カメラオタクが散々悩み、Xiaomi 14 Ultraをギリギリ買わなかった理由【本音レビュー】
2024年5月に国内販売が発表された最新Androidスマホ、「Xiaomi 14 Ultra」。もはやスマホ付きカメラだと話題のスマホで、約20万円と高価なのにもかかわらず発売初日から売り切れる店舗があったほど高い人気を集めています。
今回、そんなカメラ特化の最新スマホ「Xiaomi 14 Ultra」をマイベストのカメラ担当が本音レビュー。レビューをしながら、このスマホを自腹で買うべきなのかをとことん検討するべく、ほかのハイエンドスマホや一眼とも撮り比べてみました。
カメラが好きすぎてカメラを売る仕事に就き、カメラをテストする身になった人間が、最新スマホ「Xiaomi 14 Ultra」の魅力と、散々悩んだ結果それでも買わないと決めた理由を、実際に撮影した写真を通して解説します。

学生時代から写真撮影が趣味で、写真業界で働きたいと新卒で大手家電量販店に入社。カメラの専門販売員として国内最大級のカメラ売り場にてソニーやキヤノンなど様々なメーカーのデジタル一眼・コンパクトカメラ・双眼鏡・撮影用機材などの販売を取り扱う。カメラのセミナー講師も担当しており、ジンバル・三脚などの動画撮影機材に関する知識・経験も豊富。カメラ専門誌・テレビ番組の出演歴もあり、フォトマスター準1級を保有、カメラ歴は16年。 その後2021年にマイベストへ入社、カメラの専門ガイドのほかスマートウォッチやスマートスピーカーなどのガジェットのガイドも担当しており、「多角的な比較・正しい情報発信」をモットーに商品の比較検証を日々行っている。
約20万円でも売り切れ多発!話題のカメラスマホ、Xiaomi 14 Ultraとは?
最近のスマホの進化はカメラ。SNSの発展とともに誰もが写真を撮ってシェアする時代に突入し、ここ数年のスマホはとにかく写真が綺麗に撮れるかどうかで進化してきました。
そんななかで、カメラにこだわったハイスペックスマホ「Xiaomi 14 Ultra」がXiaomi(シャオミ)から登場。最新ガジェット好きだけでなく、熱狂的なカメラファンも知れば唸るほどのカメラスマホです。
これはさまざまな事情で国内未発売だった同社の最上位モデルで、海外でのレビューが出た途端、そのカメラ性能の高さからガジェット好きのなかで大きな話題に。それがついに国内投入されることとなり、非常に高価ながら発売初日から売り切れが続出するほど人気となりました。

Xiaomiは「東洋のApple」ともいわれた中国のスマホ・総合家電メーカー。ハードウェア販売での利益率を5%以下に抑えると宣言し、高性能ながら低価格な商品を販売しています。
革新的な技術を取り入れたり、ユーザーの声をとても大切にしたりする姿勢も印象的。国内外に熱狂的なファンがいるメーカーですが、かくいう私もスマホ・スマートウォッチなどさまざまな製品を複数台買っているほど好きなメーカーです。
カメラは脅威のLeica4眼+大型センサー!カメラオタクこそ驚くこだわり仕様
メインカメラのセンサーは1インチと非常に大きく、10万円クラスの高級コンパクトデジタルカメラ級。 さらに物理絞りまで内蔵されていて、スマホではなくもはや完全に高級カメラの領域です。
加えて、超広角レンズと2つの望遠レンズも搭載。一般的なスマホの弱点ともいえる望遠レンズが強化されていることも特徴です。
そして、それら4眼すべてがLeicaコラボ仕様。Leicaとは、カメラ業界に燦然と輝く最高級カメラブランドで、カメラファンの憧れ。そのLeicaがチューニングしたレンズが4つもついているのが最大の魅力でしょう。
さらに、国内版にはカメラ愛好家向けのアクセサリー(Photography Kit、2万円相当)が同梱。撮影しやすいグリップ、シャッターボタンなどが搭載されたグリップと専用ケースがセットで、デジタルカメラのように構えて操作できます。装着すると、上の画像のように見た目はほとんどカメラです。

カメラ部分はLeicaと協業し共同開発されたもの。Leicaはドイツの老舗カメラメーカーで、世界中の写真家が憧れるカメラブランドでもあります。
主力カメラであるM型Leicaは1台100万円以上、レンズも高いものでは200万円以上と非常に高価。そんな憧れのブランドのレンズが4つもついているのはインパクトがあります。
なお、日本市場ではLeicaはシャープとすでに協業しており、今までXiaomiは海外で販売できていたLeicaコラボ仕様のスマホを日本で発売できていませんでした。しかし、このXiaomi 14 UltraでついにXiaomiとLeicaのコラボが国内解禁されたのも、今回このスマホが話題となった理由の1つでしょう。
初邂逅で衝撃!欲しすぎて、実機を持ち出し撮ってみた
都内で開催されたXiaomi 14 Ultraの国内発表会に参加した際、実際に撮影を体験できる特別撮影会にも参加しました。
そこで受けたファーストインプレッションはまさに衝撃。上に載せた写真が特別撮影会で撮った1枚ですが、出てきた画もフィーリングも明らかにスマホではなくカメラ。一眼カメラに匹敵する表現力もあり、すぐにこのカメラなのかスマホなのかわからないデバイスが欲しくなりました。
実際に撮ってみるまでは所詮スマホの域を出ないだろうとどこか冷めていたのですが、すぐにこの機種を買うべきなのか真剣に検討し始めていました。今回、撮った写真と感じたこと、そのうえで買わないと決めた理由を正直にレビューします。

iPhone 3Gが日本に上陸してから16年間ずっとスマホカメラの進化を追ってきましたが、今までのスマホとは完全に別次元な写りで衝撃を受けました。
【フィールドテスト】色味・階調が別次元。玄人でも大満足の撮って出し品質
- 撮影モード:写真
- フォトスタイル:Leica オーセンティック
外へ持ち出して撮影してみました。撮って出し(撮影後のレタッチなし)でいきなりこの雰囲気のある画が出てくることが衝撃です。
色使い・グラデーション・雰囲気すべて、今までのスマホの画質とは完全に別物。とくに、細かな色の違いがしっかり表現されている点はまるで一眼で撮ったようです。プロカメラマンに見せても、スマホで撮ったのを疑っていたくらいに本格的な写りでした。
ちゃんとしたカメラ並みに階調豊かで、繊細な色表現ができている
- 撮影モード:写真
- フォトスタイル:Leica オーセンティック
ほかのスマホで撮ると味気ない記録写真にしかならないような場面でも、Xiaomi 14 Ultraで撮るだけで作品のような雰囲気に。これは、一眼や高級デジカメのように色の階調が豊かであることに由来し、被写体の色が繊細かつ自然に表現できるからでしょう。
大型の1インチセンサー・Leica監修のレンズ・画像処理それぞれが噛み合った結果の仕上がりだと思いますが、撮れる写真がすごく印象的。仕上がりがよいから撮っていて楽しく、楽しいからまたシャッターを切っている、そういう体験ができるカメラです。

iPhoneやほかのAndroidスマホでも、撮影した写真を後で編集すれば発色を好みのものへ近づけることはできます。しかし、どうやっても一眼で撮った写真の色の深さ・細かさには届かないのが普通でした。
Xiaomi 14 Ultraで撮った写真は明らかにほかのスマホで撮ったものと異なり、階調が豊かで一眼カメラの写真に近い印象。一眼の画質に慣れた人ほど驚くと思います。
なお、写真の色・雰囲気を変えるフォトスタイルという設定があり、それを変えるだけでも楽しく撮影できました。個人的には、ビビッドな雰囲気のLeica バイブラントではなく、Leicaらしい雰囲気がよく出ていたLeica オーセンティックのほうが好みです。
ポートレートモードが超優秀。レンズのボケ味・クセまで再現!
- 撮影モード:ポートレートモード・マスターレンズシステム使用(50mm F0.95相当)
- フォトスタイル:Leica ポートレート
スマホと一眼カメラの最も大きな違いは、ボケによる奥行き・表現力の違いです。このボケ表現こそ本格的なカメラらしさであり、よいカメラを買う人の購入動機ともなっています。
スマホは以前から、このボケ表現をソフトウェア処理で再現しようと工夫していましたが、レンズによる光学的なボケ表現が楽しめる一眼カメラとは違い、どことなく不自然さがありました。しかし、このXiaomi 14 Ultraはカメラ沼に沈んだ自分が見ても「一眼っぽい」写り。
細部まで注視し粗探しをしない限り、スマホで撮ったとわからないレベルです。
ほかのスマホで「使えない」となった人にこそ使ってほしい、圧倒的な「一眼っぽさ」
- 撮影モード:ポートレートモード・マスターレンズシステム使用(50mm F0.95相当)
- フォトスタイル:Leica ポートレート
ポートレートモードといいつつ、ポートレート(人物画)でしか使えないわけではありません。上記のように、人の顔が写っていない状態でも有効で、一眼のボケ表現が自由自在に使えます。
上の写真のように、写り込む要素が多くほかのスマホでは不自然なボケが生まれる状況でも、まるで一眼で撮ったかのような光学的に自然なボケが生まれました。
仕上がりはまさにLeicaのレンズで撮っているよう。気づくと、ずっとポートレートモードで撮っていたほど楽しい撮影ができました。過去のスマホではあり得なかったことです。

ポートレートモードのなかにある、マスターレンズシステムがとくに楽しくておすすめ。Leicaの伝説的なレンズ描写を再現したモードで、4種類のレンズをワンタップで交換する感覚で撮影できます。
35mm F1.4・50mm F0.95・75mm F1.25・90mm F2.3のレンズを再現しているようで、ズミルックス・ノクティルックス・タンバールが再現元のよう。元になったであろうレンズは合計約600万円するので、擬似的な再現だとしても600万円分がスマホ1台にまとまっているのはカメラオタクに刺さります。
人以外もほぼ完璧。だからこそ、ミスったときの「アレ?」が際立った
- 撮影モード:ポートレートモード・マスターレンズシステム使用(35mm F1.4相当)
- フォトスタイル:Leica オーセンティック
人ですらない被写体でもポートレートモードがしっかりと動き、発色・ボケ・描写どれをとってもいよいよ本当に一眼の感覚です。
今までのスマホではポートレートモードが絶対に失敗し、不自然な写りになってしまうであろう植物の撮影ですら、違和感なくきれいに撮れるのは驚愕の一言に尽きます。
- 撮影モード:ポートレートモード・マスターレンズシステム使用(75mm F1.25相当)
- フォトスタイル:Leica ポートレート
しかし、優秀なポートレートモードも完璧ではありませんでした。ほかのスマホと同様、被写体の輪郭とボケの境目が不自然なケースや、被写体の一部がボケに同化するケースがありました。
あくまでもXiaomi 14 Ultraはスマホであり、失敗することもあるのは当然です。しかし、あまりにも描写が一眼すぎて、撮っているうちにどんどんと期待が高まり、一眼と同じ描写力を持つカメラだと錯覚してきます。
一眼と同じレベルを期待してしまうからこそ、失敗した部分を見つけるとかなりがっかりしてしまいました。

さらに細かいことをいうと、ポートレートモード・マスターレンズシステム使用時にシャッタースピードを変えられないのも地味に気になる点です。
上に載せたカフェでの写真では、バリスタがコーヒーを入れているシーンを撮りましたが、ケトルがブレているショットがいくつかありました。一眼であればボカしつつケトルを持つ手を止めるようにシャッタースピードを調整すれば解決しますが、Xiaomi 14 Ultraではできません。
フィーリングや出てくる画が一眼なのに細かな使い勝手は一眼と異なるのは、一眼ユーザーなら地味に気になるはずです。
なお、ポートレートモードではなくプロモードでは、シャッタースピードやISO感度、絞り値も変えられました。
【ラボテスト】人気のカメラスマホ2台・愛機の一眼と画質をガチ比較
撮ってみると、スマホとは思えないほどの画質・表現力のXiaomi 14 Ultra。フィールドテストだけでなく、カメラ性能が高いといわれる人気スマホやデジタル一眼と同条件で撮影比較をして、横並びで実力を比べてみました。
【検証①】対スマホ:バランスのとれた彩度と色調。万人受けする美しさ
- 左:iPhone 15 Pro
- 中央:Xiaomi 14 Ultra
- 右:SAMSUNG Galaxy S23 Ultra
- 撮影条件:純正カメラアプリを使用し、三脚に固定したうえでオートモードで撮影
マイベストで用いている、画質比較の手法を使って比較してみました。
iPhone 15 Proは被写体の色に忠実ですが、それゆえに発色が地味な印象があります。Galaxy S23 Ultraは派手な色味で見栄えがよいものの、派手すぎて赤色やピンク色の階調が失われている印象を受けました。
それらに対し、Xiaomi 14 Ultraはちょうど中間。鮮やかですが派手すぎない、絶妙かつ心地よい色味です。非常に見栄えがよく、無編集でもまったく不満のない色合いでした。

マイベストでは、さまざまな属性のモニターがカメラの画質を評価していますが、鮮やかながら派手すぎない発色がどんな人にも好まれる傾向にあります。
Xiaomi 14 Ultraはまさにそのような感じの、ちょうどよく鮮やかな万人受けする発色でした。
【検証②】対一眼:「ボケ感」は一眼以上も可能!しかし解像力は一歩及ばず
- 左:Xiaomi 14 Ultra(ポートレートモード・50mm F0.95相当で撮影)
- 右:SIGMA fpにLUMIX S 50/1.8を装着(F1.8で撮影)
自分の愛機であるフルサイズミラーレス一眼「SIGMA fp」(本体約20万円)とも比較しました。一眼と比べても、鮮やかながら不自然でない美しい発色です。上の写真はポートレートモードをフル活用しましたが、一眼超えの大きなボケ表現すらも可能でした。
拡大比較で差が明確に。でも、普通の人なら気にしなくてもよさそう
- 左:Xiaomi 14 Ultra(ポートレートモード・50mm F0.95相当で撮影)
- 右:SIGMA fp, LUMIX S 50/1.8(F1.8で撮影)
もちろん、細かなところを見ると一眼のほうが優れている部分もあります。切り株のディテールですが、拡大すると一眼で撮影したほうが細部までしっかりと写っているのがわかります。
この作例以外でも同じ傾向が見られ、流石に一眼の解像力には敵わない様子でした。拡大しなければ気にならないレベルだと思いますが、一眼のような写りをするからこそ細部までしっかり写っていてほしいと思います。
しかし、それはあくまでカメラ沼に浸かりきった人間の視点での話。撮った写真をSNSに投稿するのであれば、大きく拡大することは稀でしょうから、気にしなくて問題ないでしょう。

今回、Xiaomi 14 Ultraのマスターレンズシステムが再現したであろうレンズ(Leica NOCTILUX-M F0.95/50mm ASPH.)の特性を考えると、絞り値F0.95相当でLUMIX S 50/1.8の解像力を超えるほうがかえって不自然。
レンズの描写に忠実ともいえますし、そもそも細かい点は気にせずLeicaのレンズ描写を楽しむのが、Xiaomi 14 Ultraの正しい楽しみ方にも思えます。
【カメラ以外】防水・防塵までしっかり。物足りないのはおサイフくらい?
カメラ部分以外の話も。カメラに特化したスマホですが、カメラだけがすごいのではありません。Xiaomiの最上位スマホとして、すべての性能が最上位級です。
まずは防水・防塵性能。海外メーカーのハイエンドモデルは一部を除き防水ではないものが多い傾向が見られましたが、Xiaomi 14 Ultraの防水・防塵等級は最高のIP68。水没しても問題ない性能で、撮影中に突然雨が降っても大丈夫でしょう。
さらに、33分でフル充電できる90Wの超高速充電やDolby Atmos対応のスピーカーも搭載。高性能を謳いつつ細部の詰めが甘い準ハイエンド機とは一線を画す性能で、カメラ以外のスペックも妥協がありません。
処理性能は現状最強レベル。重たい3Dゲームも余裕
もちろん、スマホの基本中の基本である処理性能もトップクラスです。
CPUは、2024年6月現在で最上位のSnapdragon 8 Gen 3を搭載。処理性能を数値化するAntutuベンチマークではスコア200万点を超えており、現状最高峰クラス。原神をはじめとする非常に重い3Dゲームも難なくプレイできます。

RAMに至っては脅威の16GB。Androidスマホのなかでも間違いなくトップの超大容量です。
おサイフケータイには非対応なのは欠点
唯一、FeliCa非搭載でSuicaやiDなどの、いわゆるおサイフケータイに非対応なのは欠点。ただし、NFCは搭載しているためVISA・Mastercardのタッチ決済には対応していますし、PayPayや楽天Payなどのバーコード決済ももちろん可能です。

Suicaが使えない点は正直不便ですよね。そんな人には、Xiaomi 14 Ultraと組み合わせて、Google Pixel WatchやSAMSUNG Galaxy WatchなどのSuica対応スマートウォッチを使うという手もありますよ。
なお、私のように、iPhoneとAndroidどちらも使う人なら気にならないでしょう。
【価格】値段は約20万円。高いと思うが、冷静になると実は格安
今までのスマホとはまったく別物な描写力を誇るXiaomi 14 Ultra。撮る体験そのものが楽しく、カメラオタクも楽しめる唯一無二の撮影体験ができるハイスペスマホです。
すごく魅力的なスマホですが、やはり気がかりなのはその価格。Xiaomi 14 Ultraは、Xiaomi公式サイトや各ECサイトで199,900円で販売されています。スマホとして見てもカメラとして見ても高価な端末に思えますが、よく考えるとむしろ安いことに気づきました。
人気の高級コンデジ2機種とのスペック比較
まず、Xiaomi 14 Ultraのカメラに注目したうえで、高級コンデジと価格を比べます。Xiaomi 14 Ultraのメインカメラは、1インチサイズのイメージセンサーを搭載。同じサイズのセンサーを搭載した高級コンデジの価格は8〜20万円程度です。
高級コンデジのなかにXiaomi 14 Ultraのように超広角から望遠までカバーしたモデルはありません。最も近いスペックのもの(SONY Cyber-Shot RX100VII)は約19万円するため、カメラ部分だけで比べても意外と高価ではないことがわかります。
高性能な人気スマホとのスペック比較
スマホとしてのスペックを見ると、Androidのハイエンド端末であるGalaxy S24 Ultraの同じ512GBモデルは204,100円とやや高価です。iOSのハイエンド機種、iPhone 15 Pro Max 512GBの値段は219,800円なので、むしろXiaomi 14 Ultraはカメラ以外を見ても安いといえます。
このように見ると、すべてにおいて妥協がない性能なのに約20万円は格安でしょう。
【結論】何でもできる万能機だからこそ、自分の環境に合わなかった
以上をふまえると、ライバルとなる高級コンデジ・ハイスペックスマホよりもコスパはよく、実際に撮影するとカメラの画質はコンデジよりよく、何ならさらに上の一眼のよう。非常に満足度は高いもので、強くおすすめできます。
しかし、自分が買うのかというとノー。それは、現状自分の機材群のなかに入り込む余地がないと気づいたからでした。
スペックもよく撮っていて楽しいが、今の機材群に入る余地がなかった
改めて、Xiaomi 14 Ultraのよい点と気になる点を整理します。
- よい点
- 高級コンデジ並みの画質、表現力は何なら一眼並み
- 撮っていてとにかく楽しい、スマホ史上最高のポートレートモード
- 処理性能はスマホトップ級
- 価格はむしろ安い
- 気になる点
- ポートレートモードは一眼と錯覚するレベルだが、完璧ではない
- 一眼並みの表現力だが、一眼並みの画質・操作性ではない
- おサイフケータイ非搭載
Xiaomi 14 Ultraのカメラは一眼に近い表現ができて満足度は高いものの、一眼とは違う不自然な写りをする場合もあるのは気になる点。一眼とまったく同じ写りをしないなら、自分にとっては一眼の代わりにならないため、スマホとしての役割を期待することになります。
自分のスマホ事情はiPhoneとAndroidの2台持ち。メインのスマホはiPhone 15 Plusで、サブはフォルダブル(折りたたみ)スマホのmotorola razr 40 ultra。OSの関係で置き換えるならrazr 40 ultraですが、Xiaomi 14 Ultraとはキャラクターが異なりすぎて代替になりません。
razr 40 ultraは自撮り時にメインカメラが使え、本体を開かなくても写りがわかるフロントディスプレイつき。これを買ってから、家族や友人との記念撮影の回数がとても増えました。自分のライフログを写真で残すのに適したrazr 40 ultraは、今や手放せません。
一眼・iPhone 15 Plus・razr 40 ultra・Xiaomi 14 Ultraのなかから1機種だけ選びほかは捨てろという条件であれば、何でもある程度こなせて、テストでどの教科も70〜80点を取る優等生のようなXiaomi 14 Ultraがベスト。
しかし、自分の機材群は、特定の教科に限って確実に満点を叩き出す特化型ばかりで構成されています。
カメラに関してはXiaomi 14 Ultraより一眼が画質的に有利であり、写真を撮るなら普段持ち歩いている一眼がベター。カメラ以外に注目すると、OSの異なるiPhoneはもちろんrazr 40 ultraを置き換えられるほど特徴的でもありません。
何でもこなせるデバイスとして完成度が高いXiaomi 14 Ultraが魅力的なのはわかっているものの、チームとして一切の隙がないようにしていた自分の機材群に入り込む余地はありませんでした。
- 結局、誰が買うべき?
- 惰性でiPhone Pro MaxシリーズやGalaxy S Ultraシリーズを買っていて、もうちょっとカメラにこだわりたいなと思う人
- SNS映えする写真を手軽に撮りたいものの、一眼やコンデジを買うほど強いこだわりは持っていない人
- 一眼を買ったはいいけど面倒で持ち出さなくなり、でも一眼っぽい写りは忘れられないわがままタイプな人
- 買わなくてよい人は?
- 20万円あったらレンズやカメラが買える!と真っ先に考える人
ただ、自分の手持ちのデバイスが特殊であることは確かで、同じ環境の人は少ないでしょう。スマホを1台しか使っていない人やカメラの画質がよいスマホがほしい人、またはiPhoneにこだわりがない人にとってはベストなスマホであると確信しています。
一眼で撮る楽しみを、誰でも簡単に小さなデバイスで体験できる。そんなスマホに興味があるならとてもおすすめです。
一方で、自分のように妙なこだわりがある人は、Xiaomi 14 Ultraが活躍する場所があるのかを一度考えるのが吉でしょう。20万円あれば、結構よいレンズが買えますよ。Leicaは厳しいですが。
(執筆/マイべマガジン編集部・穐田純也)
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