近年、職員の給与の増額や待遇改善が積極的に行われている介護業界。介護士として働きたい人や転職を考えている人は、実際のところが気になりますよね。
そこで今回は、介護士の年収を施設や男女別、勤続年数別に解説します。給与アップを目指すコツも解説するので、ぜひ参考にしてください。
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まずは介護業界全体の平均年収からみていきましょう。なお、以下に記載の給与額は厚生労働省による「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果」に基づくものです。
厚生労働省のデータによると、2021年の介護職員の平均月給は316,610円です。介護業界ではボーナスがつかない施設もあり、その場合の年収は約380万円、ボーナスが50万円程度つく施設では、約430万円が標準的な年収と考えられます。
ちなみに日本の給与所得者全体の平均年収は443万円で(男性545万円・女性302万円)です。介護職員の平均年収は男性と女性の中間くらいに位置します。
次に男女別や地域別の平均収入をみていきます。
データを詳しく見て行くと、介護職員の月給は女性よりも男性のほうが高い傾向があります。
男性の場合、月給の平均は29歳以下が297,240円、30代が340,130円、40代が355,700円、50代が332,670円、60歳以上が286,900円。女性の平均月給は29歳以下が287,400円、30代が305,860円、40代が310,510円、50代が315,760円、60歳以上が292,710円です。
男性の給与は40代がピークで、そのあと減る傾向が見られますが、女性は50代まで上がり続けます。男女差は、20代は10,000円程度ですが40代では男性のほうが約45,000円高くなります。
施設の形態別に収入を比較すると、入所を伴う施設のほうが高いことがわかります。
主な施設をとりあげると、介護老人福祉施設の平均月給は345,590円、介護老人保健施設は338,390円、訪問介護事業所は314,590円、介護医療院は307,550円、介護療養型医療施設は287,070円、通所介護事業所は278,180円です。
入所者の生活全般を介護する介護老人福祉施設は給与が高く、日帰りのデイケアを提供する通所介護事業所と比較すると67,000円ほどの開きがあります。
ただし、入所を伴う施設とそれ以外では夜勤の有無などに違いがあるので注意。職場を選ぶ際には給与だけでなく、業務内容も検討し希望の働き方を見つけるようにしてください。
勤務年収で見ると、介護職員の収入は勤続年数に応じてアップしていくことがわかります。
就労1年目の平均月給は277,350円、5年目は309,610円、10年目は318,980円、15年目は339,230円、20年以上になると378,010円です。
介護職は長く続ければ続けるほど収入が上がる仕事だといえ、このことは継続の大きなモチベーションになるでしょう。
地域別の年収の差は大きく、都市部と地方で100万円近い差があります。
厚生労働省が提供する職業別情報サイト「jobtag」のデータよると、東京の平均年収は400.8万円、京都府は399.4万円、神奈川県は390.8万円と、都市部や人口の多い地域では年収が高めです。
一方、沖縄県は292.6万円、宮崎県は300万円、島根県は302.2万円など、全国平均を大きく下回る地域もあり、大きな差が見られます。
jobtagでは、都道具県別のデータを確認できるので、自分の住む地域の平均が知りたい人はチェックしてみてください。
高齢者の増加にともない、この先ますます必要とされる介護職員。その待遇改善や収入増加のために国が導入した制度を解説します。
介護職員処遇改善加算は、介護士の賃金アップや待遇改善を目的とした制度で、介護分野の深刻な人材不足を打開するために作られました。
この制度では、職員の待遇改善を行っている事業所が自治体に申請を出すと、常勤介護職員1人あたり9,000円の補助金が給付されます。さらに職員のスキルアップやそれに見合った賃金の整備などを行っている場合は、1人あたり15,000円から37,000円の補助金を受けることが可能です。
なお、給付された補助金を職員にどのように支給するか、具体的な方法は各事業所に任されています。基本給のベースアップを行う場合もあれば、ボーナスの増額という形で支給するケースもあるなど、施設によって様々です。
介護職員特定処遇改善加算も、待遇改善のために作られた制度です。この制度では、勤続10年以上の介護職員に対して、月8万円相当の給与アップを行うことが定められています。
必ずしも10年以上の勤続年数が必要ということではなく、相応のスキルや経験が評価されれば対象となります。また、該当する人物がいない場合は、施設の裁量で相応の人を対象としているケースもあるようです。
2025年には約243万人の介護士が必要になるとされており、人材確保が急務の介護業界では、新しい制度の導入など、労働環境や収入の改善がはかられています。今後も、さらに収入アップなどが行われる可能性は高いとみられています。
ここからは、介護職で年収のアップを目指す方法を紹介します。
キャリアアップと年収アップを同時に目指したい人は、介護福祉士やケアマネージャーといった資格の取得がおすすめです。
介護士として3年以上の実務経験のある人は、450時間の実務者研修を受けることで、介護福祉士の受験資格が得られます。「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果」によれば、介護職のなかで唯一の国家資格である介護福祉士の平均月給は、介護職全体の平均より10,000円以上高い328,720円。有資格者になれば転職にも有利に働くでしょう。
介護福祉士資格を取得したあとは、ケアマネージャー資格を取得しさらなるキャリアアップを目指す道があります。ケアマネージャーの平均月給は362,290円と、介護職のなかではトップクラス。介護保険の相談にのったりプランを作成したりする、介護保険のスペシャリストとして活躍できます。
資格の勉強を考えている人は、通信講座や資格スクールの選び方を以下の記事で詳しく解説しているので、参考にしてください。
月々の収入をすぐに増やしたい人には、夜勤回数を増やす方法があります。
夜勤の主な役割は、夜間の見回りや入所者の就寝の手助け、排泄の介助、起床のサポートなど。夜間の時間帯は割増級がつくので、介護士のなかには夜勤シフトのみを選んで働いている人もいます。
ただし、2交代制の施設の夜勤は夕方5時ごろから翌朝10時ごろまでと勤務時間が長く、昼夜逆転の生活になるので体調管理には注意が必要です。またレクリエーションの時間がないなど、日中とは業務内容も異なるので、希望の働き方と収入の両面から検討して、無理のない範囲で取り入れてみてください。
勤続年数が長いほど収入が上がる介護職。長く勤め昇進を目指すのは収入アップの正攻法といえるでしょう。役職につくと、役職手当で基本給がアップするだけでなく賞与の増額も見込めます。
介護職員の主な役職は主任やユニット長、サービス提供責任者など。介護スキルだけでなく、日々の業務を円滑にする提案をしたり、新人の指導に力を入れたりしていくと、よい評価を受けられるでしょう。
経験を活かし条件のよい施設に転職するのも、収入アップを目指す効果的な方法です。
施設形態の中で一番給与が高い介護老人福祉施設は夜勤があるのが一般的なので、基本給のアップだけでなく、手当の増額も期待できます。介護業界は人手不足なので求人数が多い傾向。処遇改善加算の導入などもあり、好条件の募集も見つけやすいでしょう。
転職に興味がある人はぜひ以下の記事を参考にしてください。主な転職サイトを求人数や使いやすさで比較検証しています。サイト選びのコツも解説しているので、いくつか登録して、どのような求人があるかチェックしてみるのがおすすめです。
マイベストは有料職業紹介事業の許認可を受けています。(13-ユ-315911)
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