ゲームプレイに特化し、通常のパソコンよりも高い性能を誇るゲーミングPC。しかし、画質や処理性能に優れている分、使用時の電気代は高額になりがちです。とくにゲームのプレイ時間が長かったり、シャットダウンが面倒でつけっぱなしにしたりする人は、毎月の電気代がどのくらいかかるのか気になりますよね。
そこで今回は、ゲーミングPCの電気代は1時間、または1か月にどのくらいかかるのか解説します。消費電力を抑えて節電するコツも紹介するので、ゲーミングPCを使う際は参考にしてくださいね。
新卒でPC周辺機器・スマホアクセサリー・カーアクセサリーを取り扱うメーカーに入社。法人営業・広報を担当し、商品開発にも携わる。2023年2月にマイベストに入社し、モバイルバッテリーやビデオカメラなどガジェットやカメラの比較・コンテンツ制作を経験。現在では、家電・カーバイク用品など幅広いジャンルのコンテンツ制作に携わる。「専門性をもとにした調査・検証を通じ、一人ひとりに合った選択肢を分かりやすく提案すること」ことを心がけて、コンテンツ制作を行っている。
ゲーミングPCおすすめTOP5
一般的なゲーミングPCの電気代は、1時間につき約9〜37円です。1時間ごとの電気代は、消費電力(kW)×電力量単価(円/kWh)に当てはめて算出できます。一般的なPCの電気代は、1時間につき約2円なので、高額になりがちだと認識しておきましょう。まずは、モデルごとにどのくらいの電気代がかかるのか解説します。
エントリーモデル(300~500W)の電気代は、1時間あたり約9〜16円です。1日つけっぱなしにした場合と、1日につき5時間使用した1か月間の電気代は、以下を参考にしてくださいね。
<エントリーモデル(300~500W)の1か月の電気代の目安>
電気料金31円/kWhは、全国家庭電気製品公正取引協議会が公表している金額で計算しています(参照:公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会)。
エントリーモデルであっても高額な電気代がかかるので、つけっぱなしにせず節約を意識して使用するよう心がけることが大切です。
ミドルスペック(500~800W)の電気代は、1時間あたり約16〜25円です。1か月間の電気代は、以下を参考にしてくださいね。
<ミドルスペック(500~800W)の1か月の電気代の目安>
エントリーモデルよりも性能がよくなり、対応しているゲームのラインアップも増える反面で、消費電力もあがります。エントリーモデルの1.5倍ほどの電気代がかかると認識しておきましょう。
ハイスペック(800~1000W)の電気代は、1時間あたり約25〜31円です。1か月間の電気代は、以下を参考にしてくださいね。
<ハイスペック(800~1000W)の1か月の電気代の目安>
つけっぱなしにすると、1日の電気代が500〜750円ほどに。性能・解像度・フレームレートが高い分、価格も消費電力もあがります。
フラッグシップモデル(1000~1200W)の電気代は、1時間あたり約31〜37円です。1か月間の電気代は、以下を参考にしてくださいね。
<フラッグシップモデル(1000~1200W)の1か月の電気代の目安>
フラッグシップモデルは最上位のグレードであり、消費電力も圧倒的にかかります。ヘアドライヤーやアイロンと同等の消費電力がかかるので、長時間使用する場合は電気代に注意しましょう。
適切な設置環境や使用を意識すれば、ゲーミングPCの電気代を抑えられます。ほかにも購入やカスタマイズ時の注意点もあるので、節約の秘訣をチェックしてくださいね。
すでにゲーミングPCを所有しているなら、設置場所を整え、使用中はスリープモードやモニターの明るさなどを意識してくださいね。まずは、すぐに実践できる節約術を解説します。
まずは、ゲーミングPC本体の温度が上昇しにくい環境を整えましょう。本体が発熱すると、温度上昇を抑えるために冷却ファンが激しく稼働し、さらに消費電力が増えてしまいます。
発熱を抑えたい場合は、陽の当たらない場所を選んで設置し、排熱口にホコリが溜まらないように定期的に掃除しましょう。1日の温度変化を確認したうえで、設置場所を検討することをおすすめします。
光るゲーミングPCは、LEDライティングをオフにするのが節電のコツです。LEDは発光時に熱を生み出すので、こだわりがなければ切っておきましょう。
ゲームをプレイしないときはこまめにシャットダウンするか、スリープモードに切り替えましょう。使っていなくても、起動しているだけで電力が消費され、電気代がかかってしまいます。
たとえば、ミドルスペック(800W)のPCを1日中つけっぱなしにした場合と、使わない間はスリープモードに切り替えた場合の消費電力を比較すると、電気代は1日につき491円ほどの差が生じることに。なお、スリープモード時の消費電力は、約14Wで計算しています。
スリープモードは、シャットダウンして再起動するよりも消費電力を抑えつつ再起動できます。60〜90分以内に再度使用するなら、シャットダウンよりもスリープモードにしたほうがお得です。
とくにハイスペックやフラッグシップモデルのゲーミングPCは電気代が嵩みやすいため、意識してシャットダウン・スリープモードを使いましょう。
モニターの明るさを示す輝度は、支障が出ない程度に下げましょう。ゲーミングPCの消費電力のうち、モニターは高い割合を占めており、輝度に比例して電気代が高くなるためです。
Microsoftの調査によると、ディスプレイの輝度を100%から40%に下げると、パソコン全体の消費電力を約23%削減できるという結果が出ています(参照:Windows(R) 搭載 PC の消費電力検証結果を公開および節電設定を提案)。
明るすぎると目がチカチカして疲れやすくなることも。一方で、画面が暗すぎると見えにくくなり、ゲームプレイで不利になるので、部屋の明るさとの兼ね合いも考えて輝度を調整しましょう。モニターの自動輝度調整を活用すれば、周囲の環境にあわせた明るさに自動に設定されるので、活用してくださいね。
音声を出力する媒体は、スピーカーからイヤホン・ヘッドホンに切り替えましょう。同じ音量を出したとしても、消費する電力を抑えられます。また、細かな音の違いや低音も聞き取りやすくなり、臨場感も増しますよ。
メガネを着用しながらゲームプレイをする人は、耳への圧迫感を軽減できる製品やイヤホンを選ぶのがおすすめです。ボイスチャットやゲーム実況を行うなら、付帯しているマイクの性能にも注目しましょう。雑音や呼吸音をカットできるノイズキャンセリング機能や、マイクを一時オフできるミュート機能があると便利です。
イヤホンやヘッドホンの導入を検討しているなら、おすすめの製品を紹介している以下のコンテンツもチェックしてくださいね。
ゲーミングPCではなく、電力会社やプランそのものを見直すのも手です。電気料金は契約会社によって異なるうえに、生活スタイルによって適切なプランも人それぞれ違います。
ゲーミングPCを使用する時間が長い場合は、使用量が多いと割安になるプランを選ぶとよいでしょう。使用時間がそれほど長くなく、そもそも自宅にいる時間が短いなら、基本料金が安価なプランを選ぶのもおすすめです。プレイするのが夜だけなら、夜間の電気代が安くなるプランを選ぶと、賢く節約できますよ。
電力会社やプランの切り替えを検討しているなら、おすすめのサービスや選び方を解説している以下のコンテンツもチェックしてくださいね。
電源ユニットやGPUなど本体の性能に注目して、電気代の削減を目指すのも手です。ここでは、ゲーミングPCをこれから購入する人や、カスタマイズを検討している人向けの節電方法を紹介します。
電源ユニットは、80PLUS認証を満たしたものを選ぶのがおすすめです。電気の変換効率が高く、電気代の節約につながります。
電源ユニットとは、ゲーミングPCに電力を供給するパーツのこと。家庭用のコンセントから流れてくる電気を、PCで使用できる種類の電気に変換する機能があります。80PLUS認証は、電力の変換効率が80%以上の電源ユニットのみ取得できる認証です。
80PLUS認証は変換効率に応じて、6つのランクに分かれています。消費電力や排熱量の削減に重点を置くなら、等級が高いものを選びましょう。カスタマイズできるBTOゲーミングPCや自作PCなら、電源ユニットを選べますよ。
電源ユニットを詳しく知りたい人は、以下のコンテンツでおすすめ製品や選び方をチェックしてくださいね。
可能であれば、GPUは最新のものに交換しましょう。GPUはゲーミングPCのなかでもとくに消費電力の大きいパーツです。しかし、最新のものは消費電力を抑えられるように改良が重ねられています。
GPUとは、映像処理を専門的に担うパーツのこと。性能はグラフィックボードと呼ばれる画像処理装置に反映されます。より速く、よりきれいに画像や映像を映し出すには、GPUの高い性能が欠かせません。
とくに、ゲーミングPCでは高品質なグラフィックスを処理するため、一般的には性能が高い専用GPUが搭載されています。最新のものに交換すれば、クオリティの高い映像でゲームを楽しめたり、操作が快適になったりして、ゲーミング体験がますます充実しますよ。
最新のGPUは旧型より高価ですが、毎日の電気代を抑えられる点を考慮すると、総合的には負担を抑えられる可能性も。最新のGPUへの交換を検討しているなら、選び方のコツを紹介している以下のコンテンツも参考にしてくださいね。
コストの削減をいちばんに重視するなら、ゲーミングノートPCを使用するのも手です。ゲームの臨場感やプレイのしやすさはデスクトップPCに劣るものの、消費電力は抑えられます。
ミドルスペック(500W)のデスクトップPCとゲーミングノートPCの1か月の電気代を比較すると、約1,600円の差が生じる結果になりました。
<1か月の消費電力差(1日5時間使用した場合)>
省スペースで使えて持ち運びもできるという利点もありますが、カスタマイズ性やバッテリーの持ちに不満が生じることも。購入後に後悔しないために、以下のコンテンツで選び方やおすすめの製品をチェックしてくださいね。
ゲーミングPCは消費電力の低さだけで選ばず、パーツの性能をチェックしたうえで購入しましょう。プレイしたいゲームに適さない製品を選ぶと、画質が悪くなったり操作がカクついたりするので、快適なゲーム体験を実現できなくなる場合があります。
以下のコンテンツでは、人気のゲーミングPCをおすすめ順に解説しています。選ぶ際にチェックすべきパーツやBTOの魅力も紹介しているので、購入する際は参考にしてくださいね。
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