介護職の面接では、前職の退職理由を必ず聞かれます。介護職への転職活動を行ううえで、退職理由の伝え方に悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
今回は介護職の退職理由を解説し、円満退職をするコツや転職の面接時の伝え方も紹介します。人間関係や給料面などのケース別の退職理由の例文も載せているので、ぜひ参考にしてみてください。
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介護職の退職で最も多い理由は人間関係です。公益財団法人介護労働安定センターの「介護労働実態調査」によると、介護職の退職理由は人間関係が18.8パーセントでトップ。2位以降は結婚・出産・育児のためが16.9%、将来の見込みが立たなかったが15.4%、収入が少なかったが14.9%でした。
実に約80%の人が上記の理由で辞めています。多くの人が収入面よりも、人間関係やライフステージの変化で退職を決めていることが特徴だといえるでしょう。
介護職を円満退職するには、なるべく早めにはっきりと伝えることが重要です。以下では、円満かつスムーズに退職するコツを具体的に解説します。
退職を報告する際には、まず直属の上司に直接伝えましょう。介護職では直接の上司が部下を管理する場合が多く、上司を飛び越えて施設長に伝わると上司の心証が悪くなってしまうケースもあります。
また、先に同僚に伝えたり相談したりすることも避けたほうがよいでしょう。退職することが噂になり、想定外の形で上司の耳に入ってしまう場合があります。報告する際はメールや電話ではなく、事前にアポイントをとりつけて対面で直接伝えるようにしてみてください。
退職を伝えるときには、辞めることをはっきり報告することが重要です。退職を考えていると相談する形で伝えると、引き止めにあって辞めることが難しくなる可能性があります。
退職の報告をする際は、結婚で転居するので1か月後の5月31日付で退職したいなど、退職理由に加えて退職日も明確にしておくと納得してもらいやすいでしょう。
ただし伝えるのに抵抗がある理由やどうしても回答しにくい場合は、一身上の都合や家庭の都合で答えられないなどでも構いません。
退職の報告は、遅くとも退職の1か月前には伝えるとよいでしょう。退職の際には業務の引き継ぎ時間の確保や、施設側が人員補充をする時間も必要です。
民法では退職2週間前までの申請が必要と定めているものの、引き継ぎの期間などを考慮すると1か月前以上に報告したほうが円満に退職できるでしょう。ただし、就業規則で退職を申し出る期間が定められている場合は就業規則が優先されるので、事前に確認しておくなどの対策が必要です。
転職の面接時には前職の退職理由を聞かれますが、退職理由がネガティブな場合はそのまま伝えてはいけません。相手にマイナスの印象を与える理由はポジティブにいい換えると、面接官の印象がよくなります。以下では、退職理由別に例文を紹介しているので、面接対策の参考にしてみてください。
人間関係が理由で退職した場合は、人間関係が上手くいかなかったとそのまま伝えるのはNGです。今度の職場では良好な人間関係やチームワークを築きたいなど、ポジティブな理由にいい換えましょう。例えばチームでの人間関係が原因で退職した場合は、以下を参考にしてみてください。
【例文】
前職では内部のスタッフだけではなく、医師や看護師などの他職種を含めたチームとして看護に望んでいました。連携が上手く機能しない場面もあったものの、そのなかで身につけたコミュニケーション能力や協調性は、自分の強みであると自負しています。
貴施設でもその能力を活かし、ゆくゆくはチームリーダーとして後進の育成に励むなど、長期に渡って戦力になれるようなキャリアプランを立てていきたいです。
結婚・出産・育児などのライフステージの変化が理由で退職した場合は、その理由をそのまま伝えてもOKです。ただし面接官にまたすぐに辞めてしまうのではと思われるのを防ぐため、長期間働きたい旨もあわせて伝えると効果的。例えば出産や育児で退職した場合は、以下を参考にしてみてください。
【例文】
前職は特別養護老人ホームで働いていましたが、出産や育児との両立が困難になり退職しました。昨年子どもが保育園に入園し、時間的にも精神的にも余裕ができたため復職を決意し、貴施設に応募した次第です。近くに住む両親の協力も得られる状況になったことも、復職の決め手になりました。
多少のブランクはありますが、子どもの進学や老後に備えるためにも長期的な勤務を視野に入れて働きたいと考えています。
前職では将来のビジョンが立たずに退職した場合は、応募先でどのようなことをしていきたいのかを伝えるとよいでしょう。例えばキャリアアップを検討する場合の退職理由は、以下を参考にしてみてください。
【例文】
前職は研修制度や資格取得支援制度がなく、将来に向けてキャリアアップを図りたいため退職しました。貴施設では研修制度が充実しており、資格取得支援制度もあると聞いています。
将来的にはケアマネジャーを目指し、ゆくゆくは介護長などの管理職に就くことも視野に入れて長期的に貴施設に貢献できるよう努める所存です。
収入が少ないことで退職した場合は、そのまま収入面に難があったと伝えてはいけません。自分の持っているスキルや資格をアピールして、給料に値する能力があると示すとよいでしょう。例えば資格手当の支給に関連したことを伝える際は、以下を参考にしてみてください。
【例文】
前職でケアマネジャーの資格を習得したものの、資格が活かせる環境ではなくキャリアアップも見込めないと感じ退職を決意しました。
施設見学時に資格手当やスキルに対する正当な評価体制が整っていると聞いたことが、応募を決めた一因です。貴施設では介護士のキャリアとともにケアマネジャーの資格を活かし、即戦力としてお役に立ちたいと考えています。
前職の理念や運営体制に不満があって退職した場合は、前の職場への不平不満をそのまま述べてしまうと印象がよくありません。職場にどのような問題があって、どう解決したのかなどの具体的なエピソードを伝えると効果的です。例えば前職の運営体制に不満があった場合は、以下を参考にしてみてください。
【例文】
前職の施設では、人手不足から利用者一人ひとりに丁寧に接することが難しい状況でした。環境を改善するために上司や施設長などに増員を提案し、チームで業務の効率化を図るミーティングなどを定期的に開催した経験があります。
結果として多少は働きやすくなったものの、より利用者一人ひとりに寄り添った介護を行いたいと考え退職を決意しました。貴施設は利用者に対してスタッフの人数も多いので、チームワークを重視しながら丁寧な介護ができると考えています。
介護職を退職して別の介護職へ転職する際には、介護士向け転職サイトの利用がおすすめです。特に転職エージェントを使えば面接対策もしてくれるので、転職が成功する可能性を高められるでしょう。
以下の記事では、介護士向け転職サイトを公開求人数・転職目的・エージェントサービスの有無などから比較検証しています。介護職へ転職を検討している人は、ぜひ利用してみてください。
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最近では退職をサポートしてくれる「退職代行」というサービスがあります。どうしても退職を伝えづらい場合は「退職代行」の利用も視野に入れるとよいでしょう。以下のコンテンツではおすすめの退職代行サービスや、デメリット・利用する際の注意点を紹介しているので気になる人はチェックしてくださいね。
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