがさまざまな食品を保管できるものの、住宅事情によって大きいものを置けない家庭や、消費電力が心配だと感じる人も多いでしょう。
そこで今回は、おすすめの冷蔵庫のサイズを世帯人数ごとに解説します。年間消費電力量から電気代を計算する方法や、サイズ以外に重視すべきポイントも紹介するので、ぜひ参考にしてくださいね。
ダイソンの派遣販売員として、ケーズデンキなど家電量販店で掃除機の接客・販売を2年間担当した経験を持つ。マイベストへ入社後はその経験を活かし空気清浄機・除湿機・オイルヒーター・スティッククリーナーなど季節家電・空調家電や掃除機をはじめ白物家電全般を専門にガイドを担当し、日立やシャープ、パナソニックなどの総合家電メーカーから、ダイニチ工業・Sharkなどの専門メーカーまで、150以上の家電製品を比較検証してきた。毎日使う家電製品だからこそ、本当によい商品を誰もが簡単に選べるように、性能はもちろん省エネ性能やお手入れのしやすさまでひとつひとつ丁寧に確認しながらコンテンツ制作を行う。
冷蔵庫のサイズは、70L×家族の人数+100L(常備食材)+70L(予備食材)を目安に選びましょう。基本的な消費量にくわえて、常備食材と予備スペースも確保できる合理的なサイズです。ここでは、世帯人数とライフスタイルに応じて、おすすめのサイズを紹介します。
一人暮らしの人や、すでに冷蔵庫はあるけれどもう1台ほしいと考えている人は、200L程度までの冷蔵庫がおすすめです。必要最小限の食材や飲み物を保存できてコンパクトなので、限られた設置スペースにも無理なく収まります。
100L前後のモデルはワンルームマンションに適切で、寝室やリビングにもセカンド冷蔵庫として設置しやすいサイズ。自炊の頻度が高い人には、150~200Lのタイプがあると便利です。
ただし、価格が安いモデルのなかには、霜取りが手動式のものもあります。購入前に、自動霜取り機能の有無をチェックしておきましょう。一人暮らし向けやミニサイズの冷蔵庫でおすすめの製品を紹介している、以下のコンテンツも参考にしてくださいね。
2人暮らしには、200~400Lの冷蔵庫がちょうどいい容量です。食材のまとめ買い・冷凍食品の保存・作り置き料理など、暮らしの工夫に対応できる余裕のあるサイズだといえます。
250〜300Lのモデルは日常的な利用に十分対応でき、自炊も不便なくこなせるサイズ。作り置きや冷凍食品が多い家庭には、350L以上のモデルがおすすめです。
将来的に家族が増える可能性がある場合は、最初から大きめを選んでおくと買い替えの手間が省けます。ただし、容量が増えると外寸も大きくなるため、設置スペースは確認しておきましょう。2人暮らし向けの冷蔵庫をランキング形式で紹介している以下のコンテンツも、チェックしてくださいね。
3〜4人家族には、400~500Lの冷蔵庫が理想的。家族の人数が増えて食材の量も多くなる分、冷蔵・冷凍・野菜などを用途別にしっかり分けて収納できるスペースを確保できます。
容量が大きくなると、チルド室・独立した製氷室・湿度調整が可能な野菜室などを備えたモデルも増えることが特徴です。まとめ買いや作り置きが多い家庭では、少し余裕のある容量を選んでおくと快適に使えます。
400~500Lクラスになると多機能なモデルが増え、省エネ性能や自動製氷機能などが付帯していることも。毎日の使い勝手に直結するので、しっかり確認して選びましょう。ライフスタイルに適した冷蔵庫を選ぶなら、以下のコンテンツも参考にしてくださいね。
5人以上の世帯であれば、500L以上の大容量冷蔵庫が欠かせません。大家族では日々の食材が大量になるため、容量の大きさが重要になります。収納スペースに余裕がないと、食品が整理しにくく使い勝手が悪くなるので注意しましょう。
550~600Lクラスになると、収納力だけではなく利便性にも特化しています。中央から正面に分かれて開く観音開きを採用していることが多く、冷蔵庫正面のスペースを大きく取りません。自動製氷やスマホ連携など、家族全員で快適に使える機能も充実しています。
ただし、本体の重量や外寸も大きくなるため、搬入経路や設置スペースをよく確認しましょう。大型冷蔵庫のなかでもおすすめの製品は、以下のコンテンツで紹介しています。600Lを超える大容量モデルも充実しているので、ぜひチェックしてくださいね。
冷蔵庫の年間消費電力量は、一般的に400Lまでは容量に比例して増加するものの、400L以上の大型モデルはかえって減少する製品が多い傾向があります。容量が大きくなると冷却に必要なエネルギーも増えますが、400L以上の機種では最新の省エネ技術が導入されており、効率的に電力を使えることが理由です。
たとえば、300~350Lクラスでは年間消費電力量は平均340kWh、電気代にして約7,800円ほど。一方450~500Lクラスでは年間消費電力量は平均271kWh、電気代にして約6,000円(参照:2024年11月1日 省エネ性能カタログ電子版)です。容量が多いものを選ぶほうが、大きく電気代を抑えられる場合があります。
ただし、同じ容量でも製造年によって消費電力は大きく異なるので要注意。選ぶ際は、年間消費電力量(kWh/年)の表示や省エネラベルを確認しましょう。
冷蔵庫は毎日使う家電だからこそ、サイズ以外にも見逃せないポイントがあります。自分のライフスタイルに適した1台を見つけるためには、どんな機能に注目すべきか把握しておきましょう。
容量よりもまず、設置できるかどうかの確認を優先しましょう。本体が大きくても、搬入経路や設置スペースに収まらなければ運び込めず、無駄な出費になってしまいます。
まずは、玄関ドアの幅・廊下の幅・階段の角度・設置場所の高さと奥行などを事前に測りましょう。とくにマンションやアパートでは、階段やエレベーターのサイズも見落とせません。搬入時は梱包で大きくなるため、カタログサイズだけで判断せず、梱包込みのサイズも確認しましょう。
また、冷蔵庫には放熱スペースが必要です。上部0.5~30cm以上、左右0.5〜2cm以上、背面7〜10cm以上の余裕を持たせて設置してくださいね。
冷蔵庫のドアの開き方は、設置場所や生活動線に合わせて選びましょう。動線と合わない開き方だと、冷蔵庫の開け閉めがしにくくなることも。とくに、狭いキッチンでは使い勝手に大きな差が出ます。
冷蔵庫を壁際に設置する場合は、壁とは反対側に開く片開きがスムーズです。中央に配置するなら観音開きや両開きタイプが便利で、どちら側からでも開けやすくなります。
最近では、左右どちらからも開ける左右開き対応モデルも増えており、設置場所に合わせて柔軟に対応できることも。ただし、ドアの開き方向に制限がある住宅もあるため、事前確認を忘れずに行いましょう。
冷凍室や野菜室の位置は、どの機能をよく使うかに合わせて選びましょう。使う頻度が高い場所が取り出しにくい位置にあると、日常の動作が不便になるため、生活スタイルに合わせた配置が大切です。
たとえば、野菜を調理する機会が多いなら、真ん中に野菜室があるモデルがおすすめ。立ったまま出し入れでき、腰をかがめる回数が減ります。冷凍食品のまとめ買いや料理を作り置きして冷凍したい人は、冷凍室が真ん中にあるモデルが便利ですよ。
ただし、冷凍室が浅かったり、2段式で奥のものが取りづらかったりする構造もあるので注意が必要です。用途に合った設計かどうか、実際に引き出しの中までチェックして選びましょう。
電気代を抑えるには、省エネ性能の高い冷蔵庫のなかでも☆4〜5のモデルがおすすめです。冷蔵庫は24時間365日稼働する家電なので、省エネ性の違いが年間の電気代に大きく影響します。また、省エネ性能が高い機種ほどCO₂排出量も抑えられ、環境にもやさしい選択といえますよ。
省エネラベルには、年度・省エネ性マーク(☆の数)・目標年度・省エネ基準達成率・年間目安電気料金・多段階評価などが表示されています。省エネ基準達成率が100%以上、省エネ性マークの☆5つ以上なら、国の基準を上回る省エネ性能を持つという目安です。
ただし、同じ☆数でも容量や搭載機能によって、電気代のコストパフォーマンスは異なります。省エネラベルの詳細まで読み取り、自分の使い方に合ったモデルを選ぶようにしましょう。
冷蔵庫選びでは、ライフスタイルに合った機能が備わっているかも重要なポイントです。便利な機能も、自分の生活に合っていなければ宝の持ち腐れ。逆に、必要な機能があると日々の使い勝手が格段に向上します。
たとえば、忙しい家庭には急速冷凍・微凍結・AIカメラなどのスマホ連携といった、時短や管理サポート機能が便利です。健康志向の人には、数日間にわたって葉野菜までみずみずしく保てる野菜室など、鮮度をキープする工夫が役立ちます。
最近ではAIを活用した冷蔵庫も登場しており、利便性は高い反面、価格があがりがちな面も。機能が多すぎると操作が複雑になりがちなので、自分に必要なものを絞って選ぶことが満足度を高めるコツです。
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