SONY Xperia 10 VIを徹底レビュー！実際に使ってわかったメリット・デメリットは？

処理性能は良好で、サイト閲覧やSNSアプリなどはスムーズに使用できます。SoCには高速と謳うSnapdragon 6 Gen 1 Mobile Platformを搭載しているだけあって、ベンチマークスコアを測定した結果は約56万点でした。

比較した前モデルのXperia 10 Vが約44万点だったのに対し、大幅に性能が向上しています。高グラフィックなゲームだとカクつく可能性はありますが、容量の軽いゲームであればサクサク楽しめるレベルです。サイト閲覧や動画視聴などの日常使いには申し分ない処理性能といえます。

熱がこもりにくいのも魅力。15分間スマホに負荷をかけたところ、表面温度は41.6℃でした。比較したなかには43～46℃程度まで上昇したものもあったことをふまえると、発熱しにくいほうといえます。

バッテリー性能は非常に高く、丸1日使えるレベルです。実使用を再現するソフトを使用したところ、バッテリー残量が100%から20%になるまでに20時間かかりました。比較した商品内で20時間を超えたものはほとんどなかったなか、バッテリー持ちは特出しています。

充電の速さも申し分ありません。バッテリー残量0％の状態で30分間充電すると、40％まで回復しました。バッテリーは5,000mAhと大容量でありながら、素早く充電できるのはうれしいですね。スマホをハードに使う人や、充電し忘れることが多い人に適しています。

機能が充実しており、使い勝手も優秀です。eSIMでのデュアルSIMに対応しているので、ビジネスとプライベートで回線を使い分けられます。FeliCa対応でおサイフケータイとして使えるため、キャッシュレス派の人にもぴったり。防水性能はIP68相当と、水深1.5mに30分間沈んでも耐えられるレベルです。

マルチウィンドウ機能がついているのも特徴。動画を見ながらサイト検索したり、ショッピングしながらメッセージをしたりと、2つのアプリを同時に使えます。「手になじみやすい大きさ」との口コミどおり、画面比は21:9の縦長デザインで、幅約6.8cmと持ちやすいサイズといえます。

比較したミドルレンジの半数以上がmicroSD・イヤホンジャックに非対応だったなか、本商品は両方とも対応。有線で音楽を楽しめるうえに、容量を気にせず音楽・写真・アプリデータなどをmicroSDに保存できて便利です。4年間のOSアップデート保証もついているので、長く使えますよ。

画面表示は色鮮やかかつ高解像で、日常使用においてストレスなく使用できます。画面サイズは約6.1インチで、有機ELディスプレイを採用。比較したなかには液晶ディスプレイを使用しているモデルもありましたが、本品は色鮮やかで視認性に優れています。

最大輝度は非公表ですが、解像度は449PPIと高く、細部までくっきりと表示可能。最大リフレッシュレートは60Hzあるため、スクロール中でもなめらかに表示できるでしょう。

動画撮影時の手ブレ補正・解像感に優れているため、思い出を動画で残したい人におすすめです。手ブレ補正がしっかり効いており、なめらかで見やすい映像を撮影できました。

一部モニターからは「上下のブレは若干気になる」と指摘されたものの、前モデルと比較すると手ブレ補正はかなり抑えられており、画面酔いするような激しいブレはありません。激しく動きながら撮影しない限り、見にくさは感じないでしょう。

解像感も高く、建物の輪郭がはっきりしています。遠くの木々などは若干ぼやけましたが、建物の奥行きや植物の立体感などの細部まで描写できました。解像感に不満を感じたモニターは10人中1人のみで、大半が「全体的に解像度が高いと思える映像」などと好印象を抱いており、十分精細な動画といえます。

1. 「ただ歩いているだけの動画にしては上下の揺れがあり、手ブレしているんだなとわかる動画だった。画面酔いするほどではない」
2. 「手ブレ補正がしっかりとしており、最初から最後まで映像に集中できた」
3. 「建物や像や人物などが明確にわかるので、全体的に解像度が高いと思える映像」
4. 「遠くの木々の葉っぱや歩行者などの細部は描写しきれておらず、ベタッと平坦な抽象画のようだった」

コメントは一部抜粋

日中だけでなく、夜間の動画撮影も比較的得意です。発色は色鮮やかすぎず、モニターは「建物も植物も自然な色合いで表現されている」とコメントしました。比較したハイエンドモデルほど高発色ではなく、一部モニターから「遠くの植物の色がべったり均一に見える」「全体的に少し暗い」と指摘されたものの、不自然さを感じるほどではありません。

明暗差のバランスがよく、明るいところと暗いところに極端な差がないのも魅力。イルミネーションの細やかな色まで再現し、夜景の雰囲気を繊細に描写できました。モニターからは、「見ていて目が疲れにくい」との意見もあがっています。

＜発色・明暗差についてのモニターコメント＞

1. 「建物も植物も自然な色合いで表現されている。特に不自然な色味を感じることもなかった」
2. 「全体的に暗く奥の植物がべったり均一に見える。建物は自然できれいに表現されている」
3. 「オフィスを女性が歩くシーンは、ところどころ白飛びしたかと思えば急に暗くなり目がチカチカして疲れた。全体的に暗いので発色機能が機能していない」
4. 「明るさと暗さのバランスがちょうどよく見ていて目が疲れにくい」
5. 「明暗がはっきりとしていて個人的には好み。光も強すぎないので白飛びせず、イルミネーションの細やかな色まで識別できて、夜景の雰囲気が伝わる」

コメントは一部抜粋

1. 「近景のぼかし領域が大げさすぎるようには感じたものの、解像度に鈍さがあるわけではなく、むしろ通常主役として撮るべき物体は細やかに描画できていた」
2. 「食べ物も建物もくっきりと表現できていると思うし、被写体がぼんやりしている感じもなかった」
3. 「全体的にはっきりとボケ感なく撮れている。ズームで見ると木の葉っぱがぼやけるぐらいで許容範囲」
4. 「建物の画像を拡大してもメリハリがある。カステラのキメもドーナツの質感もはっきりしている」
5. 「ドーナツの砂糖の溶け具合まではっきりわかるくらいには解像感が高い」

コメントは一部抜粋

しかし影の部分や、暗い夜空などが黒く写り過ぎる傾向があり、一部にはノイズも発生。モニターからも、「暗い部分はややノイズが強いように感じる」との声が寄せられています。細部の写りにこだわる人には物足りない可能性がありますが、旅行先などでたまに撮影する程度であれば気にならないでしょう。

＜明暗差・ノイズについてのモニターコメント＞

1. 「夜景では明暗が極端で黒潰れ・白飛びが起きており、日中写真はコントラストがかなり控えめ」
2. 「光と影がきちんと表現されていると思う。明るいところは明るく、暗いところは暗く再現されている」
3. 「暗い部分はややノイズが強いように感じる」
4. 「建物の輪郭も空の雲もきちんと表現されており、ノイズはほとんど感じない」

コメントは一部抜粋

ポートレートモードで撮影したところ、ボケ感や人肌の表現に違和感があります。「ボケの処理がかなり下手」「これしか撮れないなら普通モードで撮る」などと厳しい声があがり、ポートレート写真に好印象を抱いたモニターはいませんでした。

背景はモザイクに近いくらいしっかりボケているものの、「ボケすぎて何が背景にあるのかわからない」との意見も多数寄せられました。比較したなかには被写体を目立たせるボケ感のモデルがあったのに対し、本品は被写体の髪がボケたり、手前にある木の葉っぱはボケなかったりとボケ感にムラがあり、処理が甘めです。

一眼レフで撮影したかのようなポートレート撮影には期待できないため、写真撮影にこだわる人には不向きといえます。

＜ボケ感についてのモニターコメント＞

コメントは一部抜粋

1. 「チークや肌の色が無駄に明るく見えて不自然」
2. 「くすみなく明るくは写っているけれど少し赤味感が強すぎるので、もう少し自然に撮れるほうが好み」
3. 「肌の色も唇の色も自然な感じで美しく、健康的に見えた」
4. 「血色がよく生き生きと健康的に見える」
5. 「写真全体の暗さはあるが、肌単体で考えると健康的な美しい肌のように感じる」

コメントは一部抜粋

AI機能はほとんど搭載されていないのも気になるところ。かこって検索・文字起こし機能や、傾き補正と生成・表情補正などの写真編集機能は未搭載です。

比較したなかには外国語での会話をサポートするAI機能を搭載したモデルもありましたが、本品は翻訳電話・翻訳表示・リアルタイム通訳にも非対応。話題のAI機能がどれも使用できないので、最先端の機能を使いこなしたい人には向かないでしょう。

価格が6万円台後半（※2024年8月時点）と、ミドルレンジモデルのなかでは高めな点も、人によってはネックとなるでしょう。比較したミドルレンジクラスの海外製スマホは、ほとんどが3～5万円程度でした。口コミに「スペック相応の値段ではない」とあったとおり、コスパがよいとはいえません。

本商品は国産のSONY製品であり、イヤホンジャック・microSD・マルチウィンドウ対応などの魅力があるものの、コストを抑えたい人にはやや不向きです。