TASCAM ワイドFMチューナー搭載 ボイスレコーダーVR-03-Pをレビュー！クチコミ・評判をもとに徹底検証

録音可能な範囲は、今回検証したほかの商品と比べるとやや狭め。小会議室内での録音は問題なく行えましたが、10mを超えると少々聞き取りにくく感じました。

大きなフロアではさらに音が小さいため、セミナーなどの大規模な会場にはやや不向きな印象です。自宅学習や小さな部屋であれば、復習や議事録作成も不自由なく行えるでしょう。

＜検証結果＞

• 小会議室で60dB程度の話し声を録音（録音距離3m）：音がきれいで問題なく聞こえる
• 小会議室で60dB程度の話し声を録音（録音距離5m）：音がきれいで問題なく聞こえる
• 大会議室で70dB程度の話し声を録音（録音距離10m）：音は小さいが聞き取れる
• セミナー等を想定し、フロアで90dB程度の話し声を録音（録音距離20m）：音が小さく聞き取りにくい

60dB：博物館内ほどの騒音値、70dB：新幹線の車内ほどの騒音値、90dB：パチンコ店内ほどの騒音値（環境省のサイトを参照）

一方で、音質自体は悪くありません。音量は小さいものの、こもりが少なく比較的クリアに聞こえました。胸ポケットから出し入れする際のノイズもほかの商品より少なく、「雑音はそれほど気にならなかった」と全員が回答しています。

ただしテーブルの上では、タイピング音や紙をめくる音を大きく拾ってしまうのがネック。こもりはなかったものの、「声と同じくらい雑音を拾う」「ノイズがあって聞き取りにくい」などの意見が多めでした。

音声のクオリティは悪くないので、ノイズが気にならない人に向いているといえます。

聞き取りにくいと感じた場合は、リピート再生や速度調整機能を活用するのがおすすめです。

リピート再生はiPhoneのボイスメモにもなく、語学学習などにも便利な機能。速度調整は16段階から選べるので、聞きにくい箇所の書き起こし作業もより効率的に行えるでしょう。

録音・再生方法はとてもシンプルで、直感的な操作が可能です。とくに、電源オフの状態でも、側面のスイッチをスライドするだけで録音が始まる点が好評でした。

再生方法は、データの保存先を表示させて再生ボタンを押すだけ。データ・フォルダの消去方法も同様に、保存先まで移動して削除したい箇所を選びます。

またフォルダは4つ用意されており、データをざっくりまとめることが可能です。録音中の誤動作を防ぐキーロック機能や、録音ファイルを30分・60分に自動分割する機能も搭載されていました。

データ管理については、USB接続によりパソコンに転送できるのがメリット。VR-03をストレージとして、ファイル操作や共有が行えます。

SDカードが非対応なのは惜しいところですが、内蔵メモリは8Gと比較的大きめ。定期的にパソコンに移行すれば、容量不足の心配も少ないでしょう。