引っ越し時のWi-Fiの手続き方法は？手順と費用を解説

現在Wi-Fiを利用していない場合や、引っ越し先にWi-Fi環境が整っていない場合は、回線事業者やプロバイダとの新規契約が必要です。ここでは例として、ドコモ光でWi-Fiを新規契約する際の流れを紹介します。

まずは電話・オンライン・店舗などで新規契約の申込みをしましょう。申込み後、開通の案内やプロバイダのID・パスワードなどに関する書類が送付されます。次に光回線の開通工事が実施され、最後にルーターやパソコン側の設定をすればWi-Fiの利用が可能です。

新規契約をする際、回線事業者とプロバイダが一体型のプランを選択すると、別々で契約する手間がありません。携帯電話とのセット割などで月額料金が安くなる料金プランもあるため、気になる人は調べてみるとよいでしょう。

以下の記事ではおすすめの光回線を徹底比較しているので、新規契約先を探している人はぜひ参考にしてみてください。

契約中のWi-Fiを引っ越し先でも利用する場合は、契約内容を変更するための移転手続きが必要です。回線事業者とプロバイダをセットで契約しているか、別々に契約しているかによって手続きの流れが異なります。

セット契約の場合は、基本的にプロバイダのみで移転手続きが可能です。ここでは、SoftBank 光を例に移転手続きの流れを紹介します。まずは事前準備として、引っ越し先の住所、工事立会人の連絡先、引っ越し予定日などの情報を整理しておきましょう。

移転手続きの申込み後に工事の日程調整が行われ、後日に光回線の撤去・開通工事が実施されます。工事の際は立ち会いを求められる場合があるため、事前に回線事業者に確認しておきましょう。開通工事後にルーターやパソコンの設定を行えば、Wi-Fiを利用できます。

回線事業者とプロバイダを別々に契約している場合は、回線事業者→プロバイダの順番で移転手続きを行いましょう。その際、プロバイダが引っ越し先のエリアに対応しているのか、同じプランで契約できるのかなどを確認してください。

場合によってはレンタル機器の返却や撤去・開通工事が必要なため、あわせて問い合わせておくことが大切です。

引っ越しを機にWi-Fiを乗り換えるなら、現在の契約を解約してから乗り換え先で新規契約する必要があります。まずは現在の契約先に問い合わせて、解約金や機器返却の有無などを確認しましょう。解約のタイミングによっては、解約金が発生しないこともあります。

次に、契約中の回線事業者やプロバイダに解約の旨を伝えてください。回線事業者とプロバイダをセットで契約している場合は、プロバイダでの手続きのみで両方を解約できることがほとんどです。別々に契約している場合は、回線事業者の解約後にプロバイダを解約しましょう。

その後、新規契約したい回線事業者やプロバイダに申し込みます。引っ越し先にWi-Fi環境が整っていない場合は、申込み後に工事日の調整と開通工事が必要です。開通工事が完了したら、ルーターやパソコンなどの設定を行いましょう。

プロバイダのメールアドレスを利用している場合、解約すると使えなくなる可能性がある点には注意。重要なメールや残しておきたい情報があれば、事前に保存しておきましょう。プロバイダによってはメールアドレスのみを継続利用できるプランがあるため、確認しておくのがおすすめです。

引っ越し先にWi-Fi環境が整っていない場合や、希望の回線が通っていない場合は開通工事が必要です。開通工事には屋外工事と屋内工事の2種類があります。屋外工事は電線から建物へ回線をつなぐための工事、屋内工事は部屋まで回線を通すための工事です。

屋内工事が発生する場合は、契約者や代理人が工事に立ち会わなければいけません。屋内工事では事業者から派遣された作業員が室内で作業することから、窃盗などのトラブル防止を目的として立ち会いが求められます。

なお、物件によっては開通工事ができない可能性がある点にも注意が必要です。特に引っ越し先が集合住宅の場合は、開通工事が可能なのかを管理会社や大家さんに確認してください。開通工事が不可能であれば、工事不要のホームルーターやモバイルWi-Fiルーターを検討する必要があるでしょう。

引っ越し先によっては、Wi-Fiの通信速度が今までよりも遅くなるケースがあります。なぜならWi-Fiは、利用環境によって通信状態が左右されやすいためです。例えば集合住宅では、近隣住民のWi-Fiルーターの電波によって電波干渉が起こり、通信速度が低下することがあります。

建物に引かれている光回線を各部屋で共有している場合、同時に複数人が通信することで速度が低下するケースも珍しくありません。ほかにも、Wi-Fiルーターの近くに金属・コンクリート・土壁・木材・水場などがあると、通信速度が遅くなる場合があります。

Wi-Fiの通信速度が遅いと感じた場合は、通信が混雑する時間帯を避ける、Wi-Fiルーターを電波干渉が起こりにくい場所に移動させるなどが得策です。それでも速度の低下が続く場合は、別の回線事業者への乗り換えを検討するのもよいでしょう。

以下の記事では通信速度のトラブルの原因と対処法を紹介しているため、引っ越し先での通信速度が心配な人は予備知識として参考にしてください。

回線事業者やプロバイダでは、サービスを提供するエリアが決まっており、引っ越し先が事業者の対応エリア外に含まれる場合は、その事業者のサービスを利用できません。

例えばフレッツ光の場合、西日本と東日本では申し込めるプランが異なります。西日本から東日本、または東日本から西日本に引っ越してフレッツ光を継続利用する場合は、一方を解約してから引っ越し先の地域でフレッツ光を新規契約しなければいけません。

回線事業者やプロバイダが引っ越し先のエリアに対応しているかは、公式サイトやカスタマーサポートで確認できます。エリア非対応の場合は新たに事業者を探す手間と時間がかかるため、対応エリアを早めにチェックしておくとよいでしょう。

回線事業者やプロバイダへの申込みは、引っ越しの1～2か月前に済ませておくことが大切です。早めに申し込まないと手続きが間に合わず、引っ越し後しばらくの間はWi-Fiを利用できない可能性があります。

特に開通工事が必要な場合は、早めに工事日を予約しておきましょう。申込みから開通工事までの期間は、通常時であれば約1か月以内に完了することがほとんどです。しかし開通工事が混み合う引っ越しシーズンなどに申し込むと、状況によっては1か月以上かかる可能性があります。

引っ越し当日からWi-Fiを使いたいのであれば、余裕を持って回線業者やプロバイダへの申込みを済ませておきましょう。

更新月以外のタイミングで回線事業者やプロバイダを解約すると、解約金が発生します。更新月とは、回線事業者やプロバイダが定める解約金が発生しない期間のこと。例えばドコモ光の更新月は、申込み月から数えて24〜26か月目の3か月間です。

解約金の金額は事業者によって異なります。例として、ドコモ光の解約金は戸建てタイプで5,500円、マンションタイプで4,180円。SoftBank 光の場合は2年自動更新のファミリープランで5,720円、マンションプランで4,180円です。

いずれも2022年7月1日以降に契約した場合の税込料金

回線事業者やプロバイダによっては、新規契約者向けに解約金の負担をカバーするキャンペーンを実施していることがあります。大手3社のキャンペーンの例を見てみましょう。

• ドコモ光：10,000ポイント分のdポイントが付与される
• SoftBank 光：最大10万円までの違約金や撤去工事費が還元される
• auひかり：解約金相当額が最大30,000円まで還元される

キャンペーン内容や実施期間、適用条件などは時期によって変わる可能性があります。解約金の負担を軽減したい場合は、乗り換え先のキャンペーンの情報をチェックしておくのがおすすめです。

引っ越し先で回線を開通させる場合は、開通工事費が発生します。開通工事費は回線事業者によって異なるため、事前に確認しておきましょう。

例えばドコモ光に新規申込みする場合、開通工事費は戸建てが19,800円、マンションが16,500円です。auひかりの場合は、auひかりホームで41,250円、auひかりマンションで33,000円の開通工事費がかかります。

すべて税込

回線事業者によっては、開通工事費の割引が受けられることも。例えばドコモ光では、「ドコモ光1ギガ」「ドコモ光10ギガ」を新規契約して7か月以内に利用を開始すると、開通工事費が無料です。

SoftBank 光では新規契約時に条件を満たすと、工事費相当分の最大26,400円が月額基本料金から割引されます。キャンペーンの内容や割引額、適用条件などは回線事業者によって異なるため、新規契約先を検討する際は詳細な条件を確認してみてください。

回線事業者や大家さんなどに撤去を求められた際は、回線の撤去工事費が発生します。撤去工事の有無は契約書で確認可能です。回線事業者や賃貸の契約書に撤去が必要と書かれている場合は、原状回復のために撤去工事をしなければいけません。

場合によっては撤去工事が不要なケースもあるため、契約書を見ても判断できないときは事業者や大家さんに問い合わせましょう。

撤去工事の費用は業者によって差があります。例えばドコモ光は原則無料ですが、auひかりでは31,680円（税込み）の支払いが必要です（※）。

2022年7月1日以降に「auひかりホーム」を申し込み、撤去を希望する場合

なお、撤去工事の際に壁の穴を塞ぐ作業や壁紙の修復が必要な場合は、別途費用が発生する可能性があるので注意しましょう。

Wi-Fiを新規契約する際は事務手数料が発生します。事務手数料は各社で同じ金額が設定されているケースがほとんどです。例えばドコモ光・SoftBank 光・auひかり・UQ WiMAXでは、事務手数料として3,300円（税込）がかかります。

場合によって事務手数料がかからないケースもあるため、公式サイトをチェックしておくとよいでしょう。例としてSoftBank 光では、申し込む際にAmazonでエントリーパッケージを購入しておくと、事務手数料が無料になるキャンペーンを行っています。

新規契約時の事務手数料の支払いを避けたい場合は、キャンペーンの有無、実施期間、適用条件などを事業者の公式サイトで確認してみてください。

スマホのテザリングを利用すれば、回線工事が間に合わない場合でもインターネットに接続できます。テザリングとは、スマホを親機として利用し、パソコンやタブレットなどのデバイスをインターネットに接続することです。

Wi-Fi環境がなくても手軽に通信ができるため、開通工事が遅れた場合の対処法として有効といえます。スマホのテザリングを利用したい場合は、事前の申込みが必要かどうかを携帯電話会社に確認しておきましょう。

なお、契約プランの通信容量によっては通信速度が遅くなったり、接続が不安定になりやすかったりする点に注意が必要です。以下記事ではデザリングのメリットや接続方法などを解説しているので、ぜひ参考にしてください。

モバイルWi-Fiルーターを活用すれば、開通工事などの手間なくインターネットに接続できます。一時的なレンタルもできるので、開通工事が終わるまでのつなぎとしても便利に使えるでしょう。

モバイルWi-Fiルーターは、テザリングよりも高速な通信が可能とされています。テザリングの通信速度は平均10Mbpsであるのに対し、モバイルWi-Fiルーターの平均速度は約33Mbpsと高速です。容量無制限のプランであれば、通信容量を気にする心配もありません。

Wi-Fiやインターネット環境が整っている物件の場合は、引越し当日からWi-Fiが利用できます。引っ越し先の物件にWi-Fi環境が整っていれば、自分で回線やモバイルWi-Fiの契約・開通工事をする必要がありません。

ただしインターネット完備の物件が有線LAN接続の場合は、Wi-Fiルーターを用意しなければいけない点に注意が必要です。事前に引っ越し先のWi-Fi環境を確認しておきましょう。

また、集合住宅の場合は通信速度も懸念されます。集合住宅では1つの回線を多くの人で共有しており、Wi-Fiルーターの数が多くなりやすいことから、回線が混線して通信速度が遅くなる可能性があることを覚えておいてください。

無料Wi-Fiを完備している物件の場合、セキュリティにも気を付ける必要があります。契約している回線によってセキュリティの安全性が異なるため、Wi-Fiのパスワードを複雑なものに変更する、セキュリティソフトを導入するなどの対策を検討しましょう。