データ送信と電源供給をケーブル1本で同時に行えるのが売りの4Kモニター、Dell 4K UHD USB-C モニター S2722QC。「文字がシャープに映り見やすい」と評判です。しかし、「色ムラがある」「調整ボタンが隠れているので押しづらい」など気になる口コミも存在するため、購入を迷っている人もいるのではないでしょうか?
今回はその実力を確かめるため、以下の6つの観点で検証・レビューを行いました。
さらに、人気のLenovoやHUAWEIなどの4Kモニターとも比較。検証したからこそわかった、本当のメリット・デメリットを詳しく解説していきます。ポイントや送料を考慮した価格比較も行いましたので、4Kモニター選びに迷っている人はぜひ参考にしてみてください。
テレビ・プロジェクターなどの映像家電や、ノートパソコンやプリンターなど家電全般の比較・コンテンツ制作を経験し、家電チームのマネージャーに就任。キャリブレーションソフトを用いたテレビ・プロジェクターの画質測定を設計したり、ノートパソコンのベンチマークテストに取り組んだりしてきた。「ユーザーにとってベストな選択体験を提供する」ことを心がけて、コンテンツ制作を行っている。
すべての検証は
マイベストが行っています
目次
良い
気になる
比較した商品の半数以上が非搭載だったピボット機能を搭載しているのもポイント。スマホのように縦表示ができるため、資料など長文を読む際により多くの情報を取り込めて効率的に作業できますよ。「ボタンが隠れていて押しづらい」という口コミどおり、画面調整はボタン式で直感的とはいえませんが、操作する頻度は多くないためさほど気にならないでしょう。
USB-typeCに対応し、給電と出力が同時にできるのも大きな魅力。HDケーブル1本で接続できるので初心者でも扱いやすいでしょう。DisplayPort ポートはないものの、USB-typeC経由でDisplayPort 規格による映像出力が可能。USB-typeAにパソコンの周辺機器を接続しハブとしても使えます。
画面性能も十分。実際に色彩の広さを確認したところ、自然界に存在する物体色の色域に極めて近いBT.2020を70%カバーして高評価を獲得しました。比較した多くの商品も同様にレベルが高いため、平均値の約71.5%(※執筆時点)を下回りましたが、こちらもゲームや映画の4K作品を豊かな色合いで楽しめるでしょう。
だだし、「色ムラがある」との口コミどおり、色の正確さにはやや欠けます。色空間の規格であるsRGBのカバー率は99%と公称しているものの、sRGBモードがなく、赤みがかった色になる傾向にありました。「文字がシャープに映り見やすい」との口コミとは異なり、コントラスト比も329:1と控えめで、公称値の1000:1には届いていません。色の正確さやコントラストが重要なデザイン制作といったクリエイティブな作業に使いたい人は、ほかの商品も検討してみてくださいね。
実際にDell 4K UHD USB-C モニター S2722QCと比較検証を行った商品のなかで、総合評価1位を獲得したベストバイ4Kモニターと、色の正確さ・色域の広さ・コントラスト比の高さ・画面調節のしやすさ・インターフェースの充実さ・スタンドの使いやすさそれぞれの項目でNo.1を獲得した商品をピックアップしました!
Dell 4K UHD USB-C モニター S2722QCのデメリットが気になる人は、ぜひこちらも検討してみてくださいね!
Philips Consumer Electronics
120Hz・1msで色も正確。ゲーム・デザイン制作兼用ならコレ
EIZO
色の精度が極めて高く、デザイン制作向き
そもそも4Kモニターとは、フルHDより解像度が高く、映像の細かい部分までシャープに映し出せるモニターのこと。4Kテレビよりもデスクに置きやすいサイズが多く、娯楽だけでなく作業用としても使いやすいのが特徴です。低遅延で画像がなめらかなので、ゲーム用としても利用できます。
今回紹介するDell 4K UHD USB-C モニター S2722QCは、USB-C接続に対応した4Kモニターです。ケーブル1本で簡単に接続できるため、机の上がすっきりします。最大65Wの電力給電に対応しているので、映像出力しながらノートパソコンの充電も可能です。
販売元は、世界級のテクノロジー企業であるアメリカのデル・テクノロジーズ。世界各国にオフィスをかまえており、日本にも東京都に本社があります。パソコンや周辺機器の販売だけでなく、クラウドサービスや決算サービスなど今の社会には欠かせないITインフラを構築している企業です。
モニターには、どの角度から見ても色の変化がしにくいIPSディスプレイを採用。27インチの大きさをフル活用できるよう、フチを狭く設計しています。表現できる色の範囲を示すsRGBカバー率が99%と高いのも特徴です。メーカーは広い視野角で全体にわたって鮮やかな色彩を表示できると謳っています。
映像のなめらかさを表すリフレッシュレートは、最大60Hzです。ゲームをプレイする際もスムーズな動作に期待できるでしょう。本体には出力3Wのデュアルスピーカーが内蔵され、別途スピーカーを用意しなくても臨場感ある音でエンターテイメントを楽しめる設計です。
異なるデバイスの画面を同時に表示できる、Picture-by-Picture(PBP)・Picture-in-Picture(PIP)に対応しているのもポイント。YouTubeを見ながらゲームをプレイできたり、複数のデバイスを同時に使用して作業したりと、マルチタスクができますよ。
ブルーライト低減機能も搭載されており、長時間使用しやすいように配慮されています。
<スペック詳細>
背面のデザインにもこだわり、細かな模様をほどこして高級感あるプラチナシルバーで仕上げています。エレガントな雰囲気でどんなインテリアにも馴染みやすいでしょう。重量は包装時で9.2kgです。
付属品として、モニターを立てるためのスタンドベース・スタンドライザー、接続用のUSB-C 3.2 Gen2 ケーブルが同梱されています。HDMI 接続にも対応していますが、HDMIケーブルは付属されていませんのでご注意ください。
今回はDell 4K UHD USB-C モニター S2722QCを含む、4Kモニター全14商品を実際に用意して、比較検証レビューを行いました。
具体的な検証内容は以下のとおりです。
まずは、色の正確さの検証です。
ディスプレイの性能を測定するセンサーを使用して、sRGB(ガンマ2.2)の条件で規格どおりの色味を出せるかを測定。色の差の定量指標であるdEを基準に、数値が小さいものほど正確に色を映せていると評価しました。
問題ない程度ですが、色の精度はやや低めでした。比較した全商品の平均が2.54dE(※執筆時点)だったのに対し、こちらは3.47dEです。色温度が低く赤色がかった色になる傾向にあり、肌や唇の色が赤みを帯びる可能性があります。口コミでも「色ムラがある」と指摘されており、色の正確さを求める作業には不向きです。
多くのプリンターやデバイスは、国際基準の色域規格のsRGBを採用。ほかのモードで写真や動画編集などをすると、プリントしたときやSNS・YouTubeに上げたときに意図した色を表現できない場合があります。中国メーカーのLenovoのThinkVision P27u-20のように色の精度が高い商品とは異なり、本商品はデザイン制作のようなクリエイティブな作業に向いていません。
とはいえ、ゲームではリアルな色味との違いに違和感を覚えにくいため、そこまで気にせずプレイできそうです。ビジネスシーンで資料を確認したり、プレゼンテーションなどで使ったりするのにも困らないでしょう。
なお、本商品はsRGBカバー率99%と公称しているものの、sRGBの定義に従って作成されたモードがありません。検証では、出荷時の状態で測定を行いました。
次は、色域の広さの検証です。
ディスプレイの性能を測定するセンサーを使用して、色域の広さを測定。自然界に存在する物体色の色域に極めて近い超広色域であるBT.2020を基準とし、どのくらいカバーできているかパーセンテージで表しました。
実際に測定した色のカバー率はBT.2020の70.1%と好記録で、4Kモニターとして必要十分な色域の広さでした。ゲームや映画の4K作品を豊かな色合いで楽しめるでしょう。
ただし、比較した多くの商品も同様に色域が広かったため、平均値の約71.5%(※執筆時点)は若干下回っています。
次は、コントラスト比の検証です。
市松模様のようなANSIチェッカー4×4パターンをモニターに表示し、ディスプレイの性能を測定するセンサーを使用して輝度を測定。白と黒の輝度の比率を計算し評価しました。
輝度を測定した結果、画面のメリハリや迫力は控えめでした。コントラスト比は329:1と、公称値の1000:1には届いていません。比較した商品の8割近くの商品が500:1を越しており、なかには3796:1とかなり高いものもあります。「文字がシャープに映り見やすい」との口コミどおりとはいい難い結果です。
ただし、ゲームをする際はコントラストが高いと暗い場所にいる敵が見にくいことも。本商品は、リフレッシュレート60Hz・応答速度4msとゲームモニターとしても十分なスペックがあるため、FPSやTPSゲームなどをプレイしたい人には候補となるでしょう。
最後は、画面調節のしやすさ・インターフェースの充実さ・スタンドの使いやすさの検証です。
画面調整のしやすさは、カラーモードや調整方法をチェック。さらに、接続方法の種類やスタンドの高さ・角度調整の有無を確認し、使いやすさを評価しました。
作業しやすいよう。画面調整しやすい点が高評価に。比較した半数以上の商品が非対応だったピボット機能があり、画面を90度回転させてスマホのように縦長表示ができます。資料を確認するときやWEB回覧するときも、より多くの情報を取り込めて効率的に作業できますよ。在宅ワークで使いたい人にもおすすめです。
カラーモードも7種類と豊富にそろっています。比較したなかには3種類しかない商品もあったのに対し、シーンに合わせて調整しやすいのが利点です。
ただし、操作は直感的とはいえません。「調整ボタンが隠れているので押しづらい」という口コミどおり、比較したタッチパネルやリモコンがあるタイプより操作性は劣りました。
詳細は以下のとおりです。
インターフェースはUSB-typeCに対応し、給電と出力が同時にできる点が高く評価されました。比較したなかでUSB-typeCに対応しているのは、人気の中国メーカー・HUAWEIのMateView 4K+ウルトラHD モニターなど約6割の商品です。ケーブル1本で簡単に接続できるので、初心者でも扱いやすいでしょう。
DisplayPortはないものの、USB-typeCはDisplayPort 1.4でのAltモードに対応。DisplayPort規格による映像出力が可能です。映像出力端子はほかにもHDMIが2口あり、充実しているといえます。
USB-typeCで接続した場合、ハブとして利用できるのもうれしいポイント。2口あるUSB-typeAにマウスやキーボードなどのパソコンの周辺機器を接続すれば、パソコンにも反映されます。利便性がより向上する便利な機能ですよ。
詳細は以下のとおりです。
スタンドは高さ・角度の両方を調整でき、使いやすい仕様でした。比較したHUAWEIのMateView 4K+ウルトラHD モニターは上下しか角度調節できないのに対し、こちらは上下左右4方向に調整できます。自分の好みに合わせやすく、作業効率アップにつながるでしょう。
奥行が約17cmと狭いのもポイント。比較したなかには33cmや28cmなど、かなり奥行きがある商品もありましたが、省スペースに設置できて机の作業スペースを確保しやすいですよ。
色域の広さ | 70.1% |
---|---|
色の正確さ | 3.47dE |
良い
気になる
モニターサイズ | 27インチ |
---|---|
表面処理 | ノングレア |
パネル種類 | IPS |
応答速度. | 4ms |
コントラスト比(メーカー公表値) | 1000:1 |
最大輝度(公称値) | 350cd/m2 |
リフレッシュレート | 60Hz |
インターフェース | HDMI、USB Type-C |
リモコン付き | |
VESAマウント対応 |
※ランキングは、購入時に取得できるポイントを考慮した実質価格で作成しています。
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Dell 4K UHD USB-C モニター S2722QCは、公式サイトで販売されています。販売価格は執筆時点で税込46,799円(※公式サイト参照)です。配送料込みのため、別途費用はかかりません。チャットで購入相談ができるのもうれしいポイント。購入後も初期設定や故障や修理について気軽に相談できますよ。
Amazon・楽天市場・Yahoo!ショッピングなど大手ECサイトでも販売されています。ポイントやキャンペーンを利用してお得に購入できるでしょう。取扱店舗により値段が異なるため、比較してみてくださいね。
最後に、色域が広く色の精度も高かったおすすめの商品をご紹介します。
デザイン制作にも十分な性能を発揮したのは、LenovoのThinkVision P27u-20。超広色域のBT.2020を75.5%カバーしており、色の誤差もほとんど見られませんでした。コントラスト比も928:1と十分です。縦表示ができるピボット機能や、給電・出力が同時にできるType-C接続にも対応しています。
HUAWEIのMateView 4K+ウルトラHD モニターは、高輝度な映像を楽しめる一台。実際にコントラスト比を測定したところ、公表値1200:1を上回る1402:1を記録しました。ほとんどの色が高精度で、色域も超広色域のBT.2020を75.3%カバー。4Kの映像を楽しむのに十分な性能ですよ。
色域の広さ | 75.5% |
---|---|
色の正確さ | 0.95dE |
良い
気になる
モニターサイズ | 27インチ |
---|---|
表面処理 | ノングレア |
パネル種類 | IPS |
応答速度. | 4ms(Extreme mode)/6ms(Typical mode) |
コントラスト比(メーカー公表値) | 1000:1 |
最大輝度(公称値) | 450cd/m2 |
リフレッシュレート | 60Hz |
インターフェース | HDMI×2、DisplayPort、USB 3.2 Gen1 Type-A×3、USB 3.2 Gen1 Type-C×1、USB 3.2 Gen1 Type-B×1、Thunderbolt4 Type-C×2 |
リモコン付き | |
VESAマウント対応 |
レノボ ThinkVision P27u-20をレビュー!クチコミ・評判をもとに徹底検証
色域の広さ | 75.3% |
---|---|
色の正確さ | 1.65dE |
良い
気になる
モニターサイズ | 28.2インチ |
---|---|
表面処理 | ノングレア |
パネル種類 | IPS |
応答速度. | 不明 |
コントラスト比(メーカー公表値) | 1200:1(標準) |
最大輝度(公称値) | 500cd/m2 |
リフレッシュレート | 60Hz |
インターフェース | HDMI、ミニDP、USB Type-C×2、USB Type-A×2、オーディオ端子 |
リモコン付き | |
VESAマウント対応 |
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