ソニー ステレオICレコーダー ICD-TX660をレビュー！クチコミ・評判をもとに徹底検証

検証の結果、会議室程度の広さでの使用に向いていることがわかりました。クリアな音質ではあるものの、20mほど距離が離れる広めのフロアだと、音が遠く聞こえてしまいます。

一方で、会議室での使用は録音距離にかかわらずはっきりと聞こえました。会議や商談時など、比較的近距離のシーンをメインとするのがおすすめです。

【検証結果】

• 小会議室で60dB程度の話し声を録音（録音距離3m）：問題なく聞こえる
• 小会議室で60dB程度の話し声を録音（録音距離5m）：はっきり聞こえる（やや割れ気味）
• 大会議室で70dB程度の話し声を録音（録音距離10m）：問題なく聞こえる
• セミナー等を想定し、フロアで90dB程度の話し声を録音（録音距離20m）：音質はよいが、音が小さくやや聞こえづらい

次に、音質についてモニター評価を行いました。テーブルの上に置いて録音すれば、声はかなりクリアに聞こえます。ポケットに入れた場合も、若干こもってしまうものの聞き取りは容易でした。

残念だったのは、雑音の量。検証に参加したモニターからは、「かなり雑音を拾っている」「音を拾いすぎている」という意見が大半を占めました。テーブル上・ポケット内ともに、小さな音もしっかり集音してしまうため、雑音を邪魔に感じてしまいます。

ノイズを抑えて録音する録音フィルターや、感度調整で背景ノイズを低減する「おまかせボイス」の設定を変えてみるのがおすすめです。

しかしその分、再生機能の充実度は見事でした。検証項目とした、変速再生機能・リピート再生機能・秒数送り／戻しはすべて搭載。そのほかにも、以下のとおりたくさんの機能を備えています。

聞き取りにくいと感じたら、再生機能も活用してみましょう。議事録で書き起こすときにも役立つちますよ。

【再生機能一例】

• タイムジャンプ：録音ファイルを10分割し、10％ごとに送り／戻し
• トラックマーク：1ファイルに最大98個設定。自動トラックマークも可能
• クリアボイス：音声以外の周辺ノイズを低減・声の大小を自動調整
• 小型スピーカー：内臓スピーカーで再生可能
• DPC（速度調節）機能：再生速度を0.25倍速～3.00倍速間で調節
• イージーサーチ：一定秒数の早送り／早戻しができる
• A-Bリピート：任意の区間をリピート再生

説明書を読まない状態でも、直感的に操作ができました。音声データの消去はやや手間取った人がいたものの、録音・再生の操作性はモニター全員が満足できるレベルです。

注目したいのは、本体電源がOFFの状態でもすぐに録音がスタートできる「ワンプッシュ録音」。急な録音機会を逃すことなく記録できます。

音声データはパソコンやSDカードにデータ移行が可能です。本体でのカレンダーサーチ機能も搭載されており、日付から目的のファイルを検索できます。

もちろん、ファイル分割・フォルダ名変更も可能。日付からしか探せない商品が多いなか、目当てのファイルを見つけやすい工夫が施されていました。

より詳細にデータを編集したいなら、「Sound Organizer2」の利用がおすすめ（Macは非対応）。ファイルを一覧表示でき、フォルダ分け・検索・並び替え・ファイル名変更も簡単にできます。

さまざまなコンテンツをまとめて管理できるのもポイント。複数のICレコーダーを管理したり、音楽やポッドキャストをICレコーダーに転送したりすることもできます。

ノイズ低減やファイル分割、録音データからCDを作ることも可能です。別売りの音声認識・入力ソフト「ドラゴンスピーチ11」と連携すれば、ファイルの文字変換もできるので、さまざまな用途に活用できますよ。