数ある仕事のなかでも体力が求められ、大変なことも多い介護職。なかには辞めたいと考えているものの、本当に辞めていいのか不安で転職に踏み出せない人もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、実際に介護職を辞めた人の意見を紹介します。辞めた理由や辞めるメリットとデメリットを紹介するとともに、経験を活かせるおすすめの業種も解説するので参考にしてみてくださいね。
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実際に転職を決めた人は、どのような理由で介護職を辞めたのか、よく聞かれる声を紹介します。
介護職を辞めた理由としてよく挙げられるのが、体力的な負担です。
介護の仕事では、入浴介助や排泄介助などを行います。その際には、利用者の身体を持ち上げて支えなければならず、体に負担がかかるのは避けられません。ほかにも片付けや掃除などで動き回る仕事が多いため、負担になっていると感じる人は多く存在します。
体力面で負担を感じるとストレスが溜まりやすくなり、年齢を重ねて体力が落ちたあとも働き続けられるのか、不安に思うことも。その結果、体力仕事でない業種に転職する人は少なくありません。
施設の体制や給与が不満だったために、介護職を辞めて転職した人もいます。
介護職は、勤務先の職場環境によって働きやすさが大きく異なります。労働環境が適切に管理されておらず、現場の人員が常に足りない状態だったり、時間外労働に対する割増賃金が支払われなかったりする施設では、不満を感じて辞めてしまう人も多いでしょう。
給与も不満を感じやすいポイントです。介護福祉士の資格を持っていても、介護職の年収は全国で最も高い東京都でも500万円以下です。介護職員だけでなく、生活相談員や支援相談員、ケアマネージャーなどの専門職でも特別高い給与が見込めるわけではありません。夜勤をしたり役職に就いたりしても年収がそこまで上がらないことに不満を感じ、介護職を辞めて転職する人も見られます。
責任感の重圧に耐えられず、介護職を辞める人も多く存在します。
介護の仕事を始めて数年が経過し組織の中核的な存在になると、徐々に責任が重くなります。サービス利用者への対応だけでなく、部下の育成や現場の業務改善といった仕事も増えるでしょう。
責任感が強く、真面目に仕事に取り組む人ほどストレスを溜め込みやすいと言われています。責任の重さと強い責任感によるストレスに耐えられず、介護職を辞める人は少なくありません。
介護の仕事の将来性に不安を感じ、転職する人もめずらしくありません。
日本は少子高齢化が進んでいるため、将来的に介護の仕事がなくなる可能性は低いといえます。介護職の需要は高まっており、介護職員の平均年齢も高いため長く働ける将来性のある仕事であることは事実です。
しかし、自身の将来を考えて続けられるかどうか不安になることはあるでしょう。実際、心身への負担が大きい介護の仕事を長く続けられるか不安に思い、ほかの業種に転職する人は多く存在します。
結婚や出産などの家庭的な事情が発生したことで、介護職を辞める人もいます。
介護業界で働く人は男性より女性のほうが多い傾向にあるので、結婚に伴う引っ越しで勤務できなくなったり、出産および子育てによって勤務時間が合わなくなったりすることも多くあります。
介護施設は、妊娠や出産などによる生活環境の変化に対応する制度が整っていないケースが多く、大きなライフイベントを迎えた女性が働き続けるのが難しいことも少なくありません。夜勤業務があるため仕事と子育てを両立するのが難しく、転職を選ぶ人もいます。
介護職を辞める理由はさまざまですが、実際にどのようなメリットがあるのでしょうか。転職を前向きに考えるためにまとめてみましょう。
介護職を辞めることで、人間関係でのストレスがなくなったと感じる人はたくさんいます。
介護施設では、上司・同僚・部下だけでなく、利用者やその家族などとも関係性を築かなければなりません。人間関係が複雑だからこそ、さまざまなシーンでストレスを感じることがあります。指示を出すだけで自分では動かない上司がいる、仕事を真面目にやらない同僚がいる、暴言を吐く利用者がいるなど、人間関係に疲れてしまって介護職を辞めるケースはめずらしくありません。
介護職を辞めて転職しても上司や同僚などに悩まされることはありますが、介護職以外なら利用者やその家族がストレスの原因となることは減ります。人間関係のストレスがなくなり心穏やかに過ごせるようになるのは、転職の大きなメリットといえるでしょう。
介護職を辞めたことで、仕事内容に見合った給料をもらえるようになったと感じる人もいます。
介護業界は全体的に給与が低い傾向にありますが、これには介護業界特有の仕組みが関係しています。介護施設では、国から支給される介護報酬から施設運営費や給与などを支払うのが基本。介護報酬は簡単には増やせず上限が決まっているので、介護職員の給与もなかなか増えないのが現実です。
さらに、介護職では専門性が重視されない傾向にあります。経験やスキルがなくても働けるため、給与が高く設定されにくいのが現状です。国家資格を持っていれば給与が上がることもありますが、それでもほかの業界に比べると決して高いとはいえません。
専門性の高い業務を担当すると給与が上がる傾向にあるのは、多くの仕事で共通です。そのため、介護職を辞めてほかの業界に転職した結果、スキルや仕事内容に見合う給与が支払われるようになったと喜ぶ人も多くいます。
介護職を辞めてから、生活リズムが整ったと感じる人も多くいます。
介護職はシフト制なので、夜勤もこなさなければなりません。夜勤があると生活リズムが乱れやすく、十分に睡眠時間を確保できずに疲れが溜まってしまいがち。夜勤は少人数で行われるためプレッシャーも大きく、ストレスを感じてしまうこともあるでしょう。
夜勤がなく、日中決まった時間に働ける仕事は数多く存在します。夜勤のない業種に転職したことで、生活リズムが整い健康面で大きなメリットを感じた人は少なくありません。
介護職を辞めたことで、自分がやりたいように仕事をできるようになったと感じる人も少なくありません。
介護の仕事はやるべきことが規則で決まっており、自分がやりたい仕事と実際にできる仕事のあいだに差ができてしまうこともあります。利用者の助けになりたくてもなれない状況に直面し、もどかしさを感じて転職を考える人もいるでしょう。
業種によっては、自分がやりたいことを積極的にやらせてくれる柔軟な仕事もあります。転職して裁量のある仕事に就くことができれば、介護職で感じていた不満を解消できるでしょう。
ただし、他業界に転職するのではなく介護職のまま施設を変えることで、自分に合った仕事ができるようになる可能性もあります。介護の仕事を続けたいのか、介護以外の仕事に就きたいのかはきちんと考えたうえで転職先を選ぶことが大切です。
介護職を辞めるのは、3か月分程度の生活費を貯蓄できたタイミングがいいでしょう。
次の仕事が決まっていない状態で介護職を辞める場合、当面の生活費を確保しなければいけません。ゆっくり仕事を探しても生活していけるように、最低でも3か月分の生活費は貯金しておきましょう。
総務省統計局が発表している家計調査の結果では、2022年の単身世帯の消費支出は1か月平均で約16万円、2人以上世帯の消費支出は1か月平均で約29万円です。3か月分の生活費は、単身世帯で約48万円、2人以上世帯で約87万円が目安となります。
ただし、1か月の支出がいくらになるかは世帯によって異なります。介護職を辞める前に1か月間に出ていく金額を把握しておき、3か月間余裕を持って暮らせる程度の金額を貯めるのがおすすめです。
ボーナスが支給されたタイミングで、介護職を辞めるのもおすすめです。
施設によっても異なりますが、介護職でボーナスがもらえる人は6割弱いるといわれています。もらえるのであれば、受け取ってから退職したほうがその後の生活に余裕ができるでしょう。ボーナスを受け取ってから退職するのは躊躇われるかもしれませんが、それまでの労働の対価なので、受け取ってから辞めても問題はありません。
ただし、支給直後に辞めるとよくない印象を与えてしまうこともあります。十分な時間を確保して業務の引き継ぎ等を行うためにも、ボーナスが支給されてから1か月程度の期間を空けて退職するのがいいでしょう。
仕事の影響で体調を崩し始めたら、早めに辞めるのがおすすめです。
体も心も、不調を感じたらなるべく早く対処しなければ症状が悪化してしまいます。腰痛など体の痛みが悪化したり、仕事のストレスが原因で食欲がなくなったり眠れなくなったりしている場合は、それ以上無理をすることで治りが遅くなってしまうことも考えられます。
仕事による不調を感じるようになったら、早めの退職を考えてみてください。
座り仕事のオペレーターなら、体力低下や体の痛みが原因で介護職を辞めた人も働きやすいでしょう。
オペレーターは、お客様からの問い合わせに答えたり営業や調査などの連絡をしたりする仕事です。コミュニケーション能力が求められるため、介護サービス利用者やその家族とコミュニケーションを取っていた介護職の経験が活かせるでしょう。
担当する商品や調査についての知識を身につけなければならないため、最初は大変なこともあるでしょう。しかし、基本的にマニュアルが用意されているため覚えやすく、慣れればスムーズに対応を進めることが可能です。
働く時間を柔軟に選べる職場も多いため、妊娠・出産・育児が原因で介護職を離れた人も挑戦しやすいといえます。
人と関わる機会が少なく黙々と作業ができる製造業は、介護職で人間関係に疲れた人におすすめです。
製造業の業務内容は組立・加工・点検・梱包など多岐に渡りますが、工場勤務であればそこまでコミュニケーションを必要としません。細かい作業が多く発生するので、介護職時代に細やかな仕事をこなせていた人なら、経験を活かせる可能性があります。集中力があってものづくりに苦手意識がなければ、快適に働けるでしょう。
職場によっては勤務時間が長くなることもありますが、基本的には福利厚生が充実していることが多く、ワークライフバランスを整えやすいのも魅力です。
高収入を狙える職種に転職したいのであれば、IT業界がおすすめです。
IT業界では、エンジニア・プログラマー・デザイナーなどとして働きます。IT業界は今後成長していくので、安定的に勤務でき高い給与も期待できるでしょう。業務内容は介護職と大きく異なりますが、ITの知識やスキルを学べるスクールが充実しているので未経験でも挑戦しやすい業界です。
介護職の経験を活かすというより、新たな知識やスキルを身につけて活躍したい人にIT業界は向いています。
介護職を辞めて転職するなら、転職サイトや転職エージェントを活用しましょう。とくに転職エージェントではキャリアアドバイザーのサポートが受けられ、未経験職種への転職でも心強い味方になってくれます。
以下の記事では、おすすめの転職サイトやエージェントの紹介と合わせて、サービスの選び方や活用方法についても詳しく解説しています。ぜひ、参考にしてください。
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