介護職から転職するには、介護の強みをアピールすることが重要です。経験が浅くても介護業界で培ったコミュニケーション能力や対応能力は、同業種・他業種を問わず重宝されるでしょう。
今回は転職に役立つ介護職の強みを紹介するとともに、おすすめの転職先・業務内容・年収なども解説します。介護職からの転職でおすすめの業種を知りたい人は、ぜひ参考にしてみてください。
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介護職で培ったコミュニケーションや対応力などの強みを活かせば、同業種だけでなく異業種でも転職を成功させることが可能です。「令和3年度 介護労働実態調査」によると1年間の介護職の離職率が14.1%なので、1年で介護職10人のうち1~2人が転職していることがわかります。
また「介護・保育サービス業における賃金と労働移動の実態」によると、前職が医療・福祉業の人のうち他産業へ転職した人の割合は約3割と、他業種への転職もけして少なくないのが現状です。
現職の人は介護職の経験は転職の役に立たないと判断しがちですが、介護職の経験やスキルを活かせる転職先は十分あります。例えば同業種であれば介護事務や生活相談員など、異業種・異職種では接客業や営業職も介護職の強みをアピールできる職種だといえるでしょう。
ただし転職先によっては収入が下がったり、スキルを上手く活かせなかったりする可能性もあります。介護職の強みをしっかりと把握してから、転職先を探すことが大切です。
介護職で培った強みや経験はどの業種でも活かせますが、介護や医療に関連した職種ではより重宝されるといえるでしょう。以下では、介護職に近い業種や同業種のおすすめ転職先を紹介します。
紹介する仕事の平均年収は、厚生労働省が運営するサイト「jobtag」を参照しました。
医療事務は介護職から転職しやすい仕事のなかでも、生活リズムを安定させつつ給与アップを目指せる仕事です。病院やクリニックの営業時間が決まっているので夜勤がなく、休日出勤や残業の心配が少ないのがメリット。
給料は全国平均で437.4万円と介護職(施設介護員)の362.9万円よりも高いため、給与アップも十分狙えます。業務報告書や利用者の管理などのデスクワーク経験を活かせるので、転職後も仕事になじみやすいといえるでしょう。
業務内容は病院などの医療機関で診療報酬の請求書類の作成や、窓口での受付や手続きの対応です。会計業務・カルテ整理・検査データの準備といった事務作業も行います。
学歴や資格の必要はありませんが、薬価点数や診療報酬点数の換算方法、カルテの見方などの知識が必要です。そのため、専門学校や通信教育で1〜2年ほど学ぶことが一般的。
大きな病院では休日に交代で出勤したり、レセプトの提出前の時期は残業することもあったりする点は理解しておきましょう。
介護事務は介護職に近い職種なので転職しやすく、給与アップも期待できる仕事です。介護施設で事務員として勤務するので、仕事の流れを把握しやすいのがポイント。平均収入も437.4万円と、施設介護員の362.9万円より高い点が魅力です。
業務では介護報酬請求事務や介護施設の事務全般を担当します。主な職場は介護老人保健施設・特別養護老人ホーム・デイサービスセンター・グループホーム・訪問介護事業所・訪問看護ステーションなどです。就業に必要な資格や学歴は、特に設けられていません。
施設によっては介助の手伝いなど現場仕事をしたり、月末月初の繁忙期には残業が生じたりすることもあるので、柔軟な対応が求められます。
生活相談員は身体的なつらさが少ないうえに、今までの介護の経験を活かして給与アップが期待できる仕事です。利用者家族や施設・機関との連携や調整がメインなので、肉体的な負担が少ないのがメリット。
介護業務を兼ねない場合は早朝や夜間の勤務がなく、生活リズムを保てる点もうれしいところです。年収の全国平均は415.7万円で、施設介護員よりも給料アップが狙えます。
業務内容は特別養護老人ホームやデイサービスセンターなどの老人福祉施設の利用者が、自立的に日常生活を過ごせるような相談と援助などを行うことです。施設の大きさにもよりますが、少なくとも1人の生活相談員の配置が義務づけられています。
生活相談員になるには、社会福祉士・精神保健福祉士・社会福祉主事任用資格のいずれかが必要とされるのが一般的です。
福祉用具専門相談員は介護職の経験があると業務にスムーズに移行しやすく、必要な資格取得の難易度もそれほど高くないため、転職先の選択肢のひとつといえるでしょう。
車椅子などの福祉用具を扱う仕事なので、介護職で培った経験から説明がやりやすいのがポイント。業務を行うには都道府県知事の指定を受けた研修事業者が実施する「福祉用具専門相談員指定講習」を受講し、50時間のカリキュラムの修了が必要ですが、取得自体はそれほど難しくありません。
平均年収は381.9万円で、施設介護員の362.9万円とあまり差はないものの、努力次第で給与アップの可能性も期待できます。
業務内容は車椅子や特殊ベッドなどの福祉用具を販売・貸し出しする事業所で、利用者や家族に適切な用具の選び方や使い方のアドバイスを行うことです。福祉用具を扱う事業所は、少なくとも2名の相談員の配置が定められています。
介護福祉士・社会福祉士・保健師・看護師・准看護師・理学療法士・作業療法士・義肢装具士のいずれかの資格を持っていれば、講習を受けずに就業が可能です。
介護業界とは異なる業種・職種でも、介護の仕事で培ったコミュニケーション能力・体力・精神力などを活かすことは可能です。以下では、介護の強みを発揮できるおすすめの異業種・職種を紹介します。
商品の販売や飲食などの接客業は、介護職からの転職が比較的容易な仕事です。接客業ではコミュニケーション能力やクレームへの対応力などが求められるため、介護職で得たスキルを十分に活かせるでしょう。
ただし、場合によっては介護職よりも年収が低くなってしまうケースも。例えば飲食店店員の全国平均年収は、厚生労働省の「jobtag」によると330万円で、施設介護員の362.9万円よりも低年収です。
営業職も、介護職からの転職がしやすい職種のひとつです。特に介護用品や福祉用品を扱う企業では、介護職での経験が活きるでしょう。異業種でも、介護職で身につけたコミュニケーション能力・対応力・体力・精神力などは強みとしてアピールできます。
営業職には様々な種類があるためひとくくりにはできませんが、施設介護員の平均年収362.9万円よりも年収が高くなるケースも。例えば統計局の「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、保険の営業職の平均年収は約389万円となっています。
医療事務や介護事務だけでなく、一般企業の事務職への転職も検討する価値があります。介護職で業務報告書の作成や利用者管理などの経験がある場合、それらのスキルが役立つことも。介護職で身につけたコミュニケーション能力や対応力も、事務職に求められる能力です。
また一般事務職の平均年収は、厚生労働省の「jobtag」によると490万円。介護事務の437.4万円、医療事務の437.4万円よりも平均年収が高い点も検討に値するポイントです。
介護職で培ったコミュニケーション能力や対応力の高さなどは、同業だけでなく異業種でも評価される強みです。以下では、転職の際にアピールできる介護職の強みを解説します。
コミュニケーション能力の高さは、どの業種でも重宝されるスキルです。介護職では多くの利用者と関わります。例えば聴覚・視覚・言語能力などが低下している人や、認知症で意思の疎通が難しい利用者とも関わるため、コミュニケーション能力を磨ける場面が多い業種だといえるでしょう。
また利用者だけでなく、利用者の家族や職員同士でもコミュニケーションが必要です。様々なタイプの人と信頼関係を築いた実績は、介護以外の業界でも高く評価されます。
介護職の経験は、体力や精神力の強さをアピールすることが可能です。介護職では移動介助や入浴介助などの体力を使う仕事が多いため、続けることで自然と体力がつきます。
また排泄介助やコミュニケーションをとることが困難な利用者に対して、根気強く向き合あった経験などは、精神面の強さをアピールするのに十分な根拠だといえるでしょう。
自分ではそれほど体力や精神面が強くないと考えていても、気づかないうちに鍛えられているものです。介護職の経験で培った体力や精神力は転職の際に役立ちます。
介護の仕事では通常の業務フローに組み込まれていない不測の事態への対応を求められることが多く、対応力の高さも磨かれます。
例えば利用者の様態が急変すれば、様態に合わせた適切な対応が必要です。ほかにも認知症の利用者が見当識障害でパニックを起こしてしまったら、相手を落ち着かせるための行動をとらなければいけません。
マニュアルどおりにはいかない様々な状況に対処できる対応力は、どの業種でも高く評価される能力です。
介護の仕事では、協調性の高さが必要とされます。介護職は医師・看護師・理学療法士・ケアマネジャーなど、様々な職種との連携が必要となるためです。
利用者の健康的な問題を医師や看護師などの医療関係者に報告したり、ケアマネジャーとケアプランの組み立てについて話し合ったりするなど、様々なコミュニケーションが発生します。
協調性の高さはどのような職種でも必要とされる資質であり、介護の仕事で身につけた経験は強みとしてアピールできるでしょう。
介護職の人が転職するには介護職ならではの強みをアピールし、転職理由を明確にして現職のまま転職活動を行うのがポイントです。以下では介護職の強みを十分に活かして、転職を成功させるコツを解説します。
アピールできる内容を明確にするには、キャリアの棚卸しや自己分析を行いましょう。これまでのキャリアを振り返り、介護職をとおして得たスキルや経験を活かして、どのように応募先の施設や企業に貢献できるのか具体的に考えてみてください。
例えば残業が1か月で30時間を超えている、夜勤や休日出勤が多いのに給料が安い、腰痛に悩まされていて介護業務がつらいなど、具体的な理由を挙げてみましょう。もしこのような転職理由があれば、夜勤や休日出勤がなく、力仕事のない職場に転職すると不満を解消できると考えられます。
介護職に近い業種に転職するなら、体力を求められる場合が少なくありません。退職してから入職するまでに時間が空いてしまうと、実際に働き始めるまでに体力が落ちて転職先の仕事をつらく感じる可能性があります。
未経験の職種を希望すると転職先が決まるまで時間がかかる場合があり、収入面の不安から転職先を妥協して決めてしまう恐れも。実際に転職先が決まるまで半年以上かかる可能性も考慮し、余裕を持って転職活動のスケジュールを立てましょう。
介護系に近い仕事を希望するなら、介護士向け転職サイトの利用を検討してみましょう。介護系の求人に絞って探せるため、希望する条件に合う施設を見つけやすいのがメリットです。
経験のない介護系の仕事に転職するのが不安な場合は、キャリアアドバイザーに相談にのってもらい、サポートを受けられます。どのような条件で働きたいかを面談や電話で伝えられるため、転職活動を進めやすいのがポイントです。
以下の記事では、介護士向けの転職サイトや転職エージェントを比較しておすすめのサービスを紹介しています。介護職から転職を考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。
介護職以外の仕事に転職したいなら、どの職種に転職したいかに関わらず、転職エージェントや転職サイトの利用がおすすめです。
転職エージェントは自分の希望に合った求人を紹介してくれるため、仕事をしながらでも効率的に転職先を見つけられます。キャリアアドバイザーが書類作成や面接対策のサポートを行い、条件交渉などの調整も手伝ってくれることもメリット。
自分で積極的に求人を探したいなら、転職サイトでリサーチするのも有効です。空き時間を有効活用して転職先を探したい、自分で希望する転職先を見つけたい人におすすめといえます。
以下の記事では転職エージェントと転職サイトを、公開求人数や公式サイトの使いやすさなどで検証して徹底比較しました。介護系以外の転職を成功させたい人は、ぜひチェックしてみてください。
マイベストは有料職業紹介事業の許認可を受けています。(13-ユ-315911)
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